[index] CentreCOM AR450S コマンドリファレンス 2.9

ADD FIREWALL POLICY PROXY

カテゴリー:ファイアウォール / アプリケーションゲートウェイ


ADD FIREWALL POLICY=policy PROXY=HTTP INTERFACE=interface GBLINTERFACE=interface DIRECTION=OUT [DAYS=day-list] [AFTER=time] [BEFORE=time]

ADD FIREWALL POLICY=policy PROXY=SMTP INTERFACE=interface GBLINTERFACE=interface DIRECTION={IN|OUT} [IP=ipadd] [DAYS=day-list] [AFTER=time] [BEFORE=time]

policy: ファイアウォールポリシー名(1〜15文字。英数字とアンダースコアを使用可能)
interface: IPインターフェース名(eth0、ppp0など)
ipadd: IPアドレス
day-list: 曜日リスト(MON、TUE、WED、THU、FRI、SAT、SUN、WEEKDAY、WEEKEND、ALLの組み合わせ。複数指定時はカンマで区切る)
time: 時刻(hh:mmの形式。hhは時(0〜23)、mmは分(0〜59))


ファイアウォールポリシーにアプリケーションプロキシーの設定を追加する。

アプリケーションプロキシーは、ネットワーク層(例:IPアドレス)やトランスポート層(例:TCP/UDPポート番号やSyn/Ackフラグ)ではなく、より上位のアプリケーション層(例:SMTPのMAIL FROM: やHTTPのGETなど)を解釈して通信を制御する機能。

HTTPプロキシーは、内側から外側に向けたHTTP通信に対してのみ機能する。

HTTPプロキシーを有効にした場合、本製品は内側(LAN側)インターフェースでHTTPプロキシーとして振る舞う。この場合、内側(LAN側)からのHTTPプロキシー要求を受け付け、自らDNSを検索して適切な外部HTTPサーバーにアクセスし、結果をクライアントに返送する。このとき、HTTPの通信内容を検査することで、特定URLへのアクセスを禁止したり、サーバーからのCookie要求を拒否したりすることができる。

一方、SMTPプロキシーは、外側から内側に向けたSMTP通信(外部から自ドメインへのメール配送)と、内側から外側に向けたSMTP通信(内部から他ドメインへのメール配送)の両方に対して機能させることができる。

Note - 1つのファイアウォールポリシーにおいては、外向き、内向きのどちらか一方のみ使用可能。

SMTPプロキシーでDIRECTION=OUTを指定した場合、本製品は内側(LAN側)インターフェースでSMTPサーバーのように振る舞う。この場合、内側(自ドメイン)からのSMTP要求を受け付け、自らDNSを検索して適切な外部SMTPサーバーにメールを転送する。このとき、SMTPの通信内容を検査することにより、内部から外部への不正行為(spamメール、不正中継など)を防止することができる。

SMTPプロキシーでDIRECTION=INを指定した場合、本製品は外側(WAN側)インターフェースでSMTPサーバーのように振る舞う。この場合、外部(他ドメイン)からのSMTP要求を受け付け、IPパラメーターで指定された内部の(本当の)SMTPサーバーにメールを転送する。このとき、SMTPの通信内容を検査することにより、外部から内部への不正行為(spamメール、不正中継など)を防止することができる。



パラメーター

POLICY: ファイアウォールポリシー名

PROXY: 使用するアプリケーションプロキシー。現時点ではHTTPとSMTPをサポートしている。HTTPプロキシーは、URLフィルタリングとクッキーフィルタリングの機能を提供する。SMTPプロキシーは、リストファイルに基づくspamメールのフィルタリングと、メールの不正中継防止機能を提供する。

INTERFACE: ファイアウォールのプライベート(内部)側IPインターフェース

GBLINTERFACE: ファイアウォールのパブリック(外部)側IPインターフェース

DIRECTION: アプリケーションプロキシーを機能させる方向。INは外部から内部への通信、OUTは内部から外部への通信に対してプロキシーを機能させる。HTTPプロキシーを使用するときは必ずOUTを指定すること。また、SMTPプロキシーを使用するときはINかOUTを指定すること。その他の方向を指定した場合は意図した動作をしないので注意。

IP: (SMTPプロキシーのみ)ファイアウォールのプライベート(内部)側にあるSMTPサーバーのIPアドレス。外部から本製品(プロキシー)に対して張られたSMTPセッションは、ここで指定したアドレスに中継される。PROXYパラメーターにSMTPを、DIRECTIONパラメーターにINを指定した場合にのみ有効。DIRECTION=OUTのときは指定不要。

