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CentreCOM AR260S V2 設定例集 3.3.2 #4

PPPoE接続環境における2点間IPsec VPN(両側アドレス固定)


PPPoEでインターネットに接続している2つの拠点をIPsecで結ぶVPN構築例です。グローバルアドレス1個を固定的に割り当てられているサイト間(ルーターA、B:AR260S V2)をIPsec(ESP)トンネルで接続します。また、各拠点からインターネット向け通信も可能とします。


インターネットサービスプロバイダー(以下 ISP)からは、次の情報が提供されているものとします。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
PPPユーザー名 user1@example user2@example
PPPパスワード password password
IPアドレス 10.0.0.1/32(固定) 10.0.0.2/32(固定)
DNSサーバー 接続時に通知される 接続時に通知される


各ルーターは以下のように設定するものとします。

表 2
 
ルーターA
ルーターB
WAN側IPアドレス 自動取得(10.0.0.1/32を取得) 自動取得(10.0.0.2/32を取得)
LAN側IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24
VPN接続設定
ローカルセキュアグループ 192.168.10.0/24 192.168.20.0/24
リモートセキュアグループ 192.168.20.0/24 192.168.10.0/24
ローカルゲートウェイ pppoe0 pppoe0
リモートゲートウェイ 10.0.0.2 10.0.0.1
IKE設定
交換モード メイン メイン
事前共有鍵 secret secret
暗号化認証アルゴリズム 3DES & SHA1-DH2 3DES & SHA1-DH2
IPsec設定
暗号化認証アルゴリズム ESP 3DES HMAC SHA1 ESP 3DES HMAC SHA1
PFSグループ なし なし



本構成における設定のポイントは、次の通りです。


Note - 本設定例は ルーターAへの設定内容を想定しています。ルーターBの設定を行う場合は文中の「ルーターBは〜」をご参照ください。

ルーターAの設定

  1. IPアドレスを自動取得するよう設定したPCを接続し、Webブラウザーを起動します。
    Webブラウザーから「http://192.168.1.1/」を開くとユーザー名、パスワードの入力を求められますのでユーザー名「manager」、パスワード「friend」を入力すると、次の画面が表示されます。


    次に、左側のメニューから[LAN]-[IP]を選択します。
    [IPアドレス]を192.168.10.1 (ルーターBは 192.168.20.1)に変更して[適用]を押します。


    [適用]を押した後、IPアドレスを再取得するためにPCを再起動します。PCが起動完了したら、再度Webブラウザーを起動して「http://192.168.10.1/」(ルーターBは http://192.168.20.1/)を開きます。

  2. 左側のメニューから[LAN]-[DHCP]を選択します。
    [開始IPアドレス]を192.168.10.223から192.168.10.10(ルーターBは192.168.20.10)に変更して[適用]を押します。


  3. 左側のメニューから[WAN]-[WAN]を選択します。
    [WAN設定]の[接続モード]に PPPoE を選択し、[デフォルトゲートウェイ]を pppoe0 とします。


  4. 左側のメニューから[ファイアウォール/NAT]-[アクセス制御]を選択します。
    [pppoe0(WAN)] タブを開き、[アクセスリスト設定]に次の設定を行います。

    表 3
    [方向] Inbound
    [動作] 通過
    [優先度] 1
    [送信元]-[タイプ] サブネット
    [ネットワークアドレス] 192.168.20.0(ルーターBの場合192.168.10.0)
    [サブネットマスク] 255.255.255.0
    [宛先]-[タイプ] サブネット
    [ネットワークアドレス] 192.168.10.0(ルーターBの場合192.168.20.0)
    [サブネットマスク] 255.255.255.0
    [送信元ポート] すべて
    [宛先ポート] すべて
    [プロトコル] すべて
    [ログ] 無効


    設定が完了したら、[追加]を押します。


  5. 左側のメニューから[VPN]-[VPN接続]を選択し、[VPN接続設定]を次の内容で設定します。

    表 4
    [簡易設定/詳細設定] 簡易設定
    [ポリシー名] vpn
    [キープアライブ] 有効
    [種別] DPD
    [仮想トンネルインターフェース] 無効
    [ローカルセキュアグループ]-[種類] サブネット
    [ネットワークアドレス] 192.168.10.0(ルーターBの場合は192.168.20.0)
    [サブネットマスク] 255.255.255.0
    [リモートセキュアグループ]-[種類] サブネット
    [ネットワークアドレス] 192.168.20.0(ルーターBの場合は192.168.10.0)
    [サブネットマスク] 255.255.255.0
    [ローカルゲートウェイ] pppoe0
    [リモートゲートウェイ]-[種類] IPアドレス
    [IPアドレス] 10.0.0.2(ルーターBの場合は10.0.0.1)



    次に、[IKE設定]を設定します。

    表 5
    [IKE交換モード] メイン
    [事前共有鍵] secret


    設定が完了したら、[追加]を押します。


  6. 画面左上の[設定保存]を押します。
    設定保存ボタン下の「設定が保存されていません」という表示が消えれば設定完了です。
    設定は以上です。


Note - 本設定例では以下のIKEとIPsec設定を設定します。暗号化方式などを変更する必要がある場合は、<手順5>の[VPN接続設定]で[詳細設定]を選択してください。

表 6
IKE設定
暗号化認証アルゴリズム 3DES & SHA1-DH2
IPsec設定
暗号化認証アルゴリズム ESP 3DES HMAC SHA1
PFSグループ なし





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