アライドテレシスマネージメントフレームワーク(AMF) / 運用
AMFの導入作業が終わり、AMFネットワークが自動構成されると、ワーキングセットを始めとするAMFの各種管理機能が使えるようになります。
ここでは、運用編と題し、AMFを利用してネットワークの運用・管理を行う基本的な方法について説明します。
なお、より高度な方法については、応用編をご覧ください。
AT-DC2552XSでは、外部メディアはサポート対象外のため、AMFバックアップデータの保存先としては外部のSSHサーバーのみ使用可能です。
機種固有の制限事項・注意事項については、導入編の「導入にあたり」もご参照ください。
ワーキングセット
AMFネットワークでは、マスターのCLIからワーキングセット機能を用いてすべてのメンバーの設定や状態確認が可能です。
ここでは、ワーキングセットの基本的な使い方を説明します。
注意事項
ワーキングセット機能を使用する場合は、下記の注意事項があります。
- 特権パスワードが必要なユーザー(権限1~14のユーザー)でマスターのCLIにログインしている場合は、ワーキングセット経由でコマンドを実行するたびに特権パスワードの入力を求められるため、ワーキングセットを使う場合は特権パスワードが不要なユーザーでマスターのCLIにログインすることをおすすめします。
ワーキングセットの操作対象ノードにマスターと同じ名前のユーザーを登録しておく必要はありません。
- ワーキングセット機能は、マスターのCLIから使用します。メンバーのCLIからの使用はサポート対象外です。
初期状態ではメンバーのCLIからもワーキングセット機能を使用できますが、atmf restricted-loginコマンドで禁止できます。
- ワーキングセットプロンプトでは、ローカルプロンプトとほぼ同じ操作でモード移動やコマンドの一括実行が可能ですが、複数ノードを対象とするワーキングセットプロンプトでは、下記のコマンドを実行できません。
たとえば、複数台を操作対象とするワーキングセットプロンプトからpingコマンドを実行しようとすると、次のようにエラーとなります。
AMF001[4]# ping 192.168.1.250 ↓
% Working set must contain only single node for this command
上記のコマンドは、次の例のように1台だけを対象とするワーキングセットプロンプトか、ローカルプロンプトから実行してください。
AMF001[1]# ping 192.168.1.250 ↓
PING 192.168.1.250 (192.168.1.250) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.1.250: icmp_req=1 ttl=128 time=9.61 ms
...
- ワーキングセットプロンプトでは、各ノードのコンソールに出力されるログメッセージ(consoleログ)は表示されません。
consoleログを確認しながら作業を進めたいときは、該当ノードのコンソールターミナルから直接ログインするか、atmf remote-loginコマンドを使って該当ノードにリモートログインしてください。
なお、ワーキングセットプロンプトでもshow logコマンドやshow log permanentコマンドは実行できますので、これらのコマンドにtailオプションを付けて実行すれば、ある程度リアルタイムに各ノードのログを確認することができます。
- ワーキングセットプロンプトでCLIのモディファイアやリダイレクションを使用した場合、これらは対象ノード単位で適用されます。
- たとえば、複数ノードを対象とするワーキングセットプロンプトで次のようにincludeフィルターを使用した場合、各ノードの出力に対して個別にフィルターが適用されます。
AMF001[2]# show system | include Environment ↓
=======
FSW241:
=======
Environment Status : Normal
=======
FSW242:
=======
Environment Status : Normal
- 同様に、コマンド出力をファイルにリダイレクトした場合は、各ノードのコマンド出力が、それぞれのノード上にファイルとして保存されます。
AMF001[2]# show system > showsys.txt ↓
AMF001[2]# dir showsys.txt ↓
=======
FSW241:
=======
1058 -rw- Jan 21 2013 20:23:01 showsys.txt
=======
FSW242:
=======
1058 -rw- Jan 21 2013 20:23:01 showsys.txt
モディファイアとリダイレクションの詳細は、「運用・管理」の「コマンドラインインターフェース(CLI)」をご覧ください。
- show tech-support、atmf distribute firmware、atmf reboot-rollingなど、AMFトラフィックを大量に生成する可能性のあるコマンドを実行する場合、ワーキングセットの対象ノードは42ノード以内にすることを推奨します。
コマンドプロンプト
ワーキングセットを利用するときは、マスターのコマンドプロンプト表示が次のように切り替わります。
本マニュアルでは、2種類のプロンプトを次のように呼び分けることとします。
- ローカルプロンプト
SBx81#
ローカルノード(マスター)に対してのみ操作を行う通常のプロンプトです。SBx81の部分はノード名(ホスト名)を表しています。
- ワーキングセットプロンプト
AMF001[4]#
ワーキングセット機能を利用して指定したノード群に操作を行うときのプロンプトです。AMF001の部分はAMFネットワーク名、[4]の部分は現在の操作対象ノード数を表しています。
次にローカルプロンプトとワーキングセットプロンプトの関係を図示します。

ワーキングセットプロンプトへの移行
■ ローカルプロンプトからワーキングセットプロンプトに移行するには、マスターのローカルプロンプトでatmf working-setコマンドを実行し、操作対象ノードを指定します。
たとえば、すべてのノードを操作対象とするワーキングセットプロンプトに移行するには、次のようにします。
SBx81# atmf working-set group all ↓
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================
Working set join
AMF001[4]#
■ 操作対象ノードの指定方法には、大きく分けてノードリスト指定とグループリスト指定の2種類があります。
- ノードリスト指定では、対象ノード名をカンマ区切りで列挙します。
ノード名には本来大文字小文字の区別はありませんが、atmf working-setコマンドのノードリスト指定時に限り、大文字小文字を区別するのでご注意ください(ノード名設定時にhostnameコマンドで指定したとおりに入力してください)。
- グループリスト指定では、groupキーワードの後にグループ名をカンマ区切りで列挙します。
グループ名は大文字小文字を区別します。ただし、予約済みグループ名のall, current, localは大文字小文字を区別しません。
グループ名には、atmf groupコマンドで任意作成したもののほか、以下の予約済みグループ名があります。
all |
すべてのノード |
current |
現在の操作対象ノード |
local |
ローカルノード(自ノード) |
master |
すべてのマスター |
poe |
すべてのPoE対応機種 |
dc2500 |
AT-DC2552XS |
vaa |
AMF Cloud |
x8100 |
すべてのSwitchBlade x8100 |
x930 |
すべてのx930シリーズ |
x900 |
すべてのSwitchBlade x908とx900シリーズ |
x610 |
すべてのx610シリーズ |
x510 |
すべてのx510シリーズとx510LシリーズとAT-IX5-28GPX |
x310 |
すべてのx310シリーズ |
x230 |
すべてのx230シリーズ |
x210 |
すべてのx210シリーズ |
x200 |
すべてのx200シリーズ |
ie200 |
すべてのIE200シリーズ |
ar4050 |
AT-AR4050S |
ar3050 |
AT-AR3050S |
ar2050 |
AT-AR2050V |
ar2010 |
AT-AR2010V |
sh510 |
すべてのSH510シリーズ |
sh310 |
すべてのSH310シリーズ |
sh230 |
すべてのSH230シリーズ |
sh210 |
すべてのSH210シリーズ |
xs900 |
すべてのXS900MXシリーズ |
gs900 |
すべてのGS900MX/GS900MPXシリーズ |
fs980 |
すべてのFS980Mシリーズ |
- たとえば、すべてのノードを操作したいときは、次のように予約済みグループの「all」を指定します。
SBx81# atmf working-set group all ↓
- x510シリーズ、AT-IX5-28GPX、x610シリーズの全ノードを指定するには、次のようにします。
複数指定時はカンマの前後にスペースを入れないよう注意してください。
SBx81# atmf working-set group x510,x610 ↓
- atmf groupコマンドを使えば、任意のノードをグループ化し、ワーキングセットの指定をしやすくできます。
たとえば、FSW241、FSW242、ESW231の3台を「nonMaster」グループとするには、次のようにします。
SBx81# atmf working-set FSW241,FSW242,ESW231 ↓
=======================
FSW241, FSW242, ESW231:
=======================
Working set join
AMF001[3]# configure terminal ↓
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
AMF001[3]# atmf group nonMaster ↓
これにより、これ以降は次のようにグループ名を指定するだけで、これら3台のノードを操作できるようになります。
SBx81# atmf working-set group nonMaster ↓
=======================
FSW241, FSW242, ESW231:
=======================
Working set join
AMF001[3]#
AMFグループの定義状況を確認するには、全ノードを対象とするワーキングセットプロンプトでshow atmf group membersコマンドを実行してください。
AMF001[4]# show atmf group members ↓
Retrieving Automatic groups from:
SBx81 FSW241 FSW242 ESW231
Retrieving User-defined groups from:
SBx81 FSW241 FSW242 ESW231
ATMF Group membership
Automatic Total
Groups Members Members
-----------------------------------------------------------------------------
master 1 SBx81
x510 3 FSW241 FSW242 ESW231
x8100 1 SBx81
ATMF Group membership
User-defined Total
Groups Members Members
-----------------------------------------------------------------------------
1F 1 FSW241
2F 2 FSW242 ESW231
edge 1 ESW231
floor 2 FSW241 FSW242
nonMaster 3 FSW241 FSW242 ESW231
■ ワーキングセットプロンプトからワーキングセットプロンプトに移動することもできます。
AMF001[4]# atmf working-set group floor ↓
===============
FSW241, FSW242:
===============
Working set join
AMF001[2]#
■ ワーキングセットプロンプトの操作対象になっているノードの一覧を確認したいときは、show atmf working-setコマンドを実行します。
AMF001[2]# show atmf working-set ↓
ATMF Working Set Nodes:
FSW241, FSW242
Working set contains 2 nodes
ワーキングセットプロンプトでのコマンド実行
ワーキングセットプロンプトで入力したコマンドは、基本的にすべての対象ノードで実行されます。
また、コマンドの実行にともなって何らかのメッセージが出力された場合、その表示は可能なかぎり集約した形で表示されます。
■ たとえば、すべてのノードで共通のVLANを定義するには、group allのワーキングセットプロンプトからvlanコマンドを実行します。
SBx81# atmf working-set group all ↓
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================
Working set join
AMF001[4]# configure terminal ↓
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
AMF001[4](config)# vlan database ↓
AMF001[4](config-vlan)# vlan 10,20 ↓
AMF001[4](config-vlan)# exit ↓
■ ワーキングセットプロンプトでモード移動をともなうコマンドを実行した場合、一部のノードでエラーが発生するとノード数の表示が次の例のように変化します。
AMF001[4](config)# interface port1.1.1-1.1.2 ↓
=======================
ESW231, FSW241, FSW242:
=======================
% Can't find interface port1.1.1
AMF001[4:1](config-if)#
この例では、interfaceコマンドでポート1.1.1~1.1.2を指定していますが、これらのポートはSBx81にしか存在しないため、ESW231、FSW241、FSW242では「Can't find interface port1.1.1」というエラーになっています。
そのため、ワーキングセットプロンプトの対象ノード数の表示が [4] から [4:1] に変更され、現在のコマンドモード(インターフェースモード)では、ワーキングセットに含まれている4台のノードのうち、1台にしかコマンドが適用されないことを示しています。
この状態で実行したコマンドは SBx81 にのみ発行されます。
AMF001[4:1](config-if)# switchport trunk allowed vlan add 10,20 ↓
AMF001[4:1](config-if)# switchport trunk native vlan none ↓
該当コマンドモードを抜ければ、ワーキングセットプロンプトのノード数表示も元に戻り、ワーキングセットの全ノードにコマンドが発行されるようになります。
AMF001[4:1](config-if)# exit ↓
AMF001[4](config)#
■ すべてのノードに対してshow running-configコマンドを実行した場合、各ノードの出力が異なるため、それぞれのノードでのコマンド実行結果が順番に表示されます。
SBx81# atmf working-set group all ↓
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================
Working set join
AMF001[4]# show running-config ↓
=======
ESW231:
=======
!
