[index] CentreCOM x510シリーズ・AT-IX5-28GPX コマンドリファレンス 5.4.4

アライドテレシスマネージメントフレームワーク(AMF) / 応用


他ノードのファイル操作
ユーザー追加とパスワード変更
ネットワーク構成について
マスターの二重化
リング構成での考慮事項
AMFネットワークの分割(メンバー数がサポート上限を超える場合)
AMF仮想リンクによるワイドエリアAMFネットワーク
リモートログイン
AMF自動検出メカニズム
AMFクリーン化手順
新規ノード追加手順(自動検出+CLI設定)
新規ノード追加手順(自動検出+事前作成コンフィグ転送)
オートリカバリー失敗時の手動リカバリー
AT-DC2552XS/x510/x610のスタックポートをAMF接続ポートとして使用している場合の手動リカバリー
AMF仮想リンクを使用しているノードの手動リカバリー


ここでは、応用編と題し、AMFの高度な利用法を紹介します。

Note - 応用編では、手順説明に重点を置くため、ワーキングセットプロンプト移行時の対象ノード一覧表示など、コマンド実行時に表示されるメッセージを必要に応じて省略しています。あらかじめご了承ください。

他ノードのファイル操作

AMFネットワークでは、以下のコマンドを使用して他のAMFノードのファイルシステムを操作できます。

他のAMFノードのファイルを指定するときは、通常のローカルファイルパスの代わりに、次の形式を使用してください。前述のコマンドにおいてローカルファイルパスを指定できる箇所なら、どこでもこの形式を使用できます。


ここで、<NODENAME>はAMFノードのノード名を、<ABSOLUTEPATH>は該当メンバーのファイルシステムにおける絶対パス(デバイス名を含む完全なパス)を表します。

たとえば、AMFノード「FSW241」上のファイルflash:/sample.cfgは次のように表します。


次のようにすることで、このファイルをマスター(SBx81)にコピーすることが可能です。

SBx81# copy ESW231.atmf/flash:/sample.cfg flash:/
Enter destination file name[sample.cfg]: 
Copying.
Successful operation


その他の動作や表示内容は、通常のファイル操作と同じです。
ファイル操作の詳細は、「運用・管理」/「ファイル操作」をご覧ください。

ユーザー追加とパスワード変更

ワーキングセット機能を利用するには、マスターとメンバーでCLIログイン用のユーザー名とパスワードを統一しておく必要があるため、ユーザーの追加やパスワードの変更は次のように全ノードを対象とするワーキングセットプロンプトから行うのがよいでしょう。

■ 新規管理者ユーザーの追加は次の手順で行います。
  1. すべてのノードを対象とするワーキングセットプロンプトに移行します。

    SBx81# atmf working-set group all
    


  2. 全ノード一括で新規管理者ユーザーを追加します。

    AMF001[4]# configure terminal
    AMF001[4](config)# username supervisor privilege 15 password YYYYYYYY
    AMF001[4](config)# end
    


  3. 全ノード一括で設定を保存します。

    AMF001[4]# write
    


  4. マスターのCLIからいったんログアウトし、新しく追加した管理者ユーザーのユーザー名とパスワードでログインしなおします。
    これ以降、ワーキングセット機能では、新しいユーザー名とパスワードで各ノードへの操作が行われます。

    AMF001[4]# exit
    
    SBx81 login: supervisor 
    Password: YYYYYYYY ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    SBx81> 
    


■ 既存管理者ユーザーのパスワード変更は次の手順で行います。
  1. すべてのノードを対象とするワーキングセットプロンプトに移行します。

    SBx81# atmf working-set group all
    


  2. 全ノード一括で既存管理者ユーザーのパスワードを変更します。

    AMF001[4]# configure terminal
    AMF001[4](config)# username manager password XXXXXXXX
    AMF001[4](config)# end
    

    Note - パスワードを変更しても、マスターのCLIからログアウトするまで、現行のワーキングセットセッションは有効です。

  3. 全ノード一括で設定を保存します。

    AMF001[4]# write
    


  4. マスターのCLIからいったんログアウトし、新しいパスワードでログインしなおします。
    これ以降、ワーキングセット機能では、新しいパスワードで各ノードへの操作が行われます。

    AMF001[4]# exit
    
    SBx81 login: manager 
    Password: XXXXXXXX ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    SBx81> 
    


ネットワーク構成について

マスターの二重化

AMFネットワークは、管理機能を実現するためのコントロールプレーンだけを提供しており、ユーザートラフィック用のネットワーク(データプレーン)とは独立しているため、仮にマスターが停止しても、ワーキングセットやバックアップ、オートリカバリーなどAMFの管理機能が使えなくなるだけで、マスター以外のデータプレーンには影響が及びません。
また、コンソールターミナル、Telnet、SSH、SNMPなどの従来からある管理機能は、AMFネットワークの動作状態と関係なく使用できるため、AMFマスター不在によりメンバーの管理ができなくなることもありません。

マスターを復旧させればAMFの管理機能も再び使えるようになるため、AMFの観点からは必須ではありませんが、マスターを2台配置して二重化することも可能です。

マスターを二重化するメリットは次のとおりです。

Note - マスターを2台使用する場合は、同一の機種およびAMFマスターライセンスをご用意ください。異なる機種・ライセンスを混在させた構成はサポート対象外です。ただし、マスターとしてSwitchBlade x8100を2台使う場合は、片方のコントロールファブリックカードがAT-SBx81CFC400、もう一方がAT-SBx81CFC960の構成でもかまいません。ただしその場合も、AMFマスターライセンスのサポートメンバー数は同じものをご使用ください。

