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CentreCOM AR570S 設定例集 2.9 #46

フレームリレーにおける輻輳制御とスロースタート


フレームリレー網には、ユーザー機器に対して輻輳(網が混み合うこと)を通知する機能があります。ここでは、本製品の輻輳制御機能を有効にして、網輻輳時に送信レートを自動調整するよう設定します。また、データ送信開始時に段階的に送信レートを上げていくスロースタートメカニズムも使用します。IP2点間接続の構成例をもとに解説します。

なお、輻輳制御は、単位時間内にルーターが網に対して送信するトラフィック量を制御するもの、すなわち網とルーター間に関するものであり、通信相手のルーターにこの機能が設定されている必要はありません。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
TDMグループ名 TOOS TOOS
回線速度 128Kbps 128Kbps
WAN側物理インターフェース bri0 bri0
PVC状態確認手順(LMI) Annex A Annex A
DLCI 16 17
CIR 32Kbps 32Kbps
輻輳制御 有効 有効
スロースタート 有効 有効
WAN側(fr0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(vlan1)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24




ルーターAの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。


  3. FR(フレームリレー)インターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成し、PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを設定してfr0をリセットします(LMIを設定した際は、FRインターフェースをリセットします)。


  4. CIRを32Kbpsに設定します。


  5. 輻輳制御を有効にします。


  6. スロースタートメカニズムを有効にします。


  7. IPモジュールを有効にします。


  8. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  9. WAN側(fr0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. 経路情報を設定します。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターBの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。


  3. FR(フレームリレー)インターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成し、PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを設定してfr0をリセットします(LMIを設定した際は、FRインターフェースをリセットします)。


  4. CIRを32Kbpsに設定します。


  5. 輻輳制御を有効にします。


  6. スロースタートメカニズムを有効にします。


  7. IPモジュールを有効にします。


  8. LAN側(vlan1)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  9. WAN側(fr0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. 経路情報を設定します。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



メモ

■ 設定例中の「RESET FR=0」は、コマンドラインからfr0インターフェースの設定を行った場合に必要なものです。内蔵テキストエディター(EDIT)などで直接設定ファイルを記述する場合は「RESET FR=0」は不要です。


■ PVC状態確認手順(LMI)としてAnnex Aを使用する場合、フレームリレーのシステムパラメーターの1つであるError Threshold値(NN2パラメーター)の変更が必要になることがあります(本製品のデフォルト値は2)。たとえば、NTTのSuperRelayFRを使用している場合は、下記のコマンドを追加してNN2パラメーターの値を3に変更してください。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=TOOS INTERFACE=bri0 SLOTS=1-2
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA
# RESET FR=0
SET FR=0 DLC=16 CIR=32000
ENABLE FR=0 CONGESTIONCONTROL
ENABLE FR=0 SLOWSTART
ENABLE IP
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=fr0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.2 DLC=16


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
* 「#」で始まる行は、コンソールから入力しないと意味を持たないコマンドか、設定ファイル(.cfg)に記述しても無効なコマンドを示しています。詳細は本文の説明をご覧ください。
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=TOOS INTERFACE=bri0 SLOTS=1-2
CREATE FR=0 OVER=TDM-TOOS LMISCHEME=ANNEXA
# RESET FR=0
SET FR=0 DLC=17 CIR=32000
ENABLE FR=0 CONGESTIONCONTROL
ENABLE FR=0 SLOWSTART
ENABLE IP
ADD IP INT=vlan1 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=fr0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INTERFACE=fr0 NEXT=192.168.100.1 DLC=17





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PN: 613-000274 Rev.N

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