[index] CentreCOM IA810M コマンドリファレンス 2.3.2
- MSTインスタンス - MSTリージョン - CIST - 基本設定 - マルチプルスパニングツリープロトコルの基本設定 - パラメーターの設定変更 - マルチプルスパニングツリープロトコルの設定
マルチプルスパニングツリープロトコル(MSTP)は、複数のVLANをまとめたMSTインスタンスごとにスパニングツリーを作成して管理します。VLANごとに1つのツリーを作成するのに比べて、VLAN数の増加によるCPUやネットワークの負荷の増加を抑えることができます。
またネットワーク構成を、MSTリージョンと呼ばれる、複数の装置のまとまりとして分割して設計することができます。
Note - 本製品のマルチプルスパニングツリープロトコルは、IEEE802.1s Standardに準拠しております。IEEE802.1s ドラフトバージョンに準拠した装置とは接続できません。
MSTインスタンス |
Note - MSTインスタンスに割り当てられていないVLANのポートから送出されるBPDUには、MSTインスタンスの情報が追加されていません。
MSTリージョン |
CIST |
Note - マルチプルスパニングツリープロトコル(MSTP)は、スパニングツリープロトコル(STP)およびラピッドスパニングツリープロトコル(RSTP)と互換性があります。マルチプルスパニングツリーが有効な装置のポートで、STP BPDUを受信した場合は、STP BPDUを送信します。RSTP BPDUを受信した場合は、ラピッドスパニングツリープロトコルでは、MSTP BPDUを処理することができるため、MSTP BPDUを送信します。
基本設定 |
マルチプルスパニングツリープロトコルの基本設定 |
ENABLE MSTP ↓
CREATE MSTP MSTI=1 ↓
ADD MSTP MSTI=1 VLAN=10 ↓
SET MSTP CONFIGNAME=Group1 REVISIONLEVEL=100 ↓
DISABLE MSTP ↓
DESTROY MSTP MSTI=1 ↓
DELETE MSTP MSTI=1 VLAN=10 ↓
SHOW MSTP ↓
SHOW MSTP PORTCONFIG ↓
SHOW MSTP PORTSTATE ↓
SHOW MSTP MSTISTATE ↓
SHOW MSTP VLANASSOC ↓
SHOW MSTP CIST ↓
パラメーターの設定変更 |
マルチプルスパニングツリープロトコルの設定 |
CONFIGNAME | MSTリージョン名。同一リージョンに所属させたい装置には、同じ名前を指定する。デフォルトは製品のMACアドレス(xx-xx-xx-xx-xx-xxの型式)。 |
REVISIONLEVEL | MSTリージョン設定のリビジョン。同一リージョンに所属させたい装置には、同じ数値を指定する。デフォルトは0。 |
MAXHOPS | 最大ホップ数。BPDUがMSTPブリッジを抜けるごとにカウントダウンされるされる、BPDUの寿命カウンター。デフォルトは20。 |
MAXAGE | 最大エージタイム。ルートブリッジからBPDUが届かなくなったことを認識するまでの時間(秒)。この時間内にBPDUを受信できなかった場合、各ブリッジはスパニングツリーの再構成を開始する。2×(HELLOTIME + 1)以上、かつ、2× (FORWARDDELAY - 1) 以下でなくてはならない。デフォルトは20秒。 |
HELLOTIME | ハロータイム。ルートブリッジがBPDU(Bridge Protocol Data Unit)を送信する間隔(秒)。デフォルトは2秒。 |
FORWARDDELAY | フォワードディレイタイム。ネットワーク構成の変更後に、ルートブリッジ内のポートがディスカーディングからラーニング、ラーニングからフォワーディング状態に遷移するまでの最大時間(秒)を示す。デフォルトは15秒。 |
PROTOCOLVERSION | MSTPの動作モード。MSTP(MSTP BPDUを使う)、STPCOMPATIBLE(MSTPの設定を使用するが、STP BPDUを使う)から選択する。デフォルトはMSTP。 |
MSTIID | 設定するMSTインスタンスのID。 |
PRIORITY | 該当MSTインスタンスにおけるブリッジプライオリティー。小さいほど優先度が高く、MSTインスタンス内のルートブリッジ(リージョナルルート)になる可能性が高くなる。設定できる値の範囲は0〜65535だが、実際に使用される値は4096の倍数に丸められる(指定値が4096の倍数でない場合、指定値よりも小さい直近の倍数が使われる)。デフォルトは32768。 |
PRIORITY | CISTにおけるブリッジプライオリティー。小さいほど優先度が高く、ネットワーク全体のルートブリッジ(CISTルート)になる可能性が高くなる。設定できる値の範囲は0〜65535だが、実際に使用される値は4096の倍数に丸められる(指定値が4096の倍数でない場合、指定値よりも小さい直近の倍数が使われる)。デフォルトは32768。 |
PORT | ポート番号。複数指定が可能。ALLを指定した場合はすべてのポートが対象となる。 |
PRIORITY | CIST内のトポロジー形成で使用されるポートプライオリティー。小さいほど優先度が高く、ルートポートになる可能性が高くなる。設定できる値の範囲は0〜255だが、実際に使用される値は16の倍数に丸められる(指定値が16の倍数でない場合、指定値よりも小さい直近の倍数が使われる)。デフォルトは128。 |
INTPATHCOST | CISTリージョナルルート(MSTリージョン内におけるCISTツリーのルートブリッジ)までのパスに対するポート通過コスト。有効範囲は1〜200000000。デフォルトでは、ポートの通信速度に応じた既定値が使われる(別表を参照)。なお、一度値を設定した後でデフォルト状態に戻すときはキーワードDEFAULTを指定する |
EXTPATHCOST | CISTルートブリッジが所属するリージョンまでのパスに対するポート通過コスト。有効範囲は1〜200000000。デフォルトでは、ポートの通信速度に応じた既定値が使われる(別表を参照)。なお、一度値を設定した後でデフォルト状態に戻すときはキーワードDEFAULTを指定する |
EDGEPORT | 該当ポートがエッジポートかどうかを指定する。エッジポートとは、他のブリッジが存在しない末端(エッジ)のLANに接続されているポートのこと。ただし、EDGEPORT=YESを指定した場合でも、同ポートでMSTP BPDUを受信した場合はエッジポートとしては扱われなくなる。デフォルトはNO。 |
POINTTOPOINT | 該当ポートが他のブリッジとポイントツーポイントで接続されているかどうかを指定する。AUTOを指定した場合は、本製品が自動判別する。デフォルトはAUTO。 |
MIGRATIONCHECK | 該当ポートでSTP BPDUを受信しSTANDARDモードに変更された場合、MSTPモードに戻すために使用する。YES指定によってMSTPモードへ戻すことが可能。MIGRATIONCHECKの設定は、設定ファイルに保存されない。 |
通信速度 | 推奨範囲 |
10Mbps | 200000〜2000000 |
100Mbps | 20000〜200000 |
TrunkPort(10/100Mbps) | -(なし) |
PURGE MSTP ↓
Note - ランタイムメモリー上にあるマルチプルスパニングツリープロトコル関連の設定がすべて削除されるため、運用中のシステムで本コマンドを実行するときは十分に注意してください。
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PN: 613-001583 Rev.A