[index]
CentreCOM 9424T/SP-E、9424Ts/XP-E コマンドリファレンス 2.4
運用・管理/記憶装置とファイルシステム
- 物理デバイス
- NVS
- フラッシュメモリー
- コンパクトフラッシュ
- ファイルシステム
- ファイル名
- ファイルの操作
本製品の2次記憶装置とファイルシステムについて説明します。
本製品は、システム再起動後もデータが保持される2次記憶装置として、NVS(Non-Volatile Storage)とフラッシュメモリーを搭載しています。
フラッシュメモリー上には独自のファイルシステムが構築されており、ファイル単位でデータにアクセスすることが可能です。
また、取り外し可能な外部記憶装置として、コンパクトフラッシュ(CF)にも対応しています。CF上ではFAT16ファイルシステムを使用してファイルやディレクトリーにアクセスできます。
詳しくは次節「ファイルシステム」をご覧ください。
NVS(Non-Volatile Storage:バッテリーバックアップされたCMOSメモリー)は小容量の記憶装置で、モジュールのコンフィグレーションテーブルなどを保存できます。
フラッシュメモリーは(NVSに比べて)大容量の記憶装置で、ファームウェアファイル、設定スクリプトファイルなどを保存するために使います。
フラッシュメモリーは一般的なコンピューターのハードディスクに相当する記憶装置です。通常のファイル操作はこのメモリーに対して行います。後述するファイルの操作では、デバイス名を省略するとフラッシュメモリー上のファイルに対する操作となります。コマンド上での名称は「flash」です。多くのコマンドでは、デバイス名の指定を省略すると、フラッシュメモリーを指定したことになります。
■ フラッシュメモリー上のファイルシステムに関する情報はSHOW FLASHコマンドで確認できます。
コンパクトフラッシュ(CF)は、着脱可能なフラッシュメモリーです。デジタルカメラなどの記憶媒体としても広く使用されています。
本体前面にCFカードスロットを備えており、CFを外部記憶装置として使用できます。CFはホットスワップ(本体の電源を入れたままの抜き差し)が可能で、ファームウェア(リリース)ファイルや設定スクリプトファイルの持ち運びやバックアップに利用できます。コマンド上での名称は「cflash」です。
■ 本製品では、以下の条件を満たすCFカードを使用できます。
- 弊社販売品であること
- FAT16でフォーマットされていること
Note
- 弊社販売品以外のCFカードでは動作保証をいたしませんのでご注意ください。
Note
- 本製品にはフォーマット機能はありません。CFがFAT16以外の形式でフォーマットされている場合は、お手持ちのPCなどでフォーマットしてからご利用ください。
■ CF上のファイル、ディレクトリーの扱いは、次のような仕様になっています。
- ファイル名の長さが16文字より長い(拡張子含まず)ファイル名は、SHOW FILEコマンドで表示されますが、指定することはできません。また、20文字より長いディレクトリー名も、表示はされますが指定することはできません。
- FATのファイル属性は、ディレクトリー(Directory)属性を除いて無視されます。本製品上では、隠しファイル(Hidden)属性を持つファイルも通常通り表示されますし、読み取り専用(Read Only)属性を持つファイルに対しても書き込みが可能です。
- フラッシュメモリー、NVS上のファイルシステムにはディレクトリーの概念がありませんが、CF上ではFAT16を使用しているため、ディレクトリーをサポートしています。CF上のファイルに対する操作は、基本的にカレントディレクトリーに対して行われます。ディレクトリー区切り文字としては、\(バックスラッシュまたは円記号)か/(スラッシュ)を使用できます。\と/は完全に等価です。ただし、コマンドの表示上はすべて\で統一されています。
- CF上に置いたファームウェア(リリース)ファイルを起動に使うことはできません。
■ CFの全般的な情報はSHOW CFLASHコマンドで確認できます。
■ CFのカレントディレクトリーにあるファイルの一覧は、SHOW FILEコマンドでも表示されます。
■ SHOW FILEコマンドで、CFのカレントディレクトリーにあるファイルだけを表示させるには、次のようにします。
または
SHOW FILE DEVICE=CFLASH ↓
■ カレントディレクトリーを移動するには、SET CFLASH DIRコマンドを使います。ディレクトリー区切りは\、/のどちらでもかまいません。次に示すのは絶対パスの指定例です。先頭文字がディレクトリー区切りのパスは、ルートディレクトリーからの絶対パスと見なされます。次のコマンドを実行すると、実行前のカレントディレクトリーがどこであっても、/testcfg/20061222というディレクトリーに移動します。
SET CFLASH DIR=\testcfg\20061222 ↓
または
SET CFLASH DIR=/testcfg/20061222 ↓
■ 次は相対パスの指定例です。先頭文字がディレクトリー区切りでないパスは、カレントディレクトリーからの相対パスと見なされます。コマンド実行前のカレントディレクトリーが「/tmp」だとすると、コマンド実行後のカレントディレクトリーは「/tmp/sub/sub2/sub3dir」となります。コマンド実行前のカレントディレクトリーが「/home/admin」だとすると、コマンド実行後のカレントディレクトリーは「/home/admin/sub/sub2/sub3dir」となります。
SET CFLASH DIR=sub\sub2\sub3dir ↓
または
SET CFLASH DIR=sub/sub2/sub3dir ↓
■ 1つ上のディレクトリー(親ディレクトリー)に移動するときは、特殊なディレクトリー名「..」(ドットドット)を使用できます。
Note
- 「..」は単独でしか使用できません。「../..」や「../otherdir/moredir」といった指定はエラーになります。
