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CentreCOM AR550S 設定例集 2.9 #40
フレームリレーによるIP2点間接続(IPアドレスに基づくポリシールーティング)
フレームリレー網を使って2つの拠点をIP接続します。この例ではさらに、IPポリシーフィルターを使って、特定アドレス間のトラフィックだけをCIR値の高いDLC経由でルーティングするよう設定しています。
ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。
表 1
|
ルーターA |
ルーターB |
TDMグループ名 |
TOOS |
TOOS |
回線速度 |
128Kbps |
128Kbps |
WAN側物理インターフェース |
bri0 |
bri0 |
PVC状態確認手順(LMI) |
Annex A |
Annex A |
DLCI(CIR)(1) |
16(16Kbps) |
16(16Kbps) |
DLCI(CIR)(2) |
17(0Kbps) |
17(0Kbps) |
WAN側(fr0)IPアドレス |
192.168.100.1/24 |
192.168.100.2/24 |
LAN側(vlan1)IPアドレス |
192.168.10.1/24 |
192.168.20.1/24 |
サーバーのIPアドレス |
192.168.10.100 |
(なし) |
始点/終点IPアドレスによるDLCの振り分けは、次のようにします。
- サーバー(192.168.10.100)とネットワーク「192.168.20.0/24」の間のトラフィック:DLCI=16(CIR=16Kbps)
- その他のトラフィック:DLCI=17(CIR=0Kbps)
- BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
- bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。
CREATE TDM GROUP=TOOS INTERFACE=bri0 SLOTS=1-2 ↓
- FR(フレームリレー)インターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成し、PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを設定してfr0をリセットします(LMIを設定した際は、FRインターフェースをリセットします)。
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA ↓
RESET FR=0 ↓
- DLCI=16のCIRを16Kbpsに設定します。
SET FR=0 DLC=16 CIR=16000 ↓
- DLCI=17のCIRを0Kbpsに設定します。
- 輻輳制御を有効にします。
ENABLE FR=0 CONGESTIONCONTROL ↓
- スロースタートメカニズムを有効にします。
- IPモジュールを有効にします。
- ポリシーフィルターを作成します。サーバー(192.168.10.100)からリモートネットワーク192.168.20.0/24へのトラフィックにはポリシー1を割り当てます。ポリシーフィルターの番号は100〜199です。
ADD IP FILTER=100 SO=192.168.10.100 SM=255.255.255.255 DEST=192.168.20.0 DM=255.255.255.0 POLICY=1 ↓
- その他のトラフィックにはポリシー2を割り当てます。
ADD IP FILTER=100 SO=192.168.10.0 SM=255.255.255.0 DEST=192.168.20.0 DM=255.255.255.0 POLICY=2 ↓
- LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。また、同インターフェースにポリシーフィルターを適用します。
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 POLICYFILTER=100 ↓
- WAN側(fr0)インターフェースにIPアドレスを設定します。
ADD IP INT=fr0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0 ↓
- 経路情報を設定します。サーバーからリモートネットワークへのトラフィック(ポリシー1)はDLCI=16を、その他のトラフィック(ポリシー2)はDLCI=17を使用するよう設定します。
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.2 DLC=16 POLICY=1 ↓
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.2 DLC=17 POLICY=2 ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
- BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
- bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。
CREATE TDM GROUP=TOOS INTERFACE=bri0 SLOTS=1-2 ↓
- FR(フレームリレー)インターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成し、PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを設定してfr0をリセットします(LMIを設定した際は、FRインターフェースをリセットします)。
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA ↓
RESET FR=0 ↓
- DLCI=16のCIRを16Kbpsに設定します。
SET FR=0 DLC=16 CIR=16000 ↓
- DLCI=17のCIRを0Kbpsに設定します。
- 輻輳制御を有効にします。
ENABLE FR=0 CONGESTIONCONTROL ↓
- スロースタートメカニズムを有効にします。
- IPモジュールを有効にします。
- ポリシーフィルターを作成します。ローカルネット(192.168.20.0/24)からサーバー(192.168.10.100)へのトラフィックにはポリシー1を割り当てます。ポリシーフィルターの番号は100〜199です。
