[index] CentreCOM GS900M V2シリーズ コマンドリファレンス 2.3.2

運用・管理/システム


  - ログイン
  - パスワードの変更
  - 再起動
  - システム時刻の設定
  - システム名の設定
  - システムチェック
  - コマンドライン編集キー
  - コマンド入力時の注意事項
  - コンソールメッセージ
  - 次に選択可能なキーワードを表示する「スペース」または「Tab」
  - オンラインヘルプ
   - コマンドライン途中のオンラインヘルプ
  - 端末画面の表示行数
  - ファームウェアの更新手順
   - FTPによるダウンロード
   - TFTPによるダウンロード


本製品は設定のためのコマンドプロセッサー(コマンドラインインターフェース)を備えています。ここではコマンド入力に関する基本的な事柄について説明します。


 

ログイン

本製品に対する設定は、コンソールポート(非同期シリアルポート)に接続したコンソールターミナル、または、ネットワーク上のTelnetクライアントから行います。

Note - Telnetを使用するには、あらかじめコンソールターミナルからログインし、本製品にIPアドレス等を設定しておく必要があります。IPの設定については「IP」の章をご覧ください。

本製品に接続すると、「login: 」というログインプロンプトが表示されます。コンソールターミナルを接続してもログインプロンプトが表示されない場合は、「Enter」キーを何度か押してみてください。

「login:」に対してユーザー名「manager」を、「Password:」に対してパスワードを入力します(ご購入時の初期パスワードは「friend」です)。


ログインに成功すると、コマンドプロンプトが表示されます。


Note - デフォルトのパスワードを使い続けることはセキュリティー上好ましくありませんので、初回ログイン時に変更することをおすすめします。詳細は「パスワードの変更」をご覧ください。

Note - Telnet接続の場合、3回ログイン認証に失敗すると強制切断します。この設定は変更できません。

Note - Telnet接続の場合、ログインプロンプトが表示されてから1分以内にログインしないと、Telnetセッションが切断されます。この設定は変更できません。


 

パスワードの変更

パスワードはSET PASSWORDコマンドで変更します。

Note - 変更したパスワードは設定ファイルには保存されません。

Web GUIでは、「システム設定」-「システム」でパスワードを変更できます。(詳細は「Web GUI」/「システム設定」をご覧ください。)


 

再起動

システムを再起動するにはRESTARTコマンドを使います。

Note - 再起動を実行する前に、現在の設定内容をファイルに保存したかどうかをご確認ください。設定の保存については、「コンフィグレーション」をご覧ください。

本製品の再起動はコールドスタートです。これは、ハードウェア的にリセットをかけ、自己診断テストの実行、ソフトウェアのロードを行った後、起動スクリプトを読み込んで起動します。


 

システム時刻の設定

システムの日付と時刻を合わせるにはSET TIMEコマンドを使います。

日付は「年-月-日」、時刻は「時:分:秒」の形式で指定します。

■ 日付と時刻を設定するには次のようにします。ここでは2011年5月12日19時に設定します。


■ 時刻だけを修正します。


■ 日付だけを修正します。


■ 現在の日付と時刻を確認するにはSHOW TIMEコマンドを実行します。

 

システム名の設定

システム名(MIB-IIオブジェクトsysName)を設定すると、コマンドプロンプトにシステム名が表示されるようになります。SNMP(Simple Network Management Protocol)を使用しない場合であっても、複数のシステムを管理しているときは、各システムに異なる名前を設定しておくと、どのシステムにログインしているのかがわかりやすくなり便利です。

Web GUIでは、「システム設定」-「システム」で設定できます。(詳細は「Web GUI」/「システム設定」をご覧ください。)

■ システム名(sysName)を設定するにはSET SYSTEMコマンドを使います。


Note - システム名に空白(スペース)を含む場合は、システム名を" "で囲んでください。


 

