[index] CentreCOM GS900Mシリーズ コマンドリファレンス 1.6.0

フォワーディングデータベース/概要・基本設定


  - FDBエントリー
  - 自動学習とダイナミックエントリー
  - スタティックエントリー


フォワーディングデータベース(FDB)は、スイッチが受信フレームの転送先ポートを決定するために使用するデータベースです。本製品は最大8Kのアドレスを登録できます。


 

FDBエントリー

FDB内の各エントリーは次のようなフィールドで構成されています。

表 1
フィールド
内容
MACアドレス ステーションのMACアドレス
ポート番号 ステーションが存在するポート
VLAN ID ステーションが所属するVLAN
アクション 該当ステーション宛てフレームの処理方法。転送(FORWARD)のみ


スイッチは、フレームの宛先MACアドレスをキーにFDBを検索して出力ポートを決定します。宛先アドレスがFDBに登録されていない場合は、同一のVLANに所属するすべてのポート(受信ポートを除く)からフレームを出力します(フラッディング)。

Note - 本製品にIPアドレスを設定していない場合、本製品のMACアドレスを送信元アドレスとするパケットは、フラッディングされます。


FDBエントリーには、次のような種類があります。

表 2
種別
内容
ダイナミックエントリー 学習機能により自動的に登録されたエントリー。一定時間受信がなかったエントリーは削除される(エージング)。また、システムを再起動すると、すべてのエントリーが削除される。
スタティックエントリー 管理者が手動で登録したエントリー。ADD SWITCH FILTERコマンドで登録する。また、ポートセキュリティーのセキュリティーモードを設定すると、それまでに学習したダイナミックエントリーもスタティックエントリーとなる。セキュリティーモードの設定は、SET SWITCH PORTコマンドで行う。このエントリーは、エージングによって削除されることはない。設定をファイルに保存すれば、再起動後にも使用できる。


FDBはスイッチの学習機能によって自動的に構築されていくため、通常管理者が設定すべきことはありませんが、FDBを参照したり、タイマー設定を変更したり、エントリーを手動で登録したりすることも可能です。


 

自動学習とダイナミックエントリー

スイッチは、その動作の過程において、受信フレームの送信元MACアドレスと受信ポートの情報に基づきFDBエントリーを動的に作成していきます。これを自動学習機能と呼びます。また、自動学習により登録されたエントリーをダイナミックエントリーと呼びます。
個々のダイナミックエントリーにはタイマーが用意されており、一定時間(エージングタイム)受信のなかったアドレスはFDBから削除されるようになっています。これは、電源が切られたり、移動したりして無効になったエントリーが、いつまでも残らないようにするためです。一方、時間内に再度受信があったときはタイマーがリセットされます。このようにして、常に最新の情報が保たれます。

■ FDBの内容を確認するには、SHOW SWITCH FDBコマンドを実行します。

■ ダイナミックエントリーを削除するには、RESET SWITCH FDBコマンドまたはRESET SWITCHコマンドを実行します。ただし、RESET SWITCHコマンドを実行すると、ダイナミックエントリーがクリアされるだけでなく、タイマーやカウンターもリセットされてしまうため注意が必要です。

Note - 学習機能をオフにすると、ほとんどのフレームが同一VLAN内の全ポートに出力されるようになるため、スイッチというよりもHUBに近い動作となります。

■ エージングタイム(MACアドレス保持時間)を変更するにはSET SWITCH AGEINGTIMERコマンドを使用します。1〜16383(4時間33分3秒)の範囲で指定できます。デフォルトは300秒(5分)です。


■ エージングを無効にするにはDISABLE SWITCH AGEINGTIMERコマンドを実行します。これにより、ダイナミックエントリーは登録されるだけで削除されなくなります。デフォルトではエージングは有効です。再度有効にするにはENABLE SWITCH AGEINGTIMERコマンドを実行します。

■ エージングの設定を確認するにはSHOW SWITCHコマンドを使います。

■ 自動学習の設定を確認するにはSHOW SWITCH PORTコマンドでポートを指定します。「Security Mode」の表示が、Automaticの場合は、自動学習機能が有効になっています。


 

スタティックエントリー

手動でFDBエントリーを追加するにはADD SWITCH FILTERコマンドを使います。また、ポートセキュリティーのセキュリティーモードを設定すると、それまでに学習したダイナミックエントリーもスタティックエントリーとなります。

FDBエントリーは2048件まで登録可能です。

■ タグなしポートにスタティックエントリーを追加します。


■ タグ付きポートにスタティックエントリーを追加するときは、VLAN名またはVLAN IDも指定します。指定しなかった場合は該当ポートのタグなしVLANを指定したものと見なされます。そのため、ポートがタグ付きVLANにしか所属していない場合は必ず指定する必要があります。


■ スタティックエントリーはSHOW SWITCH FILTERコマンドで確認できます。

■ スタティックエントリーを削除するには、DELETE SWITCH FILTERコマンドを使います。





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