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CentreCOM AR570S 設定例集 2.9 #179

本社認証サーバーを利用した、リモートオフィスでのユーザー認証(IEEE 802.1X)


IEEE 802.1X認証機能を利用し、拠点を含む全社的な認証ネットワークを構築する例です。

本構成では、インターネットサービスプロバイダー(ISP)とPPPoEで接続している2つの拠点をIPsecで結ぶことにより、IEEE 802.1X認証機能が動作する支社のルーターに接続する端末を、本社RADIUSサーバーで管理します。また本例では、本社ルーターにのみグローバルアドレス1個が固定的に割り当てられており、支社のルーターのアドレスは不定(動的割り当て)であると仮定しています。
各拠点は、ISPから次の情報を提供されているものとします。

表 1:ISPから提供された情報
 
ルーターA(本社)
ルーターB(支社)
PPPユーザー名 userA@isp userB@isp
PPPパスワード isppasswdA isppasswdB
PPPoEサービス名 指定無し 指定無し
IPアドレス 172.16.0.1/32 接続時に割り当て
接続形態 端末型(アドレス1個固定) 端末型(アドレス1個不定)

本社、支社のルーター(A、B)は、ファイアウォールとダイナミックENATを使用した通常の端末型設定(Aはアドレス1個固定。Bはアドレス不定)です。
各ルーターの基本設定を次にまとめます。

表 2:ルーターの基本設定
 
ルーターA
ルーターB
WAN側物理インターフェース eth0 eth0
WAN側(ppp0)IPアドレス 172.16.0.1/32 動的割り当て(ppp0)
LAN側(vlan1)IPアドレス 192.168.10.1/24 -
LAN側(eth1)IPアドレス - 192.168.20.1/24
DHCPサーバー機能 無効 有効

IPsec関連の設定は次のようになります。

表 3:IKEフェーズ1(ISAKMP SAのネゴシエーション)
ルーター間の認証方式 事前共有鍵(pre-shared key)
IKE交換モード Aggressiveモード
事前共有鍵 secret(文字列)
ルーターAの認証ID IPアドレス:172.16.0.1(デフォルト)
ルーターBの認証ID 名前:client
Oakleyグループ 1(デフォルト)
ISAKMPメッセージの暗号化方式 DES(デフォルト)
ISAKMPメッセージの認証方式 SHA1(デフォルト)
ISAKMP SAの有効期限(時間) 86400秒(24時間)(デフォルト)
ISAKMP SAの有効期限(KByte数) なし(デフォルト)
起動時のISAKMPネゴシエーション 行なわない

表 4:IKEフェーズ2(IPsec SAのネゴシエーション)
SAモード トンネルモード
セキュリティープロトコル ESP(暗号化+認証)
暗号化方式 DES
認証方式 SHA1
IPsec SAの有効期限(時間) 28800秒(8時間)(デフォルト)
IPsec SAの有効期限(KByte数) なし(デフォルト)
トンネリング対象IPアドレス 192.168.10.0/24 ←→ 192.168.20.0/24
トンネル終端アドレス 172.16.0.1(A)・不定(B)
インターネットとの平文通信 行う

支社ルーターでは、IEEE 802.1X認証を使用して接続された端末を認証します。
認証が成功した端末にはDHCPサーバーよりIPを割り当てることにより、ネットワークへの接続が可能になります。また、IEEE 802.1X認証機能が搭載されていない機器(プリンタなど)をネットワークに接続するために、それらの機器のみ静的に認証を許可します。
以下に、ルーターBの設定をまとめます。

表 5:IEEE 802.1X認証の設定
IEEE 802.1X認証ポート eth1
認証モード Multi-Supplicantモード
静的認証許可MACアドレス 00-11-22-33-44-55

表 6:RADIUSサーバーの設定
RADIUSサーバー 192.168.10.2
共有パスワード himitsu
認証用UDPポート番号 1812
アカウンティング用UDPポート番号 1813

表 7:DHCPサーバーの設定
DHCPポリシー名 BASE
使用期限 7200(秒)
サブネットマスク 255.255.255.0
デフォルトルート 192.168.20.1
DHCPレンジ名 LOCAL
提供するIPアドレスの範囲 192.168.20.10〜192.168.20.19(10個)

ルーターAの設定


  1. セキュリティーモードで各種設定を行うことのできるSecurity Officerレベルのユーザー「secoff」を作成します。パスワードは「PasswordS」とします。

