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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #138
PPPoEマルチセッションによる端末型インターネット接続+CUGサービス接続(LAN型)
PPPoEセッションを2本使い、インターネット(ISP)接続とCUG(Closed Users Group)サービス(NTT東日本のフレッツ・グループアクセス(プロ)およびNTT西日本のフレッツ・グループ(ビジネスメニュー))の「LAN型払い出し」を同時に利用します。パケットの振り分けはスタティックな経路制御により行います。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)からは、次の情報を提供されているものとします。
表 1:ISPから提供された情報
|
ルーターA |
ルーターB |
PPPユーザー名 |
user@ispA |
user@ispB |
PPPパスワード |
isppasswdA |
isppasswdB |
PPPoEサービス名 |
指定なし |
指定なし |
IPアドレス |
グローバルアドレス1個(動的割り当て) |
グローバルアドレス1個(動的割り当て) |
DNSサーバー |
接続時に通知される |
接続時に通知される |
CUGサービスのプライベートグループ(以下、グループ)管理者からは、次の情報を提供されているものとします。グループのメンバーは、userA(ルーターA)とuserB(ルーターB)だけであると仮定しています。
表 2:グループ管理者から提供された情報
|
ルーターA |
ルーターB |
ユーザーID(PPPユーザー名) |
userA |
userB |
パスワード(PPPパスワード) |
passwdA |
passwdB |
IPアドレス |
192.168.10.0/24(LAN型) |
192.168.20.0/24(LAN型) |
ルーターには、次のような方針で設定を行います。
- スタティックルーティングにより、グループ内の他ユーザー宛てのパケット(対向ルーターのLAN側宛てパケット)と、それ以外のパケット(インターネット宛て)の転送先を振り分けます。
- ファイアウォールを利用して、インターネット側からの不正アクセスを遮断しつつ、内部からは自由にインターネット側へのアクセスができるようにします。
- ファイアウォールにルールを追加し、グループユーザー間の通信(ルーターA配下のLANとルーターB配下のLAN間通信)は自由に行えるようにします。
- ファイアウォールのダイナミックENAT機能を利用して、LAN側ネットワークのプライベートIPアドレスを、インターネット接続用のWAN側インターフェースに設定されたアドレスに変換します。これにより、LANに接続された複数のコンピューターから、インターネットへの同時アクセスが可能になります。
- トリガー機能を使ってPPPインターフェースを監視し、PPPoEのセッションが局側から切断されたような場合に、自動的に再接続するよう設定します。
- ルーターのDNSリレー機能をオンにして、LAN側コンピューターからのDNSリクエストを、ISPのDNSサーバーに転送します。
以下、ルーターの基本設定についてまとめます。
表 3:ルーターの基本設定
|
ルーターA |
ルーターB |
WAN側物理インターフェース |
eth1 |
eth1 |
WAN側(ppp0)IPアドレス(1) |
接続時にISP-Aから取得する |
接続時にISP-Bから取得する |
WAN側(ppp1)IPアドレス(2) |
Unnumbered |
Unnumbered |
LAN側(eth0)IPアドレス |
192.168.10.1/24 |
192.168.20.1/24 |
DNSリレー機能 |
有効 |
有効 |

Note
- 本設定例では、PPPインターフェースのリンクアップ・ダウンによって、トリガーの状態が動的に変化します。そのため、以下の設定コマンドはルーターのWAN側インターフェース(eth1)にケーブルを接続していない状態(PPPインターフェースがリンクアップしない状態)で入力してください。詳細については章末の「メモ」をご覧ください。
- WAN側Ethernetインターフェース(eth1)上にインターネット(ISP)接続用のPPPインターフェース「0」を作成します。「OVER=eth1-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「any」を設定します。
CREATE PPP=0 OVER=eth1-any ↓
- ISPから通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。
SET PPP=0 OVER=eth1-any BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=user@ispA PASSWORD=isppasswdA LQR=OFF ECHO=ON ↓
- WAN側Ethernetインターフェース(eth1)上にCUGサービス接続用のPPPインターフェース「1」を作成します。「OVER=eth1-XXXX」の「XXXX」の部分には、グループ管理者から通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「any」を設定します。
CREATE PPP=1 OVER=eth1-any ↓
- グループ管理者から通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。
SET PPP=1 OVER=eth1-any BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=userA PASSWORD=passwdA LQR=OFF ECHO=ON ↓
- IPモジュールを有効にします。
