[index] CentreCOM AR550S コマンドリファレンス 2.9

IP/セキュリティー


  - ソースルートパケットフィルタリング
  - フラグメントオフセットフィルタリング
  - ディレクティドブロードキャストパケットフィルタリング


IP層でのセキュリティーオプションについて紹介します。なお、以下のオプションはデフォルトの状態が推奨設定です。明確な理由がない限り、設定を変更することはお勧めできません。したがって、以下は設定方法の説明というよりもセキュリティー機能の紹介としてお読みください。

 

ソースルートパケットフィルタリング

デフォルトでは、始点経路制御オプション付きのIPパケット(ソースルートパケット)は転送されずに破棄されます。IPの始点経路制御(ソースルーティング)オプションは通常使用されておらず、むしろ悪用される可能性のほうが高いため、デフォルト設定のままご使用ください。

■ ソースルートパケットの転送許可・不許可は、ENABLE IP SRCROUTEコマンド、DISABLE IP SRCROUTEコマンドで変更できます。


デフォルトは転送不許可(DISABLED)、すなわちソースルートパケットのフィルタリングが有効な状態です。前述の理由から、デフォルト設定のままご使用になることをお勧めします。

ソースルートパケットのフィルタリングが有効な場合(転送不許可の場合)は、始点経路制御オプション付きのIPパケットを受信すると、メッセージタイプ「IPFIL」でサブタイプ「SRCRT」のログメッセージが生成されます。

■ ソースルートパケットのフィルタリングが有効かどうかは、SHOW IPコマンドで確認できます。「Source-Routed Packets」が「Discarded」ならフィルタリングが有効(転送不許可)です(デフォルト設定)。フィルタリング無効時(転送有効時)は「Forwarded」と表示されます。

 

フラグメントオフセットフィルタリング

デフォルトでは、フラグメントオフセットが1のIPパケットは転送されずに破棄されます。これは、RFC1858で述べられているTiny Fragment攻撃やOverlapping Fragment攻撃を防ぐためです。デフォルト状態のままご使用ください。

Tiny Fragment攻撃は、先頭フラグメント(オフセット0)を最小サイズ(64ビット=8オクテット)にし、TCPの制御フラグを第2フラグメント(オフセット1)に送り込むことによって、Syn/Ackフラグによるパケットフィルタリングをかわそうとするものです。

一方、Overlapping Fragment攻撃では、先頭フラグメント(オフセット0)にTCPの制御フラグを入れますが、その際にフィルターを通過できるようなパターン(Syn=0、Ack=1)にフラグを設定しておきます。そして、第2フラグメントではオフセット値を1に設定し、再構成時に第1フラグメントの途中から先を上書きすることによって、パケットフィルタリングをかわそうとします。

■ フラグメントオフセットフィルタリングの有効・無効は、ENABLE IP FOFILTERコマンドとDISABLE IP FOFILTERコマンドで変更できます。


デフォルトではフィルタリングが有効です。上記の攻撃を防ぐため、デフォルト設定のままご使用になることをお勧めします。

フラグメントオフセットフィルタリングが有効な場合は、フラグメントオフセットが1のIPパケットを受信すると、メッセージタイプ「IPFIL」、サブタイプ「FRAG」のログメッセージが生成されます。

■ フラグメントオフセットフィルタリングが有効かどうかは、SHOW IPコマンドで確認できます。「IP Fragment Offset Filtering」が「Enabled」ならフィルタリングが有効です(デフォルト設定)。フィルタリング無効時は「Disabled」と表示されます。

 

ディレクティドブロードキャストパケットフィルタリング

デフォルトでは、配下のネットワークに対するサブネット/ネットワーク指定ブロードキャストは該当ネットワークに転送されません(ディレクティドブロードキャストフィルタリング)。ディレクティドブロードキャストパケットはサービス妨害(DOS)攻撃などで悪用される恐れがあるため、デフォルト状態のままご使用になることをお勧めします。

■ ディレクティドブロードキャストパケットフィルタリングの設定はIPインターフェースごとに行います。マルチホーミングを使用している場合は、論理インターフェースごとに設定できます。

ADD IP INTERFACEコマンド、SET IP INTERFACEコマンドのDIRECTEDBROADCASTパラメーターにOFFを指定するとフィルタリングが有効になります(デフォルト)。一方、ONを指定するとフィルタリングが無効になり、該当インターフェース配下のネットワークに対するブロードキャストパケットが転送されるようになります。


デフォルトではフィルタリングが有効です。前述の理由により、デフォルト設定のままご使用になることをお勧めします。

ディレクティドブロードキャストパケットのフィルタリングが有効な場合(転送不許可の場合)は、ディレクティドブロードキャストパケットを受信すると、メッセージタイプ「IPFIL」でサブタイプ「FRAG」のログメッセージが生成されます。

■ ディレクティドブロードキャストフィルタリングの設定はSHOW IP INTERFACEコマンドで確認できます。「DBcast」の項目が「No」ならフィルタリングが有効(転送しない)、「Yes」ならフィルタリングが無効(転送する)です。







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