    Note - Security Officerレベルのユーザーを作成しておかないと、セキュリティーモードに移行できませんのでご注意ください。

  2. WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にPPPインターフェースを作成します。「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。


  3. ISPから通知されたPPPユーザー名とパスワードを設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースにISPより割り当てられたIPアドレス「172.16.0.1」を設定します。


  7. デフォルトルートをインターネット(ISP)側に向けます。


  8. ファイアウォール機能を有効にします。


  9. ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。


  10. ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。

    Note - デフォルト設定では、ICMPはファイアウォールを通過できません。

  11. ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、ただちにTCP RSTを返すよう設定します。


  12. ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。
    LAN側(vlan1)インターフェースをPRIVATE(内部)に設定します。


    WAN側(ppp0)インターフェースをPUBLIC(外部)に設定します。


  13. LAN側ネットワークに接続されているすべてのコンピューターがENAT機能を使用できるよう設定します。グローバルアドレスには、ppp0のIPアドレスを使用します。


  14. 相手ルーターから受信したIKEパケット(UDP500番)がファイアウォールを通過できるように設定します。


  15. 支社宛パケット(192.168.10.0/24→192.168.20.0/24)をNATの対象から除外するよう設定します。


  16. 基本ルールのままではIPsecパケットまで遮断されてしまうので、これらのパケットを通過させるためのルールを設定します。「ENCAP=IPSEC」は、IPsecパケットからオリジナルのパケットを取り出したあとでこのルールを適用することを示します。よって、以下のコマンドは、「取り出したパケットの終点が192.168.10.1〜192.168.10.254、つまり、本社宛ならばNATの対象外とする」の意味になります。


  17. ISAKMP用の事前共有鍵(pre-shared key)を作成します。ここでは鍵番号を「1」番とし、鍵の値は「secret」という文字列で指定します(ルーターBと同じに設定)。


    Note - CREATE ENCO KEYコマンドは、コンソール上でログインしている場合のみ有効なコマンドです。そのため、EDITコマンド(内蔵スクリーンエディター)などで設定スクリプトファイル(.CFG)にこのコマンドを記述しても無効になりますのでご注意ください。

    Note - CREATE ENCO KEYコマンドで作成された鍵は、ノーマルモードでは、ルーターの再起動によって消去されます。暗号鍵を使用する場合は、必ずセキュリティーモードに移行して鍵が保存されるようにしてください。

  18. ルーターBとのIKEネゴシエーション要求を受け入れるISAKMPポリシー「i」を作成します。KEYには、前の手順で作成した事前共有鍵(鍵番号「1」)を指定し、HEARTBEATMODEにBOTHを指定して、ISAKMPハートビートを使用します。また、この例では相手のアドレスが不定なため、PEERにANYを、REMOTEIDで相手の認証IDを指定し、「MODE=AGGRESSIVE」でAggressiveモードを使うよう設定します。


  19. IPsec通信の仕様を定義するSAスペック「1」を作成します。トンネルモード(デフォルト)、鍵管理方式「ISAKMP」、プロトコル「ESP」、暗号化方式「DES」、認証方式「SHA」に設定します。


  20. SAスペック「1」だけからなるSAバンドルスペック「1」を作成します。鍵管理方式は「ISAKMP」を指定します。


  21. ISAKMPメッセージを素通しさせるIPsecポリシー「isa」を作成します。ポリシーの適用対象を、ローカルの500番ポートからリモートの500番ポート宛のUDPパケット(ISAKMP)に設定します。

    Note - ISAKMPを使用する場合は、必ず最初のIPsecポリシーでISAKMPメッセージが通過できるような設定を行ってください。「IPsecポリシー」は設定順に検索され、最初にマッチしたものが適用されるため、設定順序には注意が必要です。検索順はSHOW IPSEC POLICYコマンドで確認できます。また、検索順を変更するには、SET IPSEC POLICYコマンドのPOSITIONパラメーターを使用します。

  22. ルーターBとのIPsec通信に使用するIPsecポリシー「vpn」をPPPインターフェース「0」に対して作成します。相手のIPアドレスが不定なので、ISAKMPの認証をパスしたものだけを指定する意味で、PEERにDYNAMICを指定します。


