[index] CentreCOM IA810M コマンドリファレンス 2.3.2
- 基本設定 - スパニングツリーパラメーターの設定変更
スパニングツリープロトコル(STP)は、スイッチ(ブリッジ)ネットワークにおいて、冗長経路(複数経路)の設定を可能とし、ネットワークの耐障害性を高めるプロトコルです。
ネットワーク上に複数の経路を設定し、障害発生時に迂回路を使えるようにすることは自然な発想ですが、Ethernetではループ状の経路がブロードキャストストームによるネットワーク停止を招くため、そのままでは複数経路の設定自体ができません。
スパニングツリープロトコルを使用すると、ブリッジ同士がメッセージを交換し合うことにより、すべてのブリッジを含むツリー状の論理経路(スパニングツリー)が自立的に構築されます。物理的にループが存在しても、ツリーを構成しないポートは自動的にブロックされるため、パケットがループすることはありません。
また、障害が発生して一部の経路が不通になったときは、ツリーの再計算が行われ、自動的に新しい経路に切り替わる冗長機能も備えています。
Note - STP有効ポートはミラーポートに設定できません
Note - STP有効ポートではポートセキュリティーを使用できません。
Note - STP有効ポートがある場合、BPDU 透過機能は使用できません。
Note - トランクポートをSTP有効にする場合、トランクグループのすべてのポートを指定する必要があります。
Note - ポートトランキング、スパニングツリープロトコル、ループガード、これらすべての機能を同時に使用することはできません。
Note - STP/RSTPとMSTPを同時に有効化することはできません。
基本設定 |
ENABLE STP ↓
DISABLE STP ↓
SET STP RSTPTYPE=STPCOMPATIBLE ↓
SET STP RSTPTYPE=NORMAL ↓
SHOW STP PORTCONFIG ↓
SHOW STP PORTSTATE ↓
SHOW STP ↓
スパニングツリーパラメーターの設定変更 |
FORWARDDELAY | ルートブリッジのポートがフォワーディング状態に遷移するまでの時間を調整するためのパラメーター。ディスカーディングからラーニング、ラーニングからフォワーディング状態に遷移するまでの最大時間(秒)を示す。有効範囲は4〜30秒。デフォルトは15秒。 |
HELLOTIME | ハロータイム。ルートブリッジがBPDU(Bridge Protocol Data Unit)を送信する間隔(秒)。有効範囲は1〜10秒。デフォルトは2秒。 |
MAXAGE | 最大エージタイム。ルートブリッジからBPDUが届かなくなったことを認識するまでの時間(秒)。この時間内にBPDUを受信できなかった場合、STPD内の各ブリッジはスパニングツリーの再構成を開始する。2×(HELLOTIME + 1)以上、かつ、2×(FORWARDDELAY - 1)以下でなくてはならない。有効範囲は6〜40秒。デフォルトは20秒。 |
PRIORITY | ブリッジプライオリティー。小さいほど優先度が高く、ルートブリッジになる可能性が高くなる。4096の倍数で指定する(4096の倍数でない値を指定したときは、指定値より小さい直近の倍数に変換される)。有効範囲は0〜65535。デフォルトは32768。 |
RSTPTYPE | Rapid STPの動作モード。NORMAL(RSTP BPDUを使う)、STPCOMPATIBLE(RSTPの設定を使用するがSTPのBPDUを使う)から選択する。デフォルトはNORMAL。 |
SET STP DEFAULT ↓
PATHCOST | パスコスト。該当ポートを通過する際のコストを示すもので、一般的にはポートの通信速度に応じて設定する。有効範囲は1〜200000000。通信速度ごとのデフォルト値と推奨範囲は別表を参照のこと。 |
PORTPRIORITY | ポートプライオリティー。小さいほど優先度が高く、ルートポートになる可能性が高くなる。16の倍数で指定する(16の倍数でない値を指定したときは、指定値より小さい直近の倍数に変換される)。有効範囲は0〜240。デフォルトは128。 |
EDGEPORT | 該当ポートがエッジポートかどうかを指定する。エッジポートとは、他のブリッジが存在しない末端(エッジ)のLANに接続されているポートのこと。ただし、EDGEPORT=YESを指定した場合でも、同ポートでRSTP BPDUを受信した場合はエッジポートとしては扱われなくなる。デフォルトはNO。 |
PTP | 該当ポートが他のブリッジとポイントツーポイントで接続されているかどうかを指定する。AUTOを指定した場合は、本製品が自動判別する。デフォルトはAUTO。 |
10Mbps | 200000〜2000000 | 2000000 |
100Mbps | 20000〜200000 | 200000 |
SET STP PORT=1 EDGEPORT=YES ↓
DISABLE STP PORT=2 ↓
ENABLE STP PORT=2 ↓
PURGE STP ↓
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