[index] CentreCOM 9424T コマンドリファレンス 2.11

運用・管理/ログ


  - デフォルトのログ設定
  - ログの閲覧
  - ログの保存
  - syslogサーバーへのログ転送
   - メッセージフィルターの追加
   - ログ設定の確認
  - 資料編
   - メッセージの表示項目
   - ログレベル
   - モジュールIDとモジュール名
   - syslog形式への変換
    - ログレベルとsyslogレベルのマッピング
    - モジュール/イベントとsyslogファシリティーのマッピング


本製品のログ機能について説明します。

ログ機能はデフォルトで有効になっており、メモリー(RAMとNVS)上に保存されるよう設定されています。メモリー上のログは、SHOW LOGコマンドで見ることができます。

また、ログメッセージは、出力先の設定によってsyslogサーバーに転送することもできます。メッセージフィルターを使って、特定の条件を満たしたメッセージだけを転送するよう設定することもできます。


 

デフォルトのログ設定

ご購入時の状態では、2つの特殊な出力先「TEMPORARY」と「PERMANENT」が登録されており、以下の基準でログメッセージを保存するよう設定されています。


これらのログはSHOW LOGコマンドで見ることができます。

■ RAM上のログ(TEMPORARY)を見るには次のようにします。

または


■ NVS上のログ(PERMANENT)を見るには次のようにします。





 

ログの閲覧

メモリー(RAM、NVS)上のログを見るにはSHOW LOGコマンドを使います。

■ すべてのログを見るには次のようにします。


■ 逆順(新しい順)にログを表示させるにはREVERSEを使います。通常は古い順に表示されます。


ログのレベルおよびモジュールを指定することで、特定のログだけを表示することができます。ログのレベルおよび指定できるモジュールの一覧については、次の「資料編」をご覧ください。

■ 特定レベルのログだけを見たいときは次のようにします。


■ 特定モジュールのログだけを見たいときは次のようにします。



 

ログの保存

ログをファイルとして保存するには、SAVE LOGコマンドを使います。

■ ログをファイルに保存するには次のようにします。ファイルの拡張子は、「.log」とします。


ログのレベルおよびモジュールを指定することで、特定のログだけを保存することができます。

■ 特定レベルのログだけを保存したいときは次のようにします。


■ 特定モジュールのログだけを保存したいときは次のようにします。



 

syslogサーバーへのログ転送

ログメッセージは、syslogサーバー(syslogd)に転送することもできます。設定手順は、次のとおりです。

Note - syslogを使うには、事前にローカルIPインターフェース(マネージメントVLANインターフェース)の設定が必要です。詳しくは「IP」/「IPインターフェース」を参照してください。

ここでは、すべてのメッセージをsyslogサーバーに転送するための設定を示します。IP等の設定は終わっているものとします。

  1. ログの出力先を定義します。ここでは、syslogサーバー 192.168.10.5にログメッセージを転送します。


  2. メッセージフィルターを追加します。


syslogサーバーがリモートからの接続を受け付けるよう設定されていれば、スイッチの生成するすべてのログメッセージがsyslogサーバーに送られ、記録されるようになります。メッセージはsyslog形式に変換された上で、送信されます。syslogサーバー上で各メッセージがどのように処理されるかは、syslogdの設定ファイル /etc/syslog.conf の内容によって決まります。syslogサーバーの詳細については、サーバーシステム上のマニュアルページ syslogd(8)、syslog.conf(5)、syslog(1)、logger(1)等をご参照ください。

■ syslogサーバーにログを転送する場合は、DESTINATIONパラメーターにSYSLOGを、SERVERパラメーターにsyslogサーバーのIPアドレスを指定します。


■ 一度作成した出力先定義の内容を変更したいときは、SET LOG OUTPUTコマンドを使います。たとえば、出力先「2」のsyslogサーバーアドレスを変更したいときは次のようにします。


■ ログ出力先の定義を削除するにはDESTROY LOG OUTPUTコマンドを使います。


 

メッセージフィルターの追加

出力先を定義しただけでは、ログメッセージは出力されません。出力先定義にメッセージフィルターを関連付け、出力すべきメッセージの種類を指定する必要があります。メッセージフィルターの追加はADD LOG OUTPUTコマンドで行います。1つの出力先に対して複数のフィルターエントリーを設定することも可能です。

■ 特定のモジュールに関するログだけを出力させたいときは、MODULEパラメーターにモジュールIDかモジュール名を指定します。たとえば、VLANに関するログだけを出力させたい場合は次のようなフィルターを追加します。


