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RSVPプロキシーエージェント

RSVPプロキシーエージェントの基本設定です。この機能を使用すると、端末がRSVPに対応していなくても、あらかじめ指定した端末間のアプリケーショントラフィックが発生したときにルーターが代理でRSVPメッセージを送受信し、該当トラフィックにQoSを付与することができます。専用線によるIP2点間接続の構成例をもとに解説します。

表 1

	ルーターA	ルーターB
TDMグループ名	TOOS	TOOS
回線速度	128Kbps	128Kbps
WAN側物理インターフェース	bri0	bri0
WAN側（ppp0）IPアドレス	Unnumbered	Unnumbered
LAN側（eth0）IPアドレス	192.168.10.1/24	192.168.20.1/24

ルーターAの設定

1. BRIインターフェース「0」の全スロット（1〜2）を、常時起動のTDM（専用線）モードに設定します。
   
   SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
   
   
2. bri0のスロット1〜2（128Kbps）に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。
   
   CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
   
   
3. PPPインターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成します。
   
   CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS ↓
   
   
4. IPモジュールを有効にします。
   
   ENABLE IP ↓
   
   
5. LAN側（eth0）インターフェースにIPアドレスを設定します。
   
   ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
   
   
6. WAN側（ppp0）インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を割り当て、Unnumberedを使用するよう設定します。
   
   ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓
   
   
7. 経路情報を設定します。
   
   ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
   
   
8. RSVPモジュールを有効にします。
   
   ENABLE RSVP ↓
   
   
9. LAN側（eth0）インターフェースにRSVPの設定をします。
   
   ENABLE RSVP INT=eth0 ↓
   
   
10. WAN側（ppp0）インターフェースにRSVPの設定をします。
    
    ENABLE RSVP INT=ppp0 ↓
    
    
11. RSVPプロキシーモジュールを有効にします。
    
    ENABLE RSVP PROXY ↓
    
    
12. 192.168.10.0/24から192.168.20.0/24に対するTelnet時のPATHメッセージのフロー仕様Tspec（Traffic Spec）を次のように設定します（平均転送レート：4000 Bytes/sec、平均パケットサイズ：1000 Bytes、転送ピークレート：4000 Bytes/sec、最小MTU値：100 Bytes、最大MTU値：2000 Bytes）。
    
    また、Telnetのトラフィックがなくなってから帯域確保を解除するまでの時間を30秒に設定します。
    
    CREATE RSVP PROXY=TELNETS2 TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.20.0/23 PATH=192.168.10.0 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,2000] TIM=30 ↓
    
    
13. PATHメッセージ転送先のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETS2 SMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
14. PATHメッセージ送信元のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETS2 PMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
15. 192.168.10.0/24から192.168.20.0/24に対するTelnet時のRESVメッセージのフロー仕様コントロールロードサービスclを次のように設定します（平均転送レート：4000 Bytes/sec、平均パケットサイズ：1000 Bytes、転送ピークレート：4000 Bytes/sec、最小MTU値：100 Bytes、最大MTU値：2000 Bytes）。
    
    また、リソース予約形態はFF（Fixed Filter）を使用します。
    
    CREATE RSVP PROXY=TELNETR2 TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.10.0 INT=eth0 STYLE=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,2000] ↓
    
    
16. RESVメッセージ転送先のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETR2 SMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
17. 続いて、192.168.20.0/24から192.168.10.0/24に対するTelnet時のPATHメッセージのフロー仕様Tspec（Traffic Spec）を次のように設定します（平均転送レート：4000 Bytes/sec、平均パケットサイズ：1000 Bytes、転送ピークレート：4000 Bytes/sec、最小MTU値：100 Bytes、最大MTU値：2000 Bytes）。
    
    また、Telnetのトラフィックがなくなってから帯域確保を解除するまでの時間を30秒に設定します。
    
    CREATE RSVP PROXY=TELNETS1 TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.20.0 PATH=192.168.10.0/23 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,2000] TIM=30 ↓
    
