[index] CentreCOM AR570S コマンドリファレンス 2.9

SET OSPF

カテゴリー:IP / 経路制御(OSPF)


SET OSPF [ASEXTERNAL={ON|OFF|NSSA}] [DEFROUTE={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO} [TYPE={1|2}] [METRIC=0..16777215]] [DYNINTERFACE={STUB|ASEXTERNAL|NONE|NO|OFF|FALSE}] [RIP={OFF|EXPORT|IMPORT|BOTH}] [ROUTERID=ipadd] [BGPIMPORT={ON|OFF}] [BGPLIMIT=1..4000] [BGPFILTER={NONE|300..399}] [AUTOCOST={ON|OFF}] [REFBANDWIDTH=10..10000] [STATICEXPORT={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO}] [PASSIVEINTERFACEDEFAULT={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO}]

ipadd: IPアドレス


OSPFのグローバル設定パラメーターを変更する。



パラメーター

ASEXTERNAL: AS境界ルーター(ASBR)として動作させるかどうか。ONを指定した場合は、AS外部の経路情報(他の経路制御プロトコルの情報とスタティック経路)をAS内に通知する。このとき、通常エリアにはタイプ5のLSAで、準スタブエリア(NSSA)にはタイプ7のLSAで通知する。NSSAを指定した場合は、準スタブエリア(NSSA)にだけタイプ7のLSAで通知する。デフォルトはOFF。

DEFROUTE: ASBRに手動でデフォルトルートを設定していない場合に、ASBRをデフォルトルート(0.0.0.0)としたAS外部LSAをASBR自身に生成させ、AS内に通知するかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはOFF

TYPE: デフォルトAS外部LSAのメトリックタイプ(1または2)。DEFROUTE=ONの場合のみ有効。デフォルトは2。

METRIC: デフォルトAS外部LSAのメトリック。DEFROUTE=ONの場合のみ有効。デフォルトは1。

DYNINTERFACE: 動的に生成されるダイナミックインターフェースへの経路をどのタイプの経路情報として取り込むか。STUBを指定した場合はスタブリンクとして、ASEXTERNALを指定した場合はAS外部リンク広告として取り込む。NONEを指定した場合は、ダイナミックインターフェースの経路情報を取り込まない。デフォルトはNONE。

RIP: RIPとOSPFの間でどのように情報をやりとりするかを指定する。EXPORTを指定した場合、OSPFの経路情報がRIPのルーティングテーブルに取り込まれる。IMPORTを指定した場合、RIPの経路情報がOSPFのルーティングテーブルに取り込まれる。BOTHを指定した場合は、OSPFとRIPで互いに情報を交換しあう。OFFを指定した場合は、RIPとOSPFのやりとりは行われない。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはOFF。

ROUTERID: ルーターID。IPアドレスと同じ形式で指定する。指定しなかった場合は、インターフェースに設定されたIPアドレスの中でもっとも大きなものがルーターIDとして使われる。

BGPIMPORT: BGP-4で学習した経路をOSPFのルーティングテーブルに取り込むかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはOFF。

BGPLIMIT: 取り込むBGP-4経路の最大数を指定する。「BGPIMPORT=ON」のときのみ有効。指定値に達した場合は、取り込み済みの経路が削除されて空きができるまで、BGP-4経路の取り込みが停止される。デフォルトは1000。

BGPFILTER: 取り込むBGP-4経路を取捨選択するために用いるプレフィックスフィルターの番号を指定する。フィルターの適用をやめるにはNONEを指定する。プレフィックスフィルターはADD IP FILTERコマンドで作成する(フィルター番号300〜399)。「BGPIMPORT=ON」のときのみ有効。

AUTOCOST: OSPFインターフェースのコスト(メトリック)を実際のリンク速度に基づいて自動計算するかどうか。ONのときは、各インターフェースのリンク速度(VLANの場合はリンクアップしているメンバーポートの平均速度)とREFBANDWIDTHパラメーターの値に基づいてコストが自動的に計算される(REFBANDWIDTHパラメーターの説明を参照)。ただし、ADD IP INTERFACEコマンド、SET IP INTERFACEコマンドのOSPFMETRICパラメーターでメトリック値を明示的に指定している場合は、そちらが優先される。デフォルトはOFF。

