[index] CentreCOM AR450S コマンドリファレンス 2.9

ADD IP ROUTEMAP

カテゴリー：IP / 経路制御（BGP-4）

ADD IP ROUTEMAP=routemap ENTRY=1..4294967295 [ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}] ADD IP ROUTEMAP=routemap ENTRY=1..4294967295 [ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}] MATCH ASPATH=1..99 ADD IP ROUTEMAP=routemap ENTRY=1..4294967295 [ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}] MATCH COMMUNITY=1..99 [EXACT={NO|YES}] ADD IP ROUTEMAP=routemap ENTRY=1..4294967295 [ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}] SET ASPATH={1..65534}[,...] ADD IP ROUTEMAP=routemap ENTRY=1..4294967295 [ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}] SET COMMUNITY={INTERNET|NOEXPORT|NOADVERTISE|1..4294967295}[,...] [ADD={NO|YES}] ADD IP ROUTEMAP=routemap ENTRY=1..4294967295 [ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}] SET LOCALPREF=0..4294967295 ADD IP ROUTEMAP=routemap ENTRY=1..4294967295 [ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}] SET MED=0..4294967295 ADD IP ROUTEMAP=routemap ENTRY=1..4294967295 [ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}] SET ORIGIN={IGP|EGP|INCOMPLETE}

routemap: ルートマップ名（0～15文字。英数字とアンダースコアを使用可能。大文字小文字を区別する）

ルートマップにエントリーを追加する。

ルートマップは、BGP経路に対するフィルタリング機能の1つ。ASパスフィルターやコミュニティーフィルターと組み合わせて、送受信する経路エントリーをフィルタリングしたり、特定の経路エントリーの属性値を書き換えたりするときに使用する。

ルートマップは複数のエントリーで構成されるリスト。個々のフィルターは名前によって区別される。

フィルター内の各エントリーは、0～1個のMATCH節と、1個以上のSET節によって構成される。MATCH節は経路エントリーとマッチするための条件。MATCH節がない場合はすべての経路にマッチする。SET節はマッチしたエントリーの属性を変更するための指定。複数のSET節を使う場合、各SET節は別の属性を対象としていなくてはならない。

作成したルートマップは、次のタイミングで適用できる

・BGPピアに経路を通知する直前（ADD BGP PEERコマンド、SET BGP PEERコマンドのOUTROUTEMAP）
・BGPピアから経路を受信した直後（ADD BGP PEERコマンド、SET BGP PEERコマンドのINROUTEMAP）
・経路をBGPに登録するとき（ADD BGP NETWORKコマンド）
・経路を集約するとき（ADD BGP AGGREGATEコマンド、SET BGP AGGREGATEコマンド）
・静的経路やIGP経路をBGPにインポートするとき（ADD BGP IMPORTコマンド、SET BGP IMPORTコマンド）
・BGP経路をルーターの経路表に登録するとき（SET BGPコマンドのTABLEMAP）

MATCH節で指定したフィルター（ASパスフィルターやコミュニティーフィルター）がINCLUDEを返してきた場合、該当経路エントリーはルートマップエントリーのアクション（ACTION={INCLUDE|EXCLUDE}）によって処理される。

マッチしたルートマップエントリーのアクションがINCLUDEの場合、SET節が実行される。EXCLUDEの場合は、該当経路の処理を続行しない（経路を受信しない、送信しない、など）。アクションは、最初にマッチしたエントリーで実行される。各ルートマップの末尾には、すべてをINCLUDEするSET節が空の暗黙のエントリーが存在する。

パラメーター

ROUTEMAP: ルートマップ名

ENTRY: ルートマップ内におけるエントリーの位置。他のフィルターとは異なり、1～4294967295の範囲の任意の番号を指定できる（絶対指定）。間隔をあけてエントリーを配置することにより、エントリーの追加に対応できる。

ACTION: ルートマップエントリーにマッチした場合のアクション（INCLUDE、EXCLUDE）。INCLUDEの場合はSET節の処理に進む。EXCLUDEの場合は該当経路の処理を行わない（破棄＝通知しない、受信しない、など）。デフォルトはINCLUDE

MATCH ASPATH: ASパスフィルター番号。AS_PATH属性の値によってマッチを行う場合に指定する。

MATCH COMMUNITY: コミュニティーフィルター番号。COMMUNITIES属性の値によってマッチを行う場合に指定する。

SET ASPATH: ASパス。MATCH節にマッチした経路エントリーのAS_PATH属性の末尾に指定したASパス値を追加する。ASパスは、AS番号をカンマ区切りで並べることによって指定する。AS番号は最大10個まで指定可能。

SET COMMUNITY: コミュニティーリスト。MATCH節にマッチした経路エントリーのCOMMUNITIES属性に指定したコミュニティー値をセットする。コミュニティー値かWell-knownコミュニティーを示すキーワードをカンマ区切りで列挙する。

EXACT: コミュニティーフィルターとのマッチングを完全一致で行うかどうか。NO（デフォルト）は部分一致。YESは完全一致。MATCH COMMUNITYパラメーターを指定した場合のみ有効。

ADD: SET COMMUNITYパラメーターを指定した場合、既存のCOMMUNITIES属性を置き換えるか、既存の属性に追加するかを指定する。NO（デフォルト）はCOMMUNITIES属性を置き換える。YESを指定した場合は、既存のCOMMUNITIES属性値にSET COMMUNITYパラメーターで指定した値を追加する。

SET LOCALPREF: マッチした経路エントリーのLOCAL_PREF属性に指定した値をセットする。

SET MED: マッチした経路エントリーのMULTI_EXIT_DISCRIMINATOR属性に指定した値をセットする。

SET ORIGIN: マッチした経路エントリーのORIGIN属性に指定した値をセットする。

例

■ コミュニティー「100」を設定するルートマップ「mark_it_100」を作成。MATCH節がないのですべての経路に適用される。
ADD IP ROUTEMAP=mark_it_100 ENTRY=1 SET COMMUNITY=1■ ローカル経路（ASパスが空）にAS番号「2」を2度追加するルートマップ「prepend2_2」を作成。MATCH ASPATHには、対象のASパスそのものではなく、ASパスフィルターの番号を指定することに注意。
ADD IP ASPATHLIST=1 INCLUDE="^$" ADD IP ROUTEMAP=prepend2_2 ENTRY=1 MATCH ASPATH=1 ADD IP ROUTEMAP=prepend2_2 ENTRY=1 SET ASPATH=2,2■ コミュニティー「100」を持つ経路にMED値「500」をセットするルートマップ「med_on_c100」を作成。MATCH COMMUNITYには、対象のコミュニティー値そのものではなく、コミュニティーフィルターの番号を指定することに注意。
ADD IP COMMUNITYLIST=1 INCLUDE=100 ADD IP ROUTEMAP=med_on_c100 ENTRY=1 MATCH COMMUNITY=1 ADD IP ROUTEMAP=med_on_c100 ENTRY=1 SET MED=500

参考

RFC1771, A Border Gateway Protocol 4 (BGP-4)
RFC1772, Application of the Border Gateway Protocol in the Internet
RFC1930, Guidelines for creation, selection, and registration of an Autonomous System (AS)
RFC1997, BGP Communities Attribute
RFC3065, Autonomous System Confederations for BGP

PN: J613-M3069-03 Rev.L