    
18. PATHメッセージ転送先のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETS1 SMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
19. PATHメッセージ送信元のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETS1 PMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
20. 192.168.20.0/24から192.168.10.0/24に対するTelnet時のRESVメッセージのフロー仕様コントロールロードサービスclを次のように設定します（平均転送レート：4000 Bytes/sec、平均パケットサイズ：1000 Bytes、転送ピークレート：4000 Bytes/sec、最小MTU値：100 Bytes、最大MTU値：2000 Bytes）。
    
    また、リソース予約形態はFF（Fixed Filter）を使用します。
    
    CREATE RSVP PROXY=TELNETR1 TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.10.0/23 INT=eth0 STYLE=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,2000] ↓
    
    
21. RESVメッセージ転送先のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETR1 SMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
22. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
    
    CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓


ルーターBの設定

1. BRIインターフェース「0」の全スロット（1〜2）を、常時起動のTDM（専用線）モードに設定します。
   
   SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
   
   
2. bri0のスロット1〜2（128Kbps）に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。
   
   CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓
   
   
3. PPPインターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成します。
   
   CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS ↓
   
   
4. IPモジュールを有効にします。
   
   ENABLE IP ↓
   
   
5. LAN側（eth0）インターフェースにIPアドレスを設定します。
   
   ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓
   
   
6. WAN側（ppp0）インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を割り当て、Unnumberedを使用するよう設定します。
   
   ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓
   
   
7. 経路情報を設定します。
   
   ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
   
   
8. RSVPモジュールを有効にします。
   
   ENABLE RSVP ↓
   
   
9. LAN側（eth0）インターフェースにRSVPの設定をします。
   
   ENABLE RSVP INT=eth0 ↓
   
   
10. WAN側（ppp0）インターフェースにRSVPの設定をします。
    
    ENABLE RSVP INT=ppp0 ↓
    
    
11. RSVPプロキシーモジュールを有効にします。
    
    ENABLE RSVP PROXY ↓
    
    
12. 192.168.20.0/24から192.168.10.0/24に対するTelnet時のPATHメッセージのフロー仕様Tspec（Traffic Spec）を次のように設定します（平均転送レート：4000 Bytes/sec、平均パケットサイズ：1000 Bytes、転送ピークレート：4000 Bytes/sec、最小MTU値：100 Bytes、最大MTU値：2000 Bytes）。
    
    また、Telnetのトラフィックがなくなってから帯域確保を解除するまでの時間を30秒に設定します。
    
    CREATE RSVP PROXY=TELNETS1 TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.10.0/23 PATH=192.168.20.0 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,2000] TIM=30 ↓
    
    
13. PATHメッセージ転送先のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETS1 SMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
14. PATHメッセージ送信元のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETS1 PMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
15. 192.168.20.0/24から192.168.10.0/24に対するTelnet時のRESVメッセージのフロー仕様コントロールロードサービスclを次のように設定します（平均転送レート：4000 Bytes/sec、平均パケットサイズ：1000 Bytes、転送ピークレート：4000 Bytes/sec、最小MTU値：100 Bytes、最大MTU値：2000 Bytes）。
    
    また、リソース予約形態はFF（Fixed Filter）を使用します。
    
    CREATE RSVP PROXY=TELNETR1 TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.20.0 INT=eth0 STYLE=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,2000] ↓
    
    
16. RESVメッセージ転送先のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETR1 SMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
17. 192.168.10.0/24から192.168.20.0/24に対するTelnet時のPATHメッセージのフロー仕様Tspec（Traffic Spec）を次のように設定します（平均転送レート：4000 Bytes/sec、平均パケットサイズ：1000 Bytes、転送ピークレート：4000 Bytes/sec、最小MTU値：100 Bytes、最大MTU値：2000 Bytes）。
    
    また、Telnetのトラフィックがなくなってから帯域確保を解除するまでの時間を30秒に設定します。
    
    CREATE RSVP PROXY=TELNETS2 TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.10.0 PATH=192.168.20.0/23 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,2000] TIM=30 ↓
    
