[index] AT-DC2552XS コマンドリファレンス 2.5.3.1

運用・管理 / コンフィグレーション


  - ランニングコンフィグとスタートアップコンフィグ
  - 基本操作
   - ランニングコンフィグの確認
   - ランニングコンフィグの保存と復元
   - スタートアップコンフィグの確認
   - スタートアップコンフィグの実体ファイル
   - スタートアップコンフィグの消去
   - スタートアップコンフィグのバックアップと復元

本製品では、コマンド入力によって設定した内容を、テキスト形式のコンフィグファイルとして保存することができます。これにより、さまざまな設定を異なる名前のファイルとして保存しておき、必要に応じて切り替えて使うようなことが可能です。

ランニングコンフィグとスタートアップコンフィグ

本製品では、ランタイムメモリー(RAM)上にある現在の設定内容を「ランニングコンフィグ」(running-config)と呼びます。

グローバルコンフィグモードを始めとする各種「設定モード(コンフィグモード)」で入力したコマンドの大部分は、このランニングコンフィグに対して作用します。

ランニングコンフィグの内容は設定コマンドの入力とともに変更され、通常はただちに動作に反映されますが、ランニングコンフィグはランタイムメモリー上にあるため、システムを再起動すると消えてしまいます。

そこで、ランニングコンフィグを保存しておきたい場合は、ランニングコンフィグをファイルに書き出しておきます。

このとき、書き出し先を「スタートアップコンフィグ」(startup-config)と呼ぶ特殊なファイルにしておけば、次回起動時に現在の設定内容(ランニングコンフィグ)が自動的に復元されるようになります。

また、書き出し先をスタートアップコンフィグ以外にした場合であっても、該当ファイルの内容をスタートアップコンフィグにコピーすれば、次回起動時に復元させることが可能です。

次にランニングコンフィグとスタートアップコンフィグの関係を図示します。


基本操作

以下では、ランニングコンフィグとスタートアップコンフィグに関するさまざまな操作について解説します。

ランニングコンフィグの確認

■ ランニングコンフィグの内容を確認するには、show running-configコマンドを使います。

awplus# show running-config


show running-configコマンドでは、オプションパラメーターを与えることにより、特定の設定だけを確認することもできます。たとえば、SNMPの設定だけを確認するには次のようにします。

awplus# show running-config snmp

snmp-server
snmp-server enable trap auth rmon
snmp-server community private rw
snmp-server community public ro
snmp-server host 172.17.28.186 traps version 2c private


Note - どのようなオプションパラメーターを指定できるかは、機種やバージョンによって異なります。詳しくは、コマンドラインから「show running-config ?」と入力して確認してください。

ランニングコンフィグの保存と復元

■ ランニングコンフィグを任意のファイルに保存するには、copyコマンドのコピー元としてキーワード「running-config」を、 コピー先として保存先ファイル名を指定します。保存先ファイルの拡張子は「.cfg」にする必要があります。
たとえば、現在の設定内容をフラッシュメモリー上のファイルmylan.cfgに保存するには、次のようにします。指定したファイルが存在しない場合は新規に作成され、すでに存在していた場合は上書きされます。

awplus# copy running-config mylan.cfg


本コマンドで作成したファイルには、設定内容が一連のコマンドとして書き込まれています。ただし、設定内容は一定の基準にしたがって独自の書式に変換されているため、コマンドラインで入力したものとまったく同じではありません。たとえば、configure terminalコマンドやexitコマンドなどは書き込まれません。また、コマンド入力時に指定した値が初期値と同じだった場合、該当コマンドは書き込まれません。しかし、保存されている情報は同じです。

■ ランニングコンフィグをファイルに保存しただけでは、次回起動時に自動復元されません。起動時に設定内容を自動復元させるには、copyコマンドのコピー元としてコンフィグファイルを、コピー先としてキーワード「startup-config」を指定し、コンフィグファイルの内容を「スタートアップコンフィグ」にコピーする必要があります。
たとえば、フラッシュメモリー上にあるmylan.cfgの内容をスタートアップコンフィグにコピーするには、次のようにします。

awplus# copy mylan.cfg startup-config


■ 前の例では、ランニングコンフィグをいったん通常ファイルのmylan.cfgに書き出した後で、mylan.cfgの内容をスタートアップコンフィグにコピーしていましたが、ランニングコンフィグを直接スタートアップコンフィグとして保存することもできます。これには、copyコマンドを「copy running-config startup-config」の書式で実行します。

awplus# copy running-config startup-config

Generating current configuration .....
Configuration file will be saved in background.


