[index] CentreCOM x510シリーズ コマンドリファレンス 5.4.3

アライドテレシスマネージメントフレームワーク(AMF) / 運用


ワーキングセット
注意事項
コマンドプロンプト
ワーキングセットプロンプトへの移行
ワーキングセットプロンプトでのコマンド実行
ローカルプロンプトへの復帰
AMFの状態確認
AMFの全体的な設定と状態
AMFノードの一覧
AMF接続ポートの状態
ファームウェアバージョンアップ
リブートローリング
注意事項
一括バージョンアップ
機器の追加
接続先ノードの設定変更
新規ノードの初期設定
新規ノードの接続
バックアップ
注意事項
自動バックアップ
手動バックアップ
バックアップメディアの取り外し
機器の交換
オートリカバリー
注意事項
メンバーの交換(オートリカバリー)
マスターの交換(手動リカバリー)


AMFの導入作業が終わり、AMFネットワークが自動構成されると、ワーキングセットを始めとするAMFの各種管理機能が使えるようになります。

ここでは、運用編と題し、AMFを利用してネットワークの運用・管理を行う基本的な方法について説明します。

なお、より高度な方法については、応用編をご覧ください。

ワーキングセット

AMFネットワークでは、マスターのCLIからワーキングセット機能を用いてすべてのメンバーの設定や状態確認が可能です。

ここでは、ワーキングセットの基本的な使い方を説明します。

注意事項

ワーキングセット機能を使用する場合は、下記の注意事項があります。


コマンドプロンプト

ワーキングセットを利用するときは、マスターのコマンドプロンプト表示が次のように切り替わります。
本マニュアルでは、2種類のプロンプトを次のように呼び分けることとします。


次にローカルプロンプトとワーキングセットプロンプトの関係を図示します。


ワーキングセットプロンプトへの移行

■ ローカルプロンプトからワーキングセットプロンプトに移行するには、マスターのローカルプロンプトでatmf working-setコマンドを実行し、操作対象ノードを指定します。

たとえば、すべてのノードを操作対象とするワーキングセットプロンプトに移行するには、次のようにします。

SBx81# atmf working-set group all
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================

Working set join


AMF001[4]# 


■ 操作対象ノードの指定方法には、大きく分けてノードリスト指定とグループリスト指定の2種類があります。


■ ワーキングセットプロンプトからワーキングセットプロンプトに移動することもできます。

AMF001[4]# atmf working-set group floor
===============
FSW241, FSW242:
===============

Working set join


AMF001[2]# 


■ ワーキングセットプロンプトの操作対象になっているノードの一覧を確認したいときは、show atmf working-setコマンドを実行します。

AMF001[2]# show atmf working-set
ATMF Working Set Nodes:

FSW241, FSW242

Working set contains 2 nodes


ワーキングセットプロンプトでのコマンド実行

ワーキングセットプロンプトで入力したコマンドは、基本的にすべての対象ノードで実行されます。
また、コマンドの実行にともなって何らかのメッセージが出力された場合、その表示は可能なかぎり集約した形で表示されます。

■ たとえば、すべてのノードで共通のVLANを定義するには、group allのワーキングセットプロンプトからvlanコマンドを実行します。

SBx81# atmf working-set group all
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================

Working set join


AMF001[4]# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
AMF001[4](config)# vlan database
AMF001[4](config-vlan)# vlan 10,20
AMF001[4](config-vlan)# exit


■ ワーキングセットプロンプトでモード移動をともなうコマンドを実行した場合、一部のノードでエラーが発生するとノード数の表示が次の例のように変化します。

AMF001[4](config)# interface port1.1.1-1.1.2
=======================
ESW231, FSW241, FSW242:
=======================

% Can't find interface port1.1.1

AMF001[4:1](config-if)# 

この例では、interfaceコマンドでポート1.1.1〜1.1.2を指定していますが、これらのポートはSBx81にしか存在しないため、ESW231、FSW241、FSW242では「Can't find interface port1.1.1」というエラーになっています。

そのため、ワーキングセットプロンプトの対象ノード数の表示が [4] から [4:1] に変更され、現在のコマンドモード(インターフェースモード)では、ワーキングセットに含まれている4台のノードのうち、1台にしかコマンドが適用されないことを示しています。

この状態で実行したコマンドは SBx81 にのみ発行されます。

AMF001[4:1](config-if)# switchport trunk allowed vlan add 10,20
AMF001[4:1](config-if)# switchport trunk native vlan none


該当コマンドモードを抜ければ、ワーキングセットプロンプトのノード数表示も元に戻り、ワーキングセットの全ノードにコマンドが発行されるようになります。

AMF001[4:1](config-if)# exit
AMF001[4](config)# 


■ すべてのノードに対してshow running-configコマンドを実行した場合、各ノードの出力が異なるため、それぞれのノードでのコマンド実行結果が順番に表示されます。

SBx81# atmf working-set group all
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================

Working set join


AMF001[4]# show running-config
=======
ESW231:
=======
!
service password-encryption
!
hostname ESW231
    :
    :

