<前頁 次頁> << >> 目次 (番号順 (詳細)回線別 (詳細)機能別 (詳細)

CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #73

OSPF基本設定例


リンクステート型のダイナミックルーティングプロトコルOSPF(Open Shortest Path First)の基本設定例です。専用線によるIP2点間接続の構成例をもとに解説します。

OSPF(Open Shortest Path First)は、IGP(Interior Gateway Protocol)に分類されるルーティングプロトコルの1つです。同じIGPに分類されるRIP(Routing Information Protocol)がネットワーク全体をフラットなものとして扱うのに対し、OSPFではネットワークをエリアと呼ばれる小さな単位に分割して、ルーティング情報をエリアごとに管理できる点が特徴です。各エリアはバックボーンと呼ばれる特殊なエリアを介して結ばれており、各エリアのルーティング情報はバックボーンエリアに接続されたエリア境界ルーター(ABR)間で交換されます。OSPFで用いられるルーティング方式は、リンクステートアルゴリズムといいます。リンクステートとは接続情報という意味で、この情報を交換することによりルート情報を登録します。

ここでは、次のようなネットワーク構成を例に、OSPFの基本設定について解説します。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
TDMグループ名 REMOTE REMOTE
回線速度 128Kbps 128Kbps
WAN側物理インターフェース bri0 bri0
WAN側(ppp0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24



ルーターAの設定

  1. 専用線の設定を行います。


  2. PPPインターフェースを作成します。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  5. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  6. OSPFのバックボーンエリア(0.0.0.0)を作成します。


  7. バックボーンエリアに所属するIPアドレスの範囲を設定します。


  8. バックボーンエリアに所属するルーターインターフェースを設定します。


  9. OSPFを有効にします。


  10. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターBの設定

  1. 専用線の設定を行います。


  2. PPPインターフェースを作成します。


  3. IPモジュールを有効にします。


  4. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  5. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  6. OSPFのバックボーンエリア(0.0.0.0)を作成します。


  7. バックボーンエリアに所属するIPアドレスの範囲を設定します。


  8. バックボーンエリアに所属するルーターインターフェースを設定します。


  9. OSPFを有効にします。


  10. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=REMOTE INT=bri0 SLOTS=1-2
CREATE PPP=0 OVER=TDM-REMOTE
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD OSPF AREA=0.0.0.0
ADD OSPF RANGE=192.168.100.0 MASK=255.255.255.0 AREA=0.0.0.0
ADD OSPF RANGE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 AREA=0.0.0.0
ADD OSPF INT=eth0 AREA=0.0.0.0
ADD OSPF INT=ppp0 AREA=0.0.0.0
ENABLE OSPF


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
SET BRI=0 MODE=TDM ACTIVATION=ALWAYS TDMSLOTS=1-2
CREATE TDM GROUP=REMOTE INT=bri0 SLOTS=1-2
CREATE PPP=0 OVER=TDM-REMOTE
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD OSPF AREA=0.0.0.0
ADD OSPF RANGE=192.168.100.0 MASK=255.255.255.0 AREA=0.0.0.0
ADD OSPF RANGE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 AREA=0.0.0.0
ADD OSPF INT=eth0 AREA=0.0.0.0
ADD OSPF INT=ppp0 AREA=0.0.0.0
ENABLE OSPF





CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #73

Copyright (C) 1997-2003 アライドテレシス株式会社

PN: J613-M0507-00 Rev.G

<前頁 次頁> << >> 目次 (番号順 (詳細)回線別 (詳細)機能別 (詳細)