■ 1つのAMFネットワークにマスターを2台配置したいときは、マスター同士を接続するポートを通常のAMFリンク(switchport atmf-link)ではなく、AMFクロスリンク(switchport atmf-crosslink)に設定してください。

たとえば、SBx81aとSBx81bをそれぞれポート1.1.1で接続する場合は、次のように設定します。

SBx81a(config)# interface port1.1.1
SBx81a(config-if)# switchport atmf-crosslink

SBx81b(config)# interface port1.1.1
SBx81b(config-if)# switchport atmf-crosslink


■ 次図は、ユーザートラフィック用のネットワーク(データプレーン)においてVRRPを用いた構成例です。


■ ワーキングセット機能において、マスターは予約済みグループmasterの所属となります。
2台のマスターにコマンドを同時発行したいときは、group masterを指定してワーキングセットプロンプトに入ると便利です。

SBx81a# atmf working-set group master
===============
SBx81a, SBx81b:
===============

Working set join


AMF001[2]# 


■ オートリカバリー中のAMFノードは、AMFネットワーク上のすべてのマスターに対して、自ノード用のバックアップデータがないかを問い合わせ、新しいほうのデータを使ってリカバリーを実行します。atmf recoverコマンドによる手動リカバリー時も、MASTER_NODENAMEパラメーターを指定しない場合は同じ動作です。MASTER_NODENAMEパラメーターでどちらかのマスターを指定した場合は、指定したマスターが持つバックアップデータを使ってリカバリーします。

リング構成での考慮事項

次のようなリング構成では、AMFネットワークの階層レベル(show atmf nodesコマンドで表示されるNode Depth)が深くなります。


Node Depthには「最大8」のサポートリミット(導入編の「導入にあたり」を参照)などがあるため、リング構成では、次図のようにリングを構成する各ノードを通常のAMFリンク(switchport atmf-link)ではなくAMFクロスリンク(switchport atmf-crosslink)で接続することをおすすめします。

これにより、リングを構成するノードはすべて同一階層となり、AMFネットワーク全体の階層レベルが浅くなります。

なお、同じリング構成でも、次図のようなロングディスタンスVCS(LD-VCS)構成の場合は、リング全体が1台のAMFノードとして扱われるため、AMFクロスリンクを使う必要はありません。


AMFネットワークの分割(メンバー数がサポート上限を超える場合)

1つのAMFネットワーク(マスター1〜2台)に接続できるメンバーは最大40/82/124台です(上限はマスターの機種とライセンスによって異なります。詳細は導入編を参照)。
メンバー数がご使用中のライセンスのサポート上限を超える場合は、次の図(40メンバーライセンスの例)のようにAMFネットワークを分割し(異なるAMFネットワーク名を設定し)、それぞれのマスターを非AMF接続ポートで接続してください。

異なるAMFネットワークに所属するマスター間の連携はありません。この例では、AMFネットワーク1 に所属するメンバーの操作は AMFマスター1 のCLIから行い、AMFネットワーク2に所属するメンバーの操作は AMFマスター2 のCLIから行う形になります。

なお、ユーザートラフィック用のネットワーク(データプレーン)上でVRRPを使用することにより、次のような構成も可能です。


AMF仮想リンクによるワイドエリアAMFネットワーク

WAN経由で接続されている拠点をAMFネットワークに参加させる場合は、AMF仮想リンク(atmf virtual-link)というAMF専用のトンネリング機能を使用します。


AMF仮想リンクを設定することにより、データプレーン(運用ネットワーク)のIPv4ネットワーク経由でAMF対応スイッチ同士を接続し、AMFパケットの送受信を行わせることができます。AMF仮想リンクでは、AMFパケットをIPパケットに載せて運ぶため、IPによる通信が可能であれば、AMF対応スイッチ間にルーターなどのAMF非対応機器が介在していてもAMFネットワーク上は2台が直結されているかのように扱うことができます。

Note - 仮想リンクでAMFネットワークと接続しているノードでは、AMFネットワークへの接続にIPの基本設定と仮想リンクの設定が必要なため、オートリカバリーが動作しません。仮想リンクで接続しているノードを交換するときは、「AMF仮想リンクを使用しているノードの手動リカバリー」を参照して、手動でリカバリーを実施してください。なお、前図におけるBR101配下のノードは、HQ001・BR101間の仮想リンクが確立している状態であれば、通常通りオートリカバリーが可能です。

■ 前図における本社側のAMFノード HQ001(10.1.1.1)と、支社側のAMFノード BR101(10.10.10.1)の間にAMF仮想リンクを設定するには、次の手順にしたがいます。
ここでは、本社側のHQ001はすでにAMFの基本設定が行われており、運用中であると仮定しています。一方、支社側のBR101は通常動作については運用中ですが、AMFは未設定と仮定します。


以上で仮想リンクの設定は完了です。これ以降、支社側のノード BR101は、AMFネットワークAMF001上において、本社側のAMFノードと同様に扱うことができます。さらに、BR101 配下のノードに対しても、通常のAMF設定を行うことでAMFネットワークAMF001に参加させることが可能です。

