IPv6 / 経路制御(OSPFv3)


OSPFv3 の特長
経路選択アルゴリズム
エリア分割
基本設定


OSPFv3 はルーター間の接続状態から構成されるトポロジーとDijkstraアルゴリズムによる最短経路計算に基づくIPv6 用のルーティングプロトコルです。ルーターID とエリアID はOSPF(IPv4) と同様32 ビット数です。OSPF とOSPFv3 はそれぞれ独立して動作します。
Note
OSPFv3を使用するにはフィーチャーライセンスが必要です。ただし、AT-IX5-28GPX用のフィーチャーライセンスではサポートされませんので、ご注意ください。

ここでは、OSPFv3の基本的な設定について解説します。
OSPFv3経路のフィルタリングについては「IP」の「経路制御(フィルタリング)」をご覧ください(「IP」の章ですが、共通のコマンドが多いため同章ではIPv6の経路フィルタリングについても触れています)。
Note
以下の設定はIPv6機能を有効化した後で行います。IPv6機能を有効化する方法については、「IPv6」/「一般設定」をご覧ください。

Note
IPv6 スタティック経路をOSPFv3 で再配布する場合は、スタティック経路のネクストホップをリンクローカルアドレスで指定してください。

OSPFv3 の特長


OSPFv3 は、通常一つのAS 内での経路決定に使用されます。OSPFv3 では,AS 内のすべての接続状態から構成するトポロジーのデータベースが各ルーターにあり、このデータベースに基づいて最短経路を計算します。このため、OSPFv3 はRIPng と比較して、次のような特長があります。


経路選択アルゴリズム


OSPFv3 では、経路選択のアルゴリズムとして、SPF(Shortest Path First) アルゴリズムを使用します。
各ルーターには、OSPFv3 が動作しているすべてのルーターと、ルーター- ルーター間およびルーター- ネットワーク間のすべての接続から成るデータベースがあります。このデータベースから、ルーターおよびネットワークを頂点とし、ルーター- ルーター間およびルーター- ネットワーク間の接続を辺とするトポロジーを構成します。
このトポロジにSPF アルゴリズムを適用して最短経路木を生成し、これを基に各頂点への経路を決定します。

エリア分割

OSPFv3 では、ルーティングに必要なトラフィックと、経路選択に使用するアルゴリズムの処理に必要な時間を削減するために、AS を複数のエリアに分割できます。


基本設定

Note
動作中の機器にOSPFv3の設定をした場合、機器を再起動するか、VLANインターフェースの所属ポートをリンクアップさせてください。

■ OSPFv3のルーティングプロセスを起動し、OSPFv3モードに移行するには、router ipv6 ospfコマンドを使います。
awplus(config)# router ipv6 ospf

■ OSPFv3のルーターIDを設定するには、router-idコマンド(OSPFv3モード)を使います。
awplus(config-router)# router-id 1.1.1.1
Note
OSPFv3を使用する場合は、必ずrouter-idコマンド(OSPFv3モード)でルーターIDを設定してください。
■ インターフェースの所属エリアを指定し、OSPFv3を有効にするには、ipv6 router ospf areaコマンドを使います。
awplus(config)# interface vlan2
awplus(config-if)# ipv6 router ospf area 0


(C) 2012 - 2020 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-001763 Rev.AK