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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #79

パスワード認証によるSecure Shell(SSH)基本設定


暗号技術を用いて安全なリモートログインを可能にするSSH(Secure Shell)の使用方法について説明します。ここではパスワード認証によるリモートログインの設定方法を、ISDNによるIP2点間接続の構成を例に解説します。

Secure Shell(SSH)は、暗号技術を利用してネットワーク経由のログインなどを安全に行うためのプロトコルです。通信内容の暗号化により盗聴や改ざんを防ぐほか、サーバーホストやユーザーの認証機能によってなりすましによる攻撃を防御することもできます。

ここでは、本製品をSSHサーバーおよびクライアントとして使用するための設定方法について説明します。ここでは、ルーターAをSSHクライアント、ルーターBをSSHサーバーとします。SSHのログイン認証は、パスワード認証方式で行います。

ここでは、次のようなネットワーク構成を例に解説します。

表 1
 
ルーターA(SSHクライアント)
ルーターB(SSHサーバー)
ISDN番号 03-1234-1111 06-1234-2222
ISDNコール名 TOOS TOOS
ISDN発着優先 発呼優先 着呼優先
ISDN識別方式 発番号識別 発番号識別
WAN側物理インターフェース bri0 bri0
WAN側(ppp0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24




ルーターAの設定

  1. 接続先を作成します。ルーターBと同時に通信が発生した場合は、発呼を優先するよう設定します。着呼時は発信者番号による識別を行います。また、発呼に使用するインターフェースとしてbri0を指定します。


  2. PPPインターフェースを作成し、ダイヤルオンデマンドを有効にします。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  5. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  6. 経路情報を設定します。


  7. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。


ルーターBの設定

  1. 接続先を作成します。ルーターAと同時に通信が発生した場合は、着呼を優先するよう設定します。着呼時は発信者番号による識別を行います。また、発呼に使用するインターフェースとしてbri0を指定します。


  2. PPPインターフェースを作成し、ダイヤルオンデマンドを有効にします。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  5. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  6. 経路情報を設定します。


  7. SSHサーバーの起動に必要なサーバー鍵とホスト鍵を作成します。


  8. SSHサーバーを有効にします。


  9. SSHユーザーを作成します。ここではManager権限のユーザーを作成しています。


    Note - ADD USERコマンドで指定したパスワードとADD SSH USERコマンドで指定したパスワードは異なっていてもかまいません。SSHログイン時に使用するのは、ADD SSH USERコマンドで指定したほうです。

  10. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



以上で設定は完了です。

次のようにしてルーターAからルーターB(SSHサーバー)にログインします。最初の接続時には、ルーターBのホスト鍵が送られてきますので、ルーターAでホスト鍵を登録後、再びログインします。

■ SSHサーバーへのログイン

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0612342222 PREC=OUT SEARCHCLI=ON INTREQ=bri0
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.2


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0312341111 PREC=IN SEARCHCLI=ON INTREQ=bri0
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.1
# CREATE ENCO KEY=1 TYPE=RSA LENGTH=1024 DESCRIPTION="HOST KEY"
# CREATE ENCO KEY=2 TYPE=RSA LENGTH=768 DESCRIPTION ="SERVER KEY"
ENABLE SSH SERVER HOSTKEY=1 SERVERKEY=2
ADD USER=mgr PASSWORD=sshmgrpass PRIVILEGE=MANAGER
ADD SSH USER=mgr PASSWORD=sshmgrpass





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