[index] エクストリコム無線LANシリーズ ユーザーガイド v4.6.18.10

お使いになる前に/無線LANシステムの接続形態


  - エクストリコム無線LANシステムの接続形態
   - カスケード(MS-1000-Cのみ)
    - 無線LANスイッチ、無線APの通常時/障害時の動作
   - カスケードレジリエンシー機能(MS-1000-Cのみ)
    - アップリンクポートの冗長化構成例
    - 無線APの冗長化構成例
    - 無線LANスイッチ、無線APの通常時/障害時の動作
   - LS-3000


※エクストリコム無線LANシステム関連機器の接続可能距離については、「設置と接続」/「設置方法・接続可能距離」をご覧ください。
 

エクストリコム無線LANシステムの接続形態

無線LANスイッチ1台が有線LANに接続され、各無線APを無線LANスイッチに接続します。
下図は、無線LANスイッチ1台と無線AP8台で構成された代表的な構成です。

Note - 同一無線LANスイッチ上で「RP-22n、RP-32nおよびRP-22En」の組み合わせで無線APを使用する場合、設定可能なRadio数は無線LANスイッチに接続する無線APがサポートする最も少ないRadio数になります。
Note - 無線APは無線LANスイッチに直接接続しないと機能しません。
 

カスケード(MS-1000-Cのみ)

カスケードは2台のMS-1000-Cを相互接続することにより1台の論理的な無線LANスイッチとして動作します。1台のMS-1000-Cではカバーできなかった広大なエリアを2台のMS-1000-Cでカバーし、最大32台まで無線APを使用できます。

1台の無線LANスイッチがプライマリー機として、もう一方の無線LANスイッチがセカンダリー機として動作し、両無線LANスイッチのLAN 2ポートで無線LANスイッチ間を相互接続し、セカンダリー機の無線APが受信したすべてのトラフィックはLAN 2ポートを経由してプライマリー機へ転送されます。プライマリー機はセカンダリー機およびプライマリー機自身の無線APが受信したトラフィックを処理し、どの無線APから無線LANフレームを送信するかを決定し、セカンダリー機は正しい無線APへ送信します。

無線LANスイッチの各種設定は、プライマリー機のWeb管理画面で行います。設定後「Apply」を実行することで、設定をプライマリー機に反映し、セカンダリー機へ同期します。

ファームウェアのバージョンアップは、プライマリー機のバージョンアップを行うことで自動でセカンダリー機のバージョンアップを行います。「Reboot the switch after firmware upgrade」をオンにした状態で実行した場合、バージョンアップ後にプライマリー機とセカンダリー機の双方が再起動します。
Note - 無線LANスイッチ間の接続可能距離は、UTPケーブル使用時は最大50m、光ファイバーケーブル使用時は無線LANスイッチと無線AP間の接続距離(100mまで)も含め最大300mです。
Note - カスケード機能を使用することにより無線APの台数は増えますが、Radio1つあたりで利用可能な帯域などの無線LANリソースは無線LANスイッチ1台と同じため、スループットを要求される場合での利用は避けてください。

 

