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CentreCOM AR570S 設定例集 2.9 #15

ISDNコールバック


Dチャンネルレベルで相手を識別してコールバックするISDN(無課金)コールバックの設定例です。IP2点間接続の構成例をもとに説明しています。

コールバックとは、かかってきた電話をかけなおす機能です。以下の例では、ルーターAがコールバックする側となります。つまり、ルーターBがまず最初に電話をかけ、ルーターAがその電話に応答してすぐ切断し、ルーターA側からルーターBへ電話をかけ直します。

このコールバック機能をうまく使用すれば、地域によって料金体系が異なるところで常に安い側がコールバックを行ったり、料金の請求先をまとめたり、より強力なセキュリティー体勢を築いたりすることができます。

本製品は、「ISDNコールバック」と「PPPコールバック」の2通りのコールバック方式をサポートしています。以下の図で違いを説明します。


図では、ルーターBからルーターAへコールバックを要求しています。つまり、最初に電話をかけるのがルーターBです。ルーターAは要求にしたがい、本当にかけなおして良い相手かチェックします。このチェックのことを認証と言います。

ISDNコールバックは、ISDNのDチャンネルのレベルで認証を行うことができます。Bチャンネルまでは接続されないため、ルーターB側には課金されません。

PPPコールバックは、PPPでCHAPまたはPAP認証を行うため(設定により、ISDNのDチャンネルレベルでの認証も併用可)、ルーターB側にも通話料金がかかります。


ここでは、次のような構成のネットワークを例に、ISDNコールバックの設定例について解説します。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
役割 コールバックする 最初に電話をかける
ISDN番号 03-1234-1111 06-1234-2222
ISDNコール名 TOOS TOOS
ISDN発着優先 発呼優先 着呼優先
ISDN識別方式 サブアドレス識別 サブアドレス識別
WAN側物理インターフェース bri0 bri0
WAN側(ppp0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(vlan1)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24



ルーターAの設定

  1. ISDNコールを作成し、接続先を定義します。CALLBACK=ONでコールバックするよう設定します。また、CBDELAYパラメーターで、回線切断後コールバックするまでの待機時間(0.1秒単位)を設定します。ここでは5秒に設定しています。


  2. ダイヤルオンデマンドのPPPインターフェースを作成します。


  3. IPの設定を行います。


  4. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターBの設定

ISDNコールバックの要求側には特別な設定は必要ありません。相手側でISDNコールバックがオンになっていれば、自動的にコールバックされます。

  1. ISDNコールを作成し、接続先を定義します。


  2. ダイヤルオンデマンドのPPPインターフェースを作成します。


  3. IPの設定を行います。


  4. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。




メモ

■ コールバックしないようにするには、ルーターAで次のコマンドを実行します。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0612342222 PRECEDENCE=OUT INTREQ=bri0 OUTSUB=LOCAL SEARCHSUB=LOCAL
SET ISDN CALL=TOOS CALLBACK=ON CBDELAY=50
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON
ENABLE IP
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.2


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
ADD ISDN CALL=TOOS NUMBER=0312341111 PRECEDENCE=IN INTREQ=bri0 OUTSUB=LOCAL SEARCHSUB=LOCAL
CREATE PPP=0 OVER=ISDN-TOOS IDLE=ON
ENABLE IP
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.1





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