システムチェック

システムの基本情報を確認するための各種コマンドを紹介します。

■ システムの全般的な情報はSHOW SYSTEMコマンドで確認できます。

■ システムログはSHOW LOGコマンドで確認できます。詳細については「ログ」をご覧ください。


 

コマンドライン編集キー

コマンドラインでは、以下の編集機能を使うことができます(VT100互換の端末エミュレーターが必要です)。

表 1
コンソールターミナルのキー
機能
← または Ctrl+B 1文字左に移動
→ または Ctrl+F 1文字右に移動
Delete カーソルの上の文字を削除
Ctrl+D カーソルの上の文字を削除またはログアウト
Backspace または Ctrl+H カーソルの左にある文字を削除
Ctrl+A 行頭に移動
Ctrl+E 行末に移動
Ctrl+U コマンド行を消去
Ctrl+K カーソルの上より右の文字をすべて削除
Ctrl+C コマンドの実行を停止しプロンプトに戻る(対応コマンドのみ)
↑ または Ctrl+P コマンド履歴をさかのぼる
↓ または Ctrl+N コマンド履歴を進める
F1 または ? オンラインヘルプを表示
Space 入力途中の文字列の補完および次に入力可能なキーワードの一覧表示
Tab または Ctrl+I Spaceと同様の機能に加えて入力補助情報の表示(対応コマンドのみ)



 

コマンド入力時の注意事項

コマンド入力時には以下に注意してください。

■ 1行で入力できるコマンドの最大文字数はスペースを含めて512文字です。コマンド行が長くなり1行におさまらない場合は、コマンドの省略形を使うか、コマンドを複数行に分けてください(ADDとSETなど)。

■ 「ADD」、「IP」などのキーワード(予約語)は大文字・小文字を区別しないので、どちらで入力してもかまいません。一方、パラメーターとして指定する値の中には、パスワードのように大文字・小文字を区別するものと、ユーザー名のように大文字・小文字を区別しないものがあります。各コマンドの説明でご確認の上入力してください。

■ コマンドは一意に識別できる範囲で省略可能です。例えば、SHOW FILEコマンドは次のように省略して入力できます。


■ コマンドの実行結果は(エラーがなければ)すぐに本製品に反映されますので、再起動などを行う必要はありません。(ENABLE QOS/DISABLE QOSコマンド実行時を除く。)

設定内容は再起動すると消えてしまいますので、再起動後にも同じ設定を使いたいときはCREATE CONFIGコマンドでファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで、保存した設定スクリプトが次回起動時に読み込まれるように設定してください。詳細は「コンフィグレーション」などを参考にしてください。


 

コンソールメッセージ

コマンド入力後、実行結果や構文エラーを知らせるメッセージが表示されることがあります。



 

次に選択可能なキーワードを表示する「スペース」または「Tab」

コマンドの入力途中で「スペース」または「Tab」キーを押すと、次に選択可能なキーワード(コマンド名やパラメーター名、オプション名)の一覧が表示されます。

■ 例えば、コマンドラインの先頭で「Tab」キーを押すと次のように表示されます(「Tab」は表示されません)。


列挙されているのが、コマンドラインの先頭キーワードとして有効な単語の一覧です(表示項目はソフトウェアのバージョンによって異なる可能性があります)。

Note - 表示されるキーワードの中には、サポート対象外のものも含まれる可能性があります。詳細はリリースノートなどでご確認ください。

■ 次に、コマンドラインで上記のキーワード一覧の「SHOW」を入力し、さらに半角スペースを一文字入力した上で再度「Tab」(または「スペース」キー)を押すと、次のように表示されます。

Note - 何らかの文字列を入力した後で「Tab」または「スペース」キーを押すときは、文字列の後ろに半角スペースを入力してから各キーを押す必要があります(半角を入力しなくても2度各キーを押すと自動的に半角スペースが表示されます)。



 

