[index] CentreCOM AR450S コマンドリファレンス 2.9

ADD L2TP CALL

カテゴリー:L2TP / L2TPコール


ADD L2TP CALL=call-name TYPE={ASYNC|ISDN|VIRTUAL} IP=ipadd [REMOTE=call-name] [DIAL=phone-number] [NUMBER={ON|OFF|STARTUP}] [PASSWORD=password] [PRE13={ON|OFF}] [PRECEDENCE={IN|OUT}] [SPEED=speed] [SUBADDRESS=subaddress]

call-name: コール名(1〜15文字。英数字とアンダースコアを使用可能。大文字小文字を区別しない)
ipadd: IPアドレス
phone-number: 電話番号(1〜31文字)
password: パスワード(1〜31文字。英数字。大文字小文字を区別する)
speed: 通信速度(300〜4292967295bps)
subaddress: サブアドレス(1〜31文字)


L2TPコールを作成する。

これは、トンネル経由で張るコールセッション(L2TP仮想呼)の接続情報を定義するもの。

L2TPトンネル経由でLAN間を接続する場合(LAN間接続型VPN)は、通常、両側のルーターでペアになるようL2TPコールを定義する。

またリモートアクセス型の構成において、リモートユーザーからLNSへの接続だけでなく、LNSからリモートユーザーへの接続も可能にする場合は、LNS側にL2TPコールを定義する。

作成したL2TPコールは、IPネットワーク上に張られた仮想的な物理回線と見なすことができ、ISDNコールやTDMグループと同等なものとして使用できる。すなわち、上位にPPPインターフェースを作成して、レイヤー3プロトコルをアタッチすることができる。

なお、PPPインターフェースを作成するときは、CREATE PPPコマンドのOVERパラメーターにL2TPコール名を「TNL-callname」の形式で指定する。ここで「TNL-」はL2TPコールであることを示す固定文字列。callnameはコール名。たとえば、コール名がfooならば、「OVER=TNL-foo」のように指定する。



パラメーター

CALL: L2TPコール名

TYPE: こちらから発呼した場合に、対向ルーターがこれに応じて起動する呼の種類を指定する。LAN同士をトンネル接続する場合はVIRTUAL(L2TPコール)を指定する。一方、リモートアクセス型の構成では、対向ルーター(LAC)・リモートユーザー間の接続に使用する実回線に応じてASYNC(ACCコール)かISDN(ISDNコール)を指定する。

IP: 対向ルーター(接続先)のIPアドレス。LAN同士を接続する場合(TYPE=VIRTUAL)で、自分からは発呼しないときは0.0.0.0を指定する(自分側のアドレスは固定されているが、相手側ルーターがダイヤルアップ環境でアドレスが不定な場合など)。

REMOTE: こちらから発呼した場合に、対向ルーターがこれに応じて起動する呼の名前を指定する。TYPEパラメーターで指定したのと同じ種類の呼を指定すること。すなわち、TYPE=VIRTUALの場合は、相手側で定義されているL2TPコールの名前を指定する。また、TYPE=ISDNなら相手側(LAC)で定義されているISDNコール名を、TYPE=ASYNCならACCコール名を指定する。なお、TYPE=VIRTUALを指定した場合で、かつREMOTEパラメーターを省略した場合、対向ルーターは一時的なL2TPコールを動的に作成して応答する。

DIAL: ISDNを利用したリモートアクセス型の構成において、対向ルーター(LAC)がリモートユーザーに接続するためのISDN番号を指定する。本パラメーターは、現状ACCコールでは使用できない。

NUMBER: L2TPデータメッセージでシーケンス番号(Ns)を使用するか。ONのときは常に使用、OFFのときはリモート側から要求されたときだけ使用する。STARTUPを指定した場合で、ルーターがLNSとして動作している場合は、PPPネゴシエーション時にのみシーケンス番号を使用する。

PASSWORD: 相手ルーターのL2TPサーバーパスワード。トンネル接続時に相手ルーターから認証を受けるためのパスワード。

PRE13: pre-Internet Draft 13にしたがって実装されたL2TP機器との互換性を確保するかどうか。

PRECEDENCE: LAN間接続の構成(TYPE=VIRTUAL)において、双方が同時に発呼した場合に外向き、内向きのどちらの呼を優先するか。デフォルトはIN。

SPEED: LACがリモートユーザーにダイヤルアップするときの最大接続速度(bps)。LNS上でL2TPコールを定義するときにだけ意味を持つ。デフォルトは64000bps。

SUBADDRESS: リモートユーザーのISDNサブアドレス。LNS上でL2TPコールを定義するときにだけ意味を持つ。また、TYPE=ISDNのときだけ有効。



IPネットワークを仮想的な交換回線網と見なし、2点間をPPP接続するためのL2TPコール「virdial」を作成する。対向ルーターのIPアドレスは200.100.10.5。対向ルーターにも同名のL2TPコールが定義されているとする。
ADD L2TP CALL=virdial TYPE=VIRTUAL IP=200.100.10.5 REMOTE=virdial

LNS側からリモートサイトにPPP接続するL2TPコール「toi」を作成する。LNS・LAC(200.100.10.1)間はIP上のL2TPトンネル、LAC・リモートサイト間はLAC上に定義されたISDNコール「toiisdn」を使って接続する。
ADD L2TP CALL=toi TYPE=ISDN IP=200.100.10.1 REMOTE=toiisdn



関連コマンド

ACTIVATE L2TP CALL
DEACTIVATE L2TP CALL
DELETE L2TP CALL
SET L2TP CALL
SHOW L2TP CALL



参考

RFC2661, Layer Two Tunnelling Protocol "L2TP"


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PN: J613-M3069-03 Rev.L