[index] CentreCOM AR450S コマンドリファレンス 2.9

IPマルチキャスト/概要・基本設定


  - マルチキャスト経路制御プロトコル


本製品のIPマルチキャスト機能について概説します。

IPマルチキャストは、同じ内容のパケットを複数のIPホスト(以下、ホスト)に効率よく送り届けるための仕組みです。1台のサーバーから複数のクライアントにデータを配信するような場合、IPマルチキャストを利用するとネットワークの帯域を有効活用できます。

通常のIP通信(ユニキャスト)ではパケットの宛先としてホスト(より正確にはホストのインターフェース)を指定しますが、IPマルチキャストでは宛先として「マルチキャストグループ」を指定します。各グループは、クラスDと呼ばれる特殊なIPアドレス(224.0.0.0〜239.255.255.255)で表します(マルチキャストグループアドレス)。

これらのアドレス宛てに送信されたパケットは、マルチキャストルーターの協調動作によって、グループに所属するすべてのホスト(グループメンバーと呼びます)に配送されます。

各グループのメンバーは固定されておらず、個々のホストが任意のグループに参加・脱退できます。ホストがグループへの参加・脱退を表明したり、ルーターがグループのメンバーを問い合わせたりするためのプロトコルがIGMP(Internet Group Management Protocol)です。

また、マルチキャストルーター間の情報交換に使われるプロトコルをマルチキャスト経路制御プロトコルと呼び、DVMRP(Distance Vector Multicast Routing Protocol)やPIM-DM(Protocol Independent Multicast - Dense Mode)などがあります。

本製品はIGMP、DVMRP、PIM-DM、PIM-SMに対応しており、IPマルチキャストルーターとして動作させることができます。また、IPマルチキャストパケットのルーティングをハードウェアで処理できます。

 

マルチキャスト経路制御プロトコル

ホストグループのメンバー構成は常に変化するため、マルチキャストパケットの転送判断はおのずとダイナミック(動的)なものになります。

通常、ルーターはマルチキャスト経路制御プロトコルを通じて得た情報に基づいて、マルチキャストパケットを転送するかどうか判断します。本製品は以下のマルチキャスト経路制御プロトコルに対応しています。


また、マルチキャストグループのメンバーを管理するためのプロトコルIGMP(Internet Group Management Protocol)、および、VLAN内に不要なマルチキャストパケットが流れないようにするIGMP Snoopingにも対応しています。

各プロトコルの使用方法については、「DVMRP」、「PIM」、「IGMP」、「IGMP Snooping」をご覧ください。







(C) 2003 - 2009 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: J613-M3069-03 Rev.L