■ AMF仮想リンクでは、データプレーン(運用ネットワーク)上にAMFのコントロールプレーン(管理ネットワーク)を配置する形となるため、データプレーンのトラフィックがAMFの接続性に影響を与える可能性があります。

この影響を最小限にするため、AMF仮想リンクを使用するノード(仮想リンクの両端ノード)では、次のようなQoS設定を行い、対向ノードからのパケットを優先的に処理するよう設定することを推奨します。

また、AMF仮想リンクの経路上にある機器(ルーターなど)においても、必要に応じて優先制御等の設定を行ってください。

Note - 以下のコンフィグはAMF仮想リンク使用時に推奨されるQoS設定の大枠を示すためのものです。実際の環境や機器にあわせて、適宜パラメーターの変更等を実施してください。また、すでにQoSの設定を行っている場合は、既存のポリシーマップに下記の設定内容を適宜追加してください。

Note - QoS設定の詳細については、「トラフィック制御」/「Quality of Service」をご覧ください。


■ AMF仮想リンクのトンネリングパケットには下記のUDPパケットが使われます。


前項のQoS設定ではパケットの識別条件としてIPアドレスだけを使用していますが、上記UDPポートを条件に追加することで、純粋に仮想リンクのトンネリングパケットだけを優先処理の対象にすることも可能です。

先ほどのQoS設定例にUDPポート指定を追加した場合、アクセスリストの設定は次のようになります(赤字は変更または追加箇所です)。
ここでは、どちらのノードもIDとして1を使用しているため、UDPポート番号は始点・終点とも5001になっています。


■ AMF仮想リンクの経路上にある中継機器(ルーターなど)でパケットフィルタリングを行っている場合、AMF仮想リンクパケットだけを透過させるには、トンネル両端ノードのIPアドレスと前述のUDPポートを条件として、中継機器に許可設定を行ってください。

たとえば、次のような仮想リンクを設定している場合、

site11(config)# atmf virtual-link id 11 ip 192.168.10.1 remote-id 12 remote-ip 192.168.10.2

site12(config)# atmf virtual-link id 12 ip 192.168.10.2 remote-id 11 remote-ip 192.168.10.1


仮想リンクのトンネリングパケットは次の条件で識別できますので、中継機器に対して下記のパケットを許可する設定を行ってください。

Note - パケットフィルタリングの具体的な設定方法については、中継機器のマニュアル等でご確認ください。

リモートログイン

AMFリモートログイン(atmf remote-loginコマンド)は、指定したAMFノードのコンソールにリモートアクセスする機能です。単一ノードを対象とするワーキングセットプロンプトでもほぼ同じことができるため、補助的な位置付けであり、通常あまり使う必要がありませんが、ワーキングセットプロンプトとは異なり任意のユーザー名、パスワードでログインでき、またconsoleログが出力されるため、ご購入時状態の新規スイッチに初期設定を行うときや、オートリカバリーに失敗したノードを手動でリカバリーするときは、リモートログイン機能を使います。

AMFリモートログインは、TelnetやSSHによるリモートログインと似ていますが、ログイン先をノード名で指定できること、AMFネットワーク経由での通信になること、通常コンソールターミナルにだけ出力されるconsoleログが表示されること、などの相違点があります。文字どおり、指定したノードのコンソールターミナルにリモートからアクセスするイメージです。

■ 他のAMFノードのコンソールにリモートログインするには、マスターのCLIからatmf remote-loginコマンドを実行します。ユーザー名を指定しない場合は、マスターのCLIにログインしたときのユーザー名とパスワードを使うため、マスターと該当ノードのユーザー情報が一致していないとエラーになります。

SBx81# atmf remote-login FSW241
Type 'exit' to return to SBx81.

AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx

FSW241> 


■ マスターとログイン先ノードでユーザー情報が異なる場合は、userパラメーターでログイン先のユーザー名を指定してください。ユーザー名を指定した場合は必要に応じてパスワードプロンプトが表示されるので、ログイン先のパスワードを入力できます。
これは、運用状態のマスター(managerパスワードを変更している可能性が高い)から、AMFネットワークに接続したばかりの新規ノード(managerパスワードが初期値のfriend)にログインする場合に便利です。

SBx81# atmf remote-login user manager host_001a_eb54_e0c5
Type 'exit' to return to SBx81.
manager@172.31.0.5's password: friend ↓(実際には表示されません)

AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx

awplus> 


AMF自動検出メカニズム

ご購入時状態(正確にはAMFクリーン状態)のAMF対応スイッチでは、起動時にAMFネットワークを検出して自動的に参加する仕組みが働きます。これをAMF自動検出メカニズムと呼びます。

クリーン状態のAMF対応スイッチにおける、AMF自動検出メカニズムの動作は次のとおりです。
  1. クリーン状態のスイッチが起動時にAMFパケットを受信すると、そのポートでAMFを有効化します(対向ポートがAMFリンクなら該当ポートをAMFリンクに、対向ポートがAMFクロスリンクなら該当ポートをAMFクロスリンクに自動設定します)。また、受信したAMFパケットに含まれるAMFネットワークを所属先として設定します。
    さらに、既存AMFネットワークにおいて、マネージメントVLAN、ドメインVLANのVLAN IDやマネージメントサブネットが初期値から変更されている場合は、これらの設定も自動的に行います。

