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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #39

フレームリレーによるIP2点間接続(IPプロトコルに基づくプライオリティールーティング)


フレームリレー網を使って2つの拠点をIP接続します。この例ではさらに、IPプライオリティーフィルターを使って、TCPとUDPでパケット転送時の優先度に差を付けるよう設定しています。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
TDMグループ名 TOOS TOOS
回線速度 128Kbps 128Kbps
WAN側物理インターフェース bri0 bri0
PVC状態確認手順(LMI) Annex A Annex A
DLCI 16 17
WAN側(fr0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24



また、次のようなプライオリティーフィルターを設定します。



ルーターAの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。


  3. FR(フレームリレー)インターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成し、PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを設定してfr0をリセットします(LMIを設定した際は、FRインターフェースをリセットします)。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. TCPプロトコルに最高の優先度(p0)を与えるプライオリティーフィルターを設定します。プライオリティーフィルターの番号は200〜299です。


  6. UDPプロトコルには最低の優先度(p7)を与えるよう設定します。


  7. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  8. WAN側(fr0)インターフェースにIPアドレスを設定します。また、同インターフェースにプライオリティーフィルターを適用します。


  9. 経路情報を設定します。


  10. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。




ルーターBの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。


  3. FR(フレームリレー)インターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成し、PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを設定してfr0をリセットします(LMIを設定した際は、FRインターフェースをリセットします)。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. TCPプロトコルに最高の優先度(p0)を与えるプライオリティーフィルターを設定します。プライオリティーフィルターの番号は200〜299です。


  6. UDPプロトコルには最低の優先度(p7)を与えるよう設定します。


  7. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  8. WAN側(fr0)インターフェースにIPアドレスを設定します。また、同インターフェースにプライオリティーフィルターを適用します。


  9. 経路情報を設定します。


  10. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



メモ

■ 設定例中の「RESET FR=0」は、コマンドラインからfr0インターフェースの設定を行った場合に必要なものです。内蔵テキストエディター(EDIT)等で直接設定ファイルを記述する場合は「RESET FR=0」は不要です。


■ PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを使用する場合、フレームリレーのシステムパラメーターの1つであるError Threshold値(NN2パラメーター)の変更が必要になることがあります(本製品のデフォルト値は2)。たとえば、NTTのSuperRelayFRを使用している場合は、下記のコマンドを追加してNN2パラメーターの値を3に変更してください。


まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=TOOS INTERFACE=bri0 SLOTS=1-2
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA
# RESET FR=0
ENABLE IP
ADD IP FILTER=200 SO=0.0.0.0 PRIORITY=p0 PROTO=tcp
ADD IP FILTER=200 SO=0.0.0.0 PRIORITY=p7 PROTO=udp
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=fr0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0 PRIORITYFILTER=200
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.2 DLC=16


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=TOOS INTERFACE=bri0 SLOTS=1-2
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA
# RESET FR=0
ENABLE IP
ADD IP FILTER=200 SO=0.0.0.0 PRIORITY=p0 PROTO=tcp
ADD IP FILTER=200 SO=0.0.0.0 PRIORITY=p7 PROTO=udp
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=fr0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0 PRIORITYFILTER=200
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.1 DLC=17





CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #39

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PN: J613-M0507-00 Rev.G

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