=======
FSW241:
=======
!
service password-encryption
!
hostname FSW241
    :
    :
    :


■ すべてのノードに対してwrite memoryコマンドを実行した場合は、x510シリーズ3台の出力は同じなので集約され、1台だけ出力の異なるマスターのSwitchBlade x8100の出力だけ別に表示されます。

SBx81# atmf working-set group all
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================

Working set join


AMF001[4]# write memory
=======================
ESW231, FSW241, FSW242:
=======================

[OK]

======
SBx81:
======

[OK]
Synchronizing file across the chassis, please wait...
File synchronization with card-6 successfully completed
[DONE]


■ 複数のメンバーをまとめて再起動したいときは、次のように対象メンバーを指定したワーキングセットプロンプトに移動してから、rebootコマンドを実行します。
Note - 複数のメンバーを1台ずつ順番に再起動したいときは、後述するリブートローリング機能を使います。

SBx81# atmf working-set group edge,floor
=======================
ESW231, FSW241, FSW242:
=======================

Working set join


AMF001[3]# reboot
% Warning: 3 nodes in total will be rebooted.
reboot system? (y/n) y 
16:05:30 SBx81 ATMF[1959]: ESW231 has left. 3 members in total.
16:05:30 SBx81 ATMF[1959]: FSW242 has left. 2 members in total.
16:05:30 SBx81 ATMF[1959]: FSW241 has left. 1 member in total.
AMF001[0]# 


なお上の例では、3台のノードが再起動した後、ワーキングセットプロンプトのノード数表示が [0] になっています。
これは3台の対象ノードが再起動によってAMFネットワークから脱退したため、現在のワーキングセットプロンプトでは操作できるノードがいないことを意味しています。

各ノードが再起動を終えてAMFネットワークに復帰しても、ワーキングセットプロンプトはこの状態から自動復帰しないため、再起動した3台のノードに対する操作を続けたいときは、コンソールメッセージやshow atmf nodesコマンドで全ノードの復帰を確認したのち、もう一度ワーキングセットを指定しなおしてください。

16:07:30 SBx81 ATMF[1959]: ESW231 has joined. 2 members in total.
16:07:31 SBx81 ATMF[1959]: FSW242 has joined. 3 members in total.
16:07:32 SBx81 ATMF[1959]: FSW241 has joined. 4 member in total.

AMF001[0]# atmf working-set group edge,floor
=======================
ESW231, FSW241, FSW242:
=======================

Working set join


AMF001[3]# 


ローカルプロンプトへの復帰

■ ワーキングセットプロンプトからローカルプロンプトに戻るには、atmf working-setコマンドでgroup localを指定します。
また、group localの代わりにマスターのノード名だけを指定した場合もローカルプロンプトに戻ります(マスターが1台だけの場合は、group masterを指定しても同じです)。

AMF001[4]# atmf working-set group local
======
SBx81:
======

Working set join


SBx81# 


Note - ワーキングセットプロンプトの特権EXECモードでexitコマンドを実行した場合はマスターのCLIからログアウトします。ワーキングセットプロンプトからローカルプロンプトに戻る場合は、exitコマンドを実行するのではなく、atmf working-setコマンドでgroup localを指定してください。

AMFの状態確認

AMFネットワークの状態を確認する場合は、おもに下記のコマンドを使います。

AMFの全体的な設定と状態

AMFの全体的な設定や状態はshow atmfコマンドで確認します。

show atmfコマンドをオプションなし、あるいは、summaryオプション付きで実行した場合は、対象AMFノードの設定や状態が簡潔に表示されます。

SBx81# show atmf
ATMF Summary Information:

ATMF Status           : Enabled
Network Name          : AMF001
Node Name             : SBx81
Role                  : Master
Current ATMF Nodes    : 8


show atmfコマンドをdetailオプション付きで実行した場合は、対象AMFノードの設定や状態がより詳細に表示されます。

SBx81# show atmf detail
ATMF Detail Information

Network Name                       : AMF001
Node Name                          : SBx81
Node Address                       : SBx81.atmf
Node ID                            : 1
Node Depth                         : 0
Domain State                       : DomainController
Recovery State                     : None

Management VLAN
 VLAN ID                           : 4092
 Management Subnet                 : 172.31.0.0
 Management IP Address             : 172.31.0.1
 Management Mask                   : 255.255.128.0

Domain VLAN
 VLAN ID                           : 4091
 Domain Subnet                     : 172.31.128.0
 Domain IP Address                 : 172.31.128.1
 Domain Mask                       : 255.255.128.0


AMFノードの一覧

AMFネットワークに所属しているノードの情報はshow atmf nodesコマンドで確認します。
正常時はすべてのノードが同じ情報を保持しているため、通常はローカルプロンプトから実行すればよいでしょう。
show atmf nodesコマンドではローカルノードを表す「*」の表示位置が異なるため、ワーキングセットプロンプトから実行した場合は集約が行われず、操作対象ノードの数だけ情報が表示されます)

