[index] CentreCOM AR560S コマンドリファレンス 2.9

ADD PPP

カテゴリー:PPP / PPPインターフェース


ADD PPP=ppp-interface OVER=physical-interface [AUTHENTICATION={CHAP|EITHER|PAP|NONE}] [AUTHMODE={IN|OUT|INOUT}] [CBDELAY=1..100] [CBMODE={ACCEPT|OFF|REQUEST}] [CBNUMBER=e164number] [CBOPERATION={E164NUMBER|USERAUTH}] [COMPALGORITHM={PREDICTOR|STACLZS}] [COMPRESSION={LINK|OFF}] [CONFIGURE={count|CONTINUOUS}] [LQR={ON|OFF|seconds}] [MAGIC={ON|OFF}] [NUMBER=count] [PREDCHECK={CRC16|CRCCCITT}] [RECHALLENGE={ON|OFF|360..3600}] [RESTART=seconds] [STACCHECK={LCB|SEQUENCE}] [TERMINATE={count|CONTINUOUS}] [TYPE={DEMAND|PRIMARY|SECONDARY}]

ppp-interface: PPPインターフェース番号(0〜511)
physical-interface: 物理インターフェース名
e164number: E.164電話番号
seconds: 時間(秒)
count: 個数、回数


PPPインターフェースに物理リンクを追加する(マルチリンクPPP)。



パラメーター

PPP: PPPインターフェース番号

OVER: 物理インターフェース名。ISDN-callname(ISDN コール)、TNL-callname(L2TP コール)、TDM-groupname(TDM グループ)、ETH-servicename(Ethernetインターフェース)、VLAN-servicename(VLAN インターフェース)のいずれかを指定する。servicenameにはPPPoEサービス名を64文字以内で指定する。"(ダブルクォーテーション)は使用できない。大文字小文字を区別する。どのサービスでもよいときは、servicenameにANYを指定する。VLANインターフェースを指定する場合、タグVLANとの併用も可能。

AUTHENTICATION: 相手を認証するためのプロトコル。CHAP(Challenge Handshake Authentication Protocol)、PAP(Password Authentication Protocol)、EITHER(CHAPかPAPのどちらかを使用するようネゴシエート。CHAPを優先する)、NONE(認証なし)から選択する。デフォルトはNONE。相手を認証するときはNONE以外を指定すること。

AUTHMODE: 物理インターフェースがISDNコールのとき、発信呼、着信呼のどちらに対して認証を要求するかを指定する。AUTHENTICATIONパラメーターにNONE以外を指定したときだけ有効。INは着信呼、OUTは発信呼に対してのみ認証を行うことを示す。INOUTなら発着どちらの場合でも認証を行う。デフォルトはINOUT。

CBDELAY: PPPコールバック時の待機時間。コールバック要求を受けて回線を切断してから、コールバックするまでの待ち時間を0.1秒単位で指定する。範囲は1(0.1秒)〜100(10秒)。デフォルトは1(0.1秒)。物理レイヤーがISDNコールで、CBMODE=ACCEPT(コールバック要求を受け入れる)の場合にのみ有効。

CBMODE: PPPコールバックを行うかどうか、行う場合はコールバックを要求する側か、受け入れる側かを指定する。REQUESTは、LCPネゴシエーション時にコールバック要求を出すことを示す。ACCEPTは、コールバック要求を受け入れるときに指定する。この場合、認証方式(AUTHENTICATION)としてCHAPかPAPが設定されていなくてはならない。OFFは、コールバック要求も要求受け入れもしないことを意味する。デフォルトはOFF。

CBNUMBER: コールバック番号。コールバック要求時に相手に伝える自分の電話番号。CBOPERATIONにE164NUMBERを指定した場合に有効。

CBOPERATION: コールバック番号の決定方法。要求側が相手に対して指定する。E164NUMBERは、CBNUMBERパラメーターで指定した番号(この番号は要求時に相手に送られる)を使うよう指示する。USERAUTHは、相手側のユーザー認証データベースに登録されているユーザーのコールバック用電話番号(CBNUMBER)を使うよう指示するもの。デフォルトはUSERAUTH。

COMPALGORITHM: 圧縮方式。PREDICTOR(RFC1978)またはSTACLZS(RFC1974)から選択する。デフォルトはSTACLZS。

COMPRESSION: 圧縮を行うかどうか。ON(行う)、OFF(行わない)、LINK(OVERパラメーターで指定した物理リンクのみ圧縮を行う)から選択する。マルチリンクPPP使用時にONを指定すると、すべてのリンクで圧縮が行われる。特定のリンクでのみ圧縮を行うには、本パラメーターでLINKを指定し、OVERパラメーターで圧縮対象の物理リンクを指定する。デフォルトはOFF。

CONFIGURE: Configure-Requestパケットの送信リトライ回数。指定回数リトライしても結果が得られない場合は、物理インターフェースをリセットして再試行(LCPの場合)、あるいは試行終了(その他の場合)する。デフォルトはCONTINUOUS(無限)。

LQR: リンク状態の監視にLQR(Link Quality Report)パケットを使用するかどうか。ON、OFFまたは送信間隔(秒)を指定する。ECHOパラメーターと同時にONにすることはできない。ONを指定したときの送信間隔は60秒。デフォルトはON。