    19:29:49 awplus ATMF[829]: ATMF network detected
    


  2. ネットワークループなどを防ぐため、セーフコンフィグと呼ばれる特殊なランニングコンフィグを適用します。

    19:29:49 awplus ATMF[829]: ATMF safe config applied (forwarding disabled)
    19:29:59 awplus ATMF[829]: Shutting down all non ATMF ports
    

    セーフコンフィグの具体的な内容は次のとおりです。


  3. オートリカバリー(運用編を参照)が可能かどうかを判断します。
    可能と判断した場合は、オートリカバリーを実行し、復元されたノード名でAMFネットワークに復帰します。
    (マスターからバックアップデータを取得し、内蔵フラッシュメモリーの内容を復元してから自動的に再起動します)

    16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Automatic node recovery started
    16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Attempting to recover as ESW231
    16:52:16 ESW231 ATMF[839]: Checking master node availability
        :
        :
    16:52:27 ESW231 ATMFFSR[3375]: Retrieving recovery data from master node SBx81
    16:54:27 ESW231 ATMFFSR[3375]: File recovery from master node succeeded. Node will now reboot
    


  4. オートリカバリーが不可能と判断した場合は、セーフコンフィグが適用された状態のままAMFネットワークに参加します。

    12:10:16 awplus ATMF[837]: No identity found for this device so automatic node recovery is not possible
    

    この場合は、ホスト名が初期値awplusのままなので、MACアドレスを元にした「host_xxxx_xxxx_xxxx」形式のノード名が暫定的に自動設定されます。

    オートリカバリーせずにAMFネットワークに自動参加した場合のランニングコンフィグから要点を抜粋します。

    !
    ! 受信したAMFパケットに含まれるネットワーク名を自動設定
    !
    atmf network-name VCF001
    !
    ! 転送を行わないセーフVLANを自動作成
    !
    vlan database
     vlan 4090 name atmf_node_recovery_safe_vlan
     vlan 4090 state disable
    !
    ! AMFパケットを受信したポートは、対向ポートにあわせて
    ! AMFリンクかAMFクロスリンクに自動設定される(本例ではAMFリンク)。
    ! VLAN設定は「セーフVLANのみ所属のタグ付きポート」だが、
    ! AMFリンクの設定があるためAMFパケットの送受信は行われる
    !
    interface port1.0.1
     switchport
     switchport atmf-link
     switchport mode trunk
     switchport trunk allowed vlan add 4090
     switchport trunk native vlan none
    !
    ! その他のポートはすべてerr-disabled(AMFによるシャットダウン状態)になる
    ! VLAN設定は「セーフVLANのみ所属のタグ付きポート」
    !
    interface port1.0.2-1.0.50
     switchport
     switchport mode trunk
     switchport trunk allowed vlan add 4090
     switchport trunk native vlan none
    


Note - AMF自動検出メカニズムによってAMFネットワークに参加した新規ノードは、ワーキングセットやリモートログイン、リブートローリングなどの諸機能を利用できますが、自動バックアップの対象にはなりません。いったん設定を保存して再起動すると、それ以降はバックアップされるようになります。

AMFクリーン化手順

AMFの運用中にメンバーの機器交換を行った場合、交換後の機器を交換前の機器と同じ状態に戻すオートリカバリー処理が実行されます。
ただし、オートリカバリーが機能するためには、交換後の機器が「AMFクリーン状態」でなくてはなりません。
(より正確には、オートリカバリーの前提条件であるAMF自動検出メカニズムが働くために必要な状態を「AMFクリーン」と呼びます)

AMFクリーン状態とは、以下の条件をすべて満たしている状態をいいます。
ご購入時のAMF対応スイッチはクリーン状態です。

Note - ファームウェアイメージファイルはいくつ存在していてもかまいません。ただし、オートリカバリー時には、内蔵フラッシュメモリー上のファームウェアイメージファイルがいったんすべて削除され、バックアップデータに含まれるファームウェアイメージファイルだけが復元されますのでご注意ください。

使用済みの機器をAMFクリーン状態に戻すには、次の手順を実行してください。
  1. 機器を単体構成(非VCS構成)で起動してください。
    また、SwitchBlade x8100の場合は、単体構成かつコントロールファブリックカード(CFC)を1枚だけ装着した状態で実行してください。
    Note - SwitchBlade x908は、必ずポート拡張モジュール(AT-XEM-1XP、AT-XEM-2XP、AT-XEM-2XS、AT-XEM-2XT、AT-XEM-12S/12Sv2、AT-XEM-12T/12Tv2、AT-XEM-24T)を1つ以上装着した状態で使用してください。拡張モジュールを1つも装着していない状態で起動したり、運用中にすべての拡張モジュールを取り外したりしないでください。

  2. atmf cleanupコマンドを実行します。
    確認のプロンプトが出ますので、「y」を入力して再起動してください。

    awplus# atmf cleanup
    This command will erase all NVS, all flash contents except for
    the boot release, and any license files, and then reboot the switch.
    Proceed ? (y/n): y 
    