SBx81# show atmf nodes

Node Information:

  * = Local device

 SC = Switch Configuration:
  C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone

  Node                 Device             ATMF                             Node
  Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
--------------------------------------------------------------------------------
* SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
  FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
  FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
  ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2

 Current ATMF node count 4


AMF接続ポートの状態

AMF接続ポート(AMFリンクまたはAMFクロスリンク)の情報を確認するには、show atmf linksコマンドを使います。
AMFネットワーク全体のリンク状況を知りたい場合は、次のように全ノードを対象とするワーキングセットプロンプトから実行するのがよいでしょう。
同コマンドでは、各ポートに接続されているノード(対向ノード)を知ることもできます。

SBx81# atmf working-set group all
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================

Working set join


AMF001[4]# show atmf links
=======
ESW231:
=======


ATMF Link Brief Information:

Local    Link      Port    ATMF         Adjacent             Adjacent Link
Port     Type      Status  State        Node                 Ifindex  State
--------------------------------------------------------------------------------
1.0.1    Uplink    Up      Full         FSW242               5002     Forwarding



=======
FSW241:
=======


ATMF Link Brief Information:

Local    Link      Port    ATMF         Adjacent             Adjacent Link
Port     Type      Status  State        Node                 Ifindex  State
--------------------------------------------------------------------------------
1.0.1    Uplink    Up      Full         SBx81               5001     Forwarding



=======
FSW242:
=======


ATMF Link Brief Information:

Local    Link      Port    ATMF         Adjacent             Adjacent Link
Port     Type      Status  State        Node                 Ifindex  State
--------------------------------------------------------------------------------
1.0.1    Uplink    Up      Full         SBx81               5002     Forwarding
1.0.2    Downlink  Up      Full         ESW231               5001     Forwarding



======
SBx81:
======


ATMF Link Brief Information:

Local    Link      Port    ATMF         Adjacent             Adjacent Link
Port     Type      Status  State        Node                 Ifindex  State
--------------------------------------------------------------------------------
1.1.1    Downlink  Up      Full         FSW241               5001     Forwarding
1.1.2    Downlink  Up      Full         FSW242               5001     Forwarding
1.1.3    Downlink  Down    Init         -                    -        Blocking
1.1.4    Downlink  Down    Init         -                    -        Blocking
1.1.5    Downlink  Down    Init         -                    -        Blocking
1.1.6    Downlink  Down    Init         -                    -        Blocking


ファームウェアバージョンアップ

AMFネットワークでは、前述したワーキングセット機能と、次に述べるリブートローリング機能を組み合わせることで、指定したノード群のファームウェアを一回のコマンド操作でバージョンアップすることができます。

リブートローリング

リブートローリングは、atmf reboot-rollingコマンドにより、ワーキングセットの操作対象ノードを順番に再起動する機能です。
オプションでファームウェアイメージファイルの置き場所を指定することにより、操作対象ノードを1台ずつバージョンアップ(ファームウェア転送 → 起動ファームウェア設定 → 再起動)することもできます。

リブートローリング機能の特長は次のとおりです。


注意事項


一括バージョンアップ

ワーキングセット機能とリブートローリング機能を併用して、複数ノードのファームウェアを一括でバージョンアップする手順を示します。

Note - 5.4.3-0.8と5.4.3-0.9は説明上使用している架空のファームウェアです。本マニュアル作成時点では実在しませんのでご注意ください。

  1. 各AMFノード用の最新ファームウェアイメージファイルをUSBメモリー内の任意のディレクトリーに格納し、マスターに装着します。
    Note - ファームウェアイメージファイルを格納するディレクトリーは任意ですが、日本語のディレクトリー名は使えません。
    Note - ディレクトリー内のイメージファイルの数は20個以内にしてください。

    SBx81# dir usb:/fw/
     19187299 -rwx Aug 18 2013 03:23:12  SBx908-5.4.3-0.9.rel
     20570492 -rwx Aug 18 2013 03:16:34  x510-5.4.3-0.9.rel
     19692488 -rwx Aug 18 2013 03:16:34  x610-5.4.3-0.9.rel
     15531384 -rwx Aug 18 2013 03:11:30  SBx81CFC400-5.4.3-0.9.rel
    


  2. マスターのCLIからatmf working-setコマンドでバージョンアップ対象のノード群を指定し、ワーキングセットプロンプトに入ります。

    SBx81# atmf working-set group floor
    ===============
    FSW241, FSW242:
    ===============
    
    Working set join
    
    
    AMF001[2]# 
    


  3. atmf reboot-rollingコマンドを実行します。
    このとき、USBメモリー上のファームウェアイメージファイルを保管したディレクトリーを指定してください。

    USBメモリー上のディレクトリーだけを指定した場合は、指定ディレクトリーに存在するファイルの中から各AMFノードに適した最新のファームウェアが自動的に検索・選択され、バージョンアップを実行してよいか確認してきますので、続行してよければ「y」を、中止したいときは「n」で回答してください。