service password-encryption
!
hostname ESW231
:
:
=======
FSW241:
=======
!
service password-encryption
!
hostname FSW241
:
:
:
■ すべてのノードに対してwrite memoryコマンドを実行した場合は、x510シリーズ3台の出力は同じなので集約され、1台だけ出力の異なるマスターのSwitchBlade x8100の出力だけ別に表示されます。
SBx81# atmf working-set group all ↓
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================
Working set join
AMF001[4]# write memory ↓
=======================
ESW231, FSW241, FSW242:
=======================
[OK]
======
SBx81:
======
[OK]
Synchronizing file across the chassis, please wait...
File synchronization with card-6 successfully completed
[DONE]
■ 複数のメンバーをまとめて再起動したいときは、次のように対象メンバーを指定したワーキングセットプロンプトに移動してから、rebootコマンドを実行します。
複数のメンバーを1台ずつ順番に再起動したいときは、後述するリブートローリング機能を使います。
SBx81# atmf working-set group edge,floor ↓
=======================
ESW231, FSW241, FSW242:
=======================
Working set join
AMF001[3]# reboot ↓
% Warning: 3 nodes in total will be rebooted.
reboot system? (y/n) y ↓
16:05:30 SBx81 ATMF[1959]: ESW231 has left. 3 members in total.
16:05:30 SBx81 ATMF[1959]: FSW242 has left. 2 members in total.
16:05:30 SBx81 ATMF[1959]: FSW241 has left. 1 member in total.
AMF001[0]#
なお上の例では、3台のノードが再起動した後、ワーキングセットプロンプトのノード数表示が [0] になっています。
これは3台の対象ノードが再起動によってAMFネットワークから脱退したため、現在のワーキングセットプロンプトでは操作できるノードがいないことを意味しています。
各ノードが再起動を終えてAMFネットワークに復帰しても、ワーキングセットプロンプトはこの状態から自動復帰しないため、再起動した3台のノードに対する操作を続けたいときは、コンソールメッセージやshow atmf nodesコマンドで全ノードの復帰を確認したのち、もう一度ワーキングセットを指定しなおしてください。
16:07:30 SBx81 ATMF[1959]: ESW231 has joined. 2 members in total.
16:07:31 SBx81 ATMF[1959]: FSW242 has joined. 3 members in total.
16:07:32 SBx81 ATMF[1959]: FSW241 has joined. 4 member in total.
AMF001[0]# atmf working-set group edge,floor ↓
=======================
ESW231, FSW241, FSW242:
=======================
Working set join
AMF001[3]#
ローカルプロンプトへの復帰
■ ワーキングセットプロンプトからローカルプロンプトに戻るには、atmf working-setコマンドでgroup localを指定します。
また、group localの代わりにマスターのノード名だけを指定した場合もローカルプロンプトに戻ります(マスターが1台だけの場合は、group masterを指定しても同じです)。
AMF001[4]# atmf working-set group local ↓
======
SBx81:
======
Working set join
SBx81#
ワーキングセットプロンプトの特権EXECモードでexitコマンドを実行した場合はマスターのCLIからログアウトします。ワーキングセットプロンプトからローカルプロンプトに戻る場合は、exitコマンドを実行するのではなく、atmf working-setコマンドでgroup localを指定してください。
AMFの状態確認
AMFネットワークの状態を確認する場合は、おもに下記のコマンドを使います。
AMFの全体的な設定と状態
AMFの全体的な設定や状態はshow atmfコマンドで確認します。
■ show atmfコマンドをオプションなし、あるいは、summaryオプション付きで実行した場合は、対象AMFノードの設定や状態が簡潔に表示されます。
SBx81# show atmf ↓
ATMF Summary Information:
ATMF Status : Enabled
Network Name : AMF001
Node Name : SBx81
Role : Master
Current ATMF Nodes : 8
■ show atmfコマンドをdetailオプション付きで実行した場合は、対象AMFノードの設定や状態がより詳細に表示されます。
SBx81# show atmf detail ↓
ATMF Detail Information
Network Name : AMF001
Node Name : SBx81
Node Address : SBx81.atmf
Node ID : 1
Node Depth : 0
Domain State : DomainController
Recovery State : None
Management VLAN
VLAN ID : 4092
Management Subnet : 172.31.0.0
Management IP Address : 172.31.0.1
Management Mask : 255.255.128.0
Domain VLAN
VLAN ID : 4091
Domain Subnet : 172.31.128.0
Domain IP Address : 172.31.128.1
Domain Mask : 255.255.128.0
AMFノードの一覧
AMFネットワークに所属しているノードの情報はshow atmf nodesコマンドで確認します。
正常時はすべてのノードが同じ情報を保持しているため、通常はローカルプロンプトから実行すればよいでしょう。
(show atmf nodesコマンドではローカルノードを表す「*」の表示位置が異なるため、ワーキングセットプロンプトから実行した場合は集約が行われず、操作対象ノードの数だけ情報が表示されます)
SBx81# show atmf nodes ↓
Node Information:
* = Local device
SC = Switch Configuration:
C = Chassis S = Stackable N = Standalone
Node Device ATMF Node
Name Type Master SC Parent Depth
--------------------------------------------------------------------------------
* SBx81 AT-SBx81CFC400 Y C none 0
FSW242 x510-28GTX N S SBx81 1
FSW241 x510-28GTX N S SBx81 1
ESW231 x510-52GTX N S FSW242 2
Current ATMF node count 4
AMF接続ポートの状態
AMF接続ポート(AMFリンクまたはAMFクロスリンク)の情報を確認するには、show atmf linksコマンドを使います。
AMFネットワーク全体のリンク状況を知りたい場合は、次のように全ノードを対象とするワーキングセットプロンプトから実行するのがよいでしょう。
同コマンドでは、各ポートに接続されているノード(対向ノード)を知ることもできます。
SBx81# atmf working-set group all ↓
==============================
ESW231, FSW241, FSW242, SBx81:
==============================
Working set join
AMF001[4]# show atmf links ↓
=======
ESW231:
=======
ATMF Link Brief Information:
Local Link Port ATMF Adjacent Adjacent Link
Port Type Status State Node Ifindex State
--------------------------------------------------------------------------------
1.0.1 Uplink Up Full FSW242 5002 Forwarding
=======
FSW241:
=======
ATMF Link Brief Information:
Local Link Port ATMF Adjacent Adjacent Link
Port Type Status State Node Ifindex State
--------------------------------------------------------------------------------
1.0.1 Uplink Up Full SBx81 5001 Forwarding
=======
FSW242:
=======
ATMF Link Brief Information:
Local Link Port ATMF Adjacent Adjacent Link
Port Type Status State Node Ifindex State
--------------------------------------------------------------------------------
1.0.1 Uplink Up Full SBx81 5002 Forwarding
1.0.2 Downlink Up Full ESW231 5001 Forwarding
======
SBx81:
======
ATMF Link Brief Information:
Local Link Port ATMF Adjacent Adjacent Link
Port Type Status State Node Ifindex State
--------------------------------------------------------------------------------
1.1.1 Downlink Up Full FSW241 5001 Forwarding
1.1.2 Downlink Up Full FSW242 5001 Forwarding
1.1.3 Downlink Down Init - - Blocking
1.1.4 Downlink Down Init - - Blocking
1.1.5 Downlink Down Init - - Blocking
1.1.6 Downlink Down Init - - Blocking
ファームウェアバージョンアップ
AMFネットワークでは、前述したワーキングセット機能と、次に述べるリブートローリング機能を組み合わせることで、指定したノード群のファームウェアを一回のコマンド操作でバージョンアップすることができます。
AMFノードのファームウェアを5.4.3系列から5.4.4系列にバージョンアップするときは、最初にすべてのAMFメンバーを5.4.4系列にバージョンアップしてから、最後にAMFマスターをバージョンアップしてください(atmf working-setで「group all」を指定し、atmf reboot-rollingで一括バージョンアップする場合は、自動的にこの順序(メンバー → マスターの順)でバージョンアップを行います)。先にAMFマスターをバージョン5.4.4系列にバージョンアップした場合、バージョン5.4.3-3.7より前(5.4.3-2.x以前)のAMFメンバーがAMFネットワークに参加できなくなりますのでご注意ください。
AMFマスターがバージョン 5.4.7-0.x で動作しているAMFネットワーク内に、バージョン 5.4.7-1.x 以降のメンバーが存在する場合、atmf distribute firmwareコマンド または atmf reboot-rollingコマンドによるファームウェアバージョンアップは、次のいずれかの手順で実行してください。
同系列機種のSHシリーズとxシリーズが混在する下記いずれかのAMFネットワークの組み合わせにおいて、atmf distribute firmwareコマンドまたはatmf reboot-rollingコマンドでAMFノードのファームウェアを更新する場合、SHシリーズとxシリーズは、他の機種と同時に更新しないでください。 例えば、510系列機種(SH510シリーズとx510/x510Lシリーズ)の場合は、「SH510シリーズだけ」、「x510/x510Lだけ」というように個別にワーキングセットを指定して更新してください。 また、前記コマンドの URLパラメーターには、ファームウェアイメージファイルを明示的に指定してください。
- SH510シリーズとx510/x510Lシリーズ
- SH310シリーズとx310シリーズ
- SH230シリーズとx230シリーズ
- SH210シリーズとx210シリーズ
例)atmf reboot-rollingコマンドでSH510シリーズと x510/x510Lシリーズを更新する場合