REFBANDWIDTH: OSPFインターフェースのコスト(メトリック)を自動計算する場合に使う基準値。単位はMbps。AUTOCOST=ONのとき、OSPFインターフェースのコストは、REFBANDWIDTH(Mbps) / インターフェースのリンク速度(Mbps)となる。なお、VLANインターフェースのリンク速度は、リンクアップしているメンバーポートの平均値となる。デフォルトは1000。

STATICEXPORT: スタティック経路に対応するAS外部LSAを生成し、AS内に通知するかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはYES。

PASSIVEINTERFACEDEFAULT: OSPFインターフェースの設定においてPASSIVEパラメーターを省略したときの同パラメーターのデフォルト値を指定する。本パラメーターに値を指定しているときは、ADD OSPF INTERFACEコマンド、SET OSPF INTERFACEコマンドでPASSIVEパラメーターを指定しないと、本パラメーターの値がデフォルト値として用いられる。本パラメーターが未指定のときは、PASSIVE=OFFがデフォルトとなる。デフォルトは未指定。



表 1:ASEXTERNAL、STATICEXPORT、RIP、BGPIMPORTパラメーターを変更したときのコマンド自動変換
変更対象パラメーター
変更方向
コマンド自動変換の詳細
ASEXTERNAL OFF → ON/NSSA ASEXTERNAL=ONはそのまま残る。さらに、STATICEXPORT=YESならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが追加される
STATICEXPORT NO → YES ASEXTERNAL=ON/NSSAならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが追加される
YES → NO ASEXTERNAL=ON/NSSAならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが削除される
RIP OFF/EXPORT → IMPORT/BOTH ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=RIPが追加される(RIP=BOTHに変更したときはSET OSPF RIP=EXPORTも残る)
IMPORT/BOTH → OFF/EXPORT ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=RIPが削除される(RIP=BOTHから変更したときはSET OSPF RIP=EXPORTも削除される)
BGPIMPORT OFF → ON ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPが追加される
ON → OFF ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPが削除される
BGPLIMIT BGPLIMIT=x ADD/SET OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPのLIMITパラメーターもxに変更される



ルーターIDとして「1.1.1.1」を設定する
SET OSPF ROUTERID=1.1.1.1



備考・注意事項

・仮想リンクを使用するときは、リンクの両エンドのルーターにルーターIDを設定しておくと設定がやりやすい。

・RIPおよびASEXTERNALパラメーターを変更すると、一時的にネットワークが不安定になるので注意。

・ASEXTERNALにONかNSSAを指定した場合、スタティック経路は自動的に取り込まれる(STATICEXPORTのデフォルト値がYESのため)。非OSPFインターフェースに接続されたネットワークの経路を取り込むには、ADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=INTERFACEを指定する。RIP経路を取り込むには、本コマンドのRIPパラメーターにIMPORTかBOTHを指定する(またはADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=RIPを指定する)。BGP-4経路を取り込むには、本コマンドのBGPIMPORTパラメーターにONを指定する(またはADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=BGPを指定する)。

・ASEXTERNAL、STATICEXPORT、RIP、BGPIMPORT、BGPLIMITの各パラメーターを変更・設定した場合、メモリー上ではADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドに自動変換されることがある(メモリー上の設定内容はSHOW CONFIGコマンドにDYNAMIC=OSPFを付けることで確認可能)。また、本コマンドでこれらのパラメーターを変更・設定した後、CREATE CONFIGコマンドを実行した場合も、同様な変換が行われた上で設定ファイルに書き出される。どのような変換が行われるかは別表を参照。

・PASSIVEINTERFACEDEFAULTパラメーターの変更は、新規に作成するOSPFインターフェースでなく、既存のOSPFインターフェース(PASSIVEパラメーターを指定していないもの)にも適用されるので注意。

・DYNINTERFACEパラメーターにSTUBかASEXTERNALを指定する場合にはルーターをAS境界ルーター(ASBR)として設定する。また、本パラメーターにASEXTERNALを指定する場合には次のコマンドを追加する。ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=INTERFACE。



関連コマンド

ADD IP FILTER
ADD OSPF INTERFACE
DISABLE OSPF DEBUG
DISABLE OSPF LOG
ENABLE OSPF DEBUG
SET OSPF INTERFACE
SHOW OSPF



参考

RFC1587, The OSPF NSSA Option
RFC2328, OSPF Version 2


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