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CentreCOM FS900Sシリーズ コマンドリファレンス 1.0.0
スイッチング/概要・基本設定
- ポートの指定方法
- 基本コマンド
- ポートトランキング
- ポートミラーリング
- 基本設定
本製品のスイッチポートは、ご購入時の状態ですべてイネーブルに設定されており、互いに通信可能な状態にあります。スタンドアローンのレイヤー2スイッチとして使う場合、特別な設定は必要ありません。設置・配線を行うだけで使用できます。
スイッチポートに対する設定コマンドには、複数のポートを一度に指定できるものがあります。
■ 1つのポートを指定
■ 連続するポート番号をハイフン区切りで指定
ADD VLAN=black PORT=3-7 ↓
■ 連続していないポート番号をカンマ区切りで指定
■ カンマとハイフンの組み合わせ指定
■ すべてのポートを意味するALLを指定
DISABLE SWITCH PORT=ALL ↓
スイッチポートに対して操作を行う基本的な設定コマンドを紹介します。詳細は各コマンドの説明をご覧ください。
■ ポートを有効にするには、ENABLE SWITCH PORTコマンドを使います。
■ ポートを無効にするには、DISABLE SWITCH PORTコマンドを使います。
■ ポートの通信モード(通信速度とデュプレックスモード)を変更するには、SET SWITCH PORTコマンドのSPEEDパラメーターを使います。デフォルトはAUTONEGOTIATEです。
SET SWITCH PORT=2 SPEED=100MHALF ↓
■ コンボ(共用)ポートの設定を変更するには、SET SWITCH PORTコマンドのCOMBOパラメーターを使います。FS909Sの場合は、1000BASE-Tポートの9とSFPポートの9がコンボポートです。FS917Sの場合は、1000BASE-Tポートの17とSFPポートの17がコンボポートです。デフォルトはAUTOです。
SET SWITCH PORT=17 COMBO=FIBER ↓
■ ポートの状態を確認するには、SHOW SWITCH PORTコマンドを使います。
ポートトランキングは複数の物理ポートを束ねてスイッチ間の帯域幅を拡大する機能です。束ねたポートはトランクグループと呼ばれ、論理的に1本のポートとして扱われます。トランクグループは、VLAN内でも単一ポートとして認識されます。また、トランクグループ内のポートに障害が発生しても残りのポートで通信が継続できるため、信頼性を向上します。
本製品ではトランクグループを4つまで作成できます。それぞれのトランクグループには、最大8ポートまで所属させることが可能です。ポートは隣接していなくてもかまいません。
なお、本製品でのポートトランキング機能には以下の特徴があります。
- 他のトランクグループに所属するポートやミラーポートは指定できません。
- トランクポートは同じVLANに所属している必要があります。
- FS917Sにおいて、同一トランクグループのポート(複数)は、ポートグループA(1〜8、17)またはポートグループB(9〜16)のどちらかに集約する必要があります。
- コンボ(共用)ポートを、トランクグループに所属させることはできません。(FS909Sの場合、1000BASE-Tポートの9とSFPポートの9がコンボポート。FS917Sの場合、1000BASE-T ポートの17とSFPポートの17がコンボポート)
ポートトランキングを使用するために最低限必要な設定について説明します。ここでは、ポート1-4を束ねて使用するものとします。
- トランクグループ「uplink」を作成します。グループ名は任意に指定できます。
CREATE SWITCH TRUNK=uplink SPEED=100M ↓
- トランクグループにポートを追加します。束ねるポートはあらかじめ同じVLANに所属させておく必要があります。
ADD SWITCH TRUNK=uplink PORT=1-4 ↓
基本設定は以上です。
Note
- トランクグループにポートを追加したあとで、グループ全体あるいはグループ内のポートを所属VLANから削除することはできません。VLANから削除するには、DELETE SWITCH TRUNKコマンドを使ってあらかじめポートをトランクグループから外しておく必要があります。
Note
- トランクグループに所属しているスイッチポートを、DISABLE SWITCH PORTコマンドで無効にしないでください。トランクグループに所属しているスイッチポートを無効にする場合には、まずDELETE SWITCH TRUNKコマンドで該当ポートをトランクグループから削除し、その上でDISABLE SWITCH PORTコマンドで無効にしてください。
Note
- ポートトランキングの設定は、トランクポートによって接続される双方のスイッチで行う必要があります。
■ トランクグループの情報はSHOW SWITCH TRUNKコマンドで確認できます。
SHOW SWITCH TRUNK=uplink ↓
■ トランクグループを通るパケットはすべて、トランキングアルゴリズムによって割り振られます。決定アルゴリズムは、ポートベースです。