    AMF001[2]# atmf reboot-rolling usb:/fw/
    Retrieving data from FSW241
    Retrieving data from FSW242
    
    ATMF Rolling Reboot Nodes:
    
                        Timeout
    Node Name           (Minutes)  New Release File           Status
    --------------------------------------------------------------------------------
    FSW242              60         x510-5.4.3-0.9.rel         Release ready
    FSW241              60         x510-5.4.3-0.9.rel         Release ready
    Continue upgrading releases ? (y/n): y 
    


    「y」で回答した場合は、1台ずつ順番にバージョンアップと再起動が行われます。

    リブートローリング機能では、ネットワーク全体のダウンタイムを最小化するため、複数のAMFノードに対して逐次処理でバージョンアップ、再起動を実施します。すなわち、1台目(ファームウェア転送 → 再起動) → 2台目(ファームウェア転送 → 再起動)といったように順番に処理していきます。

    ================================================================================
    Copying Release    : x510-5.4.3-0.9.rel to FSW242
    Updating Release   : x510-5.4.3-0.9.rel information on FSW242
    ================================================================================
    ATMF Rolling Reboot: Rebooting FSW242
    ================================================================================
    16:07:59 SBx81 ATMF[1946]: ESW231 has left. 3 members in total.
    16:07:59 SBx81 ATMF[1946]: FSW242 has left. 2 members in total.
    
    % FSW242 has left the working-set
    16:09:29 SBx81 ATMF[1946]: FSW242 has joined. 3 members in total.
    16:09:29 SBx81 ATMF[1946]: ESW231 has joined. 4 members in total.
    Reboot of FSW242 has completed
    ================================================================================
    Copying Release    : x510-5.4.3-0.9.rel to FSW241
    Updating Release   : x510-5.4.3-0.9.rel information on FSW241
    ================================================================================
    ATMF Rolling Reboot: Rebooting FSW241
    ================================================================================
    16:10:12 SBx81 ATMF[1946]: FSW241 has left. 3 members in total.
    
    % FSW241 has left the working-set
    16:11:46 SBx81 ATMF[1946]: FSW241 has joined. 4 members in total.
    Reboot of FSW241 has completed
    


    すべてのノードのバージョンアップが完了すると、次のように結果が表示されます。

    ================================================================================
    ATMF Rolling Reboot Complete
    Node Name           Reboot Status    Release Name                Release Status
    -------------------------------------------------------------------------------
    FSW242              Rebooted         x510-5.4.3-0.9.rel          Upgraded
    FSW241              Rebooted         x510-5.4.3-0.9.rel          Upgraded
    ================================================================================
    


■ 前の例のようにUSBメモリー上のディレクトリーを指定した場合は、対象ノードに適合する最新のファームウェアが自動選択されます。
該当ディレクトリーに複数のバージョンが存在していて、最新ではないバージョンに更新したいときは、ディレクトリー指定だと最新版が選択されてしまうので、次のいずれかの指定方法を使います。


atmf reboot-rollingコマンドでは、外部サーバー(TFTP、HTTP、SCP)上のファームウェアイメージファイルを指定することもできます。
外部サーバーを使う場合、ディレクトリー指定やワイルドカード指定による自動選択はできませんので、サーバー上のイメージファイルのパスを完全に指定してください。
外部サーバーを使う場合、一回のコマンド操作で複数の機種を更新することはできませんので、機種別にバージョンアップを実行してください。

AMF001[2]# atmf reboot-rolling tftp:/192.168.1.5/x510-5.4.3-0.9.rel


機器の追加

AMFネットワークに機器を追加する手順を示します。

ここでは、すでに稼働中の下記AMFネットワークに、新しいフロアスイッチFSW243をメンバーとして追加する場合を例として説明します。

機種
ノード名
AMFにおける役割
所属グループ
概要
SwitchBlade x8100 SBx81 マスター - コアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW241 メンバー floor, 1F フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW242 メンバー floor, 2F フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW243 メンバー floor, 3F フロアスイッチ(新規追加)
AT-x510-52GTX ESW231 メンバー edge, 2F エッジスイッチ



追加するスイッチ(新規ノード)はご購入時の状態であると仮定します。
もしそうでない場合は、応用編の「AMFクリーン化手順」を参照し、新規ノードをAMFクリーン状態に戻してから下記の手順を実施してください。

接続先ノードの設定変更

新規ノードを接続する既存のAMFノード(接続先ノード)にAMFリンクを追加設定します。
この例では新規ノードをマスターのポート1.1.3に接続するため、マスターに対して設定変更を行います。
新規ノードとはまだ接続しないでください。
  1. マスターにログインします。

    SBx81 login: manager 
    Password: XXXXXXXX ↓ (実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.3 xx/xx/xx xx:xx:xx
    


  2. 新規ノードを接続するポート1.1.3をAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。

    SBx81> enable
    SBx81# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    SBx81(config)# interface port1.1.3
    SBx81(config-if)# switchport atmf-link
    