■ カレントディレクトリーは、SHOW CFLASHコマンドで確認できます。
本製品では、フラッシュメモリー上にファイルシステムが構築されており、物理デバイス上のデータを「ファイル」としてアクセスすることが可能です。
また、コンパクトフラッシュ上のFAT16ファイルシステムにも、フラッシュとほぼ同様の方法でアクセスできます。ディレクトリー移動などの一部の操作を除き、デバイスの違いを意識する必要はほとんどありません。
ファイル名は次の形式で表されます。
表 1
device |
デバイス名。flash(フラッシュメモリー)、cflash(コンパクトフラッシュ)のいずれか。大文字・小文字の区別はありません。省略時はflashを指定したことになります |
filename |
ファイル名(ベース名)。文字数は1〜28文字。半角英数字と記号(~ ' @ # $ % ^ & ( ) _ - { })が使えます。大文字・小文字の区別はありません。 |
ext |
拡張子。ファイル名には必ず拡張子をつける必要があります。文字数は1〜3文字。本製品で認識できる拡張子は、下記の表を参照してください。 |
次におもな拡張子の一覧を示します。
表 2
拡張子 |
ファイルタイプ |
img |
ファームウェアファイル |
cfg |
設定スクリプトファイル。システムの設定情報を保存します。慣例として設定内容を保存するスクリプトにはcfgを使います。 |
key |
RSA公開鍵ファイル |
log |
ログを保存したファイル |
以下のファイルは特殊な役割を持ちます。他のファイルも同様ですが、ファイルの取り扱い(削除、リネームなど)にはご注意ください。
表 3
ファイル名 |
役割 |
boot.cfg |
デフォルトの起動スクリプトファイル。SET CONFIGコマンドで起動スクリプトが設定されていない(none)ときは、本ファイルが存在していれば起動時に自動実行されます。起動スクリプトが設定されている場合は、設定されているファイルが実行されます。 |
enc1.ukf |
CREATE ENCO KEYコマンドで作成されたRSA鍵ペアのファイル。このファイルはコピーやファイル名の変更、削除を行うことができません。DESTROY ENCO KEYコマンドを実行すると、自動的に削除されます。(encの後の番号は、KeyIDです。) |
Note
- フラッシュメモリー上のファイルシステムには、ディレクトリー(フォルダー)の概念はありません。一方、コンパクトフラッシュ(CF)上のFAT16ファイルシステムではディレクトリーをサポートしていますが、本製品におけるファイル操作はすべてカレントディレクトリー上のファイルを対象とするため、ディレクトリーを意識する必要があるのは、カレントディレクトリーを移動するときだけです。したがって、コマンドでファイル名を指定するときに、「cf:/dirA/subdirA/test.cfg」のようなディレクトリーパスを含む指定はありえません。
おもなファイル操作についてコマンド例を示します。
■ ファイルの一覧は、SHOW FILEコマンドで表示できます。
■ 特定ファイルの一覧を見たいときはワイルドカードを使います。
■ ファイルの内容を見るには、SHOW FILEコマンドで(ワイルドカードでない)ファイル名を指定します。ただし、SHOW FILEコマンドで見ることができるのはテキスト形式のファイル(.cfg、.logなど)だけです。
■ ファイルを削除するにはDELETE FILEコマンドを使います。
Note
- 削除したファイルを元に戻すことはできません。ファイル操作時は十分注意を払ってください。
■ ファイルをコピーするにはCOPYコマンドを使います。
COPY current.cfg backup.cfg ↓
■ デバイスをまたがるコピーも可能です。次の例では、フラッシュメモリー上のcurrent.cfgというファイルを、コンパクトフラッシュ上のカレントディレクトリーにbackup.cfgという名前でコピーします。
COPY current.cfg cflash:backup.cfg ↓
Note
- コンパクトフラッシュ上のファイルを指定した場合(ファイル名の前に「cflash:」を前置した場合)、該当ファイルはカレントディレクトリーにあるものと見なされます。
■ ファイル名を変更するにはRENAMEコマンドを使います。
■ LOADコマンドを使って、別のコンピューターからファイルをダウンロードすることもできます。次の例ではTFTPサーバー192.168.1.11からtest.cfgをダウンロードしています。ダウンロードには、XMODEMを使うこともできます。
LOAD METHOD=TFTP DESTFILE=test.cfg SERVER=192.168.1.11 FILE=test.cfg ↓
■ UPLOADコマンドを使えば、テキスト形式のファイルをTFTPサーバーにアップロードすることができます。次の例では、設定スクリプトtaisetsu.cfgをTFTPサーバーにアップロードします。XMODEMによるアップロードも可能です。
LOAD METHOD=TFTP DESTFILE=taisetsu.cfg SERVER=192.168.1.11 FILE=taisetsu.cfg ↓
Note
- TFTPサーバーの実装(UNIX系OSのtftpdなど)によっては、サーバー上にあらかじめファイルを作成しておかないとファイルのアップロードができないものがあります。これは、ファイルの新規作成に失敗するためです。このような場合は、サーバー上で空のファイルを作成し、すべてのユーザーに書き込み権限を与えてからアップロードしてみてください。
UNxXOS[1]# cd /tftpboot
UNxXOS[2]# touch karappo.cfg
UNxXOS[3]# chmod 666 karappo.cfg
|
(C) 2006-2008 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-000699 Rev.C