- SH510 シリーズだけを対象とするワーキングセットに入り、SH510 用のイメージファイルを指定してファームウェアを更新
SBx81# atmf working-set group sh510 ↓
AMF001[2]# atmf reboot-rolling usb:/fw/SH510-5.4.5-1.x.rel ↓
- x510/x510L シリーズだけを対象とするワーキングセットに入り、x510 用のイメージファイルを指定してファームウェアを更新
AMF001[2]# atmf working-set group x510 ↓
AMF001[4]# atmf reboot-rolling usb:/fw/x510-5.4.5-1.x.rel ↓
リブートローリング
リブートローリングは、atmf reboot-rollingコマンドにより、ワーキングセットの操作対象ノードを順番に再起動する機能です。
オプションでファームウェアイメージファイルの置き場所を指定することにより、操作対象ノードを1台ずつバージョンアップ(ファームウェア転送 → 起動ファームウェア設定 → 再起動)することもできます。
リブートローリング機能の特長は次のとおりです。
- ネットワーク全体のダウンタイムを最小化するため対象ノードを1台ずつ順番に再起動します。再起動はマスターから遠い順に実行されます。
- オプションで、ファームウェアイメージファイルの転送と起動ファームウェアの設定を行ってから再起動することも可能です。
ファームウェアイメージファイルの指定方法には次の2種類があります。
- 自動選択
マスターのローカル記憶デバイス(USBメモリー、SD/SDHCカードまたは内蔵フラッシュメモリー)にファームウェアを保存している場合は、保存先のディレクトリーパス、または、イメージファイルのワイルドカードパターンを指定することで、対象ノードの機種に適合する最新バージョンを自動選択させることができます。
外部サーバー(TFTP、HTTP、SCP)にファームウェアを保存している場合、ディレクトリー指定やワイルドカード指定による自動選択はできません。イメージファイルのパスを完全に指定してください。
- ファイル指定
ファームウェアイメージファイルのパス(USBメモリー、SD/SDHCカード、内蔵フラッシュメモリー、あるいは外部サーバー上)を指定した場合は、指定したファームウェアに更新されます(最新版でなくても指定したバージョンに更新されます)。なお、この場合は、複数機種の一括バージョンアップはできません。
- ワーキングセット機能と組み合わせることで、複数ノードのバージョンアップを1回のコマンド入力で実施できます。
また、対象ノードが一台であっても、ファームウェアイメージファイルの転送や、起動ファームウェアの設定、再起動など一連の手順を1コマンドで実行できるため便利です。
注意事項
一括バージョンアップ
ワーキングセット機能とリブートローリング機能を併用して、複数ノードのファームウェアを一括でバージョンアップする手順を示します。
5.4.7-1.8と5.4.7-1.9は説明上使用している架空のファームウェアです。本マニュアル作成時点では実在しませんのでご注意ください。
- 各AMFノード用の最新ファームウェアイメージファイルをUSBメモリー、SD/SDHCカード内の任意のディレクトリーに格納し、マスターに装着します。
ファームウェアイメージファイルを格納するディレクトリーは任意ですが、日本語のディレクトリー名は使えません。
ディレクトリー内のイメージファイルの数は20個以内にしてください。
SBx81# dir usb:/fw/ ↓
19187299 -rwx Aug 18 2013 03:23:12 SBx908-5.4.7-1.9.rel
20570492 -rwx Aug 18 2013 03:16:34 x510-5.4.7-1.9.rel
19692488 -rwx Aug 18 2013 03:16:34 x610-5.4.7-1.9.rel
15531384 -rwx Aug 18 2013 03:11:30 SBx81CFC400-5.4.7-1.9.rel
- マスターのCLIからatmf working-setコマンドでバージョンアップ対象のノード群を指定し、ワーキングセットプロンプトに入ります。
SBx81# atmf working-set group floor ↓
===============
FSW241, FSW242:
===============
Working set join
AMF001[2]#
- atmf reboot-rollingコマンドを実行します。
このとき、USBメモリー、SD/SDHCカード上のファームウェアイメージファイルを保管したディレクトリーを指定してください。
USBメモリー、SD/SDHCカード上のディレクトリーだけを指定した場合は、指定ディレクトリーに存在するファイルの中から各AMFノードに適した最新のファームウェアが自動的に検索・選択され、バージョンアップを実行してよいか確認してきますので、続行してよければ「y」を、中止したいときは「n」で回答してください。
AMF001[2]# atmf reboot-rolling usb:/fw/ ↓
Retrieving data from FSW241
Retrieving data from FSW242
ATMF Rolling Reboot Nodes:
Timeout
Node Name (Minutes) New Release File Status
--------------------------------------------------------------------------------
FSW242 60 x510-5.4.7-1.9.rel Release ready
FSW241 60 x510-5.4.7-1.9.rel Release ready
Continue upgrading releases ? (y/n): y ↓
「y」で回答した場合は、1台ずつ順番にバージョンアップと再起動が行われます。
リブートローリング機能では、ネットワーク全体のダウンタイムを最小化するため、複数のAMFノードに対して逐次処理でバージョンアップ、再起動を実施します。すなわち、1台目(ファームウェア転送 → 再起動) → 2台目(ファームウェア転送 → 再起動)といったように順番に処理していきます。
================================================================================
Copying Release : x510-5.4.7-1.9.rel to FSW242
Updating Release : x510-5.4.7-1.9.rel information on FSW242
================================================================================
ATMF Rolling Reboot: Rebooting FSW242
================================================================================
16:07:59 SBx81 ATMF[1946]: ESW231 has left. 3 members in total.
16:07:59 SBx81 ATMF[1946]: FSW242 has left. 2 members in total.
% FSW242 has left the working-set
16:09:29 SBx81 ATMF[1946]: FSW242 has joined. 3 members in total.
16:09:29 SBx81 ATMF[1946]: ESW231 has joined. 4 members in total.
Reboot of FSW242 has completed
================================================================================
Copying Release : x510-5.4.7-1.9.rel to FSW241
Updating Release : x510-5.4.7-1.9.rel information on FSW241
================================================================================
ATMF Rolling Reboot: Rebooting FSW241
================================================================================
16:10:12 SBx81 ATMF[1946]: FSW241 has left. 3 members in total.
% FSW241 has left the working-set
16:11:46 SBx81 ATMF[1946]: FSW241 has joined. 4 members in total.
Reboot of FSW241 has completed
すべてのノードのバージョンアップが完了すると、次のように結果が表示されます。
================================================================================
ATMF Rolling Reboot Complete
Node Name Reboot Status Release Name Release Status
-------------------------------------------------------------------------------
FSW242 Rebooted x510-5.4.7-1.9.rel Upgraded
FSW241 Rebooted x510-5.4.7-1.9.rel Upgraded
================================================================================
■ 前の例のようにUSBメモリー、SD/SDHCカード上のディレクトリーを指定した場合は、対象ノードに適合する最新のファームウェアが自動選択されます。
該当ディレクトリーに複数のバージョンが存在していて、最新ではないバージョンに更新したいときは、ディレクトリー指定だと最新版が選択されてしまうので、次のいずれかの指定方法を使います。
■ atmf reboot-rollingコマンドでは、外部サーバー(TFTP、HTTP、SCP)上のファームウェアイメージファイルを指定することもできます。
外部サーバーを使う場合、ディレクトリー指定やワイルドカード指定による自動選択はできませんので、サーバー上のイメージファイルのパスを完全に指定してください。
外部サーバーを使う場合、一回のコマンド操作で複数の機種を更新することはできませんので、機種別にバージョンアップを実行してください。
AMF001[2]# atmf reboot-rolling tftp:/192.168.1.5/x510-5.4.7-1.9.rel ↓
機器の追加
AMFネットワークに機器を追加する手順を示します。
AMFには、新しく設置する機器のファームウェア、ライセンス、コンフィグなどを「事前設定データ」(一種のバックアップデータ)としてあらかじめ作成しておき、これを該当機器の接続先となる既存ノードのポートに関連付けることで、新規ノードのゼロタッチインストレーション(自動セットアップ)を可能とする機能があります。これを利用した機器の追加手順については、「機器の追加(事前設定によるゼロタッチインストレーション)」をご覧ください。
ここでは、すでに稼働中の下記AMFネットワークに、新しいフロアスイッチFSW243をメンバーとして追加する場合を例として説明します。
機種 |
ノード名 |
AMFにおける役割 |
所属グループ |
概要 |
SwitchBlade x8100 |
SBx81 |
マスター |
- |
コアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW241 |
メンバー |
floor, 1F |
フロアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW242 |
メンバー |
floor, 2F |
フロアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW243 |
メンバー |
floor, 3F |
フロアスイッチ(新規追加) |
AT-x510-52GTX |
ESW231 |
メンバー |
edge, 2F |
エッジスイッチ |

追加するスイッチ(新規ノード)はご購入時の状態であると仮定します。
もしそうでない場合は、応用編の「AMFクリーン化手順」を参照し、新規ノードをAMFクリーン状態に戻してから下記の手順を実施してください。
接続先ノードの設定変更
新規ノードを接続する既存のAMFノード(接続先ノード)にAMFリンクを追加設定します。
この例では新規ノードをマスターのポート1.1.3に接続するため、マスターに対して設定変更を行います。
新規ノードとはまだ接続しないでください。
- マスターにログインします。
SBx81 login: manager ↓
Password: XXXXXXXX ↓ (実際には表示されません)
AlliedWare Plus (TM) 5.4.7 xx/xx/xx xx:xx:xx
- 新規ノードを接続するポート1.1.3をAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。
SBx81> enable ↓
SBx81# configure terminal ↓
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
SBx81(config)# interface port1.1.3 ↓
SBx81(config-if)# switchport atmf-link ↓
- 設定をスタートアップコンフィグに保存します。
SBx81(config-if)# end ↓
SBx81# write memory ↓
Building configuration...