DAYS: 曜日を指定。カンマ区切りで複数指定可能。プロキシーは指定した曜日にのみ有効となる。WEEKDAYは「MON,TUE,WED,THU,FRI」と同義。また、WEEKENDは「SAT,SUN」と同義。省略時はALL

AFTER: 時刻を指定。プロキシーは同日中の指定した時刻以降にのみ有効。

BEFORE: 時刻を指定。プロキシーは同日中の指定した時刻以前にのみ有効。



ファイアウォールポリシーofficeにSMTPプロキシー(内向き)の設定を追加する。自ドメインはexample.com、内部SMTPサーバーのIPアドレスは192.168.1.10とする。SMTPプロキシーを内向きで使用するときは、自ドメイン名と内部SMTPサーバーのIPアドレスを必ず設定すること。
SET FIREWALL POLICY=office SMTPDOMAIN=example.com
ADD FIREWALL POLICY=office PROXY=SMTP GBLINTERFACE=ppp0 INTERFACE=vlan1 IP=192.168.1.10 DIRECTION=IN

ファイアウォールポリシーofficeにSMTPプロキシー(外向き)の設定を追加する。DNSサーバーアドレスは10.1.1.1、自ドメインはexample.comとする。SMTPプロキシーを外向きで使用するときは、DNSサーバーアドレスと自ドメイン名を必ず設定すること。
ADD IP DNS PRIMARY=10.1.1.1
SET FIREWALL POLICY=office SMTPDOMAIN=example.com
ADD FIREWALL POLICY=office PROXY=SMTP INTERFACE=vlan1 GBLINTERFACE=ppp0 DIRECTION=OUT

ファイアウォールポリシーofficeにHTTPプロキシーの設定を追加する。DNSサーバーアドレスは10.1.1.1とする。HTTPプロキシーは内部から外部への通信に対してのみ機能するので、DIRECTIONにはOUTを指定すること。また、DNSサーバーアドレスを必ず設定すること。
ADD IP DNS PRIMARY=10.1.1.1
ADD FIREWALL POLICY=office PROXY=HTTP INTERFACE=vlan1 GBLINTERFACE=ppp0 DIRECTION=OUT



備考・注意事項

SMTPプロキシーをDIRECTION=INで使用するときは、自ドメインのDNSサーバーに対して、他のドメインからは本製品がメールエクスチェンジャー(MX)として認識されるよう設定しておく必要がある。

SMTPプロキシーをDIRECTION=INで使用するときは、SET FIREWALL POLICY SMTPDOMAINコマンドで自ドメイン名を設定しておくこと。

SMTPプロキシーをDIRECTION=OUTで使用するときは、内部側のメールクライアントに対し、送信メールサーバーとして本製品の内部側インターフェースのIPアドレス(またはドメイン名)を使うよう設定すること。

SMTPプロキシーをDIRECTION=OUTで使用するときは、ADD IP DNSコマンドでDNSサーバーのアドレスを設定しておくこと。また、SET FIREWALL POLICY SMTPDOMAINコマンドで自ドメイン名を設定しておくこと。

HTTPプロキシーを使用するときは、内部側の各HTTPクライアント(Webブラウザーなど)に対し、「プロキシーサーバー」の設定をする必要がある。具体的には、「HTTPプロキシー」として、本製品の内部側インターフェースのIPアドレス(またはドメイン名)を指定する。また、ポート番号には80を指定する。なお、本製品はHTTP以外のプロトコル、たとえば、HTTPS(Secure、Security)やFTP、Gopherなどには対応していないので、これらのサービスに対するプロキシーとして本製品を指定してはならない。

HTTPプロキシーを使用するときは、ADD IP DNSコマンドでDNSサーバーのアドレスを設定しておくこと。



関連コマンド

ADD FIREWALL POLICY SPAMSOURCES
ADD IP DNS
DELETE FIREWALL POLICY PROXY
DELETE FIREWALL POLICY SPAMSOURCES
DISABLE FIREWALL POLICY SMTPRELAY
ENABLE FIREWALL POLICY SMTPRELAY
SET FIREWALL POLICY SMTPDOMAIN



参考

RFC821, SIMPLE MAIL TRANSFER PROTOCOL


(C) 2003 - 2009 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: J613-M3069-03 Rev.L