[index] CentreCOM GS900Mシリーズ コマンドリファレンス 1.6.0

MLD Snooping/概要・基本設定


MLD Snoopingは、VLAN環境において不要なIPv6マルチキャストトラフィックをフィルタリングする機能です。本製品はMLD v2 Snooping機能をサポートしています。

MLD Snoopingを使わない場合、マルチキャストパケットはサブネット(VLAN)単位で配送されるため、VLANにグループの受信者(メンバー)が1台でもいると、VLANに所属するすべてのポートにパケットが転送されてしまいます。

MLD Snoopingを有効にすると、本製品は各ポートで交換されるMLDメッセージ(Multicast Listener Report、Done)を監視して、受信者の存在するポートにだけ該当グループのトラフィックを配送するようになります。

■ MLD Snoopingは、ご購入時の状態(まったく設定を行っていない状態)で無効になっています。

次図のように、上位にマルチキャスト対応のIPv6ルーターが存在する場合、ルーターポートとグループアドレスを指定することによりMLD Snoopingを利用できます。


■ MLD Snoopingの対象となるアドレスは以下のとおりです。マルチキャストアプリケーションでは、以下のマルチキャストグループアドレスを使用してください。



マルチキャストグループのスコープ値は次のように定義されています(RFC2373)。

表 1
0 予約済み
1 ノードローカルスコープ(同一ノード内に限定)
2 リンクローカルスコープ(同一データリンクに限定)
3 予約済み
4 予約済み
5 サイトローカルスコープ(同一「サイト」に限定)
6 予約済み
7 予約済み
8 組織ローカルスコープ(同一「組織」に限定)
9 予約済み
a 予約済み
b 予約済み
c 予約済み
d 予約済み
e グローバルスコープ(制限なし)
f 予約済み


■ 本製品のみで単一VLANのネットワークを構成することはできません。上位にマルチキャスト対応のIPv6ルーターが必要です。

■ MLD Snoopingを無効にするには、DISABLE MLDSNOOPINGコマンドを使います。


■ MLD Snoopingを有効にするには、ENABLE MLDSNOOPINGコマンドを使います。MLD Snoopingを利用するにはCREATE MLDSNOOPING VLANコマンドでルーターポートを設定し、ADD MLDSNOOPING VLANコマンドでMLD Snoopingの対象となるIPv6マルチキャストグループアドレスとMLD Done、MLDv2 Reportの宛先アドレスを設定する必要があります。


Note - MLD Doneの宛先アドレスはFF02::2、MLDv2 Reportの宛先アドレスはFF02::16ですが、予約アドレスと重なるため、FF02の後に1を含めて指定してください。本設定はVLANごとに1セットずつ登録してください。

■ MLD Snoopingの状態はSHOW MLDSNOOPINGコマンドで確認できます。


■ MLD Snoopingのタイムアウト値はSET MLDSNOOPING TIMEOUTコマンドで変更します。


■ MLD Snoopingで使用するルーターポートはSET MLDSNOOPING VLAN ROUTERPORTコマンドで変更します。



Note - ルーターポートをトランクポートに設定する場合は、トランキングに使用するポートすべてをルーターポートに設定してください。

Note - MLD Snoopingの対象VLANに所属するポートにスタティックエントリーを登録することはできません。

Note - MLD v2 Snoopingのソースフィルタリング機能は未サポートです。


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PN: J613-M0220-03 Rev.F