[OK]
Synchronizing file across the chassis, please wait...
File synchronization with card-6 successfully completed
[DONE]
- 以上で接続先ノードの設定変更は完了です。
■ 新規ノードをマスター以外のメンバーに接続する場合は、該当メンバーを対象とするワーキングセットプロンプトで手順2~3を実行してください。
たとえば、FSW241のポート1.0.2に新規ノードを接続する場合、手順2~3の操作は次のようになります。
SBx81> enable ↓
SBx81# atmf working-set FSW241 ↓
=======
FSW241:
=======
Working set join
AMF001[1]# configure terminal ↓
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
AMF001[1](config)# interface port1.0.2 ↓
AMF001[1](config-if)# switchport atmf-link ↓
AMF001[1](config-if)# end ↓
AMF001[1]# write memory ↓
Building configuration...
[OK]
新規ノードの初期設定
次に、新規ノードとなるスイッチを起動して、初期設定を行います。接続先ノードとはまだ接続しないでください。
メンバーの初期設定項目は次のとおりです。
AMFグループの設定は必須ではありませんが、あらかじめ設置場所や役割に応じたグループを作成しておくと後々便利なため、ここでは初期設定時にグループを作成しています。なお、グループの設定はいつでも可能なため、新規ノードがAMFネットワークに参加した後に実施してもかまいません。
以下、新規ノードに対する初期設定の具体的な手順を示します。
- 新規ノードにログインします。
awplus login: manager ↓
Password: friend ↓ (実際には表示されません)
AlliedWare Plus (TM) 5.4.7 xx/xx/xx xx:xx:xx
- ノード名(ホスト名)を設定します。これにはhostnameコマンドを使います。
このとき、ノード間で名前が重複しないようご注意ください(重複時はどちらかのノード名が強制的に変更されます)。また、ノード名は大文字小文字を区別しないため、その点にもご注意ください。
AT-DC2552XSの場合のみ、AMFとスパニングツリーの併用がサポート対象外のため、初期設定で有効になっているスパニングツリープロトコル(RSTP)を無効化する必要があります。spanning-tree enableコマンドをno形式で実行してください。
awplus> enable ↓
awplus# configure terminal ↓
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
awplus(config)# hostname FSW243 ↓
- ネットワーク名を設定します。これにはatmf network-nameコマンドを使います。
ネットワーク名は、同一AMFネットワークを構成するすべてのノードに同じ名前を設定する必要があります(マスターと異なるネットワーク名を設定したメンバーはAMFネットワークに参加できません)。また、ネットワーク名は大文字小文字を区別するので、その点にもご注意ください。
FSW243(config)# atmf network-name AMF001 ↓
- ワーキングセット(操作対象ノード)の指定をしやすくするため、ユーザー定義グループを事前設定しておきます。これには、atmf groupコマンドを使います。
グループ名は大文字小文字を区別します。
ここでの設定により、新規ノードFSW243は、自動的に生成される機種別グループ「x510」のほか、ユーザー定義グループ「floor」と「3F」の所属になります。
FSW243(config)# atmf group floor,3F ↓
- ポート1.0.1をAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。
FSW243(config)# interface port1.0.1 ↓
FSW243(config-if)# switchport atmf-link ↓
- AMFの設定を有効にするため、設定をスタートアップコンフィグに保存し、再起動します。
FSW243(config-if)# end ↓
FSW243# write memory ↓
Building configuration...
[OK]
FSW243# reboot ↓
reboot system? (y/n): y ↓
- 再起動が完了したら、新規ノードの準備は完了です。
新規ノードの接続
接続先ノードの設定変更と新規ノードの初期設定が済んだら、接続先ノードと新規ノードを接続します。
- 接続先ノードであるマスターのポート1.1.3と、新規ノードであるフロアスイッチFSW243のポート1.0.1を接続します。
すると、マスターのコンソールに、FSW243がJoin(AMFネットワークに参加)したことを示すメッセージが出力されます。
21:47:46 SBx81 ATMF[1946]: FSW243 has joined. 5 members in total.
- マスターのCLIからshow atmf nodesコマンドを実行し、AMFノード情報を確認してみましょう。
SBx81# show atmf nodes ↓
Node Information:
* = Local device
SC = Switch Configuration:
C = Chassis S = Stackable N = Standalone
Node Device ATMF Node
Name Type Master SC Parent Depth
--------------------------------------------------------------------------------
* SBx81 AT-SBx81CFC400 Y C none 0
FSW243 x510-28GTX N S SBx81 1
FSW242 x510-28GTX N S SBx81 1
FSW241 x510-28GTX N S SBx81 1
ESW231 x510-52GTX N S FSW242 2
Current ATMF node count 5
FSW243がAMFネットワークに参加していることを確認できます。
これ以降、マスターのCLIから、ワーキングセット機能を用いて新規ノードFSW243の設定や状態監視が可能です。
バックアップ
AMFバックアップは、マスターが他のノードにアクセスして、各ノードの動作に必要なファイル(ファームウェア、ライセンス、コンフィグ、スクリプト、GUIアプレットなど内蔵フラッシュメモリー上の重要ファイル)をUSBメモリー、SD/SDHCカード、外部SSHサーバーにコピーする機能です。バックアップデータは、機器交換時のリカバリー処理に使用されます。
バックアップには、2つの実行方法があります。
- 自動実行
- 手動実行
- atmf backup nowコマンドにより、指定したノードのバックアップを任意のタイミングで実行できます。ノードを指定しない場合は全ノードのバックアップを取ります。
- ノードの設定変更をした場合など、自動実行のスケジュールを待たずに最新のバックアップを取るときに使います。
注意事項
バックアップ機能を使用する場合は、下記の注意事項があります。
自動バックアップ
自動バックアップは、あらかじめ設定したスケジュールにもとづき、全ノードのバックアップを定期的に取得する機能です。
自動バックアップは初期状態で有効になっており、初期設定では毎晩3時に実行されるようスケジューリングされています。
■ 自動バックアップのスケジュールは、マスターのCLIからatmf backupコマンドで変更できます。
たとえば、自動バックアップを1日に2回、午前1時と午後1時に実行するには、次のようにします。
SBx81(config)# atmf backup 01:00 frequency 2 ↓
ここで「01:00」はスケジュールの基準となる時刻(24時間制)、「frequency 2」はバックアップの頻度(基準時刻を開始点とする24時間のうちに何回バックアップを実行するか)を示します。
なお、バックアップ実行時間が来たときに、まだ前回のバックアップが終了していなかったり、手動バックアップ(atmf backup now)が実行中だったりした場合、その回の自動バックアップはスキップされ、次のログメッセージ(errorレベル)が出力されます。
ATMF backup: Scheduled backup not started because backup already in progress
■ スケジュールを初期設定に戻す場合は、次のようにdefaultキーワードを指定します。
SBx81(config)# atmf backup default ↓
■ 自動バックアップは初期状態で有効です。無効化したい場合はatmf backup enableコマンドをno形式で実行してください。
SBx81(config)# no atmf backup enable ↓
■ 自動バックアップを再度有効化するには、atmf backup enableコマンドを通常形式で実行します。
SBx81(config)# atmf backup enable ↓
■ 自動バックアップの有効・無効やスケジュールなど、AMFバックアップ機能に関する情報はshow atmf backupコマンドで確認できます。同コマンドでlogsオプションを付ければ、バックアップ時のファイル転送に関する詳細なログを見ることもできます。
SBx81# show atmf backup ↓
SBx81# show atmf backup logs ↓
手動バックアップ
手動バックアップは、atmf backup nowコマンドにより、任意のタイミングでバックアップを実行する機能です。
ノードの設定変更をした場合など、自動実行のスケジュールを待たずに最新のバックアップを取りたいときに使います。
ここでは、全ノードの手動バックアップを実行してみます。
- AMFバックアップを手動で行うには、マスターのCLIからatmf backup nowコマンドを実行します。
同コマンドでは、ノード名を指定して特定のノードだけバックアップすることもできますが、ノード名を省略した場合はAMFネットワーク上のすべてのノードをバックアップします。
SBx81# atmf backup now ↓
Backup successfully initiated
SBx81#
なお、atmf backup nowコマンド入力時にすでに他のバックアップ(自動、手動を問わない)が実行中だった場合は、エラーとなり次のメッセージが表示されます。
% ATMF backup is already running
- バックアップはバックグラウンドで処理されるため、プロンプトはすぐに戻ってきますが、実際の処理はしばらく続きます。
AMFバックアップの進捗状況を確認するには、show atmf backupコマンドを使います。
SBx81# show atmf backup ↓
Scheduled Backup ...... Enabled
Schedule ............ 1 per day starting at 03:00
Next Backup Time .... 23 Jan 2013 03:00
Backup Media .......... USB (Total 14774.5MB, Free 12717.2MB)
Server Config .........