  3. 設定をスタートアップコンフィグに保存します。

    SBx81(config-if)# end
    SBx81# write memory
    Building configuration...
    [OK]
    Synchronizing file across the chassis, please wait...
    File synchronization with card-6 successfully completed
    [DONE]
    


  4. 以上で接続先ノードの設定変更は完了です。

■ 新規ノードをマスター以外のメンバーに接続する場合は、該当メンバーを対象とするワーキングセットプロンプトで手順2〜3を実行してください。
たとえば、FSW241のポート1.0.2に新規ノードを接続する場合、手順2〜3の操作は次のようになります。

SBx81> enable
SBx81# atmf working-set FSW241
=======
FSW241:
=======

Working set join


AMF001[1]# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
AMF001[1](config)# interface port1.0.2
AMF001[1](config-if)# switchport atmf-link
AMF001[1](config-if)# end
AMF001[1]# write memory
Building configuration...
[OK]


新規ノードの初期設定

次に、新規ノードとなるスイッチを起動して、初期設定を行います。接続先ノードとはまだ接続しないでください。

メンバーの初期設定項目は次のとおりです。
Note - AMFグループの設定は必須ではありませんが、あらかじめ設置場所や役割に応じたグループを作成しておくと後々便利なため、ここでは初期設定時にグループを作成しています。なお、グループの設定はいつでも可能なため、新規ノードがAMFネットワークに参加した後に実施してもかまいません。

以下、新規ノードに対する初期設定の具体的な手順を示します。
  1. 新規ノードにログインします。

    awplus login: manager 
    Password: friend ↓ (実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.3 xx/xx/xx xx:xx:xx
    


  2. 初期設定で有効になっているスパニングツリープロトコル(RSTP)はAMFと併用できないため無効にします。
    (厳密にはAMF接続ポート上でなければ併用可能ですが、通常は装置全体でスパニングツリープロトコルを無効化してください。詳細は導入編を参照)

    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# no spanning-tree rstp enable
    


  3. ノード名(ホスト名)を設定します。これにはhostnameコマンドを使います。
    このとき、ノード間で名前が重複しないようご注意ください(重複時はどちらかのノード名が強制的に変更されます)。また、ノード名は大文字小文字を区別しないため、その点にもご注意ください。

    awplus(config)# hostname FSW243
    


  4. ネットワーク名を設定します。これにはatmf network-nameコマンドを使います。
    ネットワーク名は、同一AMFネットワークを構成するすべてのノードに同じ名前を設定する必要があります(マスターと異なるネットワーク名を設定したメンバーはAMFネットワークに参加できません)。また、ネットワーク名は大文字小文字を区別するので、その点にもご注意ください。

    FSW243(config)# atmf network-name AMF001
    % Warning: the new atmf network name will not become effective until the unit reboots.
    


  5. ワーキングセット(操作対象ノード)の指定をしやすくするため、ユーザー定義グループを事前設定しておきます。これには、atmf groupコマンドを使います。
    グループ名は大文字小文字を区別します。
    ここでの設定により、新規ノードFSW243は、自動的に生成される機種別グループ「x510」のほか、ユーザー定義グループ「floor」と「3F」の所属になります。

    FSW243(config)# atmf group floor,3F
    


  6. ポート1.0.1をAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。

    FSW243(config)# interface port1.0.1
    FSW243(config-if)# switchport atmf-link
    


  7. AMFの設定を有効にするため、設定をスタートアップコンフィグに保存し、再起動します。

    FSW243(config-if)# end
    FSW243# write memory
    Building configuration...
    [OK]
    FSW243# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    


  8. 再起動が完了したら、新規ノードの準備は完了です。

新規ノードの接続

接続先ノードの設定変更と新規ノードの初期設定が済んだら、接続先ノードと新規ノードを接続します。
  1. 接続先ノードであるマスターのポート1.1.3と、新規ノードであるフロアスイッチFSW243のポート1.0.1を接続します。

    すると、マスターのコンソールに、FSW243がJoin(AMFネットワークに参加)したことを示すメッセージが出力されます。

    21:47:46 SBx81 ATMF[1946]: FSW243 has joined. 5 members in total.
    


  2. マスターのCLIからshow atmf nodesコマンドを実行し、AMFノード情報を確認してみましょう。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW243               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 5
    

    FSW243がAMFネットワークに参加していることを確認できます。
    これ以降、マスターのCLIから、ワーキングセット機能を用いて新規ノードFSW243の設定や状態監視が可能です。

バックアップ

AMFバックアップは、マスターが他のノードにアクセスして、各ノードの動作に必要なファイル(ファームウェア、ライセンス、コンフィグ、スクリプト、GUIアプレットなど内蔵フラッシュメモリー上の重要ファイル)をUSBメモリーにコピーする機能です。バックアップデータは、機器交換時のリカバリー処理に使用されます。