- IPCPネゴシエーションで与えられたIPアドレスをPPPインターフェースで使用するように設定します。
- LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。グループ管理者から指定されたアドレスを設定してください。
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
- インターネット接続用のWAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。ISPとの接続が確立するまで、IPアドレスは確定しません。
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓
- CUGサービス接続用のWAN側(ppp1)インターフェースをUnnumberedに設定します。
ADD IP INT=ppp1 IP=0.0.0.0 ↓
- デフォルトルートをインターネット(ISP)側に向けます。
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
- ルーターBのLAN側への経路をスタティックに登録します。
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp1 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
- DNSリレー機能を有効にします。
- DNSリレーの中継先を指定します。通常、中継先にはDNSサーバーのアドレスを指定しますが、IPCPによりアドレスを取得するまでは不明であるため、ここではインターフェース名を指定します。
SET IP DNSRELAY INT=ppp0 ↓
- ファイアウォール機能を有効にします。
- ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。
CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
- ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH ↓
Note
- デフォルト設定では、ICMPはファイアウォールを通過できません。
- ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、ただちにTCP RSTを返すよう設定します。
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
- ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。
- LAN側(eth0)インターフェースをPRIVATE(内部)に設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth0 TYPE=PRIVATE ↓
- インターネット接続用のWAN側(ppp0)インターフェースをPUBLIC(外部)に設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
- CUGサービス接続用のWAN側(ppp1)インターフェースをPUBLIC(外部)に設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp1 TYPE=PUBLIC ↓
- LAN側からインターネットへの通信にENATを適用します。NATアドレスにはppp0のIPアドレスを使用します。この例では、グループ間の通信にはNATを使いません。
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=eth0 GBLINT=ppp0 ↓
Note
- ファイアウォールのダイナミックENATでは、パケットがINTからGBLINTに転送されたときに、パケットの始点アドレスをGBLINTのアドレスに書き換えます。
- ルーターBのLAN側からの通信をすべて許可するルールを設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=1 AC=ALLOW INT=ppp1 PROT=ALL REMOTEIP=192.168.20.1-192.168.20.254 ↓
- PPPoEセッションを自動再接続するためのトリガースクリプトを作成します。
- ppp0をリセットするスクリプトreset0.scpを作成します。
ADD SCRIPT=reset0.scp TEXT="RESET PPP=0" ↓
- ppp1をリセットするスクリプトreset1.scpを作成します。
ADD SCRIPT=reset1.scp TEXT="RESET PPP=1" ↓
- トリガー「1」を無効状態にするスクリプトup0.scpを作成します。
ADD SCRIPT=up0.scp TEXT="DISABLE TRIGGER=1" ↓
- トリガー「2」を無効状態にするスクリプトup1.scpを作成します。
ADD SCRIPT=up1.scp TEXT="DISABLE TRIGGER=2" ↓
- トリガー「1」を有効状態にするスクリプトdown0.scpを作成します。
ADD SCRIPT=down0.scp TEXT="ENABLE TRIGGER=1" ↓
- トリガー「2」を有効状態にするスクリプトdown1.scpを作成します。
ADD SCRIPT=down1.scp TEXT="ENABLE TRIGGER=2" ↓
Note
- ADD SCRIPTコマンドは、コンソールなどからログインした状態で、コマンドラインから実行するコマンドです。そのため、EDITコマンド(内蔵フルスクリーンエディター)等を使って設定スクリプトファイル(.CFG)にこのコマンドを記述しても意図した結果にならない場合がありますのでご注意ください。
- トリガー機能を有効にします。
- PPPoEセッションを自動再接続するためのトリガーを作成します。