  23. IPsecポリシー「vpn」に対して実際にIPsec通信を行うIPアドレスの範囲を指定します。コマンドが長くなるため、できるだけ省略形を用いてください。


  24. インターネットへの平文通信を許可するIPsecポリシー「inet」をPPPインターフェース「0」に対して作成します。

    Note - インターネットにもアクセスしたい場合は、必ず最後のIPsecポリシーですべてのパケットを通過させる設定を行ってください。いずれのIPsecポリシーにもマッチしなかったトラフィックはデフォルトで破棄されてしまうため、上記の設定がないとVPN以外との通信ができなくなります。

  25. IPsecモジュールを有効にします。


  26. ISAKMPモジュールを有効にします。


  27. Security Officerレベルのユーザーでログインしなおします。


  28. 動作モードをセキュリティーモードに切り替えます。

    Note - セキュリティーモードでは、Security OfficerレベルでのTelnetログインが原則として禁止されています。セキュリティーモードにおいて、Security OfficerレベルでTelnetログインしたい場合は、あらかじめRSO(Remote Security Officer)の設定を行っておいてください(本章末尾のメモを参照)。

  29. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

ルーターBの設定

  1. セキュリティーモードで各種設定を行うことのできるSecurity Officerレベルのユーザー「secoff」を作成します。パスワードは「PasswordS」とします。

    Note - Security Officerレベルのユーザーを作成しておかないと、セキュリティーモードに移行できませんのでご注意ください。

  2. WAN側Ethernetインターフェース(eth0)上にPPPインターフェースを作成します。「OVER=eth0-XXXX」の「XXXX」の部分には、ISPから通知されたPPPoEの「サービス名」を記述します。ISPから指定がない場合は、どのサービス名タグでも受け入れられるよう、「ANY」を設定します。


  3. ISPから通知されたPPPユーザー名とパスワードを指定し、接続時にIPアドレス割り当ての要求を行うように設定します。LQRはオフにし、代わりにLCP Echoパケットを使ってPPPリンクの状態を監視するようにします。また、ISDN向けの機能であるBAPはオフにします。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. IPCPネゴシエーションで与えられたIPアドレスをPPPインターフェースで使用するように設定します。


  6. LAN側(eth1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  7. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレス「0.0.0.0」を設定します。ISPとの接続が確立するまで、IPアドレスは確定しません。


  8. デフォルトルートをインターネット(ISP)側に向けます。


  9. ファイアウォール機能を有効にします。


  10. ファイアウォールの動作を規定するファイアウォールポリシー「net」を作成します。


  11. ICMPパケットはPing(Echo/Echo Reply)と到達不可能(Unreachable)のみ双方向で許可します。

    Note - デフォルト設定では、ICMPはファイアウォールを通過できません。

  12. ルーターのidentプロキシー機能を無効にし、外部のメール(SMTP)サーバーなどからのident要求に対して、ただちにTCP RSTを返すよう設定します。


  13. ファイアウォールポリシーの適用対象となるインターフェースを指定します。
    LAN側(eth1)インターフェースをPRIVATE(内部)に設定します。


    WAN側(ppp0)インターフェースをPUBLIC(外部)に設定します。


  14. LAN側ネットワークに接続されているすべてのコンピューターがENAT機能を使用できるよう設定します。グローバルアドレスには、ppp0のIPアドレスを使用します。


  15. 本社宛パケット(192.168.20.0/24→192.168.10.0/24)をNATの対象から除外するよう設定します。


  16. 基本ルールのままではIPsecパケットまで遮断されてしまうので、これらのパケットを通過させるためのルールを設定します。「ENCAP=IPSEC」は、IPsecパケットからオリジナルのパケットを取り出したあとでこのルールを適用することを示します。よって、以下のコマンドは、「取り出したパケットの終点が192.168.20.1〜192.168.20.254、つまり、自拠点宛ならばNATの対象外とする」の意味になります。


  17. ISAKMP用の事前共有鍵(pre-shared key)を作成します。ここでは鍵番号を「1」番とし、鍵の値は「secret」という文字列で指定します(ルーターAと同じに設定)。


    Note - CREATE ENCO KEYコマンドは、コンソール上でログインしている場合のみ有効なコマンドです。そのため、EDITコマンド(内蔵スクリーンエディター)などで設定スクリプトファイル(.CFG)にこのコマンドを記述しても無効になりますのでご注意ください。

    Note - CREATE ENCO KEYコマンドで作成された鍵は、ノーマルモードでは、ルーターの再起動によって消去されます。暗号鍵を使用する場合は、必ずセキュリティーモードに移行して鍵が保存されるようにしてください。