MAGIC: マジックナンバーを使用するかどうか。マジックナンバーはループバックの検出に用いられる。ループバックが検出された場合、インターフェースはOPENED状態にならない。デフォルトはON。

NUMBER: 追加するISDN Bチャンネルの本数。OVERパラメーターにISDNコールを指定した場合のみ有効。デフォルトは1。

PREDCHECK: Predictor圧縮におけるCRC(Cyclic Redundancy Check)の種類。RFC1978で規定されているCRC-16と、ルーターベンダーが採用しているCRC-CCITT(RFC1662)がある。このパラメーターはコントロールプロトコルによるネゴシエーションが行われないため、両側とも同じに設定する必要がある。デフォルトはCRC-16。

RECHALLENGE: CHAPの再認証を行うかどうか。ONを指定した場合は、5分(300秒)から15分(900秒)の間のランダムな間隔で再認証を行う。秒数を指定した場合は、最低5分(300秒)から指定した秒数までの間のランダムな間隔で再認証を行う。OFFを指定した場合は、再認証を行わない。Windows 95クライアントなどとの接続が切断されてしまうような場合は、再認証をOFFにするとよい。デフォルトはON。

RESTART: Configure-NAKおよびTerminate-Requestの再送間隔(秒)。デフォルトは3秒。

STACCHECK: STAC LZS圧縮におけるエラー検出方式を指定する。具体的には、Check Valueフィールドに格納する値の種類。SEQUENCEを指定した場合は、シーケンス番号によって欠落パケットを検出する。LCBを指定した場合は、LCB(Longitudinal Check Byte)によってエラーを検出する。

TERMINATE: Terminate-Requestの再送回数。デフォルトは2回。

TYPE: リンクの種類。PRIMARY(プライマリーリンク)、DEMAND(デマンドリンク)、SECONDARY(セカンダリーリンク)の3種類がある。省略時はPRIMARY。プライマリーリンクは通常使用されるリンクであり、同一PPPインターフェース上に複数のプライマリーリンクを設定することにより、これら複数のリンクを束ねて一本のリンクのように使用することができる(Link Aggregation機能)。プライマリーリンクには、専用線、ISDN 回線を使用できる。また、Link Aggregation使用時は、異なる回線種別のリンクを組み合せることができる。デマンドリンクは、プライマリーリンクの回線負荷率が一定値を上回ったときに起動されるリンク。同一PPPインターフェース上に複数のデマンドリンクを設定することも可能で、その場合は高負荷時に1本ずつリンクが追加されていく。デマンドリンクにはISDN回線を使用する。プライマリーリンクと回線種別が異なっていてもかまわない。デマンドリンクを設定すると、自動的にBACP/BAPが付加され、SET PPPコマンドでデマンドリンクの起動条件(UPRATE/UPTIME)や切断条件(DOWNRATE/DOWNTIME)を調整できる。セカンダリーリンクは、プライマリーリンク(専用線)の障害発生時に起動されるバックアップ用リンク。同一PPPインターフェース上に複数のセカンダリーリンクを設定することも可能で、その場合はプライマリーリンクがダウンすると、設定したセカンダリーリンクがすべて同時に起動される。プライマリーリンクの障害検出は、LQR(Link Quality Report)パケットによって行われるため、セカンダリーリンクを使用する場合は、必ずプライマリーリンクのLQRをONにすること(デフォルトはON)。また、CREATE PPPコマンド/SET PPPコマンドのCONFIGUREパラメーターの値を、デフォルトのCONTINUOUS(無限)から有限な値に変更しておく。プライマリーリンクでLQRパケットのタイムアウトが発生すると、本製品はプライマリーリンクをリセットした後、LCP Configure-Requestパケットを送信して再度リンクの確立を試みる。このとき、CREATE PPPコマンド/SET PPPコマンドのCONFIGUREパラメーターで設定した回数だけリトライしてもリンク確立に失敗する場合は、セカンダリーリンクが起動される。



関連コマンド

CREATE PPP
DELETE PPP
SET PPP
SHOW PPP



参考

RFC1331, The Point-to-Point Protocol (PPP) for the Transmission of Multi-protocol Datagrams over Point-to-Point Links
RFC1332, The PPP Internet Protocol Control Protocol (IPCP)
RFC1333, PPP Link Quality Monitoring
RFC1334, PPP Authentication Protocols
RFC1548, The Point-to-Point Protocol (PPP)
RFC1549, PPP in HDLC Framing
RFC1570, PPP LCP Extensions
RFC1638, PPP Bridging Control Protocol (BCP)
RFC1661, The Point-to-Point Protocol (PPP)
RFC1662, PPP in HDLC-like Framing
RFC1877, PPP Internet Protocol Control Protocol Extensions for Name Server Addresses
RFC1990, The PPP Multilink Protocol (MP)
RFC2125, The PPP Bandwidth Allocation Protocol (BAP) / The PPP Bandwidth Allocation Control Protocol (BACP)
RFC2516, A Method for Transmitting PPP Over Ethernet (PPPoE)


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