インストールガイド / VMware vSphere編
VMware vSphere Hypervisor(ESXi)上に本製品をセットアップする手順と本製品の基本的な操作方法を説明します。
本解説編では、仮想化環境であるVMware vSphere(以下vSphere)自体のセットアップについては触れていません。また、本製品をvSphere上で使用する場合の必要動作環境については、「インストールガイド」/「はじめに」の「動作環境」をご覧ください。
本解説編で説明している作業の大部分は、vSphereのGUI管理ツールであるVMware vSphere Client(以下vSphere Client)を使って行います。vSphere ClientからESXiサーバーに接続する方法、vSphereの全般的な使用方法などについては、各製品のマニュアル等をご参照ください。
本製品のセットアップ
本製品をESXiサーバー上にセットアップする大まかな手順は次のとおりです。
- インストール用ISOイメージファイルのアップロード
vSphere Clientを使用して、ESXi上のデータストアに本製品のISOイメージファイルをアップロードします。
- 仮想マシンの作成
ESXiサーバー上に、本製品をインストール・実行するための仮想マシンを作成します。
- 本製品のインストール
インストール用のISOイメージファイルから仮想マシンを起動し、本製品をインストールします。
インストール用ISOイメージファイルのアップロード
まず、VMware vSphere Clientを使用して、VMware ESXiサーバー上のデータストアに、本製品のISOイメージファイルをアップロードします。
1. VMware vSphere Client画面左側のリストで、ESXiサーバーを選択します。
2. 「構成」タブを選択します。
3. 左側メニューの中から「ストレージ」を選択します。
4. 「表示:」で「データストア」を選択します。
5. ISOイメージファイルをアップロードしたいデータストアを右クリックし、「データストアの参照」を選択します。
6. アップロードアイコンをクリックして、「ファイルのアップロード」を選択します。
7. ローカル側のアップロードする本製品のISOイメージファイルを選択して、データストア内にISOイメージを保存します。
仮想マシンの作成
本製品をインストール・実行するために必要な仮想マシンをESXi上に作成します。
1. vSphere Clientの左ペインから、ESXiサーバーを選択します。
2. 「はじめに」タブを選択します。
3. 「新規仮想マシン」をクリックします。
ポップアップ画面が表示されますので、以下の各ウィザードに従って仮想マシンを作成します。
4. 構成
「構成」ウィンドウで「標準」を選択し、「次へ」をクリックします。

5. 名前と場所
任意の仮想マシンの名前(本インストールガイドでは「VAA1」)を入力し、「次へ」をクリックします。

6. リソースプール
動作させるリソースプールを選択し、「次へ」をクリックします。

7. ストレージ
どのデータストアに仮想マシンをインストールするか選択し、「次へ」をクリックします(データストアの選択は、ご使用のESXi構成によって異なります)。

8. ゲストOS
「ゲストOS:」では「Linux」を選択し、「バージョン(V):」では「その他の 3.x Linux(32ビット)」を選択し、「次へ」をクリックします。
AMFマルチテナント機能を使用する場合には、「その他の 3.x Linux(64ビット)」を選択してください。

9. ネットワーク
仮想マシンのネットワークインターフェースカード(NIC)を指定します。
必要なNIC数、各NICに適切なネットワークを選択してください。「アダプタ」は、「E1000」または「VMXNET3」を選択してください。
「パワーオン時に接続」がチェックされていることを確認し、「次へ」をクリックします。
E1000またはVMXNET3の詳細については、VMware社のサポートサイトなどを参照してください。
VLAN、または専用のNICのいずれかを使用して、AMFネットワークを作成することをお勧めします。NICが1つの場合は、本製品上ではeth0インターフェースとして認識されます。本製品のeth0上で、encapsulation dot1qコマンドを使用して802.1Qサブインターフェースを設定し、VLAN IDつきのパケットを送受信することをお勧めします。そのためには、事前に「構成」タブから「ネットワーク」を選択し、ポートグループの設定で「VLAN ID:全て(4095)」を設定する必要があります。AMFマルチテナントを使用する場合はこの設定が必須になります。NICが複数ある場合は、eth0,eth1..と認識されます。
AMFマルチテナントを使用する場合は無差別モードを有効にする必要があります。事前に「構成」タブから「ネットワーク」を選択し、「無差別モード」を「承諾」に変更してください。

10. ディスクの作成
仮想ディスクサイズを32GB以上の値を入力し、「次へ」をクリックします。

11. 終了準備
最後に確認画面が表示されますので内容を確認し、「完了前に仮想マシンの設定を編集」にチェックを入れ、[続行」をクリックします。

12. 仮想マシンのプロパティ
仮想マシンのプロパティ画面が表示されます。まだ仮想マシンの中身は空の状態です。本製品をインストールするために仮想マシンの設定を編集します。
12-1. 「メモリー(追加中)」をクリックして、「1024MB」以上を選択します。
12-2. 「CPU(追加中)」をクリックして、仮想CPU数「2」以上を選択します。

12-3. 「新規 CD/DVD (追加中)」をクリックし、「デバイスタイプ」では「データストア ISO ファイル」にチェックを入れ、[参照」ボタンから本製品のISOファイルを指定して、「パワーオン時に接続」にチェックを入れます。
12-4. 設定後、最後に「終了」をクリックします。

