[index] CentreCOM AR450S コマンドリファレンス 2.9

ADD BGP PEER

カテゴリー:IP / 経路制御(BGP-4)


■ 通常の構文

ADD BGP PEER=ipadd REMOTEAS=1..65534 [CONNECTRETRY={DEFAULT|0..4294967295}] [DESCRIPTION[=string]] [EHOPS={DEFAULT|1..255}] [HOLDTIME={DEFAULT|0|3..65535}] [INFILTER={NONE|300..399}] [INPATHFILTER={NONE|1..99}] [INROUTEMAP[=routemap]] [KEEPALIVE={DEFAULT|1..21845}] [MAXPREFIX={OFF|1..4294967295}] [MAXPREFIXACTION={WARNING|TERMINATE}] [MINASORIGINATED={DEFAULT|0..3600}] [MINROUTEADVERT={DEFAULT|0..3600}] [NEXTHOPSELF={NO|YES}] [OUTFILTER={NONE|300..399}] [OUTPATHFILTER={NONE|1..99}] [OUTROUTEMAP[=routemap]] [SENDCOMMUNITY={NO|YES}] [LOCAL={NONE|1..15}] [AUTHENTICATION={MD5|NONE}] [PASSWORD=password] [CLIENT={NO|YES}] [FASTFALLOVER={NO|YES}] [PRIVATEASFILTER={NO|YES}] [DEFAULTORIGINATE={NO|YES}]

■ BGPピアテンプレートを使う場合の構文

ADD BGP PEER=ipadd POLICYTEMPLATE=1..30 REMOTEAS=1..65534 [DESCRIPTION[=string]] [EHOPS={DEFAULT|1..255}] [AUTHENTICATION={MD5|NONE}] [PASSWORD=password] [FASTFALLOVER={NO|YES}] [DEFAULTORIGINATE={NO|YES}]

ipadd: IPアドレス
string: 文字列(1〜63文字)
routemap: ルートマップ名(0〜15文字。英数字とアンダースコアを使用可能。大文字小文字を区別する)
password: パスワード(1〜80文字。クエスチョンマーク(?)とダブルクォート(")は使用できない)


BGPピアを追加する。

ピアはIDLE状態(セッションを開始していない状態)で追加されるので、BGPセッションを開始するときはENABLE BGP PEERコマンドを使う。



パラメーター

PEER: BGPピアのIPアドレス。

REMOTEAS: BGPピアが所属するAS番号。自AS番号と同じならI-BGP、違うならE-BGPピアとなる。自AS番号はSET IP AUTONOMOUSコマンドで設定する。

CONNECTRETRY: BGPコネクション確立の再試行間隔(秒)。デフォルトは120秒。0は再試行しない。

DESCRIPTION: BGPピアに関する覚え書き(メモ)。

EHOPS: E-BGPセッションにおけるBGPメッセージの初期TTL値。デフォルトは1。ルーターをまたいでE-BGPセッションを張るためには、EHOPSを2以上に設定する必要がある。

HOLDTIME: 該当ピアとのBGPセッションがダウンしたと認識するまでの時間(Hold Time)(秒)を設定する。実際のHold Timeはセッション開始時のネゴシエーションによって決まる。本パラメーターで設定するのはOPENメッセージで相手に提案する値。デフォルトは90秒。0はこちらからは提案しないことを意味する。

INFILTER: 該当ピアから受信した経路情報に適用するIPプレフィックスフィルターの番号。INFILTERを使用すると、プレフィックス(宛先ネットワークアドレス)によって経路の受け入れ・破棄を行うことができる。IPプレフィックスフィルターはADD IP FILTERコマンドで作成する(フィルター番号300〜399)。

INPATHFILTER: 該当ピアから受信した経路情報に適用するASパスリストの番号。INPATHFILTERを使用すると、AS_PATH属性の内容によって経路の受け入れ・破棄を行うことができる。ASパスリストはADD IP ASPATHLISTコマンドで作成する。

INROUTEMAP: 該当ピアから受信した経路情報に適用するルートマップ名。INROUTEMAPを使用すると、各種の基準に基づいて、経路情報をフィルタリングしたり、属性を変更したりできる。ルートマップはADD IP ROUTEMAPコマンドで作成する。

KEEPALIVE: KEEPALIVEメッセージの送信間隔。HOLDTIMEの1/3に設定する必要がある。実際の送信間隔はHOLDTIMEのネゴシエーションによって決まる。

MAXPREFIX: 該当ピアから受け入れ可能な最大プレフィックス数を設定する。OFFの場合は制限を設けない。デフォルトはOFF。

MAXPREFIXACTION: MAXPREFIXパラメーターの値を超えるプレフィックスを受信したときの動作。WARNINGはログに記録するだけ。TERMINATEはログに記録した上で該当ピアとのセッションをリセットする。デフォルトはWARNING。

MINASORIGINATED: 自AS起源の経路情報を含むUPDATEメッセージの最小連続送信間隔。デフォルトは15秒

MINROUTEADVERT: 他AS起源の経路情報を含むUPDATEメッセージの最小連続送信間隔。デフォルトは30秒

NEXTHOPSELF: 該当ピアに通知する経路のNEXT_HOPとして必ず自アドレスを使うかどうか。デフォルトはNO。

OUTFILTER: 該当ピアに経路情報を通知する前に適用するIPプレフィックスフィルターの番号。OUTFILTERを使用すると、プレフィックス(宛先ネットワークアドレス)によって経路の通知・破棄を行うことができる。IPプレフィックスフィルターはADD IP FILTERコマンドで作成する(フィルター番号300〜399)。