  18. ルーターAとのIKEネゴシエーション要求を受け入れるISAKMPポリシー「i」を作成します。KEYには、前の手順で作成した事前共有鍵(鍵番号「1」)を、PEERにはルーターAのIPアドレスを指定します。また、自分のアドレスが不定なため、LOCALIDで自分の認証IDを指定し、「MODE=AGGRESSIVE」でAggressiveモードを使うよう設定します。


  19. IPsec通信の仕様を定義するSAスペック「1」を作成します。トンネルモード(デフォルト)、鍵管理方式「ISAKMP」、プロトコル「ESP」、暗号化方式「DES」、認証方式「SHA」に設定します。


  20. SAスペック「1」だけからなるSAバンドルスペック「1」を作成します。鍵管理方式は「ISAKMP」を指定します。


  21. ISAKMPメッセージを素通しさせるIPsecポリシー「isa」を作成します。ポリシーの適用対象を、ローカルの500番ポートからリモートの500番ポート宛のUDPパケット(ISAKMP)に設定します。

    Note - ISAKMPを使用する場合は、必ず最初のIPsecポリシーでISAKMPメッセージが通過できるような設定を行ってください。「IPsecポリシー」は設定順に検索され、最初にマッチしたものが適用されるため、設定順序には注意が必要です。検索順はSHOW IPSEC POLICYコマンドで確認できます。また、検索順を変更するには、SET IPSEC POLICYコマンドのPOSITIONパラメーターを使用します。

  22. ルーターAとのIPsec通信に使用するIPsecポリシー「vpn」をPPPインターフェース「0」に対して作成します。鍵管理方式には「ISAKMP」を、PEERにはルーターAのIPアドレスを、BUNDLEにはSAバンドルスペック「1」を指定します。


  23. IPsecポリシー「vpn」に対して実際にIPsec通信を行うIPアドレスの範囲を指定します。コマンドが長くなるため、できるだけ省略形を用いてください。


  24. インターネットへの平文通信を許可するIPsecポリシー「inet」をPPPインターフェース「0」に対して作成します。

    Note - インターネットにもアクセスしたい場合は、必ず最後のIPsecポリシーですべてのパケットを通過させる設定を行ってください。いずれのIPsecポリシーにもマッチしなかったトラフィックはデフォルトで破棄されてしまうため、上記の設定がないとVPN以外との通信ができなくなります。

  25. IPsecモジュールを有効にします。


  26. ISAKMPモジュールを有効にします。


  27. ここからがIEEE 802.1X認証の設定です。最初に、ルーターBが送信するRADIUSパケットの始点IPアドレスを固定するため、ローカルIPインターフェース1(ループバックインターフェース)を作成します。また、RADIUSパケットをIPsecでカプセリングしてルーターAに送る必要があるため、ローカルIPインターフェース1に割り当てるIPアドレスはLAN側ネットワークアドレス「192.168.20.2」を使用します。

    Note - 上記の設定が無い場合、自ルーターが送信するRADIUSパケットの始点IPアドレスが変更され、正常に認証が出来なくなる可能性があります。詳細は「ADD IP LOCAL」コマンドをご覧ください。

  28. IEEE 802.1X認証に使用するRADIUSサーバーを指定します。また、RADIUSパケットの始点IPアドレスにはローカルIPインターフェース1を使用するよう設定します。


  29. IEEE 802.1X認証機能を有効にします。


  30. LAN側インターフェース(eth1)を、複数の端末を認証するMulti-SupplicantモードのAUTHENTICATORとして動作するように設定します。


  31. LAN側インターフェース(eth1)で、IEEE 802.1X認証機能が搭載されていないプリンターを静的に認証許可するように設定します。


  32. 未使用ポートをすべて無効にし、不要な接続が出来ないようにします。


  33. LAN側PCのためにDHCPサーバー機能を有効にします。


  34. DHCPポリシー「BASE」を作成します。IPアドレスの使用期限は7,200秒(2時間)とします。


  35. DHCPクライアントに提供する情報を設定します。


  36. DHCPクライアントに提供するIPアドレスの範囲を設定します。


  37. プリンターが特定のIPアドレスを常に使用できるように静的IPアドレスを割り当てます。


  38. Security Officerレベルのユーザーでログインしなおします。


  39. 動作モードをセキュリティーモードに切り替えます。

    Note - セキュリティーモードでは、Security OfficerレベルでのTelnetログインが原則として禁止されています。セキュリティーモードにおいて、Security OfficerレベルでTelnetログインしたい場合は、あらかじめRSO(Remote Security Officer)の設定を行っておいてください(本章末尾のメモを参照)。

