[index] CentreCOM 8948XL コマンドリファレンス 2.9
カテゴリー:IP / 経路制御(OSPF)
SET OSPF [ASEXTERNAL={ON|OFF|NSSA}] [DEFROUTE={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO} [TYPE={1|2}] [METRIC=0..16777215]] [RIP={OFF|EXPORT|IMPORT|BOTH}] [ROUTERID=ipadd] [BGPIMPORT={ON|OFF}] [BGPLIMIT=1..4000] [BGPFILTER={NONE|300..399}] [AUTOCOST={ON|OFF}] [REFBANDWIDTH=10..10000] [STATICEXPORT={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO}] [PASSIVEINTERFACEDEFAULT={ON|OFF|TRUE|FALSE|YES|NO}]
ipadd: IPアドレス
OSPFのグローバル設定パラメーターを変更する。
パラメーター |
ASEXTERNAL: AS境界ルーター(ASBR)として動作させるかどうか。ONを指定した場合は、AS外部の経路情報をAS内に通知する(デフォルトではスタティック経路のみ。その他の経路をAS内に通知するには、別途明示的な設定が必要)。このとき、通常エリアにはタイプ5のLSAで、準スタブエリア(NSSA)にはタイプ7のLSAで通知する。NSSAを指定した場合は、準スタブエリア(NSSA)にだけタイプ7のLSAで通知する。デフォルトはOFF
DEFROUTE: ASBRに手動でデフォルトルートを設定していない場合に、ASBRをデフォルトルート(0.0.0.0)としたAS外部LSAをASBR自身に生成させ、AS内に通知するかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。なお、デフォルトルートをスタティックに設定している場合は、自動的にAS内に通知されるため本オプションをオンにする必要はない。デフォルトはOFF
TYPE: デフォルトAS外部LSAのメトリックタイプ(1または2)。本パラメーターはASBR(ASEXTERNAL=ON)かつDEFROUTE=ONに設定している場合のみ有効。デフォルトは2
METRIC: デフォルトAS外部LSAのメトリック。本パラメーターはASBR(ASEXTERNAL=ON)かつDEFROUTE=ONに設定している場合のみ有効。デフォルトは1
RIP: RIPとOSPFの間でどのように情報をやりとりするかを指定する。EXPORTを指定した場合、OSPFの経路情報がRIPのルーティングテーブルに取り込まれる。IMPORTを指定した場合、RIPの経路情報がOSPFのルーティングテーブルに取り込まれる。BOTHを指定した場合は、OSPFとRIPで互いに情報を交換しあう。OFFを指定した場合は、RIPとOSPFのやりとりは行われない。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはOFF
ROUTERID: ルーターID。IPアドレスと同じ形式で指定する。指定しなかった場合は、インターフェースに設定されたIPアドレスの中でもっとも大きなものがルーターIDとして使われる。
BGPIMPORT: BGP-4で学習した経路をOSPFのルーティングテーブルに取り込むかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはOFF。
BGPLIMIT: 取り込むBGP-4経路の最大数を指定する。本パラメーターはASBR(ASEXTERNAL=ON)かつBGPIMPORT=ONに設定している場合のみ有効。指定値に達した場合は、取り込み済みの経路が削除されて空きができるまで、BGP-4経路の取り込みが停止される。デフォルトは1000。
BGPFILTER: 取り込むBGP-4経路を取捨選択するために用いるプレフィックスフィルターの番号を指定する。フィルターの適用をやめるにはNONEを指定する。プレフィックスフィルターはADD IP FILTERコマンドで作成する(フィルター番号300〜399)。本パラメーターはASBR(ASEXTERNAL=ON)かつBGPIMPORT=ONに設定している場合のみ有効。デフォルトはNONE。
AUTOCOST: OSPFインターフェースのコスト(メトリック)を実際のリンク速度に基づいて自動計算するかどうか。ONのときは、各インターフェースのリンク速度(VLANの場合はリンクアップしているメンバーポートの平均速度)とREFBANDWIDTHパラメーターの値に基づいてコストが自動的に計算される(REFBANDWIDTHパラメーターの説明を参照)。ただし、ADD IP INTERFACEコマンド、SET IP INTERFACEコマンドのOSPFMETRICパラメーターでメトリック値を明示的に指定している場合は、そちらが優先される。デフォルトはOFF。
REFBANDWIDTH: OSPFインターフェースのコスト(メトリック)を自動計算する場合に使う基準値。単位はMbps。AUTOCOST=ONのとき、OSPFインターフェースのコストは、REFBANDWIDTH(Mbps) / インターフェースのリンク速度(Mbps)となる。なお、VLANインターフェースのリンク速度は、リンクアップしているメンバーポートの平均値となる。デフォルトは1000。
STATICEXPORT: スタティック経路に対応するAS外部LSAを生成し、AS内に通知するかどうか。本パラメーターはASBRとして設定した(ASEXTERNAL=ON)場合のみ有効。デフォルトはYES
