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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #96

L2TPによるLAN間接続基本設定(AppleTalk)


L2TPによるLAN間接続の基本設定です。ここでは、IPだけしかルーティングされないLAN環境において、2つのサブネット間にL2TPのトンネルを張り、AppleTalkの通信を可能にする例を示します。LAN上でのトンネリングという点が若干変則的ですが、L2TPルーター同士がIPで通信できさえすれば、どのような環境にでも適用できる構成です。

ここでは、すでにサブネット間のIPルーティングを行うルーターが設置されているものとします。本製品は、L2TPトンネルを仮想回線と見なして対向ルーターとPPPのコネクションを張り、その上でAppleTalkのルーティングだけを行うものとします。

最初にIPレベルでの構成についてまとめます。ルーターA、Bは、IPアドレスを1つしか持っていないため、IPレベルでは単なるホストです。

表 1:IP設定
 
ルーターA
ルーターB
eth0のIPアドレス 192.168.10.2 192.168.20.2
ゲートウェイアドレス 192.168.10.1 192.168.20.1


IPレベルでのネットワーク構成は次のようになります。


次にIP上にL2TPのトンネルを構築した場合の構成についてまとめます。L2TPトンネルは、ルーターAのeth0(192.168.10.2)とルーターBのeth0(192.168.20.2)の間に張られます。

表 2:L2TP・AppleTalk設定
 
ルーターA
ルーターB
L2TPコール名 apple apple
L2TP終端アドレス 192.168.10.2 192.168.20.2
L2TP発着優先 発呼優先 着呼優先
L2TPサーバーモード LAC/LNS兼用(BOTH) LAC/LNS兼用(BOTH)
L2TPサーバーパスワード なし なし
WAN側(ppp0)ネットワーク番号 なし なし
LAN側(eth0)ネットワーク番号 10 20
LAN側デフォルトゾーン名 NetA NetB


AppleTalkの視点から見たネットワーク構成は次のようなイメージになります。AppleTalkレベルでは、ルーターA、Bが各セグメントのシードルーターとなります。



ルーターAの設定

  1. IPの基本設定をします。L2TPトンネルを張るには互いのルーターがIPで通信できなくてはなりません。


  2. L2TPモジュールを有効にします。


  3. L2TPサーバーをLNS/LACの兼用モードで起動します。


  4. L2TPコール「apple」を作成し、L2TPの接続先情報を登録します。IPには相手ルーターのIPアドレスを指定します。TYPEは呼の種類を示すもので、LAN間接続の場合はVIRTUALを指定します。REMOTEには、このL2TPコールに応じて相手側が起動するL2TPコール名を指定します。PRECEDENCEはL2TPの通信が同時に開始された場合に発呼・着呼のどちらを優先するかを指定します。


  5. L2TPコールを仮想的な物理回線と見なし、その上にPPPインターフェースを作成します。OVERパラメーターにL2TPコールを指定するときは、コール名の前に「TNL-」を付けます。また、ここでは「IDLE=ON」を指定して、必要なときだけ接続するよう設定します。


  6. AppleTalkモジュールを有効にします。


  7. LAN側(eth0)インターフェースにAppleTalkポートを作成します。「SEED=10」はシードルーターとして機能させるためのパラメーターで、LAN側のAppleTalkネットワーク番号を10としています。


  8. LAN側ネットワークのデフォルトゾーン名を設定します。ここではNetAという名前にしています。


  9. WAN側(ppp0)インターフェースにAppleTalkポートを作成します。「DEMAND=ON」はルーティング情報(RTMP)の交換を行わないようにするための指定です。ppp0は、L2TPトンネル上に作成した仮想的なPPPインターフェースです。


  10. スタティックルートを設定します。この例ではRTMPを使っていないため必須です。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターBの設定

  1. IPの基本設定をします。L2TPトンネルを張るには互いのルーターがIPで通信できなくてはなりません。


  2. L2TPモジュールを有効にします。


  3. L2TPサーバーをLNS/LACの兼用モードで起動します。


  4. L2TPコール「apple」を作成し、L2TPの接続先情報を登録します。IPには相手ルーターのIPアドレスを指定します。TYPEは呼の種類を示すもので、LAN間接続の場合はVIRTUALを指定します。REMOTEには、このL2TPコールに応じて相手側が起動するL2TPコール名を指定します。PRECEDENCEはL2TPの通信が同時に開始された場合に発呼・着呼のどちらを優先するかを指定します。


  5. L2TPコールを仮想的な物理回線と見なし、その上にPPPインターフェースを作成します。OVERパラメーターにL2TPコールを指定するときは、コール名の前に「TNL-」を付けます。また、ここでは「IDLE=ON」を指定して、必要なときだけ接続するよう設定します。


  6. AppleTalkモジュールを有効にします。


  7. LAN側(eth0)インターフェースにAppleTalkポートを作成します。「SEED=20」はシードルーターとして機能させるためのパラメーターで、LAN側のAppleTalkネットワーク番号を20としています。


  8. LAN側ネットワークのデフォルトゾーン名を設定します。ここではNetBという名前にしています。


  9. WAN側(ppp0)インターフェースにAppleTalkポートを作成します。「DEMAND=ON」はルーティング情報(RTMP)の交換を行わないようにするための指定です。ppp0は、L2TPトンネル上に作成した仮想的なPPPインターフェースです。


  10. スタティックルートを設定します。この例ではRTMPを使っていないため必須です。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.2
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=eth0 NEXT=192.168.10.1
ENABLE L2TP
ENABLE L2TP SERVER=BOTH
ADD L2TP CALL=apple IP=192.168.20.2 TYPE=VIRTUAL REMOTE=apple PRECEDENCE=OUT
CREATE PPP=0 OVER=TNL-apple IDLE=ON BAP=OFF LQR=OFF
ENABLE APPLETALK
ADD APPLETALK PORT INT=eth0 SEED=10
ADD APPLETALK ZONE=NetA PORT=1 DEFAULT
ADD APPLETALK PORT INT=ppp0 DEMAND=ON
ADD APPLETALK ROUTE=20 PORT=2 HOPS=2


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.2
ADD IP ROUTE=0.0.0.0 INT=eth0 NEXT=192.168.20.1
ENABLE L2TP
ENABLE L2TP SERVER=BOTH
ADD L2TP CALL=apple IP=192.168.10.2 TYPE=VIRTUAL REMOTE=apple PRECEDENCE=IN
CREATE PPP=0 OVER=TNL-apple IDLE=ON BAP=OFF LQR=OFF
ENABLE APPLETALK
ADD APPLETALK PORT INT=eth0 SEED=20
ADD APPLETALK ZONE=NetB PORT=1 DEFAULT
ADD APPLETALK PORT INT=ppp0 DEMAND=ON
ADD APPLETALK ROUTE=10 PORT=2 HOPS=2





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