  3. これでクリーン化作業は完了です。

Note - フラッシュメモリー、USBメモリー、SD/SDHCカード内に存在するファイル、ディレクトリーの情報は、dirコマンドで確認できます。

Note - 起動時コンフィグとバックアップ用コンフィグ、バックアップ用ファームウェアの設定状態は、show bootコマンドで確認できます。

新規ノード追加手順(自動検出+CLI設定)

稼働中のAMFネットワークに機器を追加する方法には、運用編で説明したように、AMFネットワーク名やノード名などの初期設定をすませてから既存のAMFノードと接続し、以後マスターのCLIから設定を行う方法が基本ですが、ご購入時状態のAMF対応スイッチがAMFネットワークに自動参加する機能を利用して、最初からマスターのCLIで設定を行う方法もあります。

ここでは後者の例を示します。

想定するネットワーク環境は運用編と同じです。すなわち、下記AMFネットワークに、新しいフロアスイッチFSW243をメンバーとして追加する場合を例として説明します。

機種
ノード名
AMFにおける役割
所属グループ
概要
SwitchBlade x8100 SBx81 マスター - コアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW241 メンバー floor, 1F フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW242 メンバー floor, 2F フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW243 メンバー floor, 3F フロアスイッチ(新規追加)
AT-x510-52GTX ESW231 メンバー edge, 2F エッジスイッチ



追加するスイッチ(新規ノード)はご購入時の状態であると仮定します。
もしそうでない場合は、「AMFクリーン化手順」を参照し、新規ノードをAMFクリーン状態に戻してから下記の手順を実施してください。

接続先ノードの設定変更

新規ノードを接続する既存のAMFノード(接続先ノード)にAMFリンクを追加設定する方法は、運用編で紹介した基本手順と同じですので、運用編をご覧ください。

新規ノードの接続と初期設定

接続先ノードの設定変更が済んだら、新規ノードを起動して、接続先ノードと接続します。
  1. 新規ノードを起動します。

  2. 接続先ノードであるマスターのポート1.1.3と、新規ノードのポート1.0.1を接続します。

    すると、マスターのコンソールに、新規ノードがJoin(AMFネットワークに参加)したことを示すメッセージが出力されます。

    21:09:23 SBx81 ATMF[1946]: host_eccd_6d82_6b3d has joined. 5 members in total.
    

    新規ノードはノード名が未設定のため、MACアドレスを元にした「host_eccd_6d82_6b3d」という名前で動作していることがわかります。

  3. マスターのCLIから、show atmf nodesコマンドでノード情報を確認します。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      host_eccd_6d82_6b3d  x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 5
    


  4. AMFリモートログイン機能(atmf remote-loginコマンド)を使って新規ノードにログインします。
    このとき、userパラメーターで初期設定の管理者ユーザー名であるmanagerを指定してください。こうすることにより、マスター側でmanagerのパスワードを変更していても、新規ノードにログインできます。

    SBx81# atmf remote-login user manager host_eccd_6d82_6b3d
    Type 'exit' to return to SBx81.
    manager@172.31.0.5's password: friend ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    awplus> 
    


  5. hostnameコマンドでノード名を「FSW243」に設定します。
    ノード名の変更にともない、新規ノードはいったんAMFネットワークから離脱するため、リモートログインセッションが切断され、マスターのローカルプロンプトに戻ります。

    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# hostname FSW243
    21:18:27 SBx81 ATMF[1946]: host_eccd_6d82_6b3d has left. 4 members in total.
    SBx81# 
    


  6. 新しいノード名で再度ログインします。

    SBx81# atmf remote-login user manager FSW243
    Type 'exit' to return to SBx81.
    manager@172.31.0.5's password: friend ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    FSW243> 
    


  7. ご購入時状態のスイッチがAMF自動検出メカニズムによってAMFネットワークに参加し、オートリカバリーが行われなかった場合、該当スイッチにはループ防止用の特殊なコンフィグ(セーフコンフィグ)がランニングコンフィグとして適用された状態になりますので、最初にこれを削除します。

    FSW243(config)# vlan database
    FSW243(config-vlan)# no vlan 4090
    FSW243(config-vlan)# exit
    FSW243(config)# interface port1.0.2-1.0.50
    FSW243(config-if)# no shutdown
    FSW243(config-if)# switchport mode access
    FSW243(config-if)# exit
    FSW243(config)# 
    


  8. 運用に必要な設定を追加します(以下は一例です)。

    FSW243(config)# atmf group floor,3F
    FSW243(config)# interface vlan1
    FSW243(config-if)# ip address 192.168.1.243/24
    FSW243(config-if)# exit
        :
        :
    (以下省略)
        :
        :
    FSW243(config)# end
    


  9. AMF自動検出メカニズムによってAMFネットワークに参加したノードは、リモートログイン、ワーキングセット、リブートローリングによる操作は可能ですが、自動バックアップの対象にはなりません。
    AMF自動検出メカニズムで追加したノードに必要な設定を終えたら、設定を保存して再起動してください。再起動後から自動バックアップされるようになります。
    なお、再起動にともない新スイッチがAMFネットワークから脱退するため、リモートログインセッションが切断され、マスターのローカルプロンプトに戻ります。

    FSW243# write memory
    [OK]
    FSW243# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    21:21:41 SBx81 ATMF[1946]: FSW243 has left. 4 members in total.
    SBx81# 
    


  10. 再起動が完了したら、状態を確認します。

    21:23:15 SBx81 ATMF[1946]: FSW243 has joined. 5 members in total.
    