- 3分ごとにreset0.scpを実行する定期トリガー「1」を作成します。このトリガーは、ppp0インターフェースがダウンすると同時に有効になり(トリガー「5」による)、アップすると無効になります(トリガー「3」による)。
CREATE TRIGGER=1 PERIODIC=3 SCRIPT=reset0.scp ↓
- 3分ごとにreset1.scpを実行する定期トリガー「2」を作成します。このトリガーは、ppp1インターフェースがダウンすると同時に有効になり(トリガー「6」による)、アップすると無効になります(トリガー「4」による)。
CREATE TRIGGER=2 PERIODIC=3 SCRIPT=reset1.scp ↓
- ppp0のアップ時にup0.scpを実行するインターフェーストリガー「3」を作成します。
CREATE TRIGGER=3 INTERFACE=ppp0 EVENT=UP CP=IPCP SCRIPT=up0.scp ↓
- ppp1のアップ時にup1.scpを実行するインターフェーストリガー「4」を作成します。
CREATE TRIGGER=4 INTERFACE=ppp1 EVENT=UP CP=IPCP SCRIPT=up1.scp ↓
- ppp0のダウン時にdown0.scpを実行するインターフェーストリガー「5」を作成します。
CREATE TRIGGER=5 INTERFACE=ppp0 EVENT=DOWN CP=IPCP SCRIPT=down0.scp ↓
- ppp1のダウン時にdown1.scpを実行するインターフェーストリガー「6」を作成します。
CREATE TRIGGER=6 INTERFACE=ppp1 EVENT=DOWN CP=IPCP SCRIPT=down1.scp ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
Note
- WAN側のケーブルを抜いた状態でここまでの設定を行った場合は、ファイル保存後にケーブルを接続してください。
- WAN側Ethernetインターフェース(eth1)上にインターネット(ISP)接続用のPPPインターフェース「0」を作成します。「OVER=eth1-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「any」を設定します。
CREATE PPP=0 OVER=eth1-any ↓
- ISPから通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。
SET PPP=0 OVER=eth1-any BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=user@ispB PASSWORD=isppasswdB LQR=OFF ECHO=ON ↓
- WAN側Ethernetインターフェース(eth1)上にCUGサービス接続用のPPPインターフェース「1」を作成します。「OVER=eth1-XXXX」の「XXXX」の部分には、グループ管理者から通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「any」を設定します。
CREATE PPP=1 OVER=eth1-any ↓
- グループ管理者から通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。
SET PPP=1 OVER=eth1-any BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=userB PASSWORD=passwdB LQR=OFF ECHO=ON ↓
- IPモジュールを有効にします。
- IPCPネゴシエーションで与えられたIPアドレスをPPPインターフェースで使用するように設定します。
- LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。グループ管理者から指定されたアドレスを設定してください。
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓
- インターネット接続用のWAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。ISPとの接続が確立するまで、IPアドレスは確定しません。
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓
- CUGサービス接続用のWAN側(ppp1)インターフェースをUnnumberedに設定します。
ADD IP INT=ppp1 IP=0.0.0.0 ↓
- デフォルトルートをインターネット(ISP)側に向けます。
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
- ルーターAのLAN側への経路をスタティックに登録します。
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp1 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
- DNSリレー機能を有効にします。
- ファイアウォール機能を有効にします。
- ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。
CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
- ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH ↓
Note
- デフォルト設定では、ICMPはファイアウォールを通過できません。
- ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、ただちにTCP RSTを返すよう設定します。
