[index] CentreCOM FS816S コマンドリファレンス 1.0.0

QoS/概要・基本設定


  - プライオリティータグと送信キュー
  - ポートプライオリティーの割り当て 


パケットごとに送信時の優先度を変化させるQoS(Quality of Service)機能について解説します。本製品はIEEE 802.1p準拠のプライオリティータグに基づくQoSに対応しています。

 

プライオリティータグと送信キュー


802.1QのVLANタグヘッダーには、3ビットのユーザープライオリティーフィールド(802.1p)が設けられています。


本製品は、このフィールドの値にしたがって、受信フレームの送信に優先度をつけることができます。

本製品の各ポートは、それぞれ4レベル(0〜3)の送信キューを備えています(キュー3が優先度最高)。フレームは相対的に最も優先度の高いキューからのみ送信されます。たとえば、キュー3とキュー2にフレームが格納されている場合、キュー3が空になるまでキュー2内のフレームは送信されません。

割り当てられる帯域は次のようになります(数値は一番左が相対的に最もレベルの低いキュー、一番右が相対的に最もレベルの高いキューに割り当てられる帯域(%)を示しています)。


受信フレームがどのキューに入れられるかは、ユーザープライオリティー値とキューのマッピング設定によって決まります。

デフォルトのマッピングは次のとおりです。VLANタグのないフレーム(タグなしフレーム)は、ポートプライオリティーが適用されます。

表 1
ユーザープライオリティー キュー番号
0 1
1 0
2 0
3 1
4 2
5 2
6 3
7 3



■ ユーザープライオリティー値とキューのマッピングを変更するには、SET QOS HWPRIORITYコマンドを使います。たとえば、下図のようなマッピングにするには、次のコマンドを実行します。


SET QOS HWPRIORITY QUEUE=0,0,0,1,1,2,2,3 ↓

表 2
ユーザープライオリティー キュー番号
0 0
1 0
2 0
3 1
4 1
5 2
6 2
7 3


■ ユーザープライオリティーとキューのマッピングを確認するにはSHOW QOS HWPRIORITYコマンドを使います。


 

ポートプライオリティーの割り当て


本製品では、受信パケットの優先度の決定において、タグヘッダー内のユーザープライオリティー値ではなく、ポートごとに割り当てられたプライオリティーを優先させることも可能です。

ポートプライオリティーを優先させるポートで受信したタグ付きフレームは、タグヘッダー内のユーザープライオリティー値ではなく、ポートプライオリティーによって、どの送信キューに入るかが決まります。
受信したタグなしパケットは、受信したポートに割り当てられたポートプライオリティーに対応する送信キューに入ります。

■ タグなしパケットに割り当てるポートプライオリティーは、SET QOS PORTコマンドのDEFAULTQUEUEパラメーターで設定します。これは受信ポートごとに設定します。たとえば、すべてのポートにおいて、受信したタグなしパケットにポートプライオリティー1を割り当てるには、次のようにします。


■ タグなしパケットに割り当てるデフォルトのポートプライオリティーは、SHOW QOS PORTコマンドで確認できます。


■ 受信パケットの優先度の決定において、ポートプライオリティーを優先させるには、SET QOS PORTコマンドのFORCEDEFQUEUEを指定します。


Note - SET QOS PORT FORCEDEFQUEUE 設定を YES にしたポートにて受信されたパケットが、 タグ付きで送出された場合は、上書きされたプライオリティーで送出されます。

Note - QoS機能を使用する場合は、DISABLE SWITCH PORT FLOWコマンドを実行し、フローコントロールを全ポート無効にする必要があります。(フローコントロールのデフォルトは有効)



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PN: 613-000890 Rev.A