Synchronization ..... Unsynchronized
Last Run .......... -
1 .................. Unconfigured
2 .................. Unconfigured
Current Action ........ Doing manual backup
Started ............. 22 Jan 2013 16:20
Current Node ........ FSW242
Node Name Date Time In ATMF On Media Status
--------------------------------------------------------------------------------
ESW231 22 Jan 2013 16:20:49 Yes Yes Good
FSW241 22 Jan 2013 16:21:08 Yes Yes Good
FSW242 - - Yes Yes -
SBx81 - - Yes No -
- AMFバックアップが完了すると、以下のログメッセージが出力されます。
初期設定ではコンソールには出力されないので、show logコマンドで確認してください。
SBx81# show log tail ↓
<date> <time> <facility>.<severity> <program[<pid>]>: <message>
-------------------------------------------------------------------------
2013 Jan 22 16:20:22 user.notice SBx81 IMISH[12321]: atmf backup now
2013 Jan 22 16:20:23 user.notice SBx81 ATMFFS[26921]: ATMF backup: Manual backup has started
2013 Jan 22 16:20:31 user.notice SBx81 IMISH[12321]: show atmf backup
2013 Jan 22 16:21:33 user.notice s_src@SBx81 IMISH: Last message 'show atmf backup ' repeated 2 times, suppressed by syslog-ng on SBx81
2013 Jan 22 16:21:33 user.notice SBx81 ATMFFS[26921]: ATMF backup: Backup of all nodes completed successfully
2013 Jan 22 16:21:50 user.notice SBx81 IMISH[12321]: show atmf backup
2013 Jan 22 16:21:55 user.notice SBx81 IMISH[12321]: show log tail
バックアップファイルの確認方法
バックアップデータは、USBメモリー、SD/SDHCカードの下記フォルダ以下に保存されています。
ここでNETWORKNAMEはAMFネットワーク名、NODENAMEはノード名です。
/atmf/NETWORKNAME/nodes/NODENAME/flash/
また、バックアップ先としてSSHサーバーを使用している場合は、次のようになります。
- atmf backup serverコマンドでpathパラメーターを省略した場合、usernameパラメーターで指定したユーザーのホームディレクトリーが/home/amfopなら、AMFネットワーク「NETWORKNAME」、ノード名「NODENAME」のバックアップデータは、下記ディレクトリー以下に保存されます。
/home/amfop/atmf/NETWORKNAME/nodes/NODENAME/flash/
- atmf backup serverコマンドでpathパラメーターに「/backup」を指定した場合、AMFネットワーク「NETWORKNAME」、ノード名「NODENAME」のバックアップデータは、下記ディレクトリー以下に保存されます。
/backup/atmf/NETWORKNAME/nodes/NODENAME/flash/
USBメモリー、SD/SDHCカードをPCに装着して該当フォルダーを開けば、ファームウェアイメージやコンフィグなど、スイッチのフラッシュメモリーに存在するファイルがコピーされていることを確認できます。SSHサーバーの場合も、サーバー上のバックアップディレクトリーにアクセスすることで同様のことが可能です。
バックアップの対象となるのは、各ノードの内蔵フラッシュメモリーに格納されている重要ファイルです。NVSに格納されているファイルや、一部のログファイルなどはバックアップ対象になりません。
バックアップファイルをPCで開いたり、PCにコピーしたりしてもかまいませんが、USBメモリー、SD/SDHCカード、SSHサーバー内のバックアップファイルはディレクトリー構造も含め変更しないようにしてください。変更するとオートリカバリーが動作しなくなるおそれがあります。
冗長バックアップ
AMFマスターにおいて、外部SSHサーバーと外部メディア(USBメモリー・SD/SDHCカード)両方へ同時にバックアップが可能です。
外部SSHサーバーに接続できないときでも外部メディアを利用したバックアップ・リカバリーが可能となります。
本機能を使用する場合は、初期状態は無効のため、atmf backup redundancy enableコマンドを実行して有効にします。
また、バックアップ可能なすべての外部SSHサーバーや外部メディアを表示するには、show atmf backupコマンドを実行します。
AT-AR4050Sは外部メディアとしてUSBメモリーとSDHCカードの両方をサポートしていますが、AMFバックアップ機能においてはSDHCカードのみ使用可能です。
外部メディアと外部SSHサーバー(atmf backup server)を2台利用している場合は、まず、データは外部SSHサーバーの一台目にバックアップされ、その後、外部SSHサーバーの二台目と外部メディアに、データが同期されます。
バックアップメディアの取り外し
バックアップメディアとして使用するUSBメモリー、SD/SDHCカードの取り外しは、以下の手順で行ってください。
- 自動バックアップ機能を無効にします。
SBx81(config)# no atmf backup enable ↓
- 自動、手動を問わず、実行中のバックアップを停止します。
SBx81(config)# exit ↓
SBx81# atmf backup stop ↓
- 自動バックアップが無効(Scheduled BackupがDisabled)であり、バックアップが実行中でない(Current ActionがIdle)ことを確認します。
SBx81# show atmf backup ↓
Scheduled Backup ...... Disabled
Schedule ............ 1 per day starting at 12:45
Next Backup Time .... 25 May 2012 12:45
Backup Media .......... SD (Total 3827.0MB, Free 3257.1MB)
Current Action ........ Idle
Started ............. -
Current Node ........ -
...
- USBメモリー、SD/SDHCカードを取り外します。
- USBメモリー、SD/SDHCカードを再装着したら、自動バックアップを有効化します。
SBx81# configure terminal ↓
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
SBx81(config)# atmf backup enable ↓
機器の交換
AMFネットワークに所属する機器の交換手順を示します。
オートリカバリー
オートリカバリー機能は、AMFメンバーを新品の機器と交換して初めて起動したときに、マスターのUSBメモリーやSD/SDHCカード、あるいは、外部SSHサーバーに格納されたバックアップデータからフラッシュメモリーの内容を復元し、交換前の機器と同じ構成で再起動する仕組みです。
AMFネットワークでは、この仕組みにより、メンバーの機器交換時における代替機の事前設定が不要となります。
機器交換時にオートリカバリーが動作するには、次の条件を満たす必要があります。
- マスターのUSBメモリー、SD/SDHCカード、または、外部SSHサーバーに該当メンバーのバックアップデータが存在すること
バックアップデータがない場合、オートリカバリーは実行されません。交換前のスイッチがまだ動作している場合は、atmf backup nowコマンドで手動バックアップを取ってから交換してください。
また、AMFマスターがバックアップデータにアクセスできる状態を維持してください。セキュリティー機能付きのUSBメモリー等を利用する場合には、スイッチの再起動後に、セキュリティーの解除が必要なUSBメモリー等もありますのでご注意ください。
- 新しいスイッチ(代替機)がご購入時の状態であること
代替機がご購入時の状態(正確には「AMFクリーン状態」)でない場合は、オートリカバリーの前提である「AMF自動検出メカニズム」(応用編を参照)が動作せず、結果的にオートリカバリーも実行されません。
このような場合は、応用編の「AMFクリーン化手順」を参照し、代替機をAMFクリーン状態に戻してから交換手順を実施してください。
- 新しいスイッチにバージョン5.4.3-3.7以降のファームウェアが搭載されていること
AMFマスターのファームウェアバージョンが5.4.4系列のとき、代替機に搭載されているファームウェアのバージョンが5.4.3-3.7以降でない場合は、あらかじめ代替機を5.4.3-3.7以降にバージョンアップしておく必要があります。
AT-DC2552XSをAMFメンバーとして使用するには、AT-DC2552XSに5.4.4A-0.1以降のファームウェアが必要です。また、AMFマスターには5.4.4-1.1以降のファームウェアが必要です。
AMFマスターが5.4.4-1.1でも、AT-DC2552XS 5.4.4A-0.1では5.4.4-1.1以降のAMFに関する機能拡張は利用できません。AT-DC2552XS 5.4.4A-0.1で使用可能なAMF関連機能については、AT-DC2552XS 5.4.4A-0.1のコマンドリファレンスを参照してください。
AMFマスターが5.4.4-1.1以降かつ5.4.5-0.1より前のとき、x210シリーズ、x200シリーズをAMFメンバーとして使用するには、x210/x200にも5.4.4-1.1以降かつ5.4.5-0.1より前のファームウェアが必要です。x310シリーズ、x230シリーズをAMFメンバーとして使用するには、AMFマスター、x310/x230ともに5.4.4-1.1以降かつ5.4.5-0.1より前のファームウェアが必要です。
ファームウェアバージョン混在時の注意事項に関しては、導入編をご覧ください。
- 新旧のスイッチが同一型番であること
代替機が異なるシリーズの製品である場合(x510シリーズからx610シリーズに交換する場合など)、オートリカバリーは実行されません。
また、代替機が同一シリーズでポート構成のみ異なる場合(x510-52GTXからx510-28GTXに交換する場合など)、オートリカバリーは開始されますが、ポート設定が復元されないなどの現象が発生するため、交換時には原則として同一型番の代替機を用意してください。
ただし、交換前の機器と代替機の間における下記の差分は、オートリカバリーの実行に影響を与えません。
- 拡張モジュールの違い
例)AT-XEM-12TからAT-XEM-12Sへの変更、AT-XEM-12TからAT-XEM-12Tv2への変更など
拡張モジュールによってはサポート機能に差分がある場合があります(例:AT-XEM-12Tv2ではWREDを使えないなど)。その場合はオートリカバリー後に一部の設定内容が引き継がれないことがありますので、適切な設定変更を行ってください。
- 同一シリーズ同一ポート構成の機器でPoE機能の有無のみ異なる場合
例)AT-x610-24TsからAT-x610-24Ts/X-POE+への変更など
PoE対応機種からPoE非対応機種に交換した場合は、オートリカバリー後にPoE機能を使用できなくなります。また、逆にPoE非対応機種からPoE対応機種に交換した場合、オートリカバリー後は初期設定によりPoE機能が有効になります。PoE機能が不要な場合はPoE無効化の設定を追加してください。
- SFP/SFP+モジュールの違い
例)AT-MG8TからAT-SPSXへの変更など
- 交換時は以前と同じノードの同じポートに代替機を接続すること
AMFネットワーク内での物理的な位置が異なる場合、オートリカバリーが動作しない、あるいは、別のノードとして復元される可能性があります。代替機にケーブルを接続するときは交換前と同じポートに接続してください(代替機側だけでなく接続先機器のポートも同じにしてください)。
- バックアップ時と交換時のNode Depthが等しいこと
バックアップ後にAMFネットワークのトポロジー変更が発生してNode Depth(マスターからの距離。導入編を参照)が変化した場合、オートリカバリーは動作しません。その場合は、応用編の「オートリカバリー失敗時の手動リカバリー」を参照して、手動でリカバリーを実施してください。
- 仮想リンク経由で接続しているAMFノードのオートリカバリーの条件については、「仮想リンク経由で接続しているAMFノードのオートリカバリー」をご覧ください。
注意事項
- オートリカバリーは、新規スイッチ(AMFクリーン状態のスイッチ)が「AMF自動検出メカニズム」(応用編を参照)の過程で自律的に実行します。マスターは、新規スイッチの求めに応じてバックアップファイルを提供するだけです。そのため、マスター側でオートリカバリーの進捗状況を確認することはできません(復元後のAMFネットワークへの復帰は確認できます)。進捗確認は、新規スイッチに接続したコンソールターミナルから行ってください。
以下、新規スイッチのコンソールターミナルに出力されるメッセージ例を示します。
- バックアップデータが存在しないなどの理由によりオートリカバリーが不可能と判断された場合は、次のようなログメッセージが出力されます。
この場合は、セーフコンフィグが適用された状態のまま、AMFネットワークに参加します。
12:10:16 awplus ATMF[837]: No identity found for this device so automatic node recovery is not possible
- オートリカバリーが可能と判断された場合は、次のログメッセージが出力され、オートリカバリーの処理が開始されます。