ADD IP FILTER=100 SO=192.168.20.0 SM=255.255.255.0 DEST=192.168.10.100 DM=255.255.255.255 POLICY=1 ↓
- その他のトラフィックにはポリシー2を割り当てます。
ADD IP FILTER=100 SO=192.168.20.0 SM=255.255.255.0 DEST=192.168.10.0 DM=255.255.255.0 POLICY=2 ↓
- LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。また、同インターフェースにポリシーフィルターを適用します。
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 POLICYFILTER=100 ↓
- WAN側(fr0)インターフェースにIPアドレスを設定します。
ADD IP INT=fr0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0 ↓
- 経路情報を設定します。サーバーへのトラフィック(ポリシー1)はDLCI=16を、その他のトラフィック(ポリシー2)はDLCI=17を使用するよう設定します。
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.1 DLC=16 POLICY=1 ↓
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.1 DLC=17 POLICY=2 ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
■ 設定例中の「RESET FR=0」は、コマンドラインからfr0インターフェースの設定を行った場合に必要なものです。内蔵テキストエディター(EDIT)などで直接設定ファイルを記述する場合は「RESET FR=0」は不要です。
■ PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを使用する場合、フレームリレーのシステムパラメーターの1つであるError Threshold値(NN2パラメーター)の変更が必要になることがあります(本製品のデフォルト値は2)。たとえば、NTTのSuperRelayFRを使用している場合は、下記のコマンドを追加してNN2パラメーターの値を3に変更してください。
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA ↓
SET FR=0 NN2=3(追加) ↓
ルーターAのコンフィグ
[テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
CREATE TDM GROUP=TOOS INTERFACE=bri0 SLOTS=1-2 ↓
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA ↓
# RESET FR=0 ↓
SET FR=0 DLC=16 CIR=16000 ↓
SET FR=0 DLC=17 CIR=0 ↓
ENABLE FR=0 CONGESTIONCONTROL ↓
ENABLE FR=0 SLOWSTART ↓
ENABLE IP ↓
ADD IP FILTER=100 SO=192.168.10.100 SM=255.255.255.255 DEST=192.168.20.0 DM=255.255.255.0 POLICY=1 ↓
ADD IP FILTER=100 SO=192.168.10.0 SM=255.255.255.0 DEST=192.168.20.0 DM=255.255.255.0 POLICY=2 ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 POLICYFILTER=100 ↓
ADD IP INT=fr0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.2 DLC=16 POLICY=1 ↓
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.2 DLC=17 POLICY=2 ↓
|
ルーターBのコンフィグ
[テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2 ↓
CREATE TDM GROUP=TOOS INTERFACE=bri0 SLOTS=1-2 ↓
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA ↓
# RESET FR=0 ↓
SET FR=0 DLC=16 CIR=16000 ↓
SET FR=0 DLC=17 CIR=0 ↓
ENABLE FR=0 CONGESTIONCONTROL ↓
ENABLE FR=0 SLOWSTART ↓
ENABLE IP ↓
ADD IP FILTER=100 SO=192.168.20.0 SM=255.255.255.0 DEST=192.168.10.100 DM=255.255.255.255 POLICY=1 ↓
ADD IP FILTER=100 SO=192.168.20.0 SM=255.255.255.0 DEST=192.168.10.0 DM=255.255.255.0 POLICY=2 ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 POLICYFILTER=100 ↓
ADD IP INT=fr0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.1 DLC=16 POLICY=1 ↓
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.1 DLC=17 POLICY=2 ↓
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CentreCOM AR550S 設定例集 2.9 #40
(C) 2005-2014 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: J613-M0710-04 Rev.P
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