[index] CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.1.5

運用・管理 / コンフィグレーション


ランニングコンフィグとスタートアップコンフィグ
基本操作
ランニングコンフィグの確認
ランニングコンフィグの保存と復元
スタートアップコンフィグの確認
スタートアップコンフィグの消去
スタートアップコンフィグのバックアップと復元
設定内容の一括バックアップ


本製品では、コマンド入力によって設定した内容を、テキスト形式のコンフィグファイルとして保存することができます。これにより、さまざまな設定を異なる名前のファイルとして保存しておき、必要に応じて切り替えて使うようなことが可能です。

ランニングコンフィグとスタートアップコンフィグ

本製品では、ランタイムメモリー(RAM)上にある現在の設定内容を「ランニングコンフィグ」(running-config)と呼びます。

グローバルコンフィグモードを始めとする各種「設定モード(コンフィグモード)」で入力したコマンドの大部分は、このランニングコンフィグに対して作用します。

ランニングコンフィグの内容は設定コマンドの入力とともに変更され、通常はただちに動作に反映されますが、ランニングコンフィグはランタイムメモリー上にあるため、システムを再起動すると消えてしまいます。

そこで、ランニングコンフィグを保存しておきたい場合は、ランニングコンフィグをファイルに書き出しておきます。

このとき、書き出し先を「スタートアップコンフィグ」(startup-config)と呼ぶ特殊なファイルにしておけば、次回起動時に現在の設定内容(ランニングコンフィグ)が自動的に復元されるようになります。

また、書き出し先をスタートアップコンフィグ以外にした場合であっても、該当ファイルの内容をスタートアップコンフィグにコピーすれば、次回起動時に復元させることが可能です。

次にランニングコンフィグとスタートアップコンフィグの関係を図示します。


基本操作

以下では、ランニングコンフィグとスタートアップコンフィグに関するさまざまな操作について解説します。

ランニングコンフィグの確認

■ ランニングコンフィグの内容を確認するには、show running-configコマンドを使います。

Router# show running-config


Note - show running-configコマンドは特権EXECモードのコマンドですが、グローバルコンフィグモードをはじめとする各種設定モードでも実行できます。

ランニングコンフィグの保存と復元

■ ランニングコンフィグを任意のファイルに保存するには、copyコマンドのコピー元としてキーワード「running-config」を、 コピー先として通常ファイルを指定します。保存先ファイルの拡張子は任意ですが、通常は.cfgとします。
たとえば、現在の設定内容をフラッシュメモリー上のファイルmyrouter.cfgに保存するには、次のようにします。指定したファイルが存在しない場合は新規に作成され、すでに存在していた場合は上書きされます。

*Router# copy running-config flash myrouter.cfg


本コマンドで作成したファイルには、設定内容が一連のコマンドとして書き込まれています。ただし、設定内容は一定の基準にしたがって独自の書式に変換されているため、コマンドラインで入力したものとまったく同じではありません。たとえば、configure terminalコマンドやexitコマンドなどは書き込まれません。また、コマンド入力時に指定した値が初期値と同じだった場合、該当コマンドは書き込まれません。しかし、保存されている情報は同じです。

■ ランニングコンフィグをファイルに保存しただけでは、次回起動時に自動復元されません。起動時に設定内容を自動復元させるには、copyコマンドのコピー元としてコンフィグファイルを、コピー先としてキーワード「startup-config」を指定し、コンフィグファイルの内容を「スタートアップコンフィグ」にコピーする必要があります。
たとえば、フラッシュメモリー上にあるmyrouter.cfgの内容をスタートアップコンフィグにコピーするには、次のようにします。

*Router# copy flash myrouter.cfg startup-config
Erasing flashrom: "startup-config"
.
Writing flashrom: "startup-config"
.
[OK]


■ 前の例では、ランニングコンフィグをいったん通常ファイルのmyrouter.cfgに書き出した後で、myrouter.cfgの内容をスタートアップコンフィグにコピーしていましたが、ランニングコンフィグを直接スタートアップコンフィグとして保存することもできます。これには、copyコマンドを「copy running-config startup-config」の書式で実行します。

*Router# copy running-config startup-config
Erasing flashrom: "startup-config"
.
Writing flashrom: "startup-config"
.
[OK]

Note - この例のようにランニングコンフィグを直接スタートアップコンフィグに保存した場合、次に同じ操作を行うと前の設定内容は上書きされて失われてしまいます。そのようなときは、スタートアップコンフィグを更新する前に、現在のスタートアップコンフィグを通常ファイルにバックアップしておきます。詳しくは「運用・管理」/「コンフィグレーション」の「スタートアップコンフィグのバックアップと復元」をご覧ください。

