[index] CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.0.0

運用・管理 / RADIUSクライアント


  - 基本設定
  - 登録したRADIUSサーバーの使用

本製品はRADIUSクライアントの機能を備えており、外部のRADIUSサーバーを利用してユーザー認証を行うことができます。

RADIUSクライアント機能は、以下の用途に使用できます。


ここでは、RADIUSクライアントの設定方法だけを述べます。IKEv2の設定については「IPsec」の「一般設定」をご覧ください。

基本設定

■ ユーザー認証に使うRADIUSサーバーを登録するには、radius-server hostコマンドを実行します。通常はRADIUSサーバーのIPアドレスかホスト名と共有パスワードを指定してください。

*Router(config)# radius-server host 172.16.10.2 key Valid8Me


Note - RADIUSサーバーをホスト名で指定するためには、あらかじめip name-serverコマンドでDNSサーバーを登録し(初期状態では未登録)、ip domain lookupコマンドでDNSへの問い合わせ機能を有効にしておく必要があります(初期状態では無効)。

Note - RADIUSパケットの送信先UDPポート番号は1812番固定のため、RADIUSサーバー側では認証用UDPポート番号を標準の1812番に設定してください。

■ RADIUSサーバーとの通信に関するパラメーター(応答待ち時間、再送回数)はradius-server hostコマンドのtimeoutパラメーター、retransmitパラメーターで指定できます。次の例では、応答待ち時間を8秒、再送回数を4回に設定しています。初期状態における省略時はそれぞれ5秒と3回になります。

*Router(config)# radius-server host 172.16.10.3 key Dm7b5G7b9 timeout 8 retransmit 4


■ 複数のRADIUSサーバーで同じパラメーター(共有パスワード、応答待ち時間、再送回数)を使いたい場合は、下記のコマンドでグローバルな値を設定しておき、radius-server hostコマンドではサーバーのIPアドレスかホスト名だけを指定します。

次の例では、3台のRADIUSサーバー192.168.100.2、192.168.100.3、192.168.100.4に対して、同じ共有パスワード(ol2345bTBq)、応答待ち時間(8秒)、再送回数(4回)を使うよう設定しています。

*Router(config)# radius-server key ol2345bTBq
*Router(config)# radius-server timeout 8
*Router(config)# radius-server retransmit 4
*Router(config)# radius-server host 192.168.100.2
*Router(config)# radius-server host 192.168.100.3
*Router(config)# radius-server host 192.168.100.4


なお、一部異なる値を使いたい場合は、radius-server hostコマンドでサーバー固有のパラメーターを指定してください。radius-server hostコマンドで指定したパラメーターは、グローバル設定よりも優先されます。

たとえば、RADIUSサーバー192.168.100.4の共有パスワードだけ別の値を使いたいといった場合は、次のように設定します。radius-server hostコマンドで指定していない応答待ち時間と再送回数はグローバル設定値が使われます。

*Router(config)# radius-server host 192.168.100.4 key 48CDEF6H1


■ RADIUSサーバーの登録を削除するには、radius-server hostコマンドをno形式で実行します。

*Router(config)# no radius-server host 192.168.100.3


■ 登録されているRADIUSサーバーを確認するには、show running-configコマンドを実行します。次の例のように、CLIのモディファイアを使って表示行を絞り込むとよいでしょう(モディファイアについては「運用・管理」/「コマンドラインインターフェース(CLI)」の「モディファイアとリダイレクション」を参照)。

*Router# show running-config | include radius
radius-server host 192.168.100.2
radius-server host 192.168.100.4 key 48CDEF6H1
radius-server key 0l2345bTBq
radius-server timeout 8
radius-server retransmit 4


登録したRADIUSサーバーの使用

RADIUSサーバーは登録しただけでは使用されません。

各機能の設定において、RADIUSサーバーを使用するよう指定して初めてRADIUSクライアント機能が働き、登録されているRADIUSサーバーへのアクセスが発生します。

RADIUSサーバーを使用する機能には次のものがあります。


IKEv2の設定については「IPsec」の「一般設定」をご覧ください。


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