[index] CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.1.5

nat-traversal enable

モード: ISAKMPポリシーモード
カテゴリー: IPsec / NAT-Traversal


(config-isakmp-policy)# [no] nat-traversal enable


対象ISAKMPポリシーにおいて、NAT-Traversal(NAT-T)を有効にする。
no形式で実行した場合はNAT-Tを無効にする。
初期設定は無効。

NAT-Tを有効に設定しているときは、フェーズ1の開始時に対向装置のNAT-Tサポートと通信経路上のNAT装置の有無を確認し、対向装置との間でNAT-T使用の合意がとれた場合は、NAT-T用UDPポート(isakmp nat-traversal-portコマンド)上でIKEのネゴシエーションを行い、同じポートを使ってIPsecパケット(ESP)のUDPカプセル化を行う。
NAT-Tを有効に設定していても、対向装置がNAT-Tをサポートしていない、あるいは、通信経路上にNAT装置が存在しないと判断した場合は、通常のIKEネゴシエーションを行う。


注意・補足事項

■ NAT-TとトランスポートモードのIPsecポリシーは併用できない。

■ NAT-T使用時はIPsecプロトコルとしてESPを使う必要がある(NATによってIPヘッダーが変更されるため、認証範囲に外側IPヘッダーの一部を含むAHは使用できない)。

■ NAT-T使用時、WAN側インターフェース(IKE、NAT-Tパケットの送受信を行うインターフェース)に受信用のIP/IPv6フィルターを適用している場合は、該当インターフェース宛てのIKEパケット(UDP 500番ポート宛てのパケット)とNAT-Tパケット(UDP 4500番ポート宛てのパケット)を許可する必要がある。
たとえば、IKEパケットとNAT-Tパケットだけを許可する拡張IPアクセスリストは次のような設定になる。

*Router(config)# access-list ip extended pppoe0_in
*Router(config-acl-ip-ext)# dynamic permit udp any interface gigabitEthernet 0.1 eq 500
*Router(config-acl-ip-ext)# dynamic permit udp any interface gigabitEthernet 0.1 eq 4500

また、IKEパケットとNAT-Tパケットだけを許可する拡張IPv6アクセスリストは次のような設定になる。

*Router(config)# access-list ipv6 extended ge0_in
*Router(config-acl-ipv6-ext)# dynamic permit udp any interface gigabitEthernet 0 eq 500
*Router(config-acl-ipv6-ext)# dynamic permit udp any interface gigabitEthernet 0 eq 4500

なお、isakmp portコマンドやisakmp nat-traversal-portコマンドで各パケットのポート番号を変更している場合は、アクセスリストの設定も適宜変更すること。


コマンドツリー

isakmp policy (グローバルコンフィグモード)
    |
    +- nat-traversal enable(ISAKMPポリシーモード)


関連コマンド

access-list ip extended(list)(グローバルコンフィグモード)
access-list ipv6 extended(list)(グローバルコンフィグモード)
ip traffic-filter(インターフェースモード)
ipsec proposal(グローバルコンフィグモード)
ipv6 traffic-filter(インターフェースモード)
isakmp nat-traversal-port(グローバルコンフィグモード)
isakmp port(グローバルコンフィグモード)
mode(IPsecポリシーモード)
nat-traversal keepalive(ISAKMPポリシーモード)
nat-traversal start-with-traversal-port(ISAKMPポリシーモード)



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