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CentreCOM 9924Ts コマンドリファレンス 3.1
IP/名前解決
- ホストテーブル
- DNS
- DNSキャッシュ
ホスト名からIPアドレスを検索する名前解決の設定方法について解説します。本製品はIPの名前解決に、次の2つのメカニズムを使用します。
- ホストテーブル
- DNS(Domain Name System/Domain Name Server)
検索はホストテーブル、DNSの順に行われます。
ホストテーブルはホスト名とIPアドレスの対応付けをスタティックに登録したものです。ホストテーブルは本製品がローカルに保持するため、DNSサーバーがないような環境で使用すると便利です。登録したホスト名はTELNETコマンド、TRACEコマンド、PINGコマンド、FINGERコマンドなどで使用できます。
■ ホストテーブルにホスト名を登録するにはADD IP HOSTコマンドを使います。次の例ではホスト名bulbulにIPアドレス192.168.1.1を対応付けています。
ADD IP HOST=bulbul IPADDRESS=192.168.1.1 ↓
■ ホストテーブルからエントリーを削除するにはDELETE IP HOSTコマンドを使います。
■ ホスト名に対応するアドレスを変更するにはSET IP HOSTコマンドを使います。
SET IP HOST=bulbul IPADDRESS=192.168.1.5 ↓
■ ホストテーブルの内容を確認するにはSHOW IP HOSTコマンドを使います。
DNSとは、ホスト名からIPアドレスを検索するための分散データベースシステム(Domain Name System)、または、そのためのデータベースサーバー(Domain Name Server)を指します。DNSサーバーはTELNETコマンド、TRACEコマンド、PINGコマンドで使用されるほか、DNSリレー機能の転送先としても使用されます。DNSリレー機能の設定については、「IP」/「DNSリレー」をご覧ください。
■ 本製品が使用するDNSサーバーは、ADD IP DNSコマンドで設定します。PRIMARYパラメーターでプライマリーサーバーを、SECONDARYパラメーターでセカンダリーサーバーを指定します。プライマリーDNSサーバーから20秒間応答がなかったときは、セカンダリーサーバーに問い合わせます。セカンダリーサーバーを運用していないときは、SECONDARYパラメーターは省略できます。
ADD IP DNS PRIMARY=192.168.10.1 SECONDARY=192.168.10.2 ↓
■ IPインターフェースの設定をDHCPで行う場合、DHCPサーバーからDNSサーバーアドレスを取得することもできます。ただし、DHCPサーバーがDNSサーバーアドレスを提供するよう設定されている必要があります。詳細は「IP」/「IPインターフェース」をご覧ください。
■ DNSサーバーは、問い合わせ先のドメインごとに個別に設定することもできます。この機能を使うと、Aドメインの問い合わせはサーバーAに、Bドメインの問い合わせはサーバーBに、その他の問い合わせはすべてサーバーCに送るよう設定することもできます。ドメインを指定するには、ADD IP DNSコマンドのDOMAINパラメーターを指定します。
次の例では、mikan.fruit.comドメインの問い合わせは172.20.10.1、172.20.10.2に、ringo.fruit.comドメインの問い合わせは172.20.20.1、172.20.20.2に、その他の問い合わせはすべて192.168.10.1に送ります。
ADD IP DNS PRIMARY=192.168.10.1 ↓
ADD IP DNS DOMAIN=mikan.fruit.com PRIMARY=172.20.10.1 SECONDARY=172.16.10.2 ↓
ADD IP DNS DOMAIN=ringo.fruit.com PRIMARY=172.20.20.1 SECONDARY=172.16.20.2 ↓
Note
- ドメイン指定でDNSサーバーを登録するには、あらかじめデフォルトのDNSサーバーを設定しておく必要があります。
Note
- DNSサーバーは10ドメインまで指定できます(ANYを除く)。
■ DNSサーバーの設定はSHOW IP DNSコマンド、SHOW IPコマンドで確認できます。
■ システム名(sysName)にフル表記のホスト名を設定しておくと、TELNETコマンド実行時に必要に応じてドメイン名が補完されます。たとえば、sysNameに「kkSwitch.example.com」を設定している場合(システム名はSET SYSTEM NAMEコマンドで設定します)、次のようにTELNETコマンドを実行すると、bulbulのあとにドメイン名「example.com」が補われ、「bulbul.example.com」に対してDNSの検索が行われます。
SET SYSTEM NAME=kkSwitch.example.com ↓
TELNET bulbul ↓
DNSキャッシュ機能は、DNSサーバーからの応答を本製品のメモリーに保存しておくことで、2回目以降DNSサーバーへの問い合わせを行わずにメモリー上の情報を参照する機能です。DNSキャッシュは、本製品自身がアドレス解決する場合とDNSリレー機能で別ホストの要求を処理するときの両方で有効です。
DNSキャッシュ機能はデフォルトではオフになっています。DNSキャッシュ機能をオンにするには、SET IP DNS CACHEコマンドのSIZEパラメーターで、キャッシュエントリー容量を0以外に設定します。
■ DNS情報を100個まで保持できるようにするには、次のようにします。
SET IP DNS CACHE SIZE=100 ↓
Note
- キャッシュエントリーは100個当たり約30KBのメモリーを消費します。
■ キャッシュエントリーの有効期限はSET IP DNS CACHEコマンドのTIMEOUTパラメーターで設定します。有効範囲は1〜60分。デフォルトは30分です。
SET IP DNS CACHE TIMEOUT=15 ↓
■ キャッシュサイズ、登録エントリー数などの情報は、SHOW IP DNSコマンドで確認できます。
■ キャッシュテーブルの内容は、SHOW IP DNS CACHEコマンドで確認できます。
(C) 2005 - 2007 アライドテレシスホールディングス株式会社
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