    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW243               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 5
    

    FSW243がAMFネットワークに参加していることを確認できます。
    これ以降、マスターのCLIから、ワーキングセット機能を用いて新規ノードFSW243の設定や状態監視が可能です。

新規ノード追加手順(自動検出+事前作成コンフィグ転送)

稼働中のAMFネットワークに機器を追加する場合に、ご購入時状態のAMF対応スイッチがAMFネットワークに自動参加する機能を利用して、マスターのCLIから新規スイッチにリモートログインし、事前に用意しておいたコンフィグファイルとファームウェアを転送してから再起動することで、新規ノードを運用状態に持って行く方法を紹介します。

想定するネットワーク環境は前の例と同じです。すなわち、下記AMFネットワークに、新しいフロアスイッチFSW243をメンバーとして追加する場合を例として説明します。

機種
ノード名
AMFにおける役割
所属グループ
概要
SwitchBlade x8100 SBx81 マスター - コアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW241 メンバー floor, 1F フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW242 メンバー floor, 2F フロアスイッチ
AT-x510-28GTX FSW243 メンバー floor, 3F フロアスイッチ(新規追加)
AT-x510-52GTX ESW231 メンバー edge, 2F エッジスイッチ



追加するスイッチ(新規ノード)はご購入時の状態であると仮定します。
もしそうでない場合は、「AMFクリーン化手順」を参照し、新規ノードをAMFクリーン状態に戻してから下記の手順を実施してください。

接続先ノードの設定変更

新規ノードを接続する既存のAMFノード(接続先ノード)にAMFリンクを追加設定する方法は、運用編で紹介した基本手順と同じですので、運用編をご覧ください。

新規ノードの接続と初期設定

接続先ノードの設定変更が済んだら、新規ノードを起動して、接続先ノードと接続します。
  1. あらかじめ新規ノード用の設定ファイルを作成し、マスターに装着したUSBメモリー内の任意のディレクトリーに格納しておきます。設定ファイルには、AMFの初期設定だけでなく、新スイッチの運用に必要なすべてのコマンドが記述されているものとします。
    ここでは、設定ファイルをFSW243.cfgという名前で作成し、USBメモリーの/configディレクトリーに置いたものと仮定します。

    AMFの初期設定については、導入編の「メンバーの初期設定」をご参照ください。

  2. 新規ノードを起動します。

  3. 接続先ノードであるマスターのポート1.1.3と、新規ノードのポート1.0.1を接続します。

    すると、マスターのコンソールに、新規ノードがJoin(AMFネットワークに参加)したことを示すメッセージが出力されます。

    21:09:23 SBx81 ATMF[1946]: host_eccd_6d82_6b3d has joined. 5 members in total.
    

    新規ノードはノード名が未設定のため、MACアドレスを元にした「host_eccd_6d82_6b3d」という名前で動作していることがわかります。

  4. マスターのCLIから、show atmf nodesコマンドでノード情報を確認します。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      host_eccd_6d82_6b3d  x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 5
    


  5. AMFリモートログイン機能(atmf remote-loginコマンド)を使って新規ノードにログインします。
    このとき、userパラメーターで初期設定の管理者ユーザー名であるmanagerを指定してください。こうすることにより、マスター側でmanagerのパスワードを変更していても、新規ノードにログインできます。

    SBx81# atmf remote-login user manager host_eccd_6d82_6b3d
    Type 'exit' to return to SBx81.
    manager@172.31.0.5's password: friend ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    awplus> 
    


  6. マスターのUSBメモリーに格納されているFSW243用のコンフィグファイルとファームウェアを新規ノードにダウンロードします。

    awplus> enable
    awplus# copy SBx81.atmf/usb:/config/FSW243.cfg flash:/default.cfg
    Copying...
    Successful operation
    
    awplus# copy SBx81.atmf/usb:/fw/x510-5.4.4-2.9.rel flash
    Enter destination file name[x510-5.4.4-2.9.rel]: 
    Copying...
    Successful operation
    
    awplus# dir
     20570492 -rwx Jan 24 2013 21:40:11  x510-5.4.4-2.9.rel
         1263 -rwx Jan 24 2013 21:38:31  default.cfg
     20570305 -rw- Jan 22 2013 19:49:12  x510-5.4.4-2.8.rel
    

    Note - 5.4.4-2.8と5.4.4-2.9は説明上使用している架空のファームウェアです。本マニュアル作成時点では実在しませんのでご注意ください。

  7. ダウンロードしたファームウェアを通常起動時のファームウェアに、現在のファームウェアをバックアップ用ファームウェアに設定します。

    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# boot system x510-5.4.4-2.9.rel
    awplus(config)# boot system backup x510-5.4.4-2.8.rel
    awplus(config)# end
    


  8. 新しいファームウェアとコンフィグで再起動します。
    再起動にともない新規ノードがAMFネットワークから脱退するため、リモートログインセッションが切断され、マスターのローカルプロンプトに戻ります。

    awplus# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    21:40:55 SBx81 ATMF[1946]: host_eccd_6d82_6b3d has left. 4 members in total.
    SBx81# 
    


  9. 新規ノードが再起動を完了し、新しいノード名で再参加してきたことは、マスターのコンソールに次のメッセージが表示されることでわかります。

    21:42:32 SBx81 ATMF[1946]: FSW243 has joined. 5 members in total.
    