モジュールID、モジュール名については、「モジュールIDとモジュール名」をご覧ください。

■ ログレベルがE(Error)とW(Warning)のログだけを出力させたい場合は次のようにします。


ログレベルの一覧については「ログレベル」をご覧ください。

■ 複数の条件を同時に指定することもできます。VLANに関するログのうち、ログレベルがE(Error)のメッセージだけを出力したいときは次のようにします。


 

ログ設定の確認

■ ログの出力先定義はSHOW LOG OUTPUTコマンドで確認します。PermanentとTemporaryは、デフォルトで定義されている出力先です。


■ 各出力先定義の詳細や、関連付けられているメッセージフィルターの内容を確認するには、SHOW LOG OUTPUTコマンドにFULLオプションを付けます。


■ ログモジュールのステータスは、SHOW LOG STATUSコマンドで確認できます。



 

資料編

 

メッセージの表示項目

ログメッセージには下記の項目が表示されます。

表 1
項目
説明
Severity ログレベル
Date メッセージが生成された日付(現地時間)
Time メッセージが生成された時刻(現地時間)
Event メッセージを生成したモジュールと、イベントの簡潔な説明
Event ID イベントID。aabcccの形式で表示。aaはモジュールID、bはログレベル、cccはモジュール内で一意のイベントID(SHOW LOGコマンドでFULLオプションを指定したときに表示される)
Source File:Line Number メッセージを生成したプログラムソースファイル名とソースファイル内の行番号(SHOW LOGコマンドでFULLオプションを指定したときに表示される)




 

ログレベル

ログメッセージは、イベントの重要度によって次のように分類されます。

表 2
ログレベル
呼称
説明
E Error 運用上の障害があることを示すメッセージ
W Warning 運用上、潜在的な障害の恐れがあることを示すメッセージ
I Information 通常の運用におけるメッセージ


Note - このほかに、Debug(エラーに伴うデバッグ用メッセージ。きわめて詳細な情報で、大量のメッセージが出力される可能性あり)が表示されることがありますが、運用上必要な情報ではありません。


 

モジュールIDとモジュール名

次にモジュールIDとモジュール名、およびSHOW LOGコマンドのMODULEパラメーターに設定する場合の文字列の一覧を示します。

表 3
ID
モジュール名
設定値
備考
1 システム SYSTEM  
2 コマンドラインプロセッサー CLI  
3 ログ EVTLOG  
4 MACアドレス管理 MAC  
5 スパニングツリー(RSTP/MSTPを含む) STP  
6 バーチャルLAN VLAN  
7 GARP GARP 未サポート
8 ポート設定 PCFG  
9 ポートミラーリング PMIRR  
10 ポートトランキング PTRUNK  
11 ポートセキュリティー PSEC  
12 ポート認証 PACCESS  
13 ACL ACL  
14 DoS DOS  
15 マネージメントアクセスコントロール MGMTACL  
16 IP IP  
17 エンハンストスタッキング ESTACK  
18 ファイルシステム FILE  
19 IGMPスヌーピング IGMPSNOOP  
20 QoS QOS  
21 TIME(SNTPを含む) TIME  
22 TFTP TFTP  
23 RRP Snooping RRP  
24 HTTP HTTP 未サポート
25 TELNET TELNET  
26 SNMP SNMP  
27 RADIUS RADIUS  
28 TACACS TACACS 未サポート
29 ENCO ENCO  
30 PKI PKI  
31 SSL SSL  
32 SSH SSH  
33 WDT WATCHDOG 未サポート
34 RTC RTC 未サポート
35 USER USER 未サポート
36 コンフィグ CFG  
37 ケーブルテスト CABLE 未サポート
38 Classifier CLASSIFIER  
39 PoE POE 未サポート
40 LACP LACP 未サポート
41 RPS RPS  
42 MLDスヌーピング MLDSNOOP  
43 EPSRスヌーピング EPSRSNOOP  
44 FANコントロール FAN_CTRL 未サポート
45 VRRP VRRP  
46 BOOTPリレー BOOTPRELAY  
47 DHCPサーバー DHCPSVR  
48 Web認証 WEBAUTH  
49 ループガード(LDF検出) LOOPDETECTION  
50 ループガード(受信レート検出) STORMDETECTION  
51 DNSリレー DNSRELAY  
52 IPヘルパー IPHELPER  
53 DHCPスヌーピング DHCPSNOOP  
54 EPSR EPSR 未サポート


 

syslog形式への変換

ログメッセージをsyslogサーバーに転送するときは、あらかじめsyslog形式にメッセージが変換されます。

 

ログレベルとsyslogレベルのマッピング

ログメッセージのログレベルは、syslogの「レベル」に以下のとおりマッピングされます。

表 4
ログレベル
syslogレベル
E(Error) LOG_ERR
W(Warning) LOG_WARNING
I(Information) LOG_INFO