16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Automatic node recovery started
- オートリカバリー成功時には次のログメッセージが出力されます。
この後、自動的に再起動が行われ、復元した設定内容でAMFネットワークに復帰します。
16:54:27 ESW231 ATMFFSR[3375]: File recovery from master node succeeded. Node will now reboot
- オートリカバリー失敗時には次のログメッセージが出力されます。
この場合は、セーフコンフィグが適用された状態のまま、AMFネットワークに参加します。
16:33:02 ESW231 ATMF[831]: Automatic node recovery failed - user intervention required
- オートリカバリー中のスイッチの電源を切らないでください。オートリカバリー中にはいったんすべてのファームウェアを削除するため、途中で電源を切るとスイッチが起動しなくなる恐れがあります。
- マスターが1台の構成では、マスターのオートリカバリーはできません。後述の手順にしたがい手動でリカバリーを実施してください。マスター2台の構成であればオートリカバリー可能です。
- AT-DC2552XS、GS900MXシリーズ、x310/x510/x610/x930シリーズにおいて、スタックポート(本体搭載のスタックポート、またはスタック/ポート拡張兼用モジュール)を通常ポートに設定し、AMFリンクとして使用している場合はオートリカバリーが動作しません。
これは、スタックポートを通常ポートとして動作させるにはVCS無効化の設定(「no stack enable」)が必要ですが、この設定が入ることで「AMFクリーン状態」でなくなるためです。
この場合は、応用編の「スタックポートをAMF接続ポートとして使用している場合の手動リカバリー」を参照して、手動でリカバリーを実施してください。
- オートリカバリーは1台ずつ実行してください。複数台同時に実行した場合、ネットワーク構成により一部のノードでオートリカバリーに失敗する可能性があります。
- VCS構成のAMFメンバーを交換する場合は、状況によって作業手順が異なります。
詳細はこちらをご覧ください。
- LACPチャンネルグループのAMF接続ポートでオートリカバリーを行う場合は、代替機に搭載されているファームウェアがバージョン5.4.5-1.1以降である必要があります。バージョン5.4.5-1.1以降でない場合は最初にバージョンアップしてください。
メンバーの交換(オートリカバリー)
ここでは、稼働中の下記AMFネットワークを例に、エッジスイッチESW231を新品の代替機と交換し、オートリカバリーによって自動復元する手順を示します。
機種 |
ノード名 |
AMFにおける役割 |
概要 |
SwitchBlade x8100 |
SBx81 |
マスター |
コアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW241 |
メンバー |
フロアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW242 |
メンバー |
フロアスイッチ |
AT-x510-52GTX |
ESW231 |
メンバー |
エッジスイッチ(交換) |

なお、マスターにはUSBメモリーが装着されており、自動バックアップ機能によって作成されたエッジスイッチESW231のバックアップデータが存在しているものとします。
- エッジスイッチESW231と同一型番の新しいスイッチ(代替機)を用意します。代替機はご購入時の状態であればよく、事前設定は一切不要です。
代替機がご購入時の状態でない場合は、応用編の「AMFクリーン化手順」を参照し、代替機をAMFクリーン状態に戻してください。また、AMFマスターのファームウェアバージョンが5.4.4系列のとき、代替機に搭載されているファームウェアがバージョン5.4.3-3.7以降でない場合は、最初に代替機を5.4.3-3.7以降にバージョンアップしてください。
- エッジスイッチESW231の電源を切り、LANケーブルを抜きます。
- エッジスイッチESW231と代替機を交換します。
- 代替機にLANケーブルを元通り(交換前と同じポートに)接続し、電源を入れます。
オートリカバリーの進捗を確認するため、代替機にはコンソールを接続しておくとよいでしょう。
ご購入時状態のAMF対応スイッチでは、起動時にAMFネットワークを検出して自動的に参加する処理が働きます。
この過程でオートリカバリーが可能かどうかの判断を行い、可能と判断した場合はマスターのUSBメモリーに格納されたバックアップデータからフラッシュメモリーの内容を復元して再起動を行い、交換前の機器と同一の状態でAMFネットワークに参加します。
なおこの間、「AMFセーフコンフィグ」が適用されてAMF接続ポート(AMFリンクまたはAMFクロスリンク)以外のポートはすべてシャットダウンされるため、通常のネットワークポートでループなどが発生する恐れはありません。
- 起動中、代替機のローカルコンソールには次のようなログメッセージが表示されます。
また、代替機の機種や拡張モジュールによっては、ポートLEDの表示によってもリカバリー実行中であることが示されます(詳細はatmf recover led-offコマンドのページをご覧ください)。
16:52:05 awplus ATMF[839]: ATMF network detected
16:52:05 awplus ATMF[839]: ATMF safe config applied (forwarding disabled)
16:52:15 awplus ATMF[839]: Shutting down all non ATMF ports
16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Automatic node recovery started
16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Attempting to recover as ESW231
16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Checking master node availability
16:52:22 ESW231 ATMF[839]: SBx81 has joined. 2 members in total.
16:52:22 ESW231 ATMF[839]: FSW241 has joined. 3 members in total.
16:52:22 ESW231 ATMF[839]: FSW242 has joined. 4 members in total.
16:52:27 ESW231 ATMFFSR[3375]: Retrieving recovery data from master node SBx81
16:54:27 ESW231 ATMFFSR[3375]: File recovery from master node succeeded. Node will now reboot
- オートリカバリーが成功すると、代替機はいったん再起動し、ESW231としてAMFネットワークに参加してきます。
マスターのCLIからノード情報を確認してみましょう。
SBx81# show atmf nodes ↓
Node Information:
* = Local device
SC = Switch Configuration:
C = Chassis S = Stackable N = Standalone
Node Device ATMF Node
Name Type Master SC Parent Depth
--------------------------------------------------------------------------------
* SBx81 AT-SBx81CFC400 Y C none 0
FSW241 x510-28GTX N S SBx81 1
FSW242 x510-28GTX N S SBx81 1
ESW231 x510-52GTX N S FSW242 2
Current ATMF node count 4
新しいスイッチがESW231として復元され、AMFネットワークに参加していることを確認できます。
何らかの理由でオートリカバリーに失敗した場合、応用編の「オートリカバリー失敗時の再試行手順」を参照して、再度オートリカバリーを試みてください。
■ オートリカバリーが失敗したときは、次のようなメッセージが出力されます。
また、代替機の機種や拡張モジュールによっては、ポートLEDの表示によってもリカバリーに失敗したことが示されます(詳細はatmf recover led-offコマンドのページをご覧ください)。
この場合は、応用編の「オートリカバリー失敗時の手動リカバリー」を参照して、手動でリカバリーを実施してください。
16:27:52 awplus ATMF[831]: ATMF network detected
16:27:52 awplus ATMF[831]: ATMF safe config applied (forwarding disabled)
16:28:02 awplus ATMF[831]: Shutting down all non ATMF ports
16:28:02 ESW231 ATMF[831]: Automatic node recovery started
16:28:02 ESW231 ATMF[831]: Attempting to recover as ESW231
16:28:02 ESW231 ATMF[831]: Checking master node availability
16:33:02 ESW231 ATMF[831]: Failed to find any master nodes
16:33:02 ESW231 ATMF[831]: Automatic node recovery failed - user intervention required
■ 上の例では、AMFネットワークの末端に位置するエッジスイッチESW231を交換しましたが、末端ではないメンバーを交換する場合は、アップリンク(マスターに近い方のポート)のみを接続してオートリカバリーを実施してください。
例として、ESW231の上位に位置するフロアスイッチFSW242を交換するケースを考えます。
FSW242の交換作業にともない、ESW231もマスターとの接続性が失われるため、一時的にAMFネットワークから離脱しますが、FSW242のオートリカバリーが成功すると、ESW231とマスターの接続性も回復するため、ESW231はAMFネットワークに自動復帰します。
FSW242の交換にともない、ESW231に対して何らかの操作(再起動など)をする必要はありません。
■ VCS構成のAMFメンバーを交換する場合は、状況によって作業手順が異なります。
- VCSグループは稼働したまま、一部のVCSメンバーを交換する場合
このケースでは、機器交換時にもAMFメンバーとしての動作や設定が保持されるため、AMFのリカバリー処理は行いません。
通常のVCSメンバー交換手順にしたがって機器を交換することで、VCSマスターから設定情報などが同期され、VCSグループが完全復旧します。
VCSメンバーの交換手順については、VCSマニュアルの運用編をご覧ください。
- VCSグループ全体を停止して、すべてのVCSメンバーを交換する場合
この場合は、最初にVCSマスターとなる機器だけをオートリカバリーによって復旧します(前記のメンバー交換手順を参照)。
その後、VCSスレーブとなる機器を通常のVCSメンバー追加手順にしたがって接続することで、VCSマスターから設定情報などが同期され、VCSグループが完全復旧します。
VCSメンバーの追加手順については、VCSマニュアルの運用編をご覧ください。
AMFセキュアモードにおいて、atmf authorize provisionコマンドで事前認証を行う時は、バーチャルMACアドレスではなく、機器のMACアドレスを指定してください。
この場合、オートリカバリーが成功して自動的に代替機が再起動しても、そのままではAMFネットワークに再加入できません。
これは、事前認証時に指定した機器のMACアドレスではなく、VCSグループのバーチャルMACアドレスで起動するため、AMFマスターから見ると未認証であることが理由です。
代替機が再起動した後は、AMFマスターからatmf authorizeコマンドを実行して認証を行ってください。
マスターの交換(手動リカバリー)
マスターが1台の構成でマスターを交換する場合は、交換時にマスターが不在となりオートリカバリーを利用できないため、手動によるリカバリー処理が必要です。
マスターを2台配置している場合は、もう一台のマスターからオートリカバリー可能です。マスター2台構成については、応用編をご覧ください。
■ ここでは、稼働中の下記AMFネットワークを例に、マスターSBx81を新品の代替機と交換し、手動リカバリーによって復元する手順を示します。
機種 |
ノード名 |
AMFにおける役割 |
概要 |
SwitchBlade x8100 |
SBx81 |
マスター |
コアスイッチ(交換) |
AT-x510-28GTX |
FSW241 |
メンバー |
フロアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW242 |
メンバー |
フロアスイッチ |
AT-x510-52GTX |
ESW231 |
メンバー |
エッジスイッチ |

- マスターSBx81と同一型番の新しいスイッチ(代替機)を用意して、起動します。
代替機に搭載されているファームウェアがバージョン5.4.3-0.1以降でない場合は、最初にバージョンアップしてください。また、マスターライセンスの有効化も必要です。
AMFマスターのファームウェアバージョンが5.4.4系列のとき、オートリカバリーする代替機には5.4.3-3.7以降のファームウェアが必要ですが、マスターを手動リカバリーする場合は代替機に5.4.3-0.1以降のファームウェアが搭載されていれば問題ありません。
- 代替機にAMFバックアップファイルの入ったUSBメモリーを装着します。
- 代替機にログインし、USBメモリーにバックアップされているマスターのコンフィグファイルを、代替機の本体内蔵フラッシュメモリーにコピーします。
awplus login: manager ↓
Password: friend ↓(実際には表示されません)
AlliedWare Plus (TM) 5.4.7 xx/xx/xx xx:xx:xx
awplus> enable ↓
awplus# copy usb:/atmf/AMF001/nodes/SBx81/flash/default.cfg flash ↓
Copying...
