[index] CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.0.0

運用・管理 / トリガー 

  - 基本設定
   - ホスト到達性の監視（キープアライブトリガー）
   - リンクステータスの監視（インターフェーストリガー）
   - メモリー使用率の監視（メモリートリガー）
   - 指定日時に実行（タイムトリガー）
   - 指定時間経過後に実行（カウントダウンタイマー）
  - その他
トリガー機能は、決められた時刻や特定のイベントが発生したときに、あらかじめ指定しておいたアクションを自動実行する機能です。この機能を利用すれば、時間帯によって設定内容を変えたり、インターフェースの状態が変化したときに経路を変更したりすることができます。

監視できるイベントは次のとおりです。

イベント発生時に実行できるアクションは次のとおりです。

基本設定

 トリガーの作成は次の流れで行います。
  1. トリガー（イベントグループ）を作成（event-groupコマンド）
  2. 監視対象イベントを指定（1つだけ）（event xxxxコマンド）
  3. アクションを指定（複数可）（action xxxxコマンド）
  4. トリガーを有効化（trigger enableコマンド）

以下、監視イベントの種類ごとに例を示します。

ホスト到達性の監視（キープアライブトリガー）

 Pingパケットを利用してホストへの到達性を監視するには、event keepaliveコマンドで監視対象ホストと監視対象イベントを指定します。

監視対象イベントには次の2つがあります。どちらを監視するかはmodeパラメーターで指定します。

Note - キープアライブトリガーは、到達性変化イベントによってアクションが実行されると監視状態が初期化されるため、実際には到達性が変化していなくても、繰り返しイベントが発生しアクションが実行されます。アクションによっては実行時に装置パフォーマンスの低下を招くので、キープアライブトリガーでは、アクションリストの末尾に自分自身を無効にするアクション（action event-groupコマンド）を必ず入れてください。

■ IPv4ホスト192.168.20.1への到達性が失われたら（mode unreach）、gigabitEthernet 0.2経由の192.168.20.0/24宛て経路を削除するキープアライブトリガー「polling_down」を作成。

*Router(config)# event-group polling_down ↓
*Router(config-event-group)# event keepalive ip 192.168.20.1 mode unreach out-if gigabitEthernet 0.2 ↓
*Router(config-event-group)# action ip shutdown-route 192.168.20.0/24 gigabitEthernet 0.2 ↓
*Router(config-event-group)# action event-group polling_up enable ↓
*Router(config-event-group)# action event-group polling_down disable ↓
*Router(config-event-group)# trigger enable ↓


■ IPv4ホスト192.168.20.1への到達性が回復したら（mode reach）、gigabitEthernet 0.2経由の192.168.20.0/24宛て経路を追加し、バックアップ用のIPsecトンネルをクリアするキープアライブトリガー「polling_up」を作成。

*Router(config)# event-group polling_up ↓
*Router(config-event-group)# event keepalive ip 192.168.20.1 mode reach out-if gigabitEthernet 0.2 ↓
*Router(config-event-group)# action ip resume-route 192.168.20.0/24 gigabitEthernet 0.2 ↓
*Router(config-event-group)# action ipsec clear-sa ↓
*Router(config-event-group)# action event-group polling_down enable ↓
*Router(config-event-group)# action event-group polling_up disable ↓
*Router(config-event-group)# trigger enable ↓


初期設定では、監視対象ホスト宛てのPingパケットは10秒間隔で送信され、応答待ち時間は2秒に設定されています。


■ Pingパケットの送信間隔を変更するには、option keepalive intervalコマンドを使います。

*Router(config-event-group)# option keepalive interval 5 ↓


■ Pingパケットに対する応答待ち時間を変更するには、option keepalive timeoutコマンドを使います。

*Router(config-event-group)# option keepalive timeout 1 ↓


■ イベント発生条件（連続する無応答、応答の回数）を変更するには、option keepalive thresholdコマンドを使います。

*Router(config-event-group)# option keepalive threshold 6 ↓


リンクステータスの監視（インターフェーストリガー）

 インターフェースのリンクステータスを監視するには、event interfaceコマンドで監視対象インターフェースを指定します。

■ gigabitEthernet 0.1インターフェースがダウンしたら（down）、バックアップ用のgigabitEthernet 1.1を有効にするインターフェーストリガー「pppoe0_down」を作成。

