[index] CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.1.5

copy

モード: 特権EXECモード
カテゴリー: 運用・管理 / ファイル操作


# copy SOURCE DESTINATION


ファイルをコピーする。
ローカルファイルシステム上でのコピーだけでなく、ネットワーク経由のリモートコピー(アップロードやダウンロード)も可能。
また、ランタイムメモリー(RAM)上の設定内容(ランニングコンフィグ)を保存(セーブ)するときにも本コマンドを使う。

本コマンドではさまざまな書式を使用できるが、基本パターンは次のとおり。

  1. フラッシュメモリーからファイルをコピーするための書式


  2. ランタイムメモリー上の設定内容をファイルに保存するための書式


  3. USBメモリーからファイルをコピーするための書式


  4. TFTPサーバーからファイルをダウンロードするための書式



パラメーター

SOURCE コピー元(読み出し元)ファイルのパス。次のような指定が可能
flash [SRCFILENAME] フラッシュメモリー上のファイル。下記のパラメーターで指定する
  SRCFILENAME フラッシュメモリー上のファイル名。大文字小文字を区別する。「copy flash tftp」の形式で実行するときだけ省略可能(TFTPアップロードのパラメーターを対話式にたずねてくる)
startup-config 起動時コンフィグ(スタートアップコンフィグ)を示す特殊な指定(flash startup-configを指定するのと同じ)
running-config ランタイムメモリー上にある現在の設定内容(ランニングコンフィグ)を示す特殊な指定。コピー先にはフラッシュメモリー(flash DSTFILENAME か startup-config)またはUSBメモリー(usb <0-1> DSTFILEPATH)しか指定できない
usb <0-1> SRCFILEPATH USBメモリー上のファイル。コピー先にはフラッシュメモリー(flash [DSTFILENAME] か startup-config)しか指定できない
  <0-1> USBポート番号
  SRCFILEPATH USBメモリー上のファイルパス。大文字小文字を区別しない。ディレクトリー区切りには/(スラッシュ)を指定する。先頭に/を付けても付けなくても基点はルートディレクトリーとなる
tftp [SERVER SRCFILENAME] TFTPサーバー上のファイル。コピー先にはフラッシュメモリー(flash [DSTFILENAME] か startup-config)しか指定できない
  SERVER := {A.B.C.D|X:X::X:X|HOSTNAME}
    TFTPサーバーのIPv4/IPv6アドレスまたはホスト名。「copy tftp flash」または「copy tftp startup-config」の形式で実行するときだけ省略可能(TFTPダウンロードのパラメーターを対話式にたずねてくる)
  SRCFILENAME TFTPサーバー上のファイル名。大文字小文字を区別するかどうかはサーバーに依存する。「copy tftp flash」または「copy tftp startup-config」の形式で実行するときだけ省略可能(TFTPダウンロードのパラメーターを対話式にたずねてくる)
DESTINATION コピー先(書き込み先)ファイルまたはディレクトリーのパス。次のような指定が可能
flash [DSTFILENAME] フラッシュメモリー上のファイル。下記のパラメーターで指定する
  DSTFILENAME フラッシュメモリー上のファイル名。大文字小文字を区別する。コピー元がフラッシュメモリーのときやランニングコンフィグのときは省略できない。コピー元がそれ以外のときは省略できるが、その場合はコピー先ファイル名をたずねるプロンプトが表示される
startup-config 起動時コンフィグ(スタートアップコンフィグ)を示す特殊な指定(flash startup-configを指定するのと同じ)
usb <0-1> [DSTFILEPATH] USBメモリー上のファイルまたはディレクトリーのパス。下記のパラメーターで指定する
  <0-1> USBポート番号
  DSTFILEPATH USBメモリー上のファイルまたはディレクトリーのパス。大文字小文字を区別しない。コピー元がランニングコンフィグのときは省略できず、また、ファイルパスのみ指定可能(ディレクトリーパスは指定できない)。コピー元がランニングコンフィグ以外の場合は省略可能で、その場合はUSBメモリーのルートディレクトリーにオリジナルのファイル名でコピーされる。コピー元がランニングコンフィグ以外の場合にディレクトリーパスを指定したときは、指定したディレクトリーにオリジナルのファイル名でコピーされる。ディレクトリー区切りには/(スラッシュ)を指定する。先頭に/を付けても付けなくても基点はルートディレクトリーとなるため、「ファイル名」だけを指定した場合は「/ファイル名」の扱いとなる
tftp SERVER [DSTFILENAME] TFTPサーバー上のファイル。下記のパラメーターで指定する
  SERVER := {A.B.C.D|X:X::X:X|HOSTNAME}
    TFTPサーバーのIPv4/IPv6アドレスまたはホスト名
  DSTFILENAME TFTPサーバー上のファイル名。大文字小文字を区別するかどうかはサーバーに依存する。省略時はコピー先ファイル名をたずねるプロンプトが表示される