無線LANスイッチ、無線APの通常時/障害時の動作

表 1:カスケード動作
障害内容
プライマリー機、
プライマリー機と接続している無線AP
セカンダリー機、
セカンダリー機と接続している無線AP
サービス状態
復旧
通常時 ・無線APは電波出力を継続。
・カスケードモードを継続(Power LEDはグリーン点灯)。
・GUIでセカンダリー機の情報確認可能。
・無線APは電波出力を継続。
・カスケードモードを継続(Power LEDはグリーン点灯)。
・GUIでプライマリー機のIPアドレス情報を常に表示。
プライマリー 無線AP、セカンダリー 無線AP共に正常なサービスを提供。
スイッチ間 通信障害(LAN 2) ・無線APは電波出力を継続。
・通信断なくスタンドアローンモードへ移行(Power LEDはグリーン点灯)。
(GUIの上部に「No Connection to Secondary Switch!」とエラー表示)
・無線APは電波出力を停止。
・カスケードモードを継続(Power LEDはオレンジ点灯へ変化)。
(GUI上部に表示されるプライマリー機のIPアドレス情報表示は消えない)
プライマリー機により切り離されサービスが停止。プライマリー機に接続されている無線APのみでサービスを継続。 復旧時に再起動は不要。
プライマリー機 LAN 1リンク障害 ・無線APは電波出力を継続。
・Power LEDはグリーン点灯。
・アップリンクとの通信は不可。
・無線APは電波出力を継続。
・カスケードモードを継続(Power LEDはグリーン点灯)。
・自身のアップリンクが繋がっていたとしても通信には使えない。
無線APはサービスを継続するがアップリンクとの通信ができないため実質利用不可。 復旧時に再起動は不要。
セカンダリー機 LAN 1リンク障害 ・無線APは電波出力を継続。
・通信断なくカスケードモードを維持(Power LEDはグリーン点灯)。
・無線APは電波出力を継続。
・Power LEDはグリーン点灯。
・アップリンク経由での管理アクセス不可。
セカンダリー機への管理アクセスのみ不可。それ以外のサービスは影響なし。 復旧時に再起動は不要。
プライマリー機 システム障害 障害停止。 無線APは電波出力を停止。
・カスケードモードを継続(Power LEDはオレンジ点灯へ変化)。
(GUI上部に表示されているプライマリー機のIPアドレスは消えない)
全サービス停止。 復旧時特別な操作は不要(プライマリー機の起動のみ)。
セカンダリー機 システム障害 ・無線APは電波出力を継続。
・通信断なくスタンドアローンモードへ移行(Power LEDはグリーン点灯)。
(GUI上部に「No Connection to Secondary Switch!」とエラー表示)
障害停止 プライマリー機に接続されている無線APのみでサービスを継続。 復旧時特別な操作は不要(セカンダリー機の起動のみ)。

 

カスケードレジリエンシー機能(MS-1000-Cのみ)

カスケードレジリエンシー機能は、通常1台の無線LANスイッチでカバーするエリアを2台の無線LANスイッチでカバーすることで、無線LANの冗長化ができます。片方の無線LANスイッチがダウンしても、もう片方の無線LANスイッチがエリアをカバーし、無線LAN通信を継続します。
Note - 無線LANスイッチ間の接続可能距離は、UTPケーブル使用時は最大50m、光ファイバーケーブル使用時は無線LANスイッチと無線AP間の接続距離(100mまで)も含め最大300mです。
 

アップリンクポートの冗長化構成例

プライマリー機のアップリンクがダウンした場合、無線LANサービスが中断することなくセカンダリー機がプライマリー機に切り替わります。この構成では無線APの冗長性はなく、それぞれの無線APが別々のエリアをカバーします。

 

無線APの冗長化構成例

障害時のサービスレベルによって無線APを交互に配置し、無線APの冗長化構成が可能になる例を示します。無線APを交互に配置する構成では、ほとんどの無線APはセカンダリー機のカバレッジエリアに1台または2台のプライマリー機の無線APが配置されており、その逆も同様です。

 