また、writeコマンドでも同じことができます。

awplus# write

Generating current configuration .....
Configuration file will be saved in background.


Note - この例のようにランニングコンフィグを直接スタートアップコンフィグに保存した場合、次に同じ操作を行うと前の設定内容は上書きされて失われてしまいます。そのようなときは、スタートアップコンフィグを更新する前に、現在のスタートアップコンフィグを通常ファイルにバックアップしておきます。詳しくは「運用・管理」/「コンフィグレーション」の「スタートアップコンフィグのバックアップと復元」をご覧ください。

スタートアップコンフィグの確認

■ スタートアップコンフィグの内容、すなわち、次回起動時に復元される設定内容はshow startup-configコマンドで確認できます。

awplus# show startup-config


スタートアップコンフィグの実体ファイル

■ 本製品において、「スタートアップコンフィグ」(startup-config)は一種のショートカットであり、その実体は、あらかじめ設定されたフラッシュメモリー上のコンフィグファイル(拡張子.cfg)です。

どのファイルがスタートアップコンフィグの実体ファイルとして使用されているかは、show bootコマンドで確認できます。「Current boot config」欄に表示されているのが、現在スタートアップコンフィグの実体ファイルとして使用されているファイルです。

awplus# show boot

--------------------------------------------------------------------------------
Current software   : DC-2.5.1.1.img
Current boot image : DC-2.5.1.1.img
Default boot config: /config/boot.cfg
Current boot config: /config/boot.cfg (file exists)


ここに表示されているとおり、初期設定では「boot.cfg」というファイルがスタートアップコンフィグの実体ファイルに設定されています(「/config/」というディレクトリーは本製品の内部で使用されているものです。このディレクトリー構造はCLIからは見えません)。

スタートアップコンフィグに関するコマンドは、この実体ファイルに対して作用します。たとえば、実体ファイルの設定が初期値のままだと仮定すると、copyコマンドを「copy running-config startup-config」の書式で実行するたびに「boot.cfg」が書き換えられます。また、erase startup-configコマンドを実行すると「boot.cfg」が削除されます。

■ スタートアップコンフィグの実体ファイルを変更するには、boot config-fileコマンドを使います。次の例では、「startup.cfg」をスタートアップコンフィグの実体ファイルとして指定しています。このように設定すると、以後スタートアップコンフィグに対する各種操作は、実際には「startup.cfg」に対する操作となります。

awplus(config)# boot config-file startup.cfg


スタートアップコンフィグの消去

■ 次回、空の設定で起動させたいときは、erase startup-configコマンドでスタートアップコンフィグを消去します。これは、設定をいちからやりなおしたいときなどに便利です。

awplus# erase startup-config

erase start-up config? (y/n):y 
Deleting..
Successful Operation


このコマンドを実行すると、前述したスタートアップコンフィグの実体ファイルが削除されます。この状態でシステムを再起動すれば、設定ファイルを読み込んでいない状態、すなわち、初期設定状態でシステムが起動します。

Note - 現在のスタートアップコンフィグをとっておきたい場合は、erase startup-configコマンドを実行する前に、スタートアップコンフィグを通常ファイルにバックアップしておきます。詳しくは次項「スタートアップコンフィグのバックアップと復元」をご覧ください。

スタートアップコンフィグのバックアップと復元

■ スタートアップコンフィグの内容を通常ファイルにコピー(バックアップ)するには、copyコマンドでスタートアップコンフィグの実体ファイルを別名コピーします。
  1. 最初にshow bootコマンドでスタートアップコンフィグの実体ファイル名を調べます。

    awplus# show boot
    
    --------------------------------------------------------------------------------
    Current software   : DC-2.5.1.1.img
    Current boot image : DC-2.5.1.1.img
    Default boot config: /config/boot.cfg
    Current boot config: /config/boot.cfg (file exists)
    

    「Current boot config」欄に表示されている「/config/boot.cfg」が実体ファイルの内部パス名です。ここから「/config/」の部分を取り除いた「boot.cfg」が、この例におけるCLI上での実体ファイル名となります。

  2. copyコマンドを使って、実体ファイルを別名でコピーします。たとえば、myconf01.cfgという名前でバックアップするには、次のようにします。

    awplus# copy boot.cfg myconf01.cfg
    


あとで現時点のスタートアップコンフィグを復元したくなったときは、次のようにします。

awplus# copy myconf01.cfg startup-config



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