バックアップには、2つの実行方法があります。


注意事項

バックアップ機能を使用する場合は、下記の注意事項があります。


自動バックアップ

自動バックアップは、あらかじめ設定したスケジュールにもとづき、全ノードのバックアップを定期的に取得する機能です。

自動バックアップは初期状態で有効になっており、初期設定では毎晩3時に実行されるようスケジューリングされています。

■ 自動バックアップのスケジュールは、マスターのCLIからatmf backupコマンドで変更できます。
たとえば、自動バックアップを1日に2回、午前1時と午後1時に実行するには、次のようにします。

SBx81(config)# atmf backup 01:00 frequency 2

ここで「01:00」はスケジュールの基準となる時刻(24時間制)、「frequency 2」はバックアップの頻度(基準時刻を開始点とする24時間のうちに何回バックアップを実行するか)を示します。

なお、バックアップ実行時間が来たときに、まだ前回のバックアップが終了していなかったり、手動バックアップ(atmf backup now)が実行中だったりした場合、その回の自動バックアップはスキップされ、次のログメッセージ(errorレベル)が出力されます。

ATMF backup: Scheduled backup not started because backup already in progress


■ スケジュールを初期設定に戻す場合は、次のようにdefaultキーワードを指定します。

SBx81(config)# atmf backup default


■ 自動バックアップは初期状態で有効です。無効化したい場合はatmf backup enableコマンドをno形式で実行してください。

SBx81(config)# no atmf backup enable


■ 自動バックアップを再度有効化するには、atmf backup enableコマンドを通常形式で実行します。

SBx81(config)# atmf backup enable


■ 自動バックアップの有効・無効やスケジュールなど、AMFバックアップ機能に関する情報はshow atmf backupコマンドで確認できます。同コマンドでlogsオプションを付ければ、バックアップ時のファイル転送に関する詳細なログを見ることもできます。

SBx81# show atmf backup
SBx81# show atmf backup logs


手動バックアップ

手動バックアップは、atmf backup nowコマンドにより、任意のタイミングでバックアップを実行する機能です。
ノードの設定変更をした場合など、自動実行のスケジュールを待たずに最新のバックアップを取りたいときに使います。

ここでは、全ノードの手動バックアップを実行してみます。
  1. AMFバックアップを手動で行うには、マスターのCLIからatmf backup nowコマンドを実行します。
    同コマンドでは、ノード名を指定して特定のノードだけバックアップすることもできますが、ノード名を省略した場合はAMFネットワーク上のすべてのノードをバックアップします。

    SBx81# atmf backup now
    
    Backup successfully initiated
    
    SBx81# 
    


    なお、atmf backup nowコマンド入力時にすでに他のバックアップ(自動、手動を問わない)が実行中だった場合は、エラーとなり次のメッセージが表示されます。

    % ATMF backup is already running
    


  2. バックアップはバックグラウンドで処理されるため、プロンプトはすぐに戻ってきますが、実際の処理はしばらく続きます。
    AMFバックアップの進捗状況を確認するには、show atmf backupコマンドを使います。

    SBx81# show atmf backup
    
    Scheduled Backup ...... Enabled
      Schedule ............ 1 per day starting at 03:00
      Next Backup Time .... 23 Jan 2013 03:00
    Backup Media .......... USB (Total 14774.5MB, Free 12717.2MB)
    Current Action ........ Doing manual backup
      Started ............. 22 Jan 2013 16:20
      Current Node ........ FSW242
    
    Node Name                      Date         Time      In ATMF  On Media  Status
    --------------------------------------------------------------------------------
    ESW231                         22 Jan 2013  16:20:49  Yes      Yes       Good
    FSW241                         22 Jan 2013  16:21:08  Yes      Yes       Good
    FSW242                         -            -         Yes      Yes       -
    SBx81                          -            -         Yes      No        -
    


  3. AMFバックアップが完了すると、以下のログメッセージが出力されます。
    初期設定ではコンソールには出力されないので、show logコマンドで確認してください。

    SBx81# show log tail
    
    <date> <time> <facility>.<severity> <program[<pid>]>: <message>
    -------------------------------------------------------------------------
    2013 Jan 22 16:20:22 user.notice SBx81 IMISH[12321]: atmf backup now
    2013 Jan 22 16:20:23 user.notice SBx81 ATMFFS[26921]: ATMF backup: Manual backup has started
    2013 Jan 22 16:20:31 user.notice SBx81 IMISH[12321]: show atmf backup
    2013 Jan 22 16:21:33 user.notice s_src@SBx81 IMISH: Last message 'show atmf backup ' repeated 2 times, suppressed by syslog-ng on SBx81
    2013 Jan 22 16:21:33 user.notice SBx81 ATMFFS[26921]: ATMF backup: Backup of all nodes completed successfully
    2013 Jan 22 16:21:50 user.notice SBx81 IMISH[12321]: show atmf backup
    2013 Jan 22 16:21:55 user.notice SBx81 IMISH[12321]: show log tail
    


■ バックアップデータは、USBメモリーの下記フォルダ以下に保存されています。
ここでNETWORKNAMEはAMFネットワーク名、NODENAMEはノード名です。