■ コンフィグファイルの内容をランニングコンフィグにマージ(追加反映)することもできます。これには、exec-fileコマンドを使います。
たとえば、フラッシュメモリー上にあるファイルmyconf02.cfgの内容をランニングコンフィグに追加して反映したい場合、次のようにします。

*Router# exec-file myconf02.cfg


このようにすると、コマンドラインからmyconf02.cfgに記述されている各コマンドを実行したのとほぼ同じ効果が得られます。ただし、実行前のランニングコンフィグと矛盾するような記述がファイルに書かれていた場合、そうしたコマンドはエラーとなり無視されますのでご注意ください。

スタートアップコンフィグの確認

■ スタートアップコンフィグの内容、すなわち、次回起動時に復元される設定内容はshow startup-configコマンドで確認できます。

Router# show startup-config


スタートアップコンフィグの消去

■ 次回、空の設定で起動させたいときは、erase startup-configコマンドでスタートアップコンフィグを消去します。これは、設定をいちからやりなおしたいときなどに便利です。

Router# erase startup-config
Erasing startup configuration! Continue? (y/n): y 
Erasing flashrom: "startup-config"
.

この状態でシステムを再起動すれば、設定ファイルを読み込んでいない状態、すなわち、初期設定状態でシステムが起動します。

Note - 現在のスタートアップコンフィグをとっておきたい場合は、erase startup-configコマンドを実行する前に、スタートアップコンフィグを通常ファイルにバックアップしておきます。詳しくは次項「スタートアップコンフィグのバックアップと復元」をご覧ください。

スタートアップコンフィグのバックアップと復元

■ スタートアップコンフィグの内容を通常ファイルにコピー(バックアップ)するには、copyコマンドのコピー元としてキーワード「startup-config」を、コピー先として通常ファイルを指定します。
たとえば、現時点でのスタートアップコンフィグの内容をフラッシュメモリー上のファイルmyconf01.cfgにコピーするには、次のようにします。

*Router# copy startup-config flash myconf01.cfg


あとで現時点のスタートアップコンフィグを復元したくなったときは、次のようにします。

*Router# copy flash myconf01.cfg startup-config


設定内容の一括バックアップ

本製品の動作の大部分はスタートアップコンフィグによって決定されますが、機能によってはフラッシュメモリー上のファイルを必要とするものもあります。
こうした本製品の動作を決定するファイルのすべてをバックアップ・リストアするユーティリティーコマンドとして、backup zipコマンドとbackup unzipコマンドが用意されています。

■ 設定内容を一括バックアップするには、backup zipコマンドを使います。
バックアップ先としては、フラッシュメモリーかUSBメモリーを選択できます。
次の例ではUSBポート0に装着したUSBメモリーにバックアップしています。

*Router# backup zip usb 0


USBメモリー上に作成されたバックアップアーカイブは、show flash usbコマンドで確認できます。

*Router# show flash usb 0
      Size                       Date                          File Name
      2333   Tue Mar  1 16:26:16 2011                  Router-162616.zip


■ バックアップアーカイブから設定内容を復元するには、backup unzipコマンドを使います。
復元しようとしているファイルがフラッシュメモリー上に存在していた場合、上書き確認のプロンプトが表示されるので、上書きしてよいなら「y」を、上書きしたくないなら「n」を入力してEnterを押してください。

*Router# backup unzip usb 0 Router-162616.zip
File "startup-config" found in flash. Overwrite? (y/n): y 
Writing flashrom: "startup-config"
.
[OK]
File "ssh_host_rsa_key" found in flash. Overwrite? (y/n): y 
Writing flashrom: "ssh_host_rsa_key"
.
[OK]
File "ssh_host_rsa_key.pub" found in flash. Overwrite? (y/n): y 
Writing flashrom: "ssh_host_rsa_key.pub"
.
[OK]
Writing flashrom: "known_hosts"
.
[OK]
% Configuration updated. Need restart to complete configuration restore.


設定内容の復元後は、reloadコマンドでシステムを再起動することにより動作環境が復元されます。

*Router# reload

Note - backup zipコマンド、backup unzipコマンドでは、USBメモリー上のディレクトリー指定はできません。アーカイブファイルの書き出し先、読み込み元はUSBメモリーのルートディレクトリー固定です。


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