  10. マスターのCLIから状態を確認します。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW243               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 5
    

    FSW243がAMFネットワークに参加していることを確認できます。
    これ以降、マスターのCLIから、ワーキングセット機能を用いて新規ノードFSW243の設定や状態監視が可能です。

オートリカバリー失敗時の手動リカバリー

なんらかの理由によりオートリカバリーが動作しなかったり、失敗したときでも、AMF自動検出メカニズムによってAMFネットワークに参加できていれば、atmf recoverコマンドを用いた手動によるリカバリーが可能です。

以下では、運用編の「メンバーの交換(オートリカバリー)」でオートリカバリーに失敗した場合を例に、手動リカバリーの手順を説明します。
  1. 代替機のコンソールターミナル、または、LED表示(代替機の機種や拡張モジュールによっては行われない場合があります。詳細はatmf recover led-offコマンドのページをご覧ください)によってオートリカバリーの失敗を確認した場合は、マスターのCLIからshow atmf nodesコマンドでノード情報を確認し、該当ノードがAMFネットワークに参加していることを確認します。

    以下の例では、代替機のノード名が未設定のため、MACアドレスを元にした「host_eccd_6d82_6b34」という名前でAMFネットワークに参加していることがわかります。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      host_eccd_6d82_6b34  x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 4
    


  2. AMFネットワークに参加できている場合は、代替機のCLIから手動リカバリーが可能です。
    AMFリモートログイン機能(atmf remote-loginコマンド)を使って代替機にログインしてください。
    このとき、userパラメーターで初期設定の管理者ユーザー名であるmanagerを指定してください。こうすることにより、マスター側でmanagerのパスワードを変更していても、代替機にログインできます。
    また、リモートログイン機能ではconsoleログが表示されるため、オートリカバリーの進捗をリアルタイムに確認でき便利です。

    SBx81# atmf remote-login user manager host_eccd_6d82_6b34
    Type 'exit' to return to SBx81.
    manager@172.31.0.4's password: friend ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    awplus> 
    


  3. atmf recoverコマンドを実行して、マスターに装着されたUSBメモリー内のバックアップファイルから代替機の内蔵フラッシュメモリーの内容を手動でリカバリーします。
    代替機の機種や拡張モジュールによっては、ポートLEDの表示によってリカバリー実行中であることが示されます(詳細はatmf recover led-offコマンドのページをご覧ください)。

    awplus> enable
    awplus# atmf recover ESW231
    This command will erase ALL flash contents.  Continue node recovery? (y/n)y
    
    Manual node recovery successfully initiated
    
    16:56:00 awplus ATMFFSR[4283]: Retrieving recovery data from master node SBx81
    16:57:47 awplus ATMFFSR[4283]: Manual node recovery completed
    


  4. リカバリーが完了したら、再起動します。
    再起動にともない代替機がAMFネットワークから脱退するため、リモートログインセッションが切断され、マスターのローカルプロンプトに戻ります。

    awplus# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    17:00:21 SBx81 ATMF[1958]: host_eccd_6d82_6b34 has left. 3 members in total.
    SBx81# 
    


  5. 新スイッチが再起動を完了し、新しいノード名で再参加してきたことは、マスターのコンソールに次のメッセージが表示されることでわかります。

    17:01:59 SBx81 ATMF[1958]: ESW231 has joined. 4 members in total.
    


  6. マスターのCLIから状態を確認します。

    SBx81# show atmf nodes
    
    Node Information:
    
      * = Local device
    
     SC = Switch Configuration:
      C = Chassis   S = Stackable   N = Standalone
    
      Node                 Device             ATMF                             Node
      Name                 Type               Master  SC  Parent               Depth
    --------------------------------------------------------------------------------
    * SBx81                AT-SBx81CFC400       Y     C   none                  0
      FSW242               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      FSW241               x510-28GTX           N     S   SBx81                 1
      ESW231               x510-52GTX           N     S   FSW242                2
    
     Current ATMF node count 4
    

    ESW231がAMFネットワークに参加していることを確認できます。

AT-DC2552XS/x510/x610のスタックポートをAMF接続ポートとして使用している場合の手動リカバリー

AT-DC2552XS、x510/x610シリーズにおいて、スタックポート(AT-DC2552XSのQSFP+スロット、x510の本体スタックポート、または、x610のスタック/ポート拡張兼用モジュールAT-x6EM/XS2)を通常ポートに設定し、AMFリンクとして使用している場合はオートリカバリーが動作しません。
スタックポートを通常ポートとして動作させるにはVCS無効化の設定(「no stack enable」)が必要ですが、この設定が入ることで「AMFクリーン状態」でなくなり、オートリカバリーの前提条件であるAMF自動検出メカニズムが働かなくなるためです。
この場合は、以下の手順にしたがって、手動でリカバリーを実施してください。

以下では、リカバリー対象ノードのノード名を「FSW245」、機種をAT-x510-28GTXとし、バックアップ済みと仮定します。
  1. 代替機を起動してコンソールターミナルからログインしたら、VCSを無効化し、スタックポートを通常ポートとして使えるようにします。これには、stack enableコマンドをno形式で実行します。スタックメンバーIDは、x510の場合は装置前面のステータスLEDで、x610の場合はshow stack indicatorコマンド実行後のMASTER LED(ステータスLED)の点滅回数で確認できます。

    awplus login: manager 
    Password: XXXXXXXX ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# no stack 1 enable
    Warning: this will disable the stacking hardware on member-1.
    Are you sure you want to continue? (y/n): y 
    14:50:41 awplus VCS[752]: Deactivating Stacking Ports at location 1.0
    