USBメモリーをPCに装着して該当フォルダーを開けば、ファームウェアイメージやコンフィグなど、スイッチのフラッシュメモリーに存在するファイルがコピーされていることを確認できます。

Note - バックアップの対象となるのは、各ノードの内蔵フラッシュメモリーに格納されている重要ファイルです。NVSに格納されているファイルや、一部のログファイルなどはバックアップ対象になりません。
Note - バックアップファイルをPCで開いたり、PCにコピーしたりしてもかまいませんが、USBメモリー内のバックアップファイルはディレクトリー構造も含め変更しないようにしてください。変更するとオートリカバリーが動作しなくなるおそれがあります。

バックアップメディアの取り外し

バックアップメディアとして使用するUSBメモリーの取り外しは、以下の手順で行ってください。
  1. 自動バックアップ機能を無効にします。

    SBx81(config)# no atmf backup enable
    


  2. 自動、手動を問わず、実行中のバックアップを停止します。

    SBx81(config)# exit
    SBx81# atmf backup stop
    


  3. 自動バックアップが無効(Scheduled BackupがDisabled)であり、バックアップが実行中でない(Current ActionがIdle)ことを確認します。

    SBx81# show atmf backup
    
    Scheduled Backup ...... Disabled
      Schedule ............ 1 per day starting at 12:45
      Next Backup Time .... 25 May 2012 12:45
    Backup Media .......... SD (Total 3827.0MB, Free 3257.1MB)
    Current Action ........ Idle
      Started ............. -
      Current Node ........ -
    ...
    


  4. USBメモリーを取り外します。

  5. USBメモリーを再装着したら、自動バックアップを有効化します。

    SBx81# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    SBx81(config)# atmf backup enable
    


機器の交換

AMFネットワークに所属する機器の交換手順を示します。

オートリカバリー

オートリカバリー機能は、AMFメンバーを新品の機器と交換して初めて起動したときに、マスターのUSBメモリーに格納されたバックアップデータからフラッシュメモリーの内容を復元し、交換前の機器と同じ構成で再起動する仕組みです。
AMFネットワークでは、この仕組みにより、メンバーの機器交換時における代替機の事前設定が不要となります。

機器交換時にオートリカバリーが動作するには、次の条件を満たす必要があります。


注意事項


メンバーの交換(オートリカバリー)

ここでは、稼働中の下記AMFネットワークを例に、エッジスイッチESW231を新品の代替機と交換し、オートリカバリーによって自動復元する手順を示します。

機種
ノード名
AMFにおける役割
概要
SwitchBlade x8100 SBx81 マスター コアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW241 メンバー フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW242 メンバー フロアスイッチ
AT-x510-52GTX ESW231 メンバー エッジスイッチ(交換)


なお、マスターにはUSBメモリーが装着されており、自動バックアップ機能によって作成されたエッジスイッチESW231のバックアップデータが存在しているものとします。

  1. エッジスイッチESW231と同一型番の新しいスイッチ(代替機)を用意します。代替機はご購入時の状態であればよく、事前設定は一切不要です。
    Note - 代替機がご購入時の状態でない場合は、応用編の「AMFクリーン化手順」を参照し、代替機をAMFクリーン状態に戻してください。また、代替機に搭載されているファームウェアがバージョン5.4.3-0.1以降でない場合は、最初にバージョンアップしてください。

  2. エッジスイッチESW231の電源を切り、LANケーブルを抜きます。

  3. エッジスイッチESW231と代替機を交換します。

  4. 代替機にLANケーブルを元通り(交換前と同じポートに)接続し、電源を入れます。
    オートリカバリーの進捗を確認するため、代替機にはコンソールを接続しておくとよいでしょう。

    ご購入時状態のAMF対応スイッチでは、起動時にAMFネットワークを検出して自動的に参加する処理が働きます。
    この過程でオートリカバリーが可能かどうかの判断を行い、可能と判断した場合はマスターのUSBメモリーに格納されたバックアップデータからフラッシュメモリーの内容を復元して再起動を行い、交換前の機器と同一の状態でAMFネットワークに参加します。

    なおこの間、「AMFセーフコンフィグ」が適用されてAMF接続ポート(AMFリンクまたはAMFクロスリンク)以外のポートはすべてシャットダウンされるため、通常のネットワークポートでループなどが発生する恐れはありません。

  5. 起動中、代替機のローカルコンソールには次のようなログメッセージが表示されます。

    16:52:05 awplus ATMF[839]: ATMF network detected
    16:52:05 awplus ATMF[839]: ATMF safe config applied (forwarding disabled)
    16:52:15 awplus ATMF[839]: Shutting down all non ATMF ports
    16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Automatic node recovery started
    16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Attempting to recover as ESW231
    16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Checking master node availability
    16:52:22 ESW231 ATMF[839]: SBx81 has joined. 2 members in total.
    16:52:22 ESW231 ATMF[839]: FSW241 has joined. 3 members in total.
    16:52:22 ESW231 ATMF[839]: FSW242 has joined. 4 members in total.
    16:52:27 ESW231 ATMFFSR[3375]: Retrieving recovery data from master node SBx81
    16:54:27 ESW231 ATMFFSR[3375]: File recovery from master node succeeded. Node will now reboot
    