使用例

■ フラッシュメモリー上のファイルtest1.cfgをtest2.cfgとしてコピーする。

*Router# copy flash test1.cfg flash test2.cfg


■ 現在の設定内容(ランニングコンフィグ)を起動時コンフィグ(スタートアップコンフィグ)として保存する。これにより、次回起動時に現在の設定内容が復元される。

*Router# copy running-config startup-config


■ 現在の設定内容(ランニングコンフィグ)をフラッシュメモリー上のファイルtest3.cfgとして保存する。本コマンドは、現在の設定内容をtest3.cfgに保存するだけで、その内容が次回起動時に読み込まれるよう設定するわけではないことに注意(次の例も参照)。

*Router# copy running-config flash test3.cfg


■ フラッシュメモリー上のファイルtest3.cfgの内容を起動時コンフィグ(スタートアップコンフィグ)にコピーする。これにより、次回起動時にtest3.cfg(=スタートアップコンフィグ)の内容が復元される。

*Router# copy flash test3.cfg startup-config


■ 起動時コンフィグ(スタートアップコンフィグ)の内容をフラッシュメモリー上のファイルtest4.cfgにコピー(バックアップ)する。

*Router# copy startup-config flash test4.cfg


■ 起動時コンフィグ(スタートアップコンフィグ)をTFTPサーバー172.17.28.70にコピー(アップロード)する。

*Router# copy startup-config tftp 172.17.28.70
Destination file[startup-config]: ↓ (アップロード後ファイル名。カッコ内の名前でよければ単にEnter)
dir:PUT
TFTP server is 172.17.28.70
Source file is "startup-config"
Destination file is "startup-config"
.
Sent 701 bytes in 0.0 seconds
[OK]


■ TFTPによるファイルダウンロードを対話式に行うには、コピー元に「tftp」、コピー先に「flash」とだけ指定する。

*Router# copy tftp flash
Server addres: fox.example.com ↓ (TFTPサーバー)
Source file: a.cfg ↓ (ダウンロード対象ファイル)
Destination file[a.cfg]:↓ (ダウンロード後ファイル名。カッコ内の名前でよければ単にEnter)
Direction is GET
TFTP server is fox.example.com
Source file is "a.cfg"
Destination file is "a.cfg"
.
Received 701 bytes in 0.0 seconds
[OK]


■ TFTPによるファイルアップロードを対話式に行うには、コピー元に「flash」、コピー先に「tftp」とだけ指定する。

*Router# copy flash tftp
Server addres: fox.example.com ↓ (TFTPサーバー)
Source file: b.cfg ↓ (アップロード対象ファイル)
Destination file[b.cfg]:↓ (アップロード後ファイル名。カッコ内の名前でよければ単にEnter)
dir:PUT
TFTP server is fox.example.com
Source file is "b.cfg"
Destination file is "b.cfg"
.
Sent 701 bytes in 0.0 seconds
[OK]


注意・補足事項

■ フラッシュメモリー上のファイル名に使用可能な文字は、「運用・管理」/「コマンドラインインターフェース(CLI)」の「使用できる文字」を参照。

■ フラッシュメモリー上のファイル名は大文字小文字を区別するが、USBメモリー上のファイル名、ディレクトリー名は大文字小文字を区別しない。また、TFTPサーバー上でファイル名の大文字小文字が区別されるかどうかはサーバーに依存する。そのため、フラッシュメモリーとUSBメモリー、TFTPサーバーとの間でファイルをコピーするときは、ファイル名の大文字小文字に注意すること。特にコピー元がフラッシュメモリーのときは、フラッシュメモリー上では異なるファイルとして扱われる複数のファイル(たとえば、test.cfgとTEST.cfg)が、コピー先では同じファイルとして扱われる可能性があるため、意図しないファイルをあやまって上書きしないよう注意すること。

■ リモートホストをIPアドレス(IPv4/IPv6)ではなくホスト名で指定するためには、ip domain lookupコマンド、ipv6 domain lookupコマンドでDNSへの問い合わせ機能を有効にしておく必要がある(初期状態は無効)。DNS問い合わせ機能の詳細については、各コマンドのページを参照のこと。なお、指定したホスト名が複数のアドレスに解決された場合(IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が返ってきた場合や、複数のIPv4アドレスあるいは複数のIPv6アドレスが返ってきた場合など)は、成功するまで各アドレスを順に使って接続を試行するがその順序は不定。


関連コマンド

ip domain lookup(グローバルコンフィグモード)
ipv6 domain lookup(グローバルコンフィグモード)
show running-config(特権EXECモード)
show startup-config(特権EXECモード)



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