    
18. PATHメッセージ転送先のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETS2 SMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
19. PATHメッセージ送信元のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETS2 PMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
20. 192.168.10.0/24から192.168.20.0/24に対するTelnet時のRESVメッセージのフロー仕様コントロールロードサービスclを次のように設定します（平均転送レート：4000 Bytes/sec、平均パケットサイズ：1000 Bytes、転送ピークレート：4000 Bytes/sec、最小MTU値：100 Bytes、最大MTU値：2000 Bytes）。
    
    また、リソース予約形態はFF（Fixed Filter）を使用します。
    
    CREATE RSVP PROXY=TELNETR2 TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.20.0/23 INT=eth0 STYLE=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,2000] ↓
    
    
21. RESVメッセージ転送先のネットワークマスクを設定します。
    
    SET RSVP PROXY=TELNETR2 SMASK=255.255.255.0 ↓
    
    
22. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
    
    CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓


メモ

• FF：プロキシーのレンジに引っかかったパケットに対して、予約していた帯域をセッションごとに張ります。帯域はシェアしません。
  
  
• WF：プロキシーのレンジに引っかかったパケットに対して、予約していた帯域の中をすべてのセッションが通り、帯域をシェアします。
  

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]

SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓ CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓ CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS ↓ ENABLE IP ↓ ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓ ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓ ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓ ENABLE RSVP ↓ ENABLE RSVP INT=eth0 ↓ ENABLE RSVP INT=ppp0 ↓ ENABLE RSVP PROXY ↓ CREATE RSVP PROXY=TELNETS2 TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.20.0/23 PATH=192.168.10.0 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,2000] TIM=30 ↓ SET RSVP PROXY=TELNETS2 SMASK=255.255.255.0 ↓ SET RSVP PROXY=TELNETS2 PMASK=255.255.255.0 ↓ CREATE RSVP PROXY=TELNETR2 TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.10.0 INT=eth0 STYLE=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,2000] ↓ SET RSVP PROXY=TELNETR2 SMASK=255.255.255.0 ↓ CREATE RSVP PROXY=TELNETS1 TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.20.0 PATH=192.168.10.0/23 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,2000] TIM=30 ↓ SET RSVP PROXY=TELNETS1 SMASK=255.255.255.0 ↓ SET RSVP PROXY=TELNETS1 PMASK=255.255.255.0 ↓ CREATE RSVP PROXY=TELNETR1 TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.10.0/23 INT=eth0 STYLE=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,2000] ↓ SET RSVP PROXY=TELNETR1 SMASK=255.255.255.0 ↓

ルーターBのコンフィグ [テキスト版]

SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓ CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2 ↓ CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS ↓ ENABLE IP ↓ ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓ ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓ ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓ ENABLE RSVP ↓ ENABLE RSVP INT=eth0 ↓ ENABLE RSVP INT=ppp0 ↓ ENABLE RSVP PROXY ↓ CREATE RSVP PROXY=TELNETS1 TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.10.0/23 PATH=192.168.20.0 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,2000] TIM=30 ↓ SET RSVP PROXY=TELNETS1 SMASK=255.255.255.0 ↓ SET RSVP PROXY=TELNETS1 PMASK=255.255.255.0 ↓ CREATE RSVP PROXY=TELNETR1 TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.20.0 INT=eth0 STYLE=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,2000] ↓ SET RSVP PROXY=TELNETR1 SMASK=255.255.255.0 ↓ CREATE RSVP PROXY=TELNETS2 TYPE=PATH SESS=TCP,192.168.10.0 PATH=192.168.20.0/23 TSPEC=[t,4000,1000,4000,100,2000] TIM=30 ↓ SET RSVP PROXY=TELNETS2 SMASK=255.255.255.0 ↓ SET RSVP PROXY=TELNETS2 PMASK=255.255.255.0 ↓ CREATE RSVP PROXY=TELNETR2 TYPE=RESV SESS=TCP,192.168.20.0/23 INT=eth0 STYLE=FF FLOW=[cl,4000,1000,4000,100,2000] ↓ SET RSVP PROXY=TELNETR2 SMASK=255.255.255.0 ↓

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PN: J613-M0507-00 Rev.G

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