無線LANスイッチ、無線APの通常時/障害時の動作

表 2:カスケードレジリエンシー動作
障害内容
プライマリー機、
プライマリー機と接続している無線AP
セカンダリー機、
セカンダリー機と接続している無線AP
サービス状態
復旧
通常時 ・無線APは電波出力を継続。
カスケードモードを継続(Power LEDはグリーン点灯)。
・GUIからセカンダリー機の情報確認可能。
・無線APは電波出力を継続。
・カスケードモードを継続(Power LEDはグリーン点灯)。
・GUIでプライマリー機のIPアドレス情報を常に表示。
プライマリー機、セカンダリー機に接続している無線APは正常なサービスを提供。
スイッチ間 通信障害(LAN 2) ・無線APは電波出力を継続。
・通信断なくスタンドアローンモードへ移行(Power LEDはグリーン点灯)。
(GUIの上部に「No Connection to Secondary Switch!」とエラー表示)
・無線APは電波出力を停止。
・カスケードモードを継続(Power LEDはオレンジ点灯へ変化)。
(GUI上部に表示されるプライマリー機のIPアドレス情報表示は消えない)
セカンダリー機はプライマリー機により切り離されサービスが停止。プライマリー機に接続されている無線APのみでサービスを継続。 復旧時に再起動は不要。
プライマリー機 LAN 1リンク障害 ・無線APは電波出力を一旦停止し再開。
自らをセカンダリー機へ変更。
・カスケードモードを継続(Power LEDはオレンジ→グリーン点滅→グリーン点灯と遷移)。
・スイッチ間リンクを利用して通信を継続。
・無線APは電波出力を一旦停止。
・プライマリー機へ設定変更。
・カスケードモードを継続(Power LEDはオレンジ→グリーン点滅→グリーン点灯と遷移)。
・自身のアップリンクを利用して通信を継続。
セカンダリー機 → プライマリー機
プライマリー機 → セカンダリー機
上記の順番で役割が入れ替わり両機でサービスを継続。
復旧時に再起動は不要。
セカンダリー機 LAN 1リンク障害 ・無線APは電波出力を継続。
・通信断なくカスケードモードを継続(Power LEDはグリーン点灯)。
・無線APは電波出力を継続。
・Power LEDはグリーン点灯を継続。
・アップリンク経由での管理アクセス不可。
セカンダリー機への管理アクセスのみ不可。それ以外のサービスは影響なし。 復旧時に再起動は不要。
プライマリー機 システム障害 障害停止。 ・無線APは電波出力を一旦停止後に再開。
・自らをプライマリー機に設定変更しスタンドアローンモードへ移行(Power LEDはオレンジ→グリーン点滅→グリーン点灯へ遷移)。
(GUIの上部に「No Connection to Secondary Switch!」とエラー表示)
・自身のアップリンクを利用して通信を継続。
プライマリー機、セカンダリー機の役割が入れ替わり、新プライマリー機(旧セカンダリー機)のみでサービスを継続。 復旧時に特別な操作は不要(旧プライマリー機を起動すると新セカンダリー機として機能する)。
セカンダリー機 システム障害 ・無線APは電波出力を継続。
・通信断なくスタンドアローンモードへ移行(Power LEDはグリーン点灯)。
(GUIトップには「No Connection to Secondary Switch!」とエラー表示)
障害停止 プライマリー機のみでサービスを継続。 復旧時に特別な操作は不要(セカンダリー機の起動のみ)。

 

LS-3000

LS-3000は、最大8台のMS-1000、MS-1000-Cを集約接続し、1台と同様の動作をさせる装置です。1台のときよりも多くの無線AP(最大128台)を収容可能になり、チャンネルブランケットの範囲を拡大できます。

無線LANスイッチの各種設定は、LS-3000のWeb管理画面より行います。設定後「Apply」を実行することで設定を配下のMS-1000、MS-1000-Cへ同期します。

ファームウェアのバージョンアップは、LS-3000のファームウェアのバージョンアップを行うことで自動で配下のMS-1000、MS-1000-Cもファームウェアのバージョンアップが行われます。「Reboot the switch after firmware upgrade」をオンにした状態でファームウェアのバージョンアップを実行した場合は、バージョンアップ後にLS-3000と配下のMS-1000、MS-1000-Cのすべての無線LANスイッチが再起動します。

※ MS-1000、MS-1000-CのLAN 1ポートへのケーブル接続は基本的に不要です。接続しておくことでWebGUIからの管理アクセスが可能になります。ただし無線LANスイッチの設定はLS-3000で行いますので状態確認のみになります。

Note - LS-3000とMS-1000/MS-1000-C間の接続可能距離は最大50mです。
Note - LS-3000同士の接続、冗長(Redundancy)は未サポートです。
Note - LS-3000を導入することにより無線LANスイッチと無線APの台数は増えますが、Radio1つあたりで利用可能な帯域などの無線LANリソースは無線LANスイッチ1台と同じため、スループットを要求される場合での利用は避けてください。




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