Successful operation
- AMFを有効にしてatmf recoverコマンドを利用可能にするため、コピーしたコンフィグで再起動します。
awplus# reboot ↓
Are you sure you want to reboot the whole chassis? (y/n): y ↓
- 再起動後にログインしたら、atmf recoverコマンドを実行して、USBメモリー内のバックアップファイルから代替機の内蔵フラッシュメモリーの内容を手動でリカバリーします。
代替機の機種や拡張モジュールによっては、ポートLEDの表示によってリカバリー実行中であることが示されます(詳細はatmf recover led-offコマンドのページをご覧ください)。
SBx81 login: manager ↓
Password: XXXXXXXX ↓(実際には表示されません)
AlliedWare Plus (TM) 5.4.7 xx/xx/xx xx:xx:xx
SBx81> enable ↓
SBx81# atmf recover SBx81 ↓
This command will erase ALL flash contents. Continue node recovery? (y/n) y ↓
Manual node recovery successfully initiated
17:39:12 SBx81 ATMFFSR[5594]: Retrieving recovery data from master node SBx81
17:39:32 SBx81 ATMFFSR[5594]: Manual node recovery completed
17:39:32 SBx81 ATMFFSR[5594]: Node needs to be restarted for the configuration to take effect. Make sure the configuration is appropriate for the node before restart.
- リカバリー処理が完了したら、もう一度再起動します。
SBx81# reboot ↓
Are you sure you want to reboot the whole chassis? (y/n): y ↓
- 再起動が完了したら、旧マスターSBx81と代替機を交換します。
ケーブルを接続するときは、各ケーブルを交換前と同じポートに接続するよう注意してください。
これにより、AMFネットワークが再構成されます。
仮想リンク経由で接続しているAMFノードのオートリカバリー
通常のオートリカバリーには物理的なAMF接続(AMFリンクまたはAMFクロスリンク)が必要ですが、仮想リンク経由でAMFネットワークに接続しているAMFノードにおいても、次のいずれかの方法を使用することでオートリカバリーが可能です。
- 隣接ノードの補助によるオートリカバリー(ファームウェアバージョン5.4.5-1.1以降)
- 外部メディアを利用した単独でのオートリカバリー(ファームウェアバージョン5.4.7-0.1以降)
「隣接ノードの補助によるオートリカバリー」は、セキュアモード 時には使用できません。セキュアモードでは「外部メディアを利用した単独でのオートリカバリー」をお使いください。
仮想リンクについては、応用編の「AMF仮想リンクによるワイドエリアAMFネットワーク」をご覧ください。
隣接ノードの補助によるオートリカバリー
仮想リンクでAMFネットワークに接続しているAMFノードであっても、配下の物理ポート(AMFリンクかAMFクロスリンク)に他のノードが接続されていれば、該当ノードの補助によってオートリカバリーが可能です。
仮想リンクを持つAMFノード(以下、該当ノード)のコンフィグは、該当ノードと物理的に接続されているAMFノード(以下、隣接ノード)によって自動的にバックアップされます。
その後、該当ノードを新しい機器と交換した場合、新しい機器は次の2ステップでオートリカバリーを行います。
- 隣接ノードに自動バックアップされたコンフィグをダウンロードして仮想リンクを復旧
- 復旧した仮想リンク経由でマスターにアクセスし、ファームウェアやライセンスを含む通常のオートリカバリーを実施
本機能には、以下の注意事項があります。
- 本機能はファームウェアバージョン 5.4.5-1.1 以降の機器において、つねに有効であり、設定なしで動作します。
- AT-DC2552XSでは本機能はサポート対象外です。
- 本機能を利用する場合、リカバリー対象ノードには仮想リンクだけでなく、物理ポート(AMFリンクかAMFクロスリンク)で接続した隣接ノードが必要です。
- 隣接ノードへのバックアップが行われるタイミングは次の2つです。
- 該当ノードと隣接ノードが物理ポートで接続されたとき
- 該当ノードでのコンフィグ保存時
- バックアップされたコンフィグは、隣接ノードのフラッシュメモリー上の下記の場所に保存されます。
/flash/.configs/.atmf/recover_node_<node_id>
- 隣接ノードにバックアップされるコンフィグは、あくまでも仮想リンクを復旧させるためだけのもので、正式なバックアップではありません。
- 本機能を使用するには、リカバリー対象ノードと隣接ノードがともにファームウェアバージョン 5.4.5-1.1 以降で動作している必要があります。
どちらかのノードが、ファームウェアバージョン5.4.5-1.1以降ではない場合のリカバリー方法は、応用編の「AMF仮想リンクを使用しているノードの手動リカバリー」を参照してください。
- 本機能は、セキュアモード 時には使用できません。セキュアモードでは次節で述べる「外部メディアを利用した単独でのオートリカバリー」をお使いください。
外部メディアを利用した単独でのオートリカバリー
外部メディア(USBメモリーやSD/SDHCカード)を装着可能な機器では、仮想リンク経由でAMFネットワークに接続している場合でも、以下の手順により単独でのオートリカバリーが可能です。
この方法を使えば、AT-AR2010V のようにスイッチポートを持たず、仮想リンクでしかAMFネットワークに接続できない製品でもオートリカバリーができます。
本機能によるオートリカバリーの手順は次のとおりです。
- 交換前の機器に外部メディアを装着します。
- copyコマンド(
copy running-config startup-config
)、write memoryコマンドなどでコンフィグを保存します。
- 手順2の実行により、手順1で装着した外部メディアにバックアップデータが保存されます。
- 外部メディアを交換前の機器から新しい機器に装着しなおし、新しい機器を起動します。
- 新しい機器の起動後、外部メディアからバックアップデータがダウンロードされます。
- ダウンロード完了後、新しい機器はAMFマスターにアクセスして通常のオートリカバリーを実行します。
本機能には、以下の注意事項があります。
- 本機能はファームウェアバージョン 5.4.7-0.1 以降の機器でのみ動作します。
- 本機能で使用する外部メディアの要件は、マスターに装着するAMFバックアップ用のメディアと基本的に同じです。詳しくは「AMFバックアップの注意事項」をご覧ください。
AT-AR4050S、AT-AR3050Sでは、SDHCカードとUSBメモリーのいずれも使用可能です。この点はAMFバックアップ用メディアの要件と異なりますのでご注意ください。なお、SDHCカードとUSBメモリーの両方が装着されている場合は、SDHCカードが優先されます。
- 外部メディアへのバックアップは仮想リンクが設定されている機器でのみ動作します。仮想リンクが設定されていない機器では動作しません。
- 外部メディアへのバックアップ前に交換前の機器が起動しなくなった場合、本機能は利用できません。本機能を利用する場合は、あらかじめ対象機に外部メディアを装着しておくことをおすすめします。
- 外部メディアにバックアップファイルが作成されるタイミングは次の2つです。
本機能を利用してオートリカバリーを実行する場合は明示的にコンフィグを保存し、最新の情報がバックアップされるようにしてください。
- 外部メディアを装着してから約30秒後
- コンフィグ保存時
- バックアップデータは、外部メディアのルートディレクトリーに作られる次の2つのファイルに保存されます。
- atmf_recovery_file
- atmf_recovery_file_hash
- 外部メディアにバックアップされるコンフィグは、あくまでも仮想リンクを復旧させるためだけのもので、正式なバックアップではありません。
- 本機能によるオートリカバリーは、該当AMFノードが「AMFクリーン状態」であり、なおかつ、本機能のバックアップデータを含む外部メディアが装着された状態で起動した場合にのみ実行されます。
- 本機能によるオートリカバリーは、他のオートリカバリー方法よりも優先して実行されます。
機器の追加(事前設定によるゼロタッチインストレーション)
AMFには、新しく設置する機器のファームウェア、ライセンス、コンフィグなどを「事前設定データ」(一種のバックアップデータ)としてあらかじめ作成しておき、これを該当機器の接続先となる既存ノードのポートに関連付けることで、新規ノードのゼロタッチインストレーション(自動セットアップ)を可能とする機能があります。
以下では、この仕組みを利用して、AMFネットワークに機器を追加する手順を示します。
ここでは、すでに稼働中の下記AMFネットワークに、新しいエッジスイッチESW232をメンバーとして追加する場合を例として説明します。
機種 |
ノード名 |
AMFにおける役割 |
所属グループ |
概要 |
SwitchBlade x8100 |
SBx81 |
マスター |
- |
コアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW241 |
メンバー |
floor, 1F |
フロアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW242 |
メンバー |
floor, 2F |
フロアスイッチ |
AT-x510-28GTX |
FSW243 |
メンバー |
floor, 3F |
フロアスイッチ |
AT-x510-52GTX |
ESW231 |
メンバー |
edge, 2F |
エッジスイッチ |
AT-x510-52GTX |
ESW232 |
メンバー |
edge, 3F |
エッジスイッチ(新規追加) |

追加するスイッチ(新規ノード)はご購入時の状態であると仮定します。
もしそうでない場合は、応用編の「AMFクリーン化手順」を参照し、新規ノードをAMFクリーン状態に戻してから下記の手順を実施してください。
また、事前設定によるゼロタッチインストレーションは、バックアップ・リカバリーと同じ仕組みを利用しているため、バックアップに必要な設定(バックアップメディアの準備等)をあらかじめ行っておいてください。バックアップ機能については、「バックアップ」をご覧ください。