 

モジュール/イベントとsyslogファシリティーのマッピング

デフォルトでは、syslogサーバーに送信される各ログメッセージには、生成元のモジュールまたはイベントに応じて下記のsyslogファシリティーが割り当てられます。

表 5
モジュール
syslogファシリティー
備考
1. システム(SYSTEM) LOG_LOCAL0  
2. コマンドラインプロセッサー(CLI) LOG_LOCAL0  
3. ログ(EVTLOG) LOG_LOCAL0  
4. MACアドレス管理(MAC) LOG_LOCAL0  
5. スパニングツリー(RSTP/MSTPを含む)(STP) LOG_LOCAL6  
6. バーチャルLAN(VLAN) LOG_LOCAL6  
7. GARP(GARP) LOG_LOCAL0 未サポート
8. ポート設定(PCFG) LOG_LOCAL6  
9. ポートミラーリング(PMIRR) LOG_LOCAL6  
10. ポートトランキング(PTRUNK) LOG_LOCAL6  
11. ポートセキュリティー(PSEC) LOG_SECURITY  
12. ポート認証(PACCESS) LOG_SECURITY  
13. ACL(ACL) LOG_LOCAL0  
14. DoS(DOS) LOG_SECURITY  
15. マネージメントアクセスコントロール(MGMTACL) LOG_SECURITY  
16. IP(IP) LOG_LOCAL0  
17. エンハンストスタッキング(ESTACK) LOG_LOCAL0  
18. ファイルシステム(FILE) LOG_LOCAL0  
19. IGMPスヌーピング(IGMPSNOOP) LOG_LOCAL0  
20. QoS(QOS) LOG_LOCAL0  
21. TIME(SNTPを含む)(TIME) LOG_CRON  
22. TFTP(TFTP) LOG_LOCAL0  
23. RRP Snooping(RRP) LOG_LOCAL0  
24. HTTP(HTTP) LOG_LOCAL0 未サポート
25. TELNET(TELNET) LOG_LOCAL0  
26. SNMP(SNMP) LOG_LOCAL0  
27. RADIUS(RADIUS) LOG_SECURITY  
28. TACACS(TACACS) LOG_SECURITY 未サポート
29. ENCO(ENCO) LOG_SECURITY  
30. PKI(PKI) LOG_SECURITY  
31. SSL(SSL) LOG_SECURITY  
32. SSH(SSH) LOG_SECURITY  
33. WDT(WATCHDOG) LOG_LOCAL0 未サポート
34. RTC(RTC) LOG_CRON 未サポート
35. USER(USER) LOG_LOCAL0 未サポート
36. コンフィグ(CFG) LOG_LOCAL0  
37. ケーブルテスト(CABLE) LOG_LOCAL0 未サポート
38. Classifier(CLASSIFIER) LOG_LOCAL0  
39. PoE(POE) LOG_LOCAL0 未サポート
40. LACP(LACP) LOG_LOCAL6 未サポート
41. RPS(RPS) LOG_LOCAL0  
42. MLDスヌーピング(MLDSNOOP) LOG_LOCAL0  
43. EPSRスヌーピング(EPSRSNOOP) LOG_LOCAL0  
44. FANコントロール(FAN_CTRL) LOG_LOCAL0 未サポート
45. VRRP(VRRP) LOG_LOCAL0  
46. BOOTPリレー(BOOTPRELAY) LOG_LOCAL0  
47. DHCPサーバー(DHCPSVR) LOG_LOCAL0  
48. Web認証(WEBAUTH) LOG_LOCAL0  
49. ループガード(LDF検出)(LOOPDETECTION) LOG_LOCAL0  
50. ループガード(受信レート検出)(STORMDETECTION) LOG_LOCAL0  
51. DNSリレー(DNSRELAY) LOG_LOCAL0  
52. IPヘルパー(IPHELPER) LOG_LOCAL0  
53. DHCPスヌーピング(DHCPSNOOP) LOG_LOCAL0  
54. EPSR(EPSR) LOG_LOCAL0 未サポート


なお、上記マッピングの例外として、次のイベントは生成元モジュールに関係なく特定のファシリティーにマッピングされます。

■ モジュールやイベントごとに異なるファシリティーを使用するのではなく、出力先ごとに決まったファシリティー(LOG_LOCAL1〜LOG_LOCAL7)を使うこともできます。これには、CREATE LOG OUTPUTコマンド、SET LOG OUTPUTコマンドのFACILITYパラメーターを使用します。たとえば、syslogサーバー192.168.10.5宛てのメッセージすべてにファシリティー「LOG_LOCAL1」をセットするには、次のようにします。








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