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
- ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。
- LAN側(eth0)インターフェースをPRIVATE(内部)に設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth0 TYPE=PRIVATE ↓
- インターネット接続用のWAN側(ppp0)インターフェースをPUBLIC(外部)に設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
- CUGサービス接続用のWAN側(ppp1)インターフェースをPUBLIC(外部)に設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp1 TYPE=PUBLIC ↓
- LAN側からインターネットへの通信にENATを適用します。NATアドレスにはppp0のIPアドレスを使用します。この例では、グループ間の通信にはNATを使いません。
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=eth0 GBLINT=ppp0 ↓
Note
- ファイアウォールのダイナミックENATでは、パケットがINTからGBLINTに転送されたときに、パケットの始点アドレスをGBLINTのアドレスに書き換えます。
- ルーターAのLAN側からの通信をすべて許可するルールを設定します。
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=1 AC=ALLOW INT=ppp1 PROT=ALL REMOTEIP=192.168.10.1-192.168.10.254 ↓
- PPPoEセッションを自動再接続するためのトリガースクリプトを作成します。
- ppp0をリセットするスクリプトreset0.scpを作成します。
ADD SCRIPT=reset0.scp TEXT="RESET PPP=0" ↓
- ppp1をリセットするスクリプトreset1.scpを作成します。
ADD SCRIPT=reset1.scp TEXT="RESET PPP=1" ↓
- トリガー「1」を無効状態にするスクリプトup0.scpを作成します。
ADD SCRIPT=up0.scp TEXT="DISABLE TRIGGER=1" ↓
- トリガー「2」を無効状態にするスクリプトup1.scpを作成します。
ADD SCRIPT=up1.scp TEXT="DISABLE TRIGGER=2" ↓
- トリガー「1」を有効状態にするスクリプトdown0.scpを作成します。
ADD SCRIPT=down0.scp TEXT="ENABLE TRIGGER=1" ↓
- トリガー「2」を有効状態にするスクリプトdown1.scpを作成します。
ADD SCRIPT=down1.scp TEXT="ENABLE TRIGGER=2" ↓
Note
- ADD SCRIPTコマンドは、コンソールなどからログインした状態で、コマンドラインから実行するコマンドです。そのため、EDITコマンド(内蔵フルスクリーンエディター)等を使って設定スクリプトファイル(.CFG)にこのコマンドを記述しても意図した結果にならない場合がありますのでご注意ください。
- トリガー機能を有効にします。
- PPPoEセッションを自動再接続するためのトリガーを作成します。
- 3分ごとにreset0.scpを実行する定期トリガー「1」を作成します。このトリガーは、ppp0インターフェースがダウンすると同時に有効になり(トリガー「5」による)、アップすると無効になります(トリガー「3」による)。
CREATE TRIGGER=1 PERIODIC=3 SCRIPT=reset0.scp ↓
- 3分ごとにreset1.scpを実行する定期トリガー「2」を作成します。このトリガーは、ppp1インターフェースがダウンすると同時に有効になり(トリガー「6」による)、アップすると無効になります(トリガー「4」による)。
CREATE TRIGGER=2 PERIODIC=3 SCRIPT=reset1.scp ↓
- ppp0のアップ時にup0.scpを実行するインターフェーストリガー「3」を作成します。
CREATE TRIGGER=3 INTERFACE=ppp0 EVENT=UP CP=IPCP SCRIPT=up0.scp ↓
- ppp1のアップ時にup1.scpを実行するインターフェーストリガー「4」を作成します。
CREATE TRIGGER=4 INTERFACE=ppp1 EVENT=UP CP=IPCP SCRIPT=up1.scp ↓
- ppp0のダウン時にdown0.scpを実行するインターフェーストリガー「5」を作成します。
CREATE TRIGGER=5 INTERFACE=ppp0 EVENT=DOWN CP=IPCP SCRIPT=down0.scp ↓
- ppp1のダウン時にdown1.scpを実行するインターフェーストリガー「6」を作成します。
CREATE TRIGGER=6 INTERFACE=ppp1 EVENT=DOWN CP=IPCP SCRIPT=down1.scp ↓
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
Note
- WAN側のケーブルを抜いた状態でここまでの設定を行った場合は、ファイル保存後にケーブルを接続してください。
■ グループメンバー(拠点)が追加されたときは、該当拠点への経路情報とファイアウォールルールを追加することによって対応できます。たとえば、新拠点192.168.30.0/24が追加された場合は、ルーターA、ルーターBの両方で次のコマンドを実行します。