LACPチャンネルグループのAMF接続ポートで事前設定によるゼロタッチインストレーションを行う場合は、追加するスイッチに搭載されているファームウェアがバージョン5.4.5-1.1以降である必要があります。バージョン5.4.5-1.1でない場合は最初にバージョンアップしてください。
新規ノードの事前設定
新規ノードの事前設定(事前設定データの作成)はマスターのCLIから行います。
事前設定データの作成方法には、次の2つがあります。
どちらの方法を使っても、「接続先ノードの設定変更」以降の手順は同じです。
マスターを2台配置している場合は、両方のマスターに対して同一の事前設定を行ってください。ワーキングセットの予約済みグループmaster(「atmf working-set group master」)を使用すれば、両マスターへの一括設定が可能ですが、新規ノード用コンフィグファイル等の編集は、マスターごとに行う必要があります(各マスターは異なるメディアまたはディレクトリーに事前設定データを保存するため)。
既存ノードの設定を複製して必要箇所を変更する場合(atmf provision node clone)
既存のエッジスイッチESW231のバックアップデータを複製し、必要な箇所のみ変更する場合の手順は次のとおりです。
本手順は、既存ノードESW231がバックアップ済みであることを前提としています。
- マスターにログインします。
SBx81 login: manager ↓
Password: XXXXXXXX ↓ (実際には表示されません)
AlliedWare Plus (TM) 5.4.7 xx/xx/xx xx:xx:xx
- 既存ノードESW231のバックアップデータを複製し、新規ノードESW232用の事前設定データをバックアップメディア内に作成します。これには、atmf provision node cloneコマンドを使います。
SBx81> enable ↓
SBx81# atmf provision node ESW232 clone ESW231 ↓
Copying...
Successful operation
- カレントディレクトリーをバックアップメディア内に作成された新規ノード用のフォルダーに変更します。これには、atmf provision node locateコマンドを使います。
SBx81# atmf provision node ESW232 locate ↓
- 既存ノード用のコンフィグを編集し、新規ノード用の内容に改めます。
IPアドレスやバーチャルシャーシID、所属するAMFグループなど、必要な箇所を適宜変更してください(ホスト名は複製時に自動変更されますが、念のため確認してください)。
また、コンフィグファイル名も必要に応じて変更してください。
ここでは、既存ノードの起動時コンフィグファイルがESW231.cfgという名前であったと仮定し、このファイルをESW232.cfgにリネームした上で、editコマンドで内容を編集しています。
SBx81# move ESW231.cfg ESW232.cfg ↓
Moving...
Successful operation
SBx81# edit ESW232.cfg ↓
AMFのバックアップ先としてSSHサーバー(atmf backup server)を2台設定している場合、atmf provision node xxxxコマンドで事前設定データの作成・削除・変更を行ったときや、事前設定データをファイル操作CLIによって直接変更したときは、atmf backup synchronizeコマンドを実行して、2台のサーバー間でデータを同期してください(手動・自動バックアップのときのようにSSHサーバー間の自動同期は行われないため)。
- リネームしたESW232.cfgを新規ノードの起動時コンフィグとして設定しなおします。これには、atmf provision node configure boot configコマンドを使います。
SBx81# atmf provision node ESW232 configure boot config ESW232.cfg ↓
一から作成する場合(atmf provision node create)
新規ノードESW232の設定を一から作成する場合の手順は次のとおりです。
- マスターにログインします。
SBx81 login: manager ↓
Password: XXXXXXXX ↓ (実際には表示されません)
AlliedWare Plus (TM) 5.4.7 xx/xx/xx xx:xx:xx
- 新規ノードESW232用の空の事前設定データをバックアップメディア内に新規作成します。これには、atmf provision node createコマンドを使います。
SBx81> enable ↓
SBx81# atmf provision node ESW232 create ↓
- 前の手順でバックアップメディア内に作成された新規ノード用のフォルダーに、新規ノードで使うファームウェアイメージファイルやコンフィグファイルをコピーします(copyコマンドで直接コピーしても、バックアップメディアをいったんPC等に接続してからコピーしてもかまいません)。
なお、カレントディレクトリーを新規ノード用のフォルダーに移動するには、atmf provision node locateコマンドを使います。
SBx81# atmf provision node ESW232 locate ↓
AMFのバックアップ先としてSSHサーバー(atmf backup server)を2台設定している場合、atmf provision node xxxxコマンドで事前設定データの作成・削除・変更を行ったときや、事前設定データをファイル操作CLIによって直接変更したときは、atmf backup synchronizeコマンドを実行して、2台のサーバー間でデータを同期してください(手動・自動バックアップのときのようにSSHサーバー間の自動同期は行われないため)。
- 前記フォルダーに保存したファームウェアとコンフィグを、新規ノードの通常用ファームウェア、起動時コンフィグとして設定します。これには、atmf provision node configure boot systemコマンド、atmf provision node configure boot configコマンドを使います。
SBx81# atmf provision node ESW232 configure boot system x510-5.4.7-1.1.rel ↓
SBx81# atmf provision node ESW232 configure boot config ESW232.cfg ↓
接続先ノードの設定変更
次に、新規ノードの接続先となる既存ノードFSW243(接続先ノード)のポートにAMFリンクを追加設定し、前の手順で作成した新規ノードの事前設定データを同ポートに関連付けます。
- マスターのCLIから既存ノードFSW243にリモートログインします。これには、atmf remote-loginコマンドを使います。
SBx81# atmf remote-login FSW243 ↓
Type 'exit' to return to SBx81.
AlliedWare Plus (TM) 5.4.7 xx/xx/xx xx:xx:xx
FSW243>
- 新規ノードを接続するポート1.0.2をAMFリンクに設定し、AMFが動作するよう設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。
FSW243> enable ↓
FSW243# configure terminal ↓
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
FSW243(config)# interface port1.0.2 ↓
FSW243(config-if)# switchport atmf-link ↓
- 同ポートに新規ノードESW232用の事前設定データを関連付けます。これには、atmf provisionコマンドを使います。
FSW243(config-if)# atmf provision ESW232 ↓
- AMFリンクの設定をスタートアップコンフィグに保存します。
FSW243(config-if)# end ↓
FSW243# write memory ↓
Building configuration...
[OK]
- 以上で接続先ノードの設定変更は完了です。
FSW243# exit ↓
SBx81#
新規ノードの接続
新規ノードの事前設定と接続先ノードの設定変更が済んだら、接続先ノードと新規ノードを接続します。
- 接続先ノードであるFSW243のポート1.0.2に新規ノードESW232のポート1.0.1を接続すると、オートリカバリーと同様の仕組みにより、新規ノードのゼロタッチインストレーション(自動セットアップ)が行われた後、再起動します。
awplus# 10:00:12 awplus ATMF[883]: ATMF network detected ↓
10:00:12 awplus ATMF[883]: ATMF safe config applied (forwarding disabled)
10:00:22 awplus ATMF[883]: Shutting down all non ATMF ports
10:00:28 ESW232 ATMF[883]: FSW243 has joined. 2 members in total.
10:00:28 ESW232 ATMF[883]: SBx81 has joined. 3 members in total.
10:00:28 ESW232 ATMF[883]: FSW242 has joined. 4 members in total.
10:00:28 ESW232 ATMF[883]: FSW241 has joined. 5 members in total.
10:00:28 ESW232 ATMF[883]: ESW231 has joined. 6 members in total.
10:00:35 ESW232 ATMFFSR[2715]: Retrieving recovery data from master node SBx81
10:01:35 ESW232 ATMFFSR[2715]: File recovery from master node succeeded. Node
will now reboot
URGENT: broadcast message:
System going down IMMEDIATELY!
... Rebooting at user request ...
- 再起動後、新規ノードESW232としてAMFネットワークに参加します。
これ以降、マスターのCLIから、ワーキングセット機能を用いて新規ノードESW232の設定や状態監視が可能です。
ナビゲーション
■ AMFの高度な使い方については、第4部 応用編をご覧ください。
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PN: 613-001763 Rev.T