OUTPATHFILTER: 該当ピアに経路情報を通知する前に適用するASパスリストの番号。OUTPATHFILTERを使用すると、AS_PATH属性の内容によって経路の通知・破棄を行うことができる。ASパスリストはADD IP ASPATHLISTコマンドで作成する。

OUTROUTEMAP: 該当ピアに経路情報を通知する前に適用するルートマップ名。OUTROUTEMAPを使用すると、各種の基準に基づいて、経路情報をフィルタリングしたり、属性を変更したりできる。ルートマップはADD IP ROUTEMAPコマンドで作成する。

SENDCOMMUNITY: UPDATEメッセージにCOMMUNITIES属性を含めるかどうか。同属性の具体的内容はルートマップで設定する。デフォルトはNO。

LOCAL: 該当ピアとの通信に使用するローカルIPインターフェースの番号。ローカルIPインターフェースを指定した場合、本ピア宛てのBGPパケットの始点IPアドレスとして、指定したローカルIPインターフェースのIPアドレスが使用される。省略時はNONE(ローカルIPインターフェースを使用しない。この場合、BGPパケットの始点IPアドレスはシステムが決める)。

AUTHENTICATION: 該当ピアとのTCP通信においてMD5認証オプション(TCP MD5認証)を使用するかどうか。 使用する場合はMD5を、使用しない場合はNONEを指定する。MD5を指定した場合は、PASSWORDパラメーターでパスワード(認証鍵)を設定すること。デフォルトはNONE。

PASSWORD: TCP MD5認証で使用するパスワード(認証鍵)。ピアと同じ値を指定すること。本パラメーターは、AUTHENTICATIONパラメーターにMD5を指定した場合のみ有効。デフォルトはなし。

CLIENT: 該当ピアがルートリフレクター(RR)クライアントであるかどうか。本パラメーターは、該当ピアがI-BGPピアである場合のみ意味を持つ。該当ピアがI-BGPピアであり、なおかつ、本パラメーターがYESの場合、本製品は該当ピアをクライアントであると見なし、ルートリフレクターとしての動作を行う(クライアントから受信した経路を他のすべてのクライアントとノンクライアントに送信する。また、ノンクライアントから受信した経路は、クライアントにだけ送信する)。NOを指定した場合は、該当ピアをノンクライアントと見なして通常のI-BGP通信を行う。デフォルトはNO。

FASTFALLOVER: 該当ピアとの通信に使用するインターフェースがリンクダウンした場合に、Hold Timeの満了を待たず、ただちに該当ピアとのBGPセッションをリセットするかどうか。デフォルトはNO。なお、VLANインターフェースがリンクダウンしたと認識されるためには、メンバーポートがすべてリンクダウンする必要があることに注意。

PRIVATEASFILTER: プライベートAS番号(64512〜65535)をフィルタリングするかどうか。本パラメーターにYESを指定した場合、該当ピアにUPDATEメッセージを送信するとき、AS_PATH属性からプライベートAS番号を削除した上で送信する。デフォルトはNO。

DEFAULTORIGINATE: 該当ピアにデフォルト経路(0.0.0.0/0)を通知するかどうか。デフォルトはNO。デフォルト経路を通知するには、ENABLE BGP DEFAULTORIGINATEコマンドの設定が必要。

POLICYTEMPLATE: 該当ピアとの通信パラメーターを提供するBGPピアテンプレートの番号。BGPピアテンプレートはADD BGP PEERTEMPLATEコマンドで作成する。BGPピアテンプレートを使用している場合、本コマンドで指定できるその他のパラメーターはPEER、REMOTEAS、DESCRIPTION、AUTHENTICATION、PASSWORD、FASTFALLOVER、EHOPSだけとなる(このうちPEERとREMOTEASは必須)。その他のパラメーターについては、BGPピアテンプレートで指定する。



AS20のBGPルーター10.10.10.2をE-BGPピアとして登録する(自AS番号を10と仮定)。実際のBGPセッションはENABLE BGP PEERコマンドを実行するまで開始されない。
ADD BGP PEER=10.10.10.2 REMOTEAS=20



備考・注意事項

経路情報受信時のフィルタリングはINPATHFILTER、INFILTER、INROUTEMAPの順に行われる。また、経路情報送信時のフィルタリングはOUTPATHFILTER、OUTFILTER、OUTROUTEMAPの順に行われる。

BGP識別子(ルーターID)には、デフォルトではインターフェースに設定されたIPアドレスの中でもっとも大きなものが使われる。ただし、SET BGPコマンドのROUTERIDパラメーターで明示的に指定した場合はその値が使われる。また、明示的に指定していない場合でも、SET IP LOCALコマンドでデフォルトローカルIPインターフェース(LOCAL)のアドレスを指定している場合は、そのアドレスがルーターIDとして使われる。



関連コマンド

ADD IP ASPATHLIST
ADD IP FILTER
ADD IP LOCAL
ADD IP ROUTEMAP
DELETE BGP PEER
DISABLE BGP PEER
ENABLE BGP DEFAULTORIGINATE
ENABLE BGP PEER
RESET BGP PEER
SET BGP PEER
SET IP LOCAL
SHOW BGP PEER



参考

RFC1771, A Border Gateway Protocol 4 (BGP-4)
RFC1772, Application of the Border Gateway Protocol in the Internet
RFC1930, Guidelines for creation, selection, and registration of an Autonomous System (AS)
RFC1997, BGP Communities Attribute
RFC2385, Protection of BGP Sessions via the TCP MD5 Signature Option
RFC2439, BGP Route Flap Damping
RFC2796, BGP Route Reflection - An Alternative to Full Mesh IBGP
RFC2842, Capabilities Advertisement with BGP-4
RFC2918, Route Refresh Capability for BGP-4
RFC3065, Autonomous System Confederations for BGP


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