■ トランクグループに追加されたポートの通信モードは、CREATE SWITCH TRUNKコマンド、または、SET SWITCH TRUNKコマンド指定した速度となります。個別ポートの設定はトランクグループに追加した時点で上書きされます。
■ トランクグループからポートを削除するにはDELETE SWITCH TRUNKコマンドを使います。
DELETE SWITCH TRUNK=uplink PORT=4 ↓
■ トランクグループを削除するにはDESTROY SWITCH TRUNKコマンドを使います。所属ポートがあるときは削除できません。その場合は、先にDELETE SWITCH TRUNKコマンドで所属ポートを削除します。
DELETE SWITCH TRUNK=uplink PORT=ALL ↓
DESTROY SWITCH TRUNK=uplink ↓
ポートミラーリングは、特定のポートを通過するトラフィックをあらかじめ指定したミラーポートにコピーする機能です。パケットを必要なポートにだけ出力するスイッチではパケットキャプチャーなどが困難ですが、ポートミラーリングを利用すれば、任意のポートのトラフィックをミラーポートでキャプチャーできます。
なお、本製品でのポートミラーリング機能には以下の特徴があります。
- ミラーポートは、1ポート指定できます。
- 指定できるソースポートは、1ポートです。
- Protected Ports VLANに所属しているポートはミラーポートやソースポートに設定できません。
- トランクポートに参加しているポートはミラーポートに設定できません。
- SET SWITCH MIRRORコマンドでミラーポートの設定を行いますが、すでに別のポートがミラーポートとして設定されていた場合、先に設定されていたポートはミラーポートでなくなります。
- SET SWITCH PORTコマンドにMIRRORパラメーターをつけてソースポートの設定を行いますが、すでに別のポートがソースポートとして設定されていた場合、先に設定されていたポートはソースポートでなくなります。
- ミラーポートとソースポートは同一VLAN上に設定する必要があります。
- ミラーポートとソースポートは同じVLAN設定(タグ付き、タグなしどちらか)にする必要があります。
- ミラーポートの設定をする前に、VLANの設定をする必要があります。任意のポートのVLANの設定を変更(VLAN追加/削除、タグ付き/タグなしの変更)を行うときは、ミラーポートを一度解除し、VLAN変更後にミラーポートを再設定します。
ここではポート1をミラーポートに設定し、ポート5から送受信されるトラフィックがミラーポートにコピーされるように設定します。
- ミラーポートを指定します。ミラーポートに指定したいポートがProtected Ports VLANに所属している場合は、最初に現在所属のProtected Ports VLANから削除した上で、SET SWITCH MIRRORコマンドを実行します。
DELETE VLAN=somevlan PORT=1 ↓
SET SWITCH MIRRORコマンドを実行すると、指定ポートはミラーポートとして設定されます。
Note
- すでにミラーポートとして設定されているポートがあった場合、本コマンド実行によりそのポートはミラーポートでなくなります。
Note
- トランクグループに参加しているポートをミラーポートに設定することはできません。
Note
- ミラーポートに設定されたポートは通常のスイッチポートとしては機能しません。
- ソースポートとトラフィックの向きを指定します。ここではポート5から送受信されるトラフィックをミラーポートにコピーします。
SET SWITCH PORT=5 MIRROR=BOTH ↓
Note
- すでにソースポートとして設定されているポートがあった場合、本コマンド実行によりそのポートはソースポートでなくなります。
- ポートミラーリング機能を有効にします。あらかじめミラーポートとソースポートが設定されていないと本コマンドは失敗します。手順1、2にしたがってミラーポートとソースポートを指定してから本コマンドを実行してください。
設定は以上です。
■ ポートミラーリングの設定を確認するにはSHOW SWITCHコマンドを実行します。ミラーポートはSHOW VLANコマンドの「Mirror Port」欄でも確認できます。また、ソースポートとミラー対象トラフィックはSHOW SWITCH PORTコマンドの「Mirroring」欄でも確認できます。
■ ポートミラーリング機能を無効にするにはDISABLE SWITCH MIRRORコマンドを実行します。
■ ミラーポートの設定を解除するにはSET SWITCH MIRRORコマンドにNONEを指定します。
■ ソースポートのミラーリングを行わないようにするにはSET SWITCH PORTコマンドのMIRRORパラメーターにNONEを指定します。
SET SWITCH PORT=5 MIRROR=NONE ↓
■ ミラーポートに設定されたポートは通常のスイッチポートとしては機能しません。
(C) 2005 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-000136 Rev.B