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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #31

専用線によるインターネット接続(LAN側グローバル。IPフィルター)


専用線を使ってインターネットサービスプロバイダー(ISP)にLAN型で接続します。この例では、NATを使用せず、LAN側端末にグローバルアドレスを直接割り当てます。また、IPトラフィックフィルターを使ってアクセス制限を行います。

専用線接続では、ISPからいくつか(8個、16個など)固定的にIPアドレスを割り当てられ、ユーザーのLANをISPのネットワークに直接接続する形になります。

表 1:ISPから提供された情報
WAN側インターフェース Unnumbered
使用できるIPアドレス 4.4.4.0/28(4.4.4.0〜4.4.4.15)


ルーターには、次のような方針で設定を行います。


Note - この例は説明のための簡単な設定です。このフィルターを使用しても安全が確保できる保証はありませんのでご注意ください。またインターネット接続では、ファイアウォールを使うと、より簡単な設定で同等以上の効果を得られます。

ルーターの基本設定を次にまとめます。

表 2:ルーターの基本設定
TDMグループ名 ISP
回線速度 64Kbps
WAN側物理インターフェース bri0
WAN側(ppp0)IPアドレス Unnumbered
LAN側(eth0)IPアドレス 4.4.4.1/28




ルーターの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


    Note - 回線速度が64Kbpsであっても、BRIインターフェースの全スロットをTDMモードに設定してください(TDMSLOTS=1-2)。

  2. bri0のスロット1(64Kbps)に対して、TDMグループ「ISP」を作成します。


  3. PPPインターフェース「0」をTDMグループ「ISP」上に作成します。LQRはオフにします。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. LAN側(eth0)インターフェースに、ISPから提供されたアドレスブロックの先頭アドレスを設定します。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を割り当て、Unnumberedを使用するよう設定します。


  7. デフォルトルートを設定します。


  8. WAN側(ppp0)インターフェースに適用するIPフィルター「1」の設定を行います。

    なお、IPフィルターの設定ではコマンドラインが長くなりがちなので、適宜省略形を用いてください。この例でも省略形を用いています。


    Note - IPフィルターのデフォルト動作は「すべて拒否(EXCLUDE)」です。すなわち、明示的に指定した条件にマッチしなかったパケットはすべて破棄されます。


  9. LAN側(eth0)インターフェースに適用するIPフィルター「2」の設定を行います。


    Note - IPフィルターのデフォルト動作は「すべて拒否(EXCLUDE)」です。すなわち、明示的に指定した条件にマッチしなかったパケットはすべて破棄されます。

  10. IPフィルター「1」をWAN側(ppp0)インターフェースに適用します。


  11. IPフィルター「2」をLAN側(eth0)インターフェースに適用します。


  12. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



メモ

■ IPフィルターには、条件を指定するさまざまなパラメーターがあります。くわしくはコマンドリファレンスをご覧ください。

■ IPフィルターはパラメーターが多いため、コマンドラインが長くなりがちです。コマンドラインの入力文字数制限によりコマンドを入力できない場合は、省略形を使ったり、コマンドを複数行に分けるなどして対処してください。

また、コマンドパラメーターの詳細についてはコマンドリファレンスをご覧ください。

■ IPフィルターの設定状況を確認するには次のコマンドを使います。


■ どのIPインターフェースにどのソフトウェアIPフィルターが適用されているかを確認するには、次のコマンドを使います。


■ IPインターフェースからIPフィルターを削除するには、SET IP INTERFACEコマンドのFILTERパラメーターにNONEを指定します。IPインターフェースeth0からIPフィルターの適用を取り消すには、次のようにします。


■ 現在の設定内容を表示するには、次のコマンドを使います。

まとめ

ルーターのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=ISP INT=bri0 SLOTS=1
CREATE PPP=0 OVER=TDM-ISP LQR=OFF
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=4.4.4.1 MASK=255.255.255.240
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0
ADD IP FILT=1 SO=0.0.0.0 SM=0.0.0.0 DEST=4.4.4.0 DM=255.255.255.240 AC=INCLUDE
SET IP FILT=1 ENTRY=1 PROT=TCP SESS=ESTABLISHED
ADD IP FILT=1 SO=0.0.0.0 SM=0.0.0.0 DEST=4.4.4.0 DM=255.255.255.240 AC=INCLUDE
SET IP FILT=1 ENTRY=2 PROT=UDP SPORT=53
ADD IP FILT=1 SO=0.0.0.0 SM=0.0.0.0 DEST=4.4.4.0 DM=255.255.255.240 AC=INCLUDE
SET IP FILT=1 ENTRY=3 PROT=ICMP
ADD IP FILT=2 SO=4.4.4.0 SM=255.255.255.240 DEST=0.0.0.0 DM=0.0.0.0 AC=INCLUDE
SET IP FILT=2 ENTRY=1 PROT=TCP SESS=ANY
ADD IP FILT=2 SO=4.4.4.0 SM=255.255.255.240 DEST=0.0.0.0 DM=0.0.0.0 AC=INCLUDE
SET IP FILT=2 ENTRY=2 PROT=UDP DPORT=53
ADD IP FILT=2 SO=4.4.4.0 SM=255.255.255.240 DEST=0.0.0.0 DM=0.0.0.0 AC=INCLUDE
SET IP FILT=2 ENTRY=3 PROT=ICMP
SET IP INT=ppp0 FILT=1
SET IP INT=eth0 FILT=2





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PN: J613-M0507-00 Rev.G

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