  6. オートリカバリーが成功すると、代替機はいったん再起動し、ESW231としてAMFネットワークに参加してきます。
    マスターのCLIからノード情報を確認してみましょう。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 4
    

    新しいスイッチがESW231として復元され、AMFネットワークに参加していることを確認できます。

■ オートリカバリーが失敗したときは、次のようなメッセージが出力されます。この場合は、応用編の「オートリカバリー失敗時の手動リカバリー」を参照して、手動でリカバリーを実施してください。

16:27:52 awplus ATMF[831]: ATMF network detected
16:27:52 awplus ATMF[831]: ATMF safe config applied (forwarding disabled)
16:28:02 awplus ATMF[831]: Shutting down all non ATMF ports
16:28:02 ESW231 ATMF[831]: Automatic node recovery started
16:28:02 ESW231 ATMF[831]: Attempting to recover as ESW231
16:28:02 ESW231 ATMF[831]: Checking master node availability
16:33:02 ESW231 ATMF[831]: Failed to find any master nodes
16:33:02 ESW231 ATMF[831]: Automatic node recovery failed - user intervention required


■ 上の例では、AMFネットワークの末端に位置するエッジスイッチESW231を交換しましたが、末端ではないメンバーを交換する場合も手順は同じです。

例として、ESW231の上位に位置するフロアスイッチFSW242を交換するケースを考えます。
FSW242の交換作業にともない、ESW231もマスターとの接続性が失われるため、一時的にAMFネットワークから離脱しますが、FSW242のオートリカバリーが成功すると、ESW231とマスターの接続性も回復するため、ESW231はAMFネットワークに自動復帰します。
FSW242の交換にともない、ESW231に対して何らかの操作(再起動など)をする必要はありません。

■ VCS構成のAMFメンバーを交換する場合は、状況によって作業手順が異なります。


マスターの交換(手動リカバリー)

マスターが1台の構成でマスターを交換する場合は、交換時にマスターが不在となりオートリカバリーを利用できないため、手動によるリカバリー処理が必要です。

Note - マスターを2台配置している場合は、もう一台のマスターからオートリカバリー可能です。マスター2台構成については、応用編をご覧ください。

■ ここでは、稼働中の下記AMFネットワークを例に、マスターSBx81を新品の代替機と交換し、手動リカバリーによって復元する手順を示します。

機種
ノード名
AMFにおける役割
概要
SwitchBlade x8100 SBx81 マスター コアスイッチ(交換)
AT-x510-28GTX FSW241 メンバー フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW242 メンバー フロアスイッチ
AT-x510-52GTX ESW231 メンバー エッジスイッチ

  1. マスターSBx81と同一型番の新しいスイッチ(代替機)を用意して、起動します。
    Note - 代替機に搭載されているファームウェアがバージョン5.4.3-0.1以降でない場合は、最初にバージョンアップしてください。マスターライセンスを有効化しておく必要はありません(ライセンス情報もリカバリー時に復元されます)。

  2. 代替機にAMFバックアップファイルの入ったUSBメモリーを装着します。

  3. 代替機にログインし、USBメモリーにバックアップされているマスターのコンフィグファイルを、代替機の本体内蔵フラッシュメモリーにコピーします。

    awplus login: manager 
    Password: friend ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.3 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    awplus> enable
    awplus# copy usb:/atmf/AMF001/nodes/SBx81/flash/default.cfg flash
    Copying...
    Successful operation
    


  4. AMFを有効にしてatmf recoverコマンドを利用可能にするため、コピーしたコンフィグで再起動します。

    awplus# reboot
    Are you sure you want to reboot the whole chassis? (y/n): y 
    


  5. 再起動後にログインしたら、atmf recoverコマンドを実行して、USBメモリー内のバックアップファイルから代替機の内蔵フラッシュメモリーの内容を手動でリカバリーします。

    SBx81 login: manager 
    Password: XXXXXXXX ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.3 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    SBx81> enable
    SBx81# atmf recover SBx81
    This command will erase ALL flash contents.  Continue node recovery? (y/n) y 
    
    Manual node recovery successfully initiated
    
    17:39:12 SBx81 ATMFFSR[5594]: Retrieving recovery data from master node SBx81
    17:39:32 SBx81 ATMFFSR[5594]: Manual node recovery completed
    


  6. リカバリー処理が完了したら、もう一度再起動します。

    SBx81# reboot
    Are you sure you want to reboot the whole chassis? (y/n): y 
    


  7. 再起動が完了したら、旧マスターSBx81と代替機を交換します。
    ケーブルを接続するときは、各ケーブルを交換前と同じポートに接続するよう注意してください。
    これにより、AMFネットワークが再構成されます。

ナビゲーション

■ AMFの高度な使い方については、第4部 応用編をご覧ください。


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