[index] CentreCOM ARX640S コマンドリファレンス 5.0.0

ip nat dynamic list

モード: インターフェースモード
カテゴリー: ファイアウォール / IP NAT


(config-if)# [no] ip nat dynamic list NAME [pool NAME]


対象インターフェースにダイナミックNAT(IPアドレスを多対多で動的に変換)の変換ルールを設定する。
no形式で実行した場合は変換ルールを削除する。


パラメーター

list NAME IPアクセスリスト名。変換するパケットをpermit、変換しないパケットをdenyするよう設定しておくこと(ここでのdenyは「破棄」ではなく「NATしない」の意味)
pool NAME グローバル側IPアドレスとして使うNAT用IPアドレスプール名。省略時は対象インターフェースのIPアドレスを使う


使用例

■ gigabitEthernet 0に対し、プライベートIPアドレス「192.168.1.128」〜「192.168.1.255」を、「10.10.10.200」〜「10.10.10.254」の範囲内のグローバルIPアドレスに変換するダイナミックNATルールを設定する。

*Router(config)# access-list ip standard PRIVATE
*Router(config-acl-ip)# permit 192.168.1.128/25
*Router(config-acl-ip)# exit
*Router(config)# ip nat pool GLOBAL 10.10.10.200 10.10.10.254
*Router(config)# interface gigabitEthernet 0
*Router(config-if)# ip nat dynamic list PRIVATE pool GLOBAL


注意・補足事項

■ ダイナミックNATの設定はグローバル側インターフェースに対して行う。

■ Ethernetインターフェースに設定したNATルールにおいて、グローバルIPアドレスとして、インターフェースのIPアドレスと異なる アドレスを使用する場合は、自動的にプロキシーARPが有効になり、グローバルIPアドレスへのARP要求に本製品が代理応答する。

■ Unnumbered IPインターフェースにダイナミックNATルールを設定する場合は、NAT用IPアドレスプールでグローバル側IPアドレスを明示的に指定することが望ましい。また、有効なアドレスが割り当てられない自動設定インターフェースにダイナミックNATルールを設定する場合も同様。
NAT用IPアドレスプールでグローバル側IPアドレスを明示的に指定しない場合は、「始点IPアドレスの決定ルール」にしたがい、システムがグローバル側IPアドレスを自動的に選択する。詳細は、「IPルーティング」/「IPインターフェース」の「始点IPアドレスの決定」を参照。

■ 通常インターフェースにおけるIPフィルターとIP NAT機能の適用順序は次のとおり。

■ IPsecトンネルインターフェースにおけるIPフィルターとIP NAT機能の適用順序は次のとおり。
IPsecトンネルインターフェースにIPフィルターやIP NATを設定した場合、送信時・受信時とも、トンネリングされるパケット(内側パケット)に対してIPフィルターやIP NATが適用される。すなわち、送信時はトンネリング処理前のパケット、受信時はトンネリング解除後のパケットに対して適用される。なお、IPsecトンネルインターフェースでNAT(内部NAT)を行うには、次項で述べるとおり、IPsecポリシーモードのnatコマンドで内部NAT有効の指定をする必要がある。

■ IPsecトンネルインターフェースにNATルールを設定し、IPsec処理前のパケット(内側パケット)をNATしたい場合は、該当トンネルインターフェースに関連付けるIPsecポリシーで内部NATを有効にすること(natコマンドを実行する)。IPsecポリシーの初期設定では内部NATが無効であるため、トンネルインターフェースにNATルールを設定してもNATルールは動作せず、IPsec処理だけが行われる。

■ IPsecトンネルインターフェースでIPsec処理を行った後のパケット(IPsecパケット)を実インターフェースから送信するときは、実インターフェースにNATルールが設定されていても、IPsecパケットに対するNAT処理は行われない。また、実インターフェースで自装置宛てのIPsecパケットを受信した場合も同様で、実インターフェースにNATルールが適用されていても、IPsecパケットに対するNAT処理は行われない。

■ 各種機能によるパケット処理順序の詳細については、「付録」の「パケット処理フロー」を参照。


コマンドツリー

interface (グローバルコンフィグモード)
    |
    +- ip nat dynamic list(インターフェースモード)


関連コマンド

access-list ip extended(list)(グローバルコンフィグモード)
access-list ip standard(list)(グローバルコンフィグモード)
ip nat pool(グローバルコンフィグモード)
nat(IPsecポリシーモード)
show ip nat statistics(非特権EXECモード)
show ip nat translations(非特権EXECモード)



(C) 2011 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-001491 Rev.A