ADD IP ROUTE=192.168.30.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp1 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=2 AC=ALLOW INT=ppp1 PROT=ALL REMOTEIP=192.168.30.1-192.168.30.254 ↓
■ 本構成例では、PPPリンクのアップ・ダウンによってトリガー「1」「2」の状態(有効・無効)が動的に変化します。そのため、WAN側インターフェースにケーブルを接続したまま設定を行うと、コマンド入力時と設定保存時でトリガー「1」「2」の状態が変わってしまうことがあります。その場合、PPP の自動再接続機能が働かなくなりますので、必ず次のいずれかの方法で設定を行ってください。
- WAN側インターフェースのケーブルを抜いた状態でコマンドを入力し、設定保存後にケーブルを接続する。
- PC上で設定ファイルを作成し、ZMODEMかTFTPでルーターに転送する。
- ルーターのEDITコマンドで設定ファイルを作成する。
設定が正しく保存されているかどうかを確認するには、SHOW FILEコマンドかSHOW SCRIPTコマンドで設定ファイルを表示し、トリガー「1」「2」の設定内容を確認してください。正しく保存されている場合、トリガー「1」「2」の設定は次のようになります。
create trigger=1 periodic=3 script=reset0.scp
create trigger=2 periodic=3 script=reset1.scp
|
手順が正しくなかった場合は、次のように「state=disabled」というパラメーターが付きます。この設定では、ルーター起動直後に再接続機能が働きません。
create trigger=1 periodic=3 state=disabled script=reset0.scp
create trigger=2 periodic=3 state=disabled script=reset1.scp
|
この場合は、EDITコマンドで設定ファイルを開き、「state=disabled」を削除して上書き保存してください。
■ 本設定では、ルーター起動直後にPPPoEセッションが確立され、以後常時接続された状態となります。したがって、PPPoEセッションの切断、再接続は手動で行う必要があります。
- セッションを切断するには、次のコマンドでPPPインターフェースをディセーブルにします。
- 再接続するには次のコマンドでPPPインターフェースをイネーブルにします。
■ 常時接続ではなく、LAN側からWAN側に対して通信要求が発生したときに自動的にPPPoEセッションを確立し、無通信状態が60秒続いたときにPPPoEセッションを切断するには、次のコマンドを入力します。
SET PPP=0 OVER=eth1-any IDLE=60 ↓
SET PPP=1 OVER=eth1-any IDLE=60 ↓
この場合、自動再接続のためのトリガー設定は意味を持ちませんので、手順20〜22は不要になります。
■ ファイアウォールで遮断されたパケットのログをとるには、次のコマンドを実行します。
ENABLE FIREWALL POLICY=net LOG=DENY ↓
記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=FIRE」により、ファイアウォールが出力したログメッセージだけを表示させています。
■ インターネット側からのPING(ICMP Echo Requestパケット)を拒否するには、次のようなIPフィルターをWAN側インターフェースに設定します。この例では、「LOG=HEADER」により、フィルターで拒否したパケットをログに記録しています。
ADD IP FILTER=0 SO=0.0.0.0 PROTO=ICMP ICMPTYPE=ECHO LOG=HEADER ACTION=EXCLUDE ↓
ADD IP FILTER=0 SO=0.0.0.0 ACTION=INCLUDE ↓
SET IP INT=ppp0 FILTER=0 ↓
記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=IPFIL」により、IPフィルターが出力したログメッセージだけを表示させています。
ルーターAのコンフィグ
[テキスト版]
CREATE PPP=0 OVER=eth1-any ↓
SET PPP=0 OVER=eth1-any BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=user@ispA PASSWORD=isppasswdA LQR=OFF ECHO=ON ↓
CREATE PPP=1 OVER=eth1-any ↓
SET PPP=1 OVER=eth1-any BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=userA PASSWORD=passwdA LQR=OFF ECHO=ON ↓
ENABLE IP ↓
ENABLE IP REMOTEASSIGN ↓
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓
ADD IP INT=ppp1 IP=0.0.0.0 ↓
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp1 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
ENABLE IP DNSRELAY ↓
SET IP DNSRELAY INT=ppp0 ↓
ENABLE FIREWALL ↓
CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH ↓
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth0 TYPE=PRIVATE ↓
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp1 TYPE=PUBLIC ↓