PASSIVEINTERFACEDEFAULT: OSPFインターフェースの設定においてPASSIVEパラメーターを省略したときの同パラメーターのデフォルト値を指定する。本パラメーターに値を指定しているときは、ADD OSPF INTERFACEコマンド、SET OSPF INTERFACEコマンドでPASSIVEパラメーターを指定しないと、本パラメーターの値がデフォルト値として用いられる。本パラメーターが未指定のときは、PASSIVE=OFFがデフォルトとなる。デフォルトは未指定。
ASEXTERNAL | OFF → ON/NSSA | ASEXTERNAL=ONはそのまま残る。さらに、STATICEXPORT=YESならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが追加される |
STATICEXPORT | NO → YES | ASEXTERNAL=ON/NSSAならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが追加される |
YES → NO | ASEXTERNAL=ON/NSSAならば、ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=STATICが削除される | |
RIP | OFF/EXPORT → IMPORT/BOTH | ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=RIPが追加される(RIP=BOTHに変更したときはSET OSPF RIP=EXPORTも残る) |
IMPORT/BOTH → OFF/EXPORT | ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=RIPが削除される(RIP=BOTHから変更したときはSET OSPF RIP=EXPORTも削除される) | |
BGPIMPORT | OFF → ON | ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPが追加される |
ON → OFF | ADD OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPが削除される | |
BGPLIMIT | BGPLIMIT=x | ADD/SET OSPF REDISTRIBUTE PROTOCOL=BGPのLIMITパラメーターもxに変更される |
例 |
■ ルーターIDとして「1.1.1.1」を設定する
SET OSPF ROUTERID=1.1.1.1
備考・注意事項 |
・仮想リンクを使用するときは、リンクの両エンドのルーターにルーターIDを設定しておくと設定がやりやすい。
・RIPおよびASEXTERNALパラメーターを変更すると、一時的にネットワークが不安定になるので注意。
・ASEXTERNALにONかNSSAを指定した場合、スタティック経路は自動的に取り込まれる(STATICEXPORTのデフォルト値がYESのため)。非OSPFインターフェースに接続されたネットワークの経路を取り込むには、ADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=INTERFACEを指定する。RIP経路を取り込むには、本コマンドのRIPパラメーターにIMPORTかBOTHを指定する(またはADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=RIPを指定する)。BGP-4経路を取り込むには、本コマンドのBGPIMPORTパラメーターにONを指定する(またはADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドでPROTOCOL=BGPを指定する)。
・ASEXTERNAL、STATICEXPORT、RIP、BGPIMPORT、BGPLIMITの各パラメーターを変更・設定した場合、メモリー上ではADD OSPF REDISTRIBUTEコマンドに自動変換されることがある(メモリー上の設定内容はSHOW CONFIGコマンドにDYNAMIC=OSPFを付けることで確認可能)。また、本コマンドでこれらのパラメーターを変更・設定した後、CREATE CONFIGコマンドを実行した場合も、同様な変換が行われた上で設定ファイルに書き出される。どのような変換が行われるかは別表を参照。
・PASSIVEINTERFACEDEFAULTパラメーターの変更は、新規に作成するOSPFインターフェースでなく、既存のOSPFインターフェース(PASSIVEパラメーターを指定していないもの)にも適用されるので注意。
・RIPパラメーターにEXPORTかBOTHを指定し、OSPFの経路情報をRIP経路に取り込む設定をした場合、元となるOSPF経路のメトリック値によってRIPで通知される経路のメトリック値は次のようになる。
- OSPFメトリック値が8未満の場合:RIPでもそのまま通知
- OSPFメトリック値が8以上の場合:RIPではメトリック値を8 に固定して通知
関連コマンド |
ADD IP FILTER
ADD OSPF REDISTRIBUTE
DISABLE OSPF DEBUG
DISABLE OSPF LOG
ENABLE OSPF DEBUG
SET OSPF REDISTRIBUTE
SHOW OSPF
参考 |
RFC1587, The OSPF NSSA Option
RFC2328, OSPF Version 2
(C) 2004 - 2014 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: J613-M0021-12 Rev.M