VPN / トンネルインターフェース


トンネルインターフェースの作成


トンネルインターフェースは、パブリックネットワーク上にプライベートネットワークのトラフィックを通す、いわゆるVPN(Virtual Private Network)を構成するときに使う仮想的なインターフェースです。

トンネルインターフェースでは、IPv4/IPv6パケット(デリバリーパケット)のデータ部分に別プロトコルのパケット(ペイロードパケット)を格納して送信し、受信時にはデリバリーパケットのデータ部分からペイロードパケットを取り出して処理(転送など)を行います。この動作をトンネリングと呼びます。

トンネリングに使う仮想インターフェースをトンネルインターフェースと呼び、インターフェース名として「tunnelX」を使います(X = 0~999)。

本製品がサポートしているトンネリング方式は次のとおりです。
方式
デリバリー
(外側)
プロトコル
ペイロード
(内側)
プロトコル
おもな用途
暗号化
備考
IPsec IPv4/IPv6 IPv4/IPv6 拠点間接続
(ルーティング型)
IPsec
(ESP)
IPv4 over IPv4, IPv4 over IPv6, IPv6 over IPv6の組み合わせのみサポート
L2TPv3 IPv4/IPv6 Ethernet 拠点間接続
(ブリッジ型)
IPsec
(ESP)
IPv4、IPv6アドレスを設定すればルーティング構成も可能
OpenVPN Tap(L2) IPv4/IPv6 Ethernet リモートアクセス
(ブリッジ型)
OpenVPN
(TLS)
IPv4、IPv6アドレスを設定すればルーティング構成も可能
OpenVPN Tun(L3) IPv4/IPv6 IPv4/IPv6 リモートアクセス
(ルーティング型)
OpenVPN
(TLS)
 
GRE IPv4/IPv6 IPv4/IPv6 拠点間接続
(ルーティング型)
(IPv6 over IPv4構成)
(IPv4 over IPv6構成)
IPsec
(ESP)
 
マルチポイントGRE IPv4 IPv4 拠点間接続
(ルーティング型)
IPsec
(ESP)
 
Note
本製品は上記のほかにVPNプロトコルとしてL2TPv2をサポートしていますが、L2TPv2の設定ではトンネルインターフェース(tunnelX)を使用せず、L2TPv2トンネル上に作成した「pppX」インターフェースを使用するため、本章では触れません。L2TPv2の詳細については、「VPN」/「L2TPv2」をご覧ください。
また、本製品はIPv6ネットワーク経由でIPv4インターネットに接続するための仕組みとして、DS-Lite、LW6o4、MAP-E、固定設定のIPv6トンネルをサポートしていますが、これらについては設定例集「IPv6」/「DS-Lite」「IPv6」/「LW4o6」「IPv6」/「MAP-E」「IPv6」/「IPv6トンネル」をご覧ください。

トンネルインターフェースの作成

グローバルコンフィグモードのinterfaceコマンドでインターフェース名「tunnelX」を指定したとき、該当インターフェースが存在していなければトンネルインターフェースが新規に作成され、該当トンネルインターフェースの設定を行うためのインターフェースモードに移動します。
awplus(config)# interface tunnel0
awplus(config-if)# 

なお、同コマンドでトンネルインターフェースを作成したら、下記のコマンドでトンネルの種類(動作モード)を指定し、その後トンネル種類に応じた必須および任意の設定を行います。
トンネルインターフェースの種類
動作モード設定コマンド
IPsecトンネルインターフェース tunnel mode ipsec
L2TPv3トンネルインターフェース tunnel mode l2tp v3
OpenVPN Tap(L2)トンネルインターフェース tunnel mode openvpn tap
OpenVPN Tun(L3)トンネルインターフェース tunnel mode openvpn tun
GREトンネルインターフェース tunnel mode gre
マルチポイントGREトンネルインターフェース tunnel mode gre multipoint

作成したトンネルインターフェースを利用して、対向装置との間にトンネルを張る(IPsec、L2TPv3、GREの場合)、あるいはクライアントからのトンネル接続を待ち受ける(OpenVPNの場合)ための設定や、トンネルインターフェースへのアドレス設定や経路設定など、ネットワーク構成に依存する部分については、トンネル種別ごとに設けられた下記の解説編や設定例集をご覧ください。


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