[index] CentreCOM AR740 コマンドリファレンス 2.6

IPX/経路制御


  - 静的経路設定
  - RIPフィルター
  - SAPフィルター
  - RIP/SAPフィルターのワイルドカード文字


IPX環境における経路制御について説明します。IPXでは、RIP(Routing Information Protocol)とSAP(Service Advertisement Protocol)による動的経路制御(ダイナミックルーティング)が基本です。IPXモジュールを有効にして、IPXインターフェースを作成すると、RIPによる経路情報の通知と、SAPによるサービス情報の通知が自動的に有効となります。

RIPフィルターやSAPフィルターを使用すると、経路情報のやりとりにフィルターをかけることができます。また、静的に経路を設定することも可能です。

 

静的経路設定

■ 経路情報をスタティック登録するには、ADD IPX ROUTEコマンドを使います。IPXネットワーク8686への経路を登録するには次のようにします。


■ サービス情報をスタティック登録するには、ADD IPX SERVICEコマンドを使います。ファイルサーバー「HeloHelo」を登録するには次のようにします。ADDRESSパラメーターには、ファイルサーバーの「内部ネットワーク番号:内部ステーション番号:NCPソケット番号」を指定します。ファイルサーバーの内部ネットワーク番号は、通常NetWare製品のシリアル番号となります。また、ファイルサーバーの内部ステーション番号はつねに1となります。


■ IPXのルーティングテーブルを確認するには、SHOW IPX ROUTEコマンドを実行します。


■ サービステーブルを確認するには、SHOW IPX SERVICEコマンドを実行します。


■ 経路情報を削除するには、DELETE IPX ROUTEコマンドを使います。


■ サービス情報を削除するには、DELETE IPX SERVICEコマンドを使います。


 

RIPフィルター

RIPフィルターを使うと、特定の経路情報をRIPで通知しないようにしたり、受信した経路情報から任意のエントリーを破棄したりすることができます。

■ RIPフィルターは、ADD IPX RIPコマンドで作成します。特定の経路情報だけを取り除きたいときは、次のようにします。RIPフィルターは、先頭から順にフィルター内の各エントリーがチェックされ、マッチした時点でアクションが実行されます。また、フィルターの末尾にはすべてを破棄する暗黙のエントリーが存在するため、通常は他のエントリーの後にすべてを許可するエントリーを作成します。


■ RIPフィルターを作成しただけではフィルタリングが行われません。作成したRIPフィルターは、SET IPX CIRCUITコマンドで特定のインターフェースに適用するか、SET IPX GRIPコマンドでグローバルに(すべてのインターフェースに)適用します。


■ RIPフィルターの内容を確認するには、SHOW IPX RIPコマンドを使います。

■ RIPフィルターからエントリーを削除するにはDELETE IPX RIPコマンドを使います。


■ インターフェースに対するRIPフィルターの適用をとりやめるには、SET IPX CIRCUITコマンドのINRIP、OUTRIPパラメーターにNONEを指定します。


■ グローバルなRIPフィルターの適用を取りやめるには、SET IPX GRIPコマンドでNONEを指定します。


 

SAPフィルター

SAPフィルターを使うと、特定のサービス(サーバー)に関する情報をSAPで通知しないようにしたり、受信したサービスの情報を取り込まずに破棄したりできます。

■ SAPフィルターは、ADD IPX SAPコマンドで作成します。特定のサービス情報だけを取り除きたいときは、次のようにします。SAPフィルターは、先頭から順にフィルター内の各エントリーがチェックされ、マッチした時点でアクションが実行されます。また、フィルターの末尾にはすべてを破棄する暗黙のエントリーが存在するため、通常は他のエントリーの後にすべてを許可するエントリーを作成します。次は、プリンターサーバーに関する情報だけをフィルタリングする例です。


■ SAPフィルターを作成しただけではフィルタリングが行われません。作成したSAPフィルターは、SET IPX CIRCUITコマンドで特定のインターフェースに適用するか、SET IPX GSAPコマンドでグローバルに適用します。


■ SAPフィルターの内容を確認するには、SHOW IPX SAPコマンドを使います。

■ SAPフィルターからエントリーを削除するにはDELETE IPX SAPコマンドを使います。


■ インターフェースに対するSAPフィルターの適用をとりやめるには、SET IPX CIRCUITコマンドのINSAP、OUTSAPパラメーターにNONEを指定します。


■ グローバルなSAPフィルターの適用を取りやめるには、SET IPX GSAPコマンドでNONEを指定します。


 

RIP/SAPフィルターのワイルドカード文字

RIPフィルターとSAPフィルターでは、以下のワイルドカード文字を使用できます。

表 1:RIP/SAPフィルターのワイルドカード文字(数値指定時)
ワイルドカード
意味
* アスタリスク以降は何が来てもよいことを示す。「*」(すべてにマッチ)、「012*」(012で始まるものにマッチ)のように使う。アスタリスクの後に文字が続いてはならない。すなわち、「*1234」、「34*F8」のような指定はできない
% 任意の1文字にマッチ。「9876%%」、「%%123%」のように使う
[] かっこ内のどれか1文字にマッチ。ハイフンで範囲を指定することも可能。[123]と[1-3]は同じ意味で、1か2か3のどれかにマッチすることを示す。空の場合([])は任意の文字を表す(%と同じ意味になる)


表 2:RIP/SAPフィルターのワイルドカード文字(文字列指定時)
ワイルドカード
意味
* 任意の文字列にマッチ
% 任意の1文字にマッチ
[] かっこ内のどれか1文字にマッチ。ハイフンで範囲を指定することも可能。[abc]と[a-c]は同じ意味で、aかbかcのどれかにマッチすることを示す。開きかっこ([)の直後にキャレット(^)が来た場合は意味が反転し、かっこ内の文字以外にマッチする。[^abc]はa、b、c以外の任意の1文字にマッチする。空の場合([])は任意の文字を表す(%と同じ意味になる)
\ エスケープ文字。次に続く文字の特殊な意味をうち消すときに使う。「\*」は、任意の文字列ではなく、1個のアスタリスク(*)そのものを示す








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