オンラインヘルプ

オンラインヘルプを見るには、HELPコマンドを使います。

■ オプションなしでHELPコマンドを実行すると、ヘルプファイルのトップページが表示されます。



■ トップページの一覧から表示させたいトピックを指定すると、該当項目が表示されます。


ヘルプファイルはファームウェアファイルに組み込まれて配布されています。

■ F1キーを押してもオンラインヘルプを表示できます。例えば、Vキー、(半角スペースを入れないで)F1キーの順に入力すると、バーチャルLANのヘルプが表示されます(「F1」は表示されません)。


 

コマンドライン途中のオンラインヘルプ

コマンドラインの途中で「F1」キーまたは「?」キーを入力すると、そのコマンドのオンラインヘルプを表示します(「F1」は表示されません)。
コマンドが特定できない場合は、Unknown help command. と表示されます。(「?」は表示されません)。


 

端末画面の表示行数

デフォルトの端末設定では、1画面の表示行数が22に設定されています。コマンドの出力結果が22行よりも長い場合は21行ごとに表示が一時停止し、最下行に次のようなメッセージが表示され、キー入力待ち状態になります。


ここでは次のキー操作が可能です。

表 2
Space 次の1ページを表示します。
Enter 次の1行を表示します。
c 残りすべてを一度にスクロール表示します。PINGコマンド、SHOW LOGコマンド、SHOW SWITCH FDBコマンドは、Ctrl+Cでスクロール表示を中止できます。
q 表示を中止し、プロンプトに戻ります。


一度表示された行をさかのぼることはできません。


 

ファームウェアの更新手順

本製品のファームウェアは、拡張子.relを持つイメージファイルとして提供されます。ファームウェアのイメージファイル名は「gs900mv2_vXXX.rel」のような形式となり、XXXはファームウェアバージョンを示します。例えばバージョン2.3.2の場合、ファイル名は「gs900mv2_v232.rel」となります。

ファームウェアのイメージファイルは、フラッシュメモリーにダウンロードし、起動用イメージファイルに指定することで使用します。

ファームウェアの更新作業時には、各種のファイル操作が必要になります。ファイル操作の詳細については、「運用・管理」/「ファイルシステム」をご覧ください。

Note - ファームウェアは本製品内に2個まで保存可能です。すでに2個のファームウェアを保持している場合、新たにファームウェアファイルをダウンロードすることはできません(エラーになります)。あらかじめDELETE FILEコマンドでフラッシュメモリー内のファームウェアファイルのどちらか一方を削除しておいてください。

Note - ファームウェアはフラッシュメモリーにダウンロードしただけでは使用できません。SET INSTALLコマンドで起動時に使用されるファームウェアに指定してから、本製品を再起動してください。

Note - ファームウェアの更新は、ネットワークの実運用中に行わないでください。

■ 起動用ファームウェアの設定は、SHOW INSTALLコマンドで確認できます。



 

FTPによるダウンロード

本製品のFTPサーバー機能を使用してのファームウェアのダウンロード、更新の手順は次のとおりです。以下の説明は次のような仮定で行います。

表 3
本製品(FTPサーバー)のIP アドレス 192.168.1.10
ユーザー名 manager
ログインパスワード friend
FTPクライアントのIP アドレス 192.168.1.20
ダウンロードするファームウェアファイルの保存場所 C:\temp
ダウンロードするファームウェアファイル名 gs900mv2_vxxx.rel


  1. ADD IP IPADDRESSコマンドで、本製品にIPアドレスを割り当てます。(IP設定の詳細については「IP」の章をご覧ください)


  2. FTPクライアントに対してPINGコマンドを実行して、FTPクライアントとの通信が可能なことを確認します。通信ができない場合は、設定を見直して通信可能な状態にします。


  3. SHOW FILEコマンドで、フラッシュメモリーの空き容量を確認します。空き容量とファイルのサイズを比較して、ファイルを格納するのに充分な空きがあることを確認してください。


    Note - フラッシュメモリーの空き容量が足りない場合は、DELETE FILEコマンドで不要なファイルを削除して空きを作ってください。空き容量が足りないと、転送完了後にFTPクライアント側でエラーになります。

