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CentreCOM AR550S 設定例集 2.9 #82
VRRP(LAN)
VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)は、複数のルーターを連携させ1台のルーターであるかのように見せかけることで、IPネットワークの冗長構成を可能にする機能です。ここでは、Ethernet LAN上におけるVRRPの使用例を示します。
ここでは、次のようなネットワーク構成を例に解説します。
この例では通常ルーターAが使用されますが、ルーターAが故障すると、同ルーターが定期的に送信しているVRRP AdvertisementパケットをルーターBが受信できなくなります。この場合、ルーターBはルーターAがダウンしたものと見なしてバックアップルーターからマスタールーターに移行し、両方のセグメントに対するデフォルトゲートウェイアドレスを引き継ぎます。ルーターAが復旧すると、ルーターBは元のバックアップルーターに戻ります。
- IPモジュールを有効にし、各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。
ENABLE IP ↓
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.1.100 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.2.100 MASK=255.255.255.0 ↓
- VRRPを有効にします。
- eth0にVRID=1を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.1.1とします。こちらをデフォルトのマスタールーターにするため、優先度をデフォルトの 100 よりも高い 101 に設定します。
CREATE VRRP=1 OVER=eth0 IP=192.168.1.1 PRIORITY=101 ↓
- vlan1にVRID=2を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.2.1とします。こちらをデフォルトのマスタールーターにするため、優先度をデフォルトの 100 よりも高い 101 に設定します。
CREATE VRRP=2 OVER=vlan1 IP=192.168.2.1 PRIORITY=101 ↓
- vlan1がダウンした場合に eth0側(VRID=1)の優先度を 99 に下げ、ルーターBがマスタールーターになるよう設定します。
ADD VRRP=1 MONITOREDINTERFACE=vlan1 NEWPRIORITY=99 ↓
- eth0がダウンした場合に vlan1側(VRID=2)の優先度を 99 に下げ、ルーターBがマスタールーターになるよう設定します。
ADD VRRP=2 MONITOREDINTERFACE=eth0 NEWPRIORITY=99 ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
- IPモジュールを有効にし、各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。
ENABLE IP ↓
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.1.2 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.2.2 MASK=255.255.255.0 ↓
- VRRPを有効にします。
- eth0にVRID=1を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.1.1とします。優先度はデフォルト値の 100 とします。
CREATE VRRP=1 OVER=eth0 IP=192.168.1.1 ↓
- vlan1にVRID=2を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.2.1とします。優先度はデフォルト値の 100 とします。
CREATE VRRP=2 OVER=vlan1 IP=192.168.2.1 ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
基本設定は以上です。
LAN上の各ホストには、デフォルトゲートウェイとして、バーチャルルーターのIPアドレスを設定します。通常時には、ルーターAがマスタールーターとして機能し、LAN間のトラフィックを転送します。ルーターAのインターフェースのどちらか(eth0、vlan1)がダウンした場合は、ルーターBがマスタールーターとなりバーチャルルーターとしての役割を引き継ぎます。このとき、バーチャルルーターのIPアドレスとMACアドレスは変化しないため、LAN上のホストがルーターの切り替えを意識することはありません。
ルーターAのコンフィグ
[テキスト版]
ENABLE IP ↓
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.1.100 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.2.100 MASK=255.255.255.0 ↓
ENABLE VRRP ↓
CREATE VRRP=1 OVER=eth0 IP=192.168.1.1 PRIORITY=101 ↓
CREATE VRRP=2 OVER=vlan1 IP=192.168.2.1 PRIORITY=101 ↓
ADD VRRP=1 MONITOREDINTERFACE=vlan1 NEWPRIORITY=99 ↓
ADD VRRP=2 MONITOREDINTERFACE=eth0 NEWPRIORITY=99 ↓
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ルーターBのコンフィグ
[テキスト版]
ENABLE IP ↓
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.1.2 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.2.2 MASK=255.255.255.0 ↓
ENABLE VRRP ↓
CREATE VRRP=1 OVER=eth0 IP=192.168.1.1 ↓
CREATE VRRP=2 OVER=vlan1 IP=192.168.2.1 ↓
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CentreCOM AR550S 設定例集 2.9 #82
(C) 2005-2014 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: J613-M0710-04 Rev.P
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