  40. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

メモ

■ 本設定では、ルーター起動直後にPPPoEセッションが確立され、以後常時接続された状態となります。したがって、PPPoEセッションの切断、再接続は手動で行う必要があります。

■ 常時接続ではなく、LAN側からインターネット側に対して通信要求が発生したときに自動的にPPPoEセッションを確立し、無通信状態が60秒続いたときにPPPoEセッションを切断するには、次のコマンドを入力します。

■ ファイアウォールで遮断されたパケットのログをとるには、次のコマンドを実行します。

記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=FIRE」により、ファイアウォールが出力したログメッセージだけを表示させています。

■ インターネット側からのPING(ICMP Echo Requestパケット)を拒否するには、次のようなIPフィルターをWAN側インターフェースに設定します。この例では、「LOG=HEADER」により、フィルターで拒否したパケットをログに記録しています。

記録されたログを見るには、次のコマンドを実行します。ここでは、「TYPE=IPFIL」により、IPフィルターが出力したログメッセージだけを表示させています。

■ セキュリティーモードに移行すると、Security OfficerレベルでルーターにTelnetログインすることができなくなります。セキュリティーモードにおいて、Security OfficerレベルでTelnetログインしたい場合は、あらかじめRSO(Remote Security Officer)コマンドを使ってログインを許可するホストのIPアドレスを指定しておく必要があります。
たとえば、ネットワーク192.168.10.0/24および192.168.20.0/24上のすべてのホストからSecurity OfficerレベルでのTelnetログインを許可する場合は、次のようにします。

■ セキュリティーモードでは、たとえSecurity Officerでログインした場合であっても、セキュリティーコマンドを一定期間入力しないでいると、次回セキュリティーコマンドを入力したときにパスワードの再入力を求められます。このタイムアウト値は、下記コマンドによって変更できますが、IPsecの設定を行うときは、ノーマルモードで設定を行った後、セキュリティーモードに変更することをおすすめします。
セキュリティー関連コマンドのタイムアウトは、次のコマンドで変更できます。SECUREDELAYパラメーターには、10〜3600(秒)を指定します。デフォルトは60秒です。

■ ポート認証機能の全般的な情報はSHOW PORTAUTHコマンドで確認できます。

■ 各ポートのポート認証機能の情報はSHOW PORTAUTH PORTもしくはSHOW PORTAUTH MULTISUPPLICANT PORTコマンドで確認できます。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
ADD USER=secoff PASSWORD=PasswordS PRIVILEGE=SECURITYOFFICER
CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY
SET PPP=0 OVER=eth0-ANY USER=userA@isp PASSWORD=isppasswdA BAP=OFF LQR=OFF ECHO=ON
ENABLE IP
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1
ADD IP INT=ppp0 IP=172.16.0.1 MASK=255.255.255.255
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 MASK=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0
ENABLE FIREWALL
CREATE FIREWALL POLICY=net
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY
ADD FIREWALL POLICY=net INT=vlan1 TYPE=PRIVATE
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=vlan1 GBLINT=ppp0
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=1 AC=ALLOW INT=ppp0 PROT=UDP PO=500 IP=172.16.0.1 GBLIP=172.16.0.1 GBLP=500
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=2 AC=NONAT INT=vlan1 PROT=ALL IP=192.168.10.1-192.168.10.254
SET FIREWALL POLICY=net RULE=2 REMOTEIP=192.168.20.1-192.168.20.254
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=3 AC=NONAT INT=ppp0 PROT=ALL IP=192.168.10.1-192.168.10.254 ENCAP=IPSEC
# CREATE ENCO KEY=1 TYPE=GENERAL VALUE=secret
CREATE ISAKMP POLICY=i PEER=ANY KEY=1 SENDN=TRUE REMOTEID=client MODE=AGGRESSIVE HEARTBEATMODE=BOTH
CREATE IPSEC SASPEC=1 KEYMAN=ISAKMP PROTOCOL=ESP ENCALG=DES HASHALG=SHA
CREATE IPSEC BUNDLE=1 KEYMAN=ISAKMP STRING=1
CREATE IPSEC POLICY=isa INT=ppp0 ACTION=PERMIT LPORT=500 RPORT=500 TRANSPORT=UDP
CREATE IPSEC POLICY=vpn INT=ppp0 ACTION=IPSEC KEYMAN=ISAKMP BUNDLE=1 PEER=DYNAMIC
SET IPSEC POLICY=vpn LAD=192.168.10.0 LMA=255.255.255.0 RAD=192.168.20.0 RMA=255.255.255.0
CREATE IPSEC POLICY=inet INT=ppp0 ACTION=PERMIT
ENABLE IPSEC
ENABLE ISAKMP
# LOGIN secoff
# ENABLE SYSTEM SECURITY_MODE