  4. FTPクライアント側でftpコマンドを実行して、本製品のFTP サーバーに接続します。


  5. ユーザー名とパスワードを入力して本製品にログインします。FTPサーバーへのログイン時は、ユーザー名の大文字・小文字を区別します(すべて小文字)。


    本製品のCLI画面には次のメッセージが表示されます。


  6. ファームウェアを本製品にダウンロードするために、binコマンドを実行して、FTPの転送モードをバイナリーに変更します。


  7. putコマンドを実行して、ファームウェアをFTPクライアントから本製品にダウンロードします。


  8. ファイルの転送が行われます。


  9. ファイル転送が終了するとフラッシュメモリーへの書き込みを開始します。FTPサーバーのタイムアウト時間は60 秒ですので、FTPクライアントからの応答がない状態が60 秒継続すると、自動的にFTPセッションが切断されます。本製品のCLI画面には次のメッセージが表示されます。


  10. 書き込みが終了すると、本製品のCLI 画面には次のメッセージが表示されます。


    Note - 書き込み終了のメッセージが表示されるまで、絶対に電源を切らないでください。フラッシュメモリーへの書き込み中に電源を切ると、本製品を起動できなくなる可能性があります。

  11. SHOW FILEコマンドで、ファイルが正しくダウンロードされたことを確認します。


  12. SET INSTALLコマンドで、ダウンロードしたファームウェアファイルを起動時に読み込まれるファームウェアに指定します。


  13. RESTARTコマンドで、本製品を再起動します。再起動後は、新しいファームウェアで動作します。


以上でFTPによるファームウェアのダウンロードと更新は完了です。


 

TFTPによるダウンロード

本製品のTFTPクライアント機能使用してのファームウェアのダウンロード、更新の手順は次のとおりです。以下の説明は次のような仮定で行います

表 4
TFTPサーバーのIP アドレス 192.168.1.20
ダウンロードするファームウェアファイル名 gs900mv2_vxxx.rel



  1. ADD IP IPADDRESSコマンドで、本製品にIPアドレスを割り当てます。(IP設定の詳細については「IP」の章をご覧ください)


  2. TFTPサーバーに対してPINGコマンドを実行して、TFTPサーバーとの通信が可能なことを確認します。通信ができない場合は、設定を見直して通信可能な状態にします。


  3. SHOW FILEコマンドで、フラッシュメモリーの空き容量を確認します。空き容量とファイルのサイズを比較して、ファイルを格納するのに充分な空きがあることを確認してください。


    Note - フラッシュメモリーの空き容量が足りない場合は、DELETE FILEコマンドで不要なファイルを削除して空きを作ってください。空き容量が足りないと、転送完了後にLOADコマンドがエラーになります。

  4. LOADコマンドにFIRMWAREオプションを付けて実行し、TFTPサーバーから本製品にファームウェアをダウンロードします。


  5. ファイルの転送が行われます。本製品の画面には次のメッセージが表示されます。


  6. ファイル転送が完了すると次のメッセージが表示されます。

  7. ファイル転送が終了するとフラッシュメモリーへの書き込みを開始します。本製品の画面には次のメッセージが表示されます。


  8. 書き込みが終了すると、次のメッセージが表示されます。


    Note - 書き込み終了のメッセージが表示されるまで、絶対に電源を切らないでください。フラッシュメモリーへの書き込み中に電源を切ると、本製品を起動できなくなる可能性があります。

  9. SHOW FILEコマンドで、ファイルが正しくダウンロードされたことを確認します。


  10. SET INSTALLコマンドで、ダウンロードしたファームウェアファイルを起動時に読み込まれるファームウェアに指定します。


  11. RESTARTコマンドで、本製品を再起動します。再起動後は、新しいファームウェアで動作します。


以上でTFTPによるファームウェアのダウンロードと更新は完了です。




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