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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #27

専用線によるIP2点間接続(プロキシーARP)


専用線を使って2つの拠点をIP接続します。この例では、センター側LANのアドレスの一部をリモート側に割り当て、プロキシーARPによってルーティングする例を示しています。

ここでは、ルーターAに接続されている192.168.10.0/24のネットワークのうち、192.168.10.240〜192.168.10.255(192.168.10.240/28)をルーターBに割り当てます。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
TDMグループ名 TOOS TOOS
回線速度 128Kbps 128Kbps
WAN側物理インターフェース bri0 bri0
PPPユーザー名 AAA BBB
PPPパスワード PasswordA PasswordB
PPP認証方式 CHAP CHAP
WAN側(ppp0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.10.241/28




ルーターAの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。


  3. PPPインターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成します。


  4. 接続相手(ルーターB)のPPPユーザー名とパスワードをユーザー認証データベースに登録します。これは、PPPのネゴシエーションで相手を認証するためのものです。


  5. 自分のPPPユーザー名とパスワードを設定します。これは、PPPのネゴシエーションで相手から認証を受けるためのものです。


  6. PPP認証方式(相手を認証するときの方式)をCHAPに設定します。


  7. IPモジュールを有効にします。


  8. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  9. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. ルーターB側サブネット(192.168.10.240/28)への経路を優先度最高(PREFERENCE=0)で登録し、プロキシーARPが働くようにします。これにより、ルーターAのLAN側端末から192.168.10.241〜192.168.10.254へのARP要求に対し、ルーターAが代理で応答するようになります。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターBの設定

  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を、常時起動のTDM(専用線)モードに設定します。


  2. bri0のスロット1〜2(128Kbps)に対して、TDMグループ「TOOS」を作成します。


  3. PPPインターフェース「0」をTDMグループ「TOOS」上に作成します。


  4. 接続相手(ルーターA)のPPPユーザー名とパスワードをユーザー認証データベースに登録します。これは、PPPのネゴシエーションで相手を認証するためのものです。


  5. 自分のPPPユーザー名とパスワードを設定します。これは、PPPのネゴシエーションで相手から認証を受けるためのものです。


  6. PPP認証方式をCHAPに設定します。


  7. IPモジュールを有効にします。


  8. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  9. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. 経路情報を設定します。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。




メモ

■ プロキシーARPを使用しない場合は、ルーターAで次のコマンドを実行します。プロキシーARPはデフォルトでオンになっています。


まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2
CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS
ADD USER=BBB PASSWORD=PasswordB LOGIN=NO
SET PPP=0 USER=AAA PASSWORD=PasswordA
SET PPP=0 OVER=TDM-TOOS AUTHENTICATION=CHAP
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.10.240 MASK=255.255.255.240 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.2 PREFERENCE=0


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=TOOS INT=bri0 SLOTS=1-2
CREATE PPP=0 OVER=TDM-TOOS
ADD USER=AAA PASSWORD=PasswordA LOGIN=NO
SET PPP=0 USER=BBB PASSWORD=PasswordB
SET PPP=0 OVER=TDM-TOOS AUTHENTICATION=CHAP
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.241 MASK=255.255.255.240
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.1





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PN: J613-M0507-00 Rev.G

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