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
ADD USER=secoff PASSWORD=PasswordS PRIVILEGE=SECURITYOFFICER
CREATE PPP=0 OVER=eth0-ANY
SET PPP=0 OVER=eth0-ANY USER=userB@isp PASSWORD=isppasswdB LQR=OFF BAP=OFF ECHO=ON IPREQUEST=ON
ENABLE IP
ENABLE IP REMOTEASSIGN
ADD IP INT=eth1 IP=192.168.20.1
ADD IP INT=ppp0 IP=0.0.0.0
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 MASK=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=0.0.0.0
ENABLE FIREWALL
CREATE FIREWALL POLICY=net
ENABLE FIREWALL POLICY=net ICMP_F=PING,UNREACH
DISABLE FIREWALL POLICY=net IDENTPROXY
ADD FIREWALL POLICY=net INT=eth1 TYPE=PRIVATE
ADD FIREWALL POLICY=net INT=ppp0 TYPE=PUBLIC
ADD FIREWALL POLICY=net NAT=ENHANCED INT=eth1 GBLINT=ppp0
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=1 AC=NONAT INT=eth1 PROT=ALL IP=192.168.20.1-192.168.20.254
SET FIREWALL POLICY=net RULE=1 REMOTEIP=192.168.10.1-192.168.10.254
ADD FIREWALL POLICY=net RULE=2 AC=NONAT INT=ppp0 PROT=ALL IP=192.168.20.1-192.168.20.254 ENCAP=IPSEC
# CREATE ENCO KEY=1 TYPE=GENERAL VALUE=secret
CREATE ISAKMP POLICY=i PEER=172.16.0.1 KEY=1 SENDN=TRUE LOCALID=CLIENT MODE=AGGRESSIVE HEARTBEATMODE=BOTH
CREATE IPSEC SASPEC=1 KEYMAN=ISAKMP PROTOCOL=ESP ENCALG=DES HASHALG=SHA
CREATE IPSEC BUNDLE=1 KEYMAN=ISAKMP STRING=1
CREATE IPSEC POLICY=isa INT=ppp0 ACTION=PERMIT LPORT=500 RPORT=500 TRANSPORT=UDP
CREATE IPSEC POLICY=vpn INT=ppp0 ACTION=IPSEC KEYMAN=ISAKMP BUNDLE=1 PEER=172.16.0.1
SET IPSEC POLICY=vpn LAD=192.168.20.0 LMA=255.255.255.0 RAD=192.168.10.0 RMA=255.255.255.0
CREATE IPSEC POLICY=inet INT=ppp0 ACTION=PERMIT
ENABLE IPSEC
ENABLE ISAKMP
ADD IP LOCAL=1 IP=192.168.20.2
ADD RADIUS SERVER=192.168.10.2 SECRET=himitsu PORT=1812 ACCPORT=1813 LOCAL=1
ENABLE PORTAUTH=8021x
ENABLE PORTAUTH=8021X PORT=ETH1 TYPE=AUTHENTICATOR MODE=MULTI
SET PORTAUTH=8021X PORT=eth1 SUPPLICANTMAC=00-11-22-33-44-55 CONTROL=AUTHORISED
DISABLE SWITCH PORT=1-4
ENABLE DHCP
CREATE DHCP POLICY=BASE LEASE=7200
ADD DHCP POLICY=BASE SUBNET=255.255.255.0 ROUTER=192.168.20.1
CREATE DHCP RANGE=LOCAL POLICY=BASE IP=192.168.20.10 NUM=10 PROBE=ARP
ADD DHCP RANGE=LOCAL IP=192.168.20.10 ADDRESS=00-11-22-33-44-55
# LOGIN secoff
# ENABLE SYSTEM SECURITY_MODE





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