本製品のインストール
仮想マシンの作成が完了したら、すでに設定済みのインストール用ISOイメージから仮想マシンを起動し、仮想マシンに本製品をインストールします。
- vSphere Clientの左ペインから、作成した仮想マシンを選択・右クリックし、コンテキストメニューで「電源」のサブメニューから「パワーオン」を選択します。
これにより、本製品のインストール用ISOイメージから仮想マシンが起動します。
- 次に、vSphere Clientの左ペインから、作成した仮想マシンを選択・右クリックし、コンテキストメニューから「コンソールを開く」を選択します。
本製品のコンソール画面が表示され、起動メッセージの後、ログインプロンプトが表示されます。

- ユーザー名 manager、パスワード friend でログインします。
awplus login: manager ↓
Password: friend ↓(実際には表示されません)
- 次のプロンプトが表示されるので、「Y」キーを押すとインストールが開始され、完了するとコマンドプロンプトが表示されます。
The system has been booted from removable media.
Bootup has successfully completed.
Install this release to disk? (y/n): y
Installing release... OK
AlliedWare Plus (TM) 5.5.0 xx/xx/xx xx:xx:xx
awplus>
- 以上で本製品のインストールは完了です。
本製品の基本操作
本製品の起動、停止、コンソールへのアクセス、ファームウェアのアップグレード/ダウングレードなど基本的な操作方法を説明します。
本製品の起動
本製品の仮想マシンは次の手順で起動します。
- vSphere Clientの左ペインから本製品の仮想マシンを選択・右クリックし、コンテキストメニューから「コンソールを開く」を選択します。
- 本製品のコンソール画面が表示され、起動メッセージの後、ログインプロンプトが表示されます。
awplus login:
本製品の停止
本製品の仮想マシンは次の手順で停止します。
- vSphere Clientの左ペインから本製品の仮想マシンを選択・右クリックし、コンテキストメニューから「電源」サブメニューで「パワーオフ」を選択します。
- 以上で本製品の停止は完了です。
コンソールへのアクセス
本製品の仮想マシンが起動している場合、vSphere Clientの左ペインから本製品の仮想マシンを選択・右クリックし、コンテキストメニューから「コンソールを開く」を選択することにより、本製品のコンソールにアクセスできます。
ファームウェアのアップグレード/ダウングレード
前述の「インストール用ISOイメージファイルのアップロード」を参照し、データストアに本製品の新しいISOイメージファイルをアップロードします。
インストールされたイメージファイルをアップグレードまたはダウングレードする場合は、新しいISOイメージファイルに変更し、仮想マシンを再起動します。
本製品のファームウェアをアップグレード/ダウングレードする場合は、次の手順にしたがってください。
- 本製品の仮想マシンが実行中の場合は、「本製品の停止」 の手順にしたがい、本製品を停止してください。
- vSphere Clientの左ペインから本製品の仮想マシンを選択・右クリックし、コンテキストメニューから「設定の編集」を選択します。
- 「CD/DVDドライブ」をクリックし、「デバイスタイプ」の「データストア ISO ファイル」にチェックを入れ、「参照」ボタンから本製品のISOファイルを指定します。
- 「デバイスステータス」の「パワーオン時に接続」にチェックを入れ、「OK」ボタンをクリックします。

- 「仮想マシンのパワーオン」をクリックして仮想マシンを起動します。
- ISOファイルから仮想マシンが起動し、次のようなメニューが表示されます。

- 「Boot from CD」を選択します。
「Boot from CD」を選択すると、起動する前に、以前のファームウェアのアンインストールで5秒ほどかかります。
- vSphere Clientの左ペインから本製品の仮想マシンを選択・右クリックし、コンテキストメニューから「コンソールを開く」を選択します。
本製品のコンソール画面が表示され、起動メッセージの後、ログインプロンプトが表示されます。
- ユーザー名 manager、パスワード friend でログインします。
awplus login: manager ↓
Password: friend ↓(実際には表示されません)
- 次のプロンプトが表示されるので、「Y」キーを押すとアップグレード/ダウングレードが開始され、完了するとコマンドプロンプトが表示されます。
The system has been booted from removable media.
Bootup has successfully completed.
Install this release to disk? (y/n): y
Installing release...
AlliedWare Plus (TM) 5.5.0 xx/xx/xx xx:xx:xx
awplus>
- 以上で本製品のアップグレード/ダウングレードは完了です。
仮想マシンのホット移行
本製品はVMware vSphereのvMotion機能にも対応しています。
本機能を使うことで、起動している仮想マシンをシャットダウンすることなく、起動したまま別の物理サーバーに移動することができるため(ホット移行)、サーバーメンテナンス時のITサービスのダウンタイムの抑制などに有効です。
移行元と移行先両方の物理サーバーで以下の条件が必要です。
- 物理的にサーバーが同じネットワーク内にあること
- 移行後もVAAで設定したインターフェースにアクセスできるような、ネットワークインターフェースの設定になっていること
- 共有ディスク上にVAAを設置すること(データストアが共有されていること)
本製品のライセンスは複数用意する必要はありません。
本機能の設定方法については、VMware vSphereのマニュアルなどを参照してください。
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