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=eth0 GBLINT=ppp0 ↓
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=1 AC=ALLOW INT=ppp1 PROT=ALL REMOTEIP=192.168.20.1-192.168.20.254 ↓
ENABLE TRIGGER ↓
CREATE TRIGGER=1 PERIODIC=3 SCRIPT=reset0.scp ↓
CREATE TRIGGER=2 PERIODIC=3 SCRIPT=reset1.scp ↓
CREATE TRIGGER=3 INTERFACE=ppp0 EVENT=UP CP=IPCP SCRIPT=up0.scp ↓
CREATE TRIGGER=4 INTERFACE=ppp1 EVENT=UP CP=IPCP SCRIPT=up1.scp ↓
CREATE TRIGGER=5 INTERFACE=ppp0 EVENT=DOWN CP=IPCP SCRIPT=down0.scp ↓
CREATE TRIGGER=6 INTERFACE=ppp1 EVENT=DOWN CP=IPCP SCRIPT=down1.scp ↓
|
スクリプト「reset0.scp」
[テキスト版]
スクリプト「reset1.scp」
[テキスト版]
スクリプト「up0.scp」
[テキスト版]
スクリプト「up1.scp」
[テキスト版]
スクリプト「down0.scp」
[テキスト版]
スクリプト「down1.scp」
[テキスト版]
ルーターBのコンフィグ
[テキスト版]
CREATE PPP=0 OVER=eth1-any ↓
SET PPP=0 OVER=eth1-any BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=user@ispB PASSWORD=isppasswdB LQR=OFF ECHO=ON ↓
CREATE PPP=1 OVER=eth1-any ↓
SET PPP=1 OVER=eth1-any BAP=OFF IPREQUEST=ON USER=userB PASSWORD=passwdB LQR=OFF ECHO=ON ↓
ENABLE IP ↓
ENABLE IP REMOTEASSIGN ↓
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0 ↓
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓
ADD IP INT=ppp1 IP=0.0.0.0 ↓
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp1 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
ENABLE IP DNSRELAY ↓
ENABLE FIREWALL ↓
CREATE FIREWALL POLICY=net ↓
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH ↓
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY ↓
ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth0 TYPE=PRIVATE ↓
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC ↓
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp1 TYPE=PUBLIC ↓
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=eth0 GBLINT=ppp0 ↓
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=1 AC=ALLOW INT=ppp1 PROT=ALL REMOTEIP=192.168.10.1-192.168.10.254 ↓
ENABLE TRIGGER ↓
CREATE TRIGGER=1 PERIODIC=3 SCRIPT=reset0.scp ↓
CREATE TRIGGER=2 PERIODIC=3 SCRIPT=reset1.scp ↓
CREATE TRIGGER=3 INTERFACE=ppp0 EVENT=UP CP=IPCP SCRIPT=up0.scp ↓
CREATE TRIGGER=4 INTERFACE=ppp1 EVENT=UP CP=IPCP SCRIPT=up1.scp ↓
CREATE TRIGGER=5 INTERFACE=ppp0 EVENT=DOWN CP=IPCP SCRIPT=down0.scp ↓
CREATE TRIGGER=6 INTERFACE=ppp1 EVENT=DOWN CP=IPCP SCRIPT=down1.scp ↓
|
スクリプト「reset0.scp」
[テキスト版]
スクリプト「reset1.scp」
[テキスト版]
スクリプト「up0.scp」
[テキスト版]
スクリプト「up1.scp」
[テキスト版]
スクリプト「down0.scp」
[テキスト版]
スクリプト「down1.scp」
[テキスト版]
CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #138
(C) 1997 - 2005 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: J613-M0507-00 Rev.H
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