  2. ネットワーク名を設定します。これにはatmf network-nameコマンドを使います。
    ネットワーク名は、同一AMFネットワークを構成するすべてのノードに同じ名前を設定する必要があります(マスターと異なるネットワーク名を設定したメンバーはAMFネットワークに参加できません)。また、ネットワーク名は大文字小文字を区別するので、その点にもご注意ください。

    awplus(config)# atmf network-name AMF001
    % Warning: the new atmf network name will not become effective until the unit reboots.
    


  3. VCS無効化とAMFネットワーク名の設定を有効にするため、設定をスタートアップコンフィグに保存し、再起動します。

    awplus(config)# end
    awplus# write memory
    Building configuration...
    [OK]
    awplus# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    


  4. 再起動後にログインしたら、通常ポートに設定したスタックポートをAMFリンクに設定します。これには、switchport atmf-linkコマンドを使います。

    awplus login: manager 
    Password: XXXXXXXX ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# interface port1.0.27
    awplus(config-if)# switchport atmf-link
    


  5. AMFネットワークへの参加を確認したら、atmf recoverコマンドを実行して手動リカバリーを実行します。
    代替機の機種や拡張モジュールによっては、ポートLEDの表示によってリカバリー実行中であることが示されます(詳細はatmf recover led-offコマンドのページをご覧ください)。

    awplus(config-if)# end
    awplus# atmf recover FSW245
    This command will erase ALL flash contents.  Continue node recovery? (y/n) y 
    
    Manual node recovery successfully initiated
    
    17:39:12 SBx81 ATMFFSR[5594]: Retrieving recovery data from master node SBx81
    17:39:32 SBx81 ATMFFSR[5594]: Manual node recovery completed
    


  6. リカバリー処理が完了したら、もう一度再起動します。

    awplus# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    


AMF仮想リンクを使用しているノードの手動リカバリー

AMF仮想リンク(atmf virtual-link)でAMFネットワークに接続しているノードでは、AMFネットワークへの接続にIPの基本設定と仮想リンクの設定が必要なため、オートリカバリーが動作しません。

AMF仮想リンクを使用しているノードを交換するときは、以下の手順にしたがって、手動でリカバリーを実施してください。

以下では、リカバリー対象ノードを「BR101」(10.10.10.1)、仮想リンクの接続先を「HQ001」(10.1.1.1)とした場合の手動リカバリー手順を説明します。「BR101」はバックアップ済みと仮定します。
(構成図は「AMF仮想リンクによるワイドエリアAMFネットワーク」を参照)
  1. 代替機を起動し、交換前と同じポートにケーブルを接続したら、コンソールターミナルからログインし、仮想リンクの接続先である「HQ001」とIPv4による通信を行うために必要な最小限の設定をします。

    awplus login: manager 
    Password: XXXXXXXX ↓(実際には表示されません)
    
    AlliedWare Plus (TM) 5.4.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
    awplus(config)# interface vlan1
    awplus(config-if)# ip address 10.10.10.1/24
    awplus(config-if)# exit
    awplus(config)# ip route 0.0.0.0/0 10.10.10.32
    


  2. ネットワーク名を設定します。これにはatmf network-nameコマンドを使います。
    ネットワーク名は、同一AMFネットワークを構成するすべてのノードに同じ名前を設定する必要があります(マスターと異なるネットワーク名を設定したメンバーはAMFネットワークに参加できません)。また、ネットワーク名は大文字小文字を区別するので、その点にもご注意ください。

    awplus(config)# atmf network-name AMF001
    % Warning: the new atmf network name will not become effective until the unit reboots.
    


  3. atmf virtual-linkコマンドでAMF仮想リンクを設定します。

    awplus(config)# atmf virtual-link id 1 ip 10.10.10.1 remote-id 1 remote-ip 10.1.1.1
    

    Note - ここまでの設定は、手動リカバリーを動作させることだけを目的とした仮のものです。リカバリー後は、バックアップされていた本来の設定で動作します。

  4. 仮のAMF設定を有効にするため、設定をスタートアップコンフィグに保存し、再起動します。

    awplus(config)# end
    awplus# write memory
    Building configuration...
    [OK]
    awplus# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    


  5. 再起動後、AMFネットワークへの参加を確認したら、atmf recoverコマンドを実行して手動リカバリーを実行します。
    代替機の機種や拡張モジュールによっては、ポートLEDの表示によってリカバリー実行中であることが示されます(詳細はatmf recover led-offコマンドのページをご覧ください)。

    awplus# atmf recover BR101
    This command will erase ALL flash contents.  Continue node recovery? (y/n) y 
    
    Manual node recovery successfully initiated
    
    17:39:12 SBx81 ATMFFSR[5594]: Retrieving recovery data from master node SBx81
    17:39:32 SBx81 ATMFFSR[5594]: Manual node recovery completed
    


  6. リカバリー処理が完了したら、再起動します。

    awplus# reboot
    reboot system? (y/n): y 
    



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