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CentreCOM AR415S 設定例集 2.9 #158

マルチグループVRRP設定


VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)は、複数のルーターを連携させ1台のルーターであるかのように見せかけることで、IPネットワークの冗長構成を可能にする機能です。ここでは、マルチグループVRRPの使用例を示します。

次のようなネットワーク構成を例に解説します。


マルチグループVRRPは1つのネットワークに複数のVRRPを設定することで負荷分散をさせることができます。この構成ではルーターAとルーターBに192.168.1.100(VRID=1)と192.168.1.200(VRID=2)をバーチャルIPに設定しています。ルーターAではVRID=1の優先度を、ルーターBではVRID=2の優先度をデフォルトよりも高く設定しています。各ルーターのVRIDのステートは以下のようになります。

表 1
VRID
ルーターA
ルーターB
1 MASTER BACKUP
2 BACKUP MASTER


クライアントには、バーチャルIPアドレスをデフォルトゲートウェイとして設定しますが、この例ではクライアントAには192.168.1.100を、クライアントBには192.168.1.200を設定することでクライアントAからのトラフィックはルーターA経由、クライアントBからのトラフィックはルーターB経由で通信し負荷分散することができます。なおクライアントCからのトラフィックはルーターA経由となります。

ルーターAが故障すると同ルーターが定期的に送信しているVRRP AdvertisementパケットをルーターBが受信できなくなります。この場合、ルーターBはルーターAがダウンしたものと見なしてVRID=2のステートをマスターに移行しデフォルトゲートウェイアドレスを引き継ぎます。このとき、クライアントAからのトラフィックはルーターB経由となります。ルーターAが復旧すると、ルーターBのVRID=2のステートはバックアップに戻ります。またルーターBが故障した場合は、クライアントBからのトラフィックはルーターA経由で通信できます。

ルーターAの設定


  1. IPモジュールを有効にし、各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。



  2. VRRPを有効にします。



  3. eth0にVRID=1とVRID=2を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.1.100および192.168.1.200とします。VRID=1をデフォルトのマスターにするため、優先度をデフォルトの 100 よりも高い 101 に設定します。



  4. eth1にVRID=3を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.2.100とします。こちらをデフォルトのマスターにするため、優先度をデフォルトの 100 よりも高い 101 に設定します。



  5. eth1がダウンした場合に eth0側(VRID=1)の優先度を 99 に下げ、ルーターBのVRID=1がマスターになるよう設定します。



  6. eth0がダウンした場合に eth1側(VRID=3)の優先度を 99 に下げ、ルーターBがマスターになるよう設定します。



  7. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターBの設定

  1. IPモジュールを有効にし、各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。



  2. VRRPを有効にします。



  3. eth0にVRID=1とVRID=2を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.1.100および192.168.1.200とします。VRID=2をデフォルトのマスターにするため、優先度をデフォルトの 100 よりも高い 101 に設定します。



  4. eth1にVRID=3を割り当てます。バーチャルIPアドレスは192.168.2.100とします。優先度はデフォルト値の 100 とします。



  5. eth1がダウンした場合に eth0側(VRID=2)の優先度を 99 に下げ、ルーターAのVRID=2がマスターになるよう設定します。


  6. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

基本設定は以上です。

LAN上の各ホストには、デフォルトゲートウェイとして、バーチャルルーターのIPアドレスを設定します。クライアントAには192.168.1.100を、クライアントBには192.168.1.200を設定します。通常時には、ルーターAのVRID=1およびルーターBのVRID=2がマスターとして機能し、LAN間のトラフィックを転送します。ルーターAのインターフェースのどちらか(eth0、eth1)がダウンした場合は、ルーターBのVRID=1はマスターとなりバーチャルルーターとしての役割を引き継ぎます。このとき、バーチャルルーターのIPアドレスとMACアドレスは変化しないため、LAN上のホストがルーターの切り替えを意識することはありません。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ADD IP INT=ETH0 IP=192.168.1.1
ADD IP INT=ETH1 IP=192.168.2.1
ENABLE VRRP
CREATE VRRP=1 OVER=ETH0 IPADDRESS=192.168.1.100 PRIORITY=101
CREATE VRRP=2 OVER=ETH0 IPADDRESS=192.168.1.200
CREATE VRRP=3 OVER=ETH1 IPADDRESS=192.168.2.100 PRIORITY=101
ADD VRRP=1 MONITOREDINTERFACE=ETH1 NEWPRIORITY=99
ADD VRRP=3 MONITOREDINTERFACE=ETH0 NEWPRIORITY=99


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ADD IP INT=ETH0 IP=192.168.1.10
ADD IP INT=ETH1 IP=192.168.2.10
ENABLE VRRP
CREATE VRRP=1 OVER=ETH0 IPADDRESS=192.168.1.100
CREATE VRRP=2 OVER=ETH0 IPADDRESS=192.168.1.200 PRIORITY=101
CREATE VRRP=3 OVER=ETH1 IPADDRESS=192.168.2.100
ADD VRRP=2 MONITOREDINTERFACE=ETH1 NEWPRIORITY=99





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