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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #75
アナログポート(PBX機能)の設定方法
AR300 V2は、アナログ電話機やFAXなどを接続できるアナログポートを2ポートを備えています。アナログポートとPBX機能を利用して、1本のISDN回線上でデータ通信と音声通話(またはFAX通信)を共存させるための設定を示します。
例として、次のような構成を想定します。
- ISDNのBチャンネル1本をデータ通信に使用し、ISPに端末型でダイヤルアップ接続する。ダイヤルオンデマンドを使用して、必要な時に自動発呼するよう設定する。
- メインのアクセスポイントにつながらなかったときのために、予備の番号も設定しておく。
- ダイナミックENAT機能を利用して、LANに接続されたすべてのホストがインターネットにアクセスできるようにする。グローバルアドレスには、IPCPネゴシエーションでppp0側に割り当てられたアドレスを使用する。
- IPフィルターを設定して、MS-Networksパケットを外部へ出さないようにする。
- もう1本のBチャンネルを音声通話用に確保し、アナログポート1に電話機を、アナログポート2にFAXを接続して使用する。
表 1
ISPアクセスポイントの番号(1) |
03-1234-5678 |
ISPアクセスポイントの番号(2) |
03-1234-6789 |
ISDNコール名 |
ISP |
WAN側物理インターフェース |
bri0 |
PPPユーザー名 |
ispuser |
PPPパスワード |
isppasswd |
WAN側(ppp0)IPアドレス |
0.0.0.0(動的割り当て) |
LAN側(eth0)IPアドレス |
192.168.10.1/24 |
アナログポート1 |
アナログ電話機 |
アナログポート2 |
FAX |

- 接続先を作成します。ISPのアクセスポイントの電話番号(+予備番号)を指定し、発呼優先に設定します。また、発呼に使用するインターフェースとしてbri0を指定します。
ADD ISDN CALL=ISP NUMBER=0312345678 ALTNUMBER=0312346789 SEARCHCLI=ON PRECEDENCE=OUT INTREQ=bri0 ↓
- PPPインターフェースを作成し、ダイヤルオンデマンドを有効にします。また、IPCPネゴシエーションを使用するよう設定します。LQRはオフにします。
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-ISP IDLE=ON IPREQUEST=ON LQR=OFF ↓
- ISPから与えられたPPPユーザー名とパスワードを設定します。
SET PPP=0 USER=ispuser PASSWORD=isppasswd ↓
- IPモジュールを有効にします。
- IPCPネゴシエーションで与えられたIPアドレスをPPPインターフェースで使用するよう設定します。
- MS-NetworksパケットをブロックするIPフィルターを設定します。
ADD IP FILTER=1 SO=0.0.0.0 AC=EXCLUDE PROT=UDP SPORT=137:139 ↓
ADD IP FILTER=1 SO=0.0.0.0 AC=INCLUDE ↓
- LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。また、上記で設定したIPフィルター「1」を適用し、MS-Networksパケットが外部に出ないようにします。
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 FILTER=1 ↓
- WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。これは、ISPとの接続が確立するまでIPアドレスが確定しないことを示します。
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓
- デフォルトルートを設定します。
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
- ENAT機能を有効にします。ENAT機能を使用しない場合、この行は入力不要です。
- ルーターのLAN側ネットワークに接続されているすべてのコンピューターがENAT機能を使用できるよう設定し、グローバルアドレスとしてppp0のIPアドレスを使用するよう指定します。ENAT機能を使用しない場合、この行は入力不要です。
ADD IP NAT IP=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 GBLINTERFACE=ppp0 ↓
- アナログポート0の設定を行います。オートダイヤル機能を使用し、0発信の「0」を省略できるようにします。
CREATE PBX EXTENSION=0 PORT=0 GROUP=default TERMINATE=5 AUTODIAL=0 ↓
- アナログポート1の設定を行います。オートダイヤル機能を使用し、0発信の「0」を省略できるようにします。また、ポートに接続する機器としてFAXを指定します。
CREATE PBX EXTENSION=1 PORT=1 GROUP=default TERMINATE=5 AUTODIAL=0 HLC=FAX ↓
- Bチャンネル1本をアナログ通話用に、もう1本をデータ通信用に確保します。また、電話をオンフック(受話器を置いた状態)したらすぐ通話が切断されるようにします。
SET PBX RESERVEBCHANNEL=ON FLASHHOOK=OFF ↓
- 制限ダイヤル機能を設定します。ここでは、「0990」で始まる電話番号へは発信できないようにします。「00990」の先頭の「0」は、外線発信のためのゼロです。
- 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。
CREATE CONFIG=router.cfg ↓
SET CONFIG=router.cfg ↓
ルーターのコンフィグ
[テキスト版]
ADD ISDN CALL=ISP NUMBER=0312345678 ALTNUMBER=0312346789 SEARCHCLI=ON PRECEDENCE=OUT INTREQ=bri0 ↓
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-ISP IDLE=ON IPREQUEST=ON LQR=OFF ↓
SET PPP=0 USER=ispuser PASSWORD=isppasswd ↓
ENABLE IP ↓
ENABLE IP REMOTEASSIGN ↓
ADD IP FILTER=1 SO=0.0.0.0 AC=EXCLUDE PROT=UDP SPORT=137:139 ↓
ADD IP FILTER=1 SO=0.0.0.0 AC=INCLUDE ↓
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0 FILTER=1 ↓
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0 ↓
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0 ↓
ENABLE IP NAT ↓
ADD IP NAT IP=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 GBLINTERFACE=ppp0 ↓
CREATE PBX EXTENSION=0 PORT=0 GROUP=default TERMINATE=5 AUTODIAL=0 ↓
CREATE PBX EXTENSION=1 PORT=1 GROUP=default TERMINATE=5 AUTODIAL=0 HLC=FAX ↓
SET PBX RESERVEBCHANNEL=ON FLASHHOOK=OFF ↓
ADD PBX BAR=00990 ↓
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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #75
(C) 1997 - 2005 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: J613-M0507-00 Rev.H
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