*Router(config)# event-group pppoe0_down ↓
*Router(config-event-group)# event interface gigabitEthernet 0.1 down ↓
*Router(config-event-group)# action interface gigabitEthernet 1.1 resume ↓
*Router(config-event-group)# trigger enable ↓


■ gigabitEthernet 0.1インターフェースがアップしたら（up）、バックアップ用のgigabitEthernet 1.1を無効にするインターフェーストリガー「pppoe0_up」を作成。

*Router(config)# event-group pppoe0_up ↓
*Router(config-event-group)# event interface gigabitEthernet 0.1 up ↓
*Router(config-event-group)# action interface gigabitEthernet 1.1 shutdown ↓
*Router(config-event-group)# trigger enable ↓


メモリー使用率の監視（メモリートリガー）

 メモリー使用量を監視するには、event memoryコマンドでしきい値を指定します。

■ メモリー使用率が70%を超えたら、FUNCTION LED 1を緑色に点滅させるメモリートリガー「memusage_high」を作成。

*Router(config)# event-group memusage_high ↓
*Router(config-event-group)# event memory 70 70 ↓
*Router(config-event-group)# action led function 1 blink ↓
*Router(config-event-group)# trigger enable ↓


指定日時に実行（タイムトリガー）

 指定した日時にアクションを実行させるには、event time dateコマンドで日時を指定します。

■ 2011年4月28日の午後7時30分にgigabitEthernet 0.1インターフェースを無効化するタイムトリガー「shutdown_pppoe0」を作成する。

*Router(config)# event-group shutdown_pppoe0 ↓
*Router(config-event-group)# event time date 19:30 28 apr 2011 ↓
*Router(config-event-group)# action interface gigabitEthernet 0.1 shutdown ↓
*Router(config-event-group)# trigger enable ↓


指定時間経過後に実行（カウントダウンタイマー）

 指定した時間の経過後にアクションを実行させるには、event time afterコマンドでアクション実行までの時間を指定します。

■ 5分後に再起動するカウントダウンタイマー「reload_after5m」を作成。

*Router(config)# event-group reload_after5m ↓
*Router(config-event-group)# event time after 5 ↓
*Router(config-event-group)# action event-group reload_after5m disable ↓
*Router(config-event-group)# action reload ↓
*Router(config-event-group)# trigger enable ↓


Note - reloadアクションは必ずアクションリストの末尾に配置してください。reloadアクションの後に配置されたアクションの実行は保証されません。

その他

 ■ トリガーを削除するには、event-groupコマンドをno形式で実行します。

*Router(config)# no event-group memusage_high ↓


■ トリガーの状態を確認するには、show triggerコマンドを使います。

*Router> show trigger ↓


■ トリガーの統計情報を確認するには、show trigger statisticsコマンドを使います。

*Router> show trigger statistics ↓


■ トリガーの設定を確認するには、show running-configコマンドを実行します。次の例のように、CLIのモディファイアを使って表示行を絞り込むとよいでしょう（モディファイアについては「運用・管理」/「コマンドラインインターフェース（CLI）」の「モディファイアとリダイレクション」を参照）。

*Router# show running-config | begin event-group ↓
event-group pppoe0_down
 event interface gigabitEthernet 0.1 down
 action 10 interface gigabitEthernet 1.1 resume
 trigger enable
event-group pppoe0_up
 event interface gigabitEthernet 0.1 up
 action 10 interface gigabitEthernet 1.1 shutdown
 trigger enable
!
telnet